服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ベラルーシ

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 12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで、ユーラシア経済連合と、CIS集団安保機構の首脳会合が開かれた。しかし、こちらこちらなどが伝えているように、経済・軍事両面でロシアの緊密な統合パートナーであるはずのベラルーシから、ルカシェンコ大統領が出席せず、物議を醸している。その背景には、石油ガス問題を筆頭とするベラルーシ・ロシア間の対立点があると推察されている。ルカシェンコ大統領の欠席に関し、ロシア側のペスコフ大統領領報道官は、それが討議の妨げになることはない、本日調印される文書はすでに完全にベラルーシ側の合意が得られているものだなどと発言し、影響がないことを強調した。


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 こちらに、RIAノーヴォスチによる2016年のNIS諸国の主要ニュースというものが出ている。基本的に各国1ネタという感じになっている。項目だけ箇条書きにすると、以下のとおり。

  • ウズベキスタンでカリモフ氏死去し新大統領選出。
  • モルドバで秋に政権交代、親ロシア路線に転換か。
  • ジョージア議会選、サアアシヴィリ元大統領の帰還には繋がらず。
  • ロシアで収監されていたサウチェンコ議員が5月にウクライナに帰国。
  • ナゴルノカラバフで4月に戦闘再燃。
  • カザフスタン、テロと首相交代に揺れる。
  • タジキスタン国民投票、ラフモン一族の「王朝化」に道開く。
  • アゼルバイジャン国民投票、副大統領制など導入する憲法改正を可決。
  • ベラルーシでデノミ実施、硬貨も導入。
  • キルギスで9月に世界遊牧民競技大会。

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 こちらによれば、ミハイル・ミャスニコヴィチ・ベラルーシ上院議長(元首相)が同国唯一のタイヤメーカーであるベルシナ社を訪問した際に、ロシア・メーカーによるベラルーシへのタイヤ輸出攻勢に苦言を呈する場面があった。ミャスニコヴィチ議長いわく、ロシア・メーカーによる不公正な競争により、ベルシナが損失を被っている。ロシア・メーカーには、ベラルーシのそれに比べて、エネルギーおよび原料を安く供給する決定がなされており、結果ベラルーシ側が不利に立たされている。ロシア・ベラルーシの共同市場にもかかわらず、競争条件が不平等となっている。タイヤだけでなく、多くの項目において、両国は接近するというよりも、乖離していっている。困難な局面で、一国だけで生き残ろうとするのは、正しくない。ベラルーシ・ロシアの連合国家、またユーラシア経済連合の枠内で、いかにして協調経済政策を実施すべきか、我々は政府と共同で新しいアプローチを検討している。保護主義の措置はすべて、協調的なものであるべきである。保護主義は許容できるが、単一経済空間のパートナーの利益を損なうものであってはならない。競争はあって当然だが、公正なものであるべきだ。ミャスニコヴィチ議長は以上のように述べた。


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 こちらの記事が、ベラルーシの主要輸出品であるカリ肥料の市場動向について伝えている。ベラルーシのミハイル・ルスィ副首相が、議会に出席してジャーナリストの質問に答えた。それによれば、カリ肥料の価格は安定に転じ、若干上昇する気配も見せている。現時点で、ベラルーシカリ社の稼働率は95%である。2015年のカリ肥料の輸出量は920万t(前年比3.1%減)、2016年は900万tになると見られる。2016年上半期は不振で、輸出量が前年同期比で22%減、金額ベースでは3分の1もの減であった。カリ肥料の輸出関税は当初1t当たり55ユーロに設定されていたが、市場低迷を背景に10月1日から12月31日までは45ユーロに引き下げられた経緯がある。2017年国家予算は同55ユーロで編成されており、カリ肥料業界側は市場低迷を理由にその引き下げを求めていた。こうしたこともあり、市況が改善し始めたことは喜ばしい。ルスィ副首相は以上のように発言した。


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 全然大した情報ではないけれど、2015年のベラルーシの貿易相手国の順位をまとめる用事があったので、せっかくだから作成した表をお目にかける。出所はベラルーシ統計局。言うまでもなく、ベラルーシにとって最大の貿易相手国はロシアであり、以下ウクライナ、中国、英国、ドイツなどと続く。日本は、自動車の輸出などは行われているが、はっきり言ってベラルーシから買うものがないので、ベラルーシ貿易ランキングにおける順位は43位止まりであり、シェアも0.2%にすぎない。

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 こちらのサイトに見るように、ロシアの世論調査機関「VTsIOM」がロシア国民のCIS諸国についての意識を調査し、その結果が発表された。1.CIS諸国のうち、どの国が最も安定・成功していると思うか? 2.どの国がロシアの頼りになるパートナーか? 3.ロシア語話者の権利が守られている国はどこか? 4.それらの国の大統領のうち、最も信頼できるのは誰か? という、4つの設問が示されている。その結果、4つの設問とも、だいたい同じような回答傾向である。容易に想像できるように、ロシア国民はベラルーシ、カザフスタンというユーラシア経済連合のパートナー諸国を高く評価し、ウクライナに対しては厳しい評価を示している。

 「どの国がロシアの頼りになるパートナーか?」という設問では、3つまでの複数回答で、ベラルーシ66%、カザフスタン55%と続き、ウクライナは最下位の2%だった。

 「どの大統領を信頼するか?」という設問では、やはり3つまでの複数回答で、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領65%、ナザルバエフ・カザフスタン大統領54%と続き、ポロシェンコ・ウクライナ大統領が最下位の2%だった。

 今回の調査結果については、早速ベラルーシ大統領府機関紙のサイトが、慶事として伝えている。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2017年1月号の中身を、例によって編集長特権で、どこよりも早くご紹介。2016年12月は、1991年12月のソ連邦解体から四半世紀という、大きな節目になります。そこで今号では、「ソ連解体から四半世紀を経たロシア・NIS」という特集をお届けしております。その際に、今号のポリシーは、ロシア・NISのすべての国々を、例外なく個別のレポートで取り上げるというものです。調べたわけではありませんが、旧ソ連のすべての国をこれだけ詳しく個別に論じるのは、日本の雑誌としては、おそらく初めてではないでしょうか。私自身は、「農業・食品産業から読み解くベラルーシ」というレポートを執筆し、『バルト三国の歴史 ―エストニア・ラトヴィア・リトアニア 石器時代から現代まで』の書評も担当。12月20日発行予定。


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 今年前半に発生した石油・ガスをめぐるロシアとベラルーシの不和は、何度か和解が伝えられたものの、結局完全には解消されないまま越年しそうな雰囲気である。

 こちらの記事によると、現在ベラルーシがロシアに供給しているガソリンの量は、両国の合意の水準を満たしていないとして、このほどロシア・エネルギー省のキリル・モルドツォフ次官が苦言を呈した。

 一方、こちらの記事によると、ロシアは経済発展省が策定した2017年以降の経済見通しにもとづき、2017年にはベラルーシから100万tのガソリンを輸入することを希望している。ロシア経済発展省の推計では、2016年の輸入量は58.4万tとなる見通しである。ロシア経済発展省による油価40ドルを前提とした基礎シナリオでは、ロシアは2017年に2,500万tの原油を、2018~2019年には2,400万tの原油をベラルーシに供給することになる。より高い油価48ドルのシナリオでは、2017~2019年のベラルーシへの原油供給量は年間2,400万tとなる。その際にロシアは、原油供給を、その後のベラルーシによるガソリン供給とリンクさせている。ところが現時点ではベラルーシがガソリン供給義務を履行していないので、ロシアからの原油供給は2016年1Qには580万t、2Qには570万t、3Qには350万tに留まった。ベラルーシが10月にガス債務を支払ったことで、原油供給は500万tに回復すると見られる。


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 少々込み入った話になるが、こちらに、ユーラシア経済連合諸国間の自動車リサイクル税二重払いの問題についての記事が出ている。これによると、たとえばベラルーシのトラック運送業者がロシアに子会社を設立し、既存の車両をその子会社に移管しようとすると、ロシアで車両リサイクル税を支払わなければならない。新車をベラルーシで登録した際にすでにリサイクル税を払っているのに、共同市場であるはずのロシアに車両を移しただけで、「中古車を購入した」という扱いになり、再び支払義務が発生するというのである。これについてベラルーシの企業団体はこのほど、リサイクル税の徴収に関しユーラシア諸国間で相殺方式を導入するべきだと主張した。


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 こちらの記事によると、このほどベラルーシ中央選挙管理委員会のリジヤ・エルモシナ委員長は、大統領および下院議員の任期を延長するための国民投票を実施することも一案というような発言をした。ベラルーシ自由民主党(注:お金目当ての翼賛勢力として悪名高い)が、2018年の地方議会選挙と同日に全国国民投票を実施することを提案しており、それに関してエルモシナ委員長がコメントした形。エルモシナ委員長いわく、私には政治的決定を下す権限がないので、それに関する明確な立場があるわけではないが、国民投票の実施に関する提案自体は、何ら国際的な慣行に反するものではない。そして、それを実施するとしたら、一定程度、社会の安定に資することになり、選挙の費用も若干節約できるだろう。エルモシナ議長は以上のように述べた。


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 こちらのサイトこちらの記事によれば、欧州議会は11月24日、ベラルーシの現状を批判する決議を採択した。賛成468、反対21、棄権93だった。決議によれば、ベラルーシでは1994年以来、自由で公正な選挙は実施されておらず、2015年大統領選および2016年議会選も不満足なものだった。経済の基幹部門は依然として国の管理下に置かれている。2000年以降、新たな政党の登録はなく、野党に対する新手の抑圧や収監が行われている。建設が進められているオストロヴェツの原発についても安全が不安視される。ベラルーシはこうした政策を停止し、民主的・市民的な原則を旨とすべきであり、欧州対外行動局および欧州委員会はベラルーシ内外の市民組織への支援を継続すべきだ。決議は以上のようにうたっている。


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 ベラルーシとEUの関係に関する記事が2本ほど目に止まったので、メモしておく。

 こちらによると、先日アルメニアのエレヴァンで東方パートナーシップ諸国による非公式な外相会合が開催され、ベラルーシからはエヴゲーニー・シェスタコフ外務次官が参加した。その席でベラルーシは、東方パートナーシップの枠内で運輸・エネルギーの協力を活発化させることを提唱した。

 こちらによると、このほどベラルーシのルカシェンコ大統領がEU代表団と面談した。ルカシェンコはこの席で、本年2月に政治制裁が解除されたことに続いて、ベラルーシ商品のEU市場へのアクセス制限も撤廃されることを期待している、しかしEUはいまだに一連のベラルーシ商品に制限を残しており、特に我が国にとっては繊維製品の制限が最もデリケートだ、ベラルーシ商品への門戸が開かれることは我が国の経済的独立性に大いに資することになる、またIMFがベラルーシに融資を実行してくれるよう大口出資者のEUが働きかけてくれるとありがたい、等と自国の立場を述べた。


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 東芝が白物家電事業を売却することになった相手としても話題になった中国の「美的集団」という家電大手がある。英語ではMideaというブランドだが、読み方がミデアなのかマイディアなのか、両方入り乱れていて良く分からない。

 そのMideaはロシアでは今のところ販売だけで、現地生産は行っていないようである。CIS諸国では唯一、ベラルーシに電子レンジ工場がある。ベラルーシの名門テレビメーカーである「ゴリゾント」との合弁で2007年に「ミデア・ゴリゾント」という有限会社を設立し、ミンスク経済特区で電子レンジを生産している。ミデア、ゴリゾント両ブランドの電子レンジだけでなく、Daewoo、Bosch、シャープ、パナソニックといった外国ブランド製品のOEM生産も手掛けている。

 それで、先日当ブログでは、パナソニックのテレビがベラルーシで組立生産されることになったという話題をお伝えした。ただ、その時にはパナソニック現地法人の代表者は、具体的にベラルーシのどの工場に生産を委託するかは、明らかにしていなかった。

 その後目にしたこちらの記事は、パナソニックの幹部が「これが当該企業との初めての協力ではない」と語っていることに着目し、これまでも電子レンジの生産を委託してきたミデア・ゴリゾントにテレビの生産も任せるのではないか、とのニュアンスで報じている。(ただし、ざっと情報を探ってみた限り、ミデア・ゴリゾントはこれまでは電子レンジ以外の生産実績はない模様であり、新たにテレビも組み立てるとなれば、それなりの準備や投資が必要だろう。)


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 こちらこちらの記事によると、ベラルーシとロシアがエネルギー供給関係で揉めて、ベラルーシが独自の石油供給源を模索した結果、久し振りにアゼルバイジャン産の原油がベラルーシにもたらされたようである。先日アゼルバイジャンのSOCAR系トレーダーの販売した原油8万4,700tが、ジョージアのスプサ港~ウクライナのオデッサ港と海上輸送され、そこから鉄道でベラルーシ南部のモズィリ製油所まで運ばれた由である。そして、ベラルーシのベルネフチェヒムと、ウクライナのウクルトランスナフタが、今後の協力関係につき年末までに条件を詰めることになった。それには、ウクライナの原油をベラルーシの製油所で委託加工すること、ベラルーシ向けの原油輸送にウクライナの石油輸送システムを活用することなどが含まれる、という。


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 こちらによれば、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、CIS諸国の政府首脳らとの会見の席で、ベラルーシはユーラシア経済連合の共同エネルギー諸市場(具体的には天然ガス市場、石油市場のこと)の立ち上げが2025年とあまりに遅すぎることに不満を抱いていると表明した。なお、共同エネルギー市場創設のコンセプトは、2016年5月31日に5ヵ国で承認されている。それとは別に、石油ガスをめぐってロシアと対立していたベラルーシは、その解決の見返りとして、ベラルーシ・ロシア二国間で近日中に共同電力市場創設に関する協定に調印し、それを2019年7月から始動させることに同意を余儀なくされた。現在のところ、ロシアとの電力格差が大きいが、協定によってベラルーシの電力会社、国民、産業にどのような影響が及ぶか、不透明となっている。


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 統計を調べていたら、CIS諸国の中で、アゼルバイジャンとベラルーシが、砂糖(HS1701)輸出の双璧だということに気が付いた。輸出ということで言えば、テンサイ(サトウダイコン)の産地というイメージの強いロシア、ウクライナ、モルドバあたりよりも、この2カ国の方がずっと上である。ベラルーシの砂糖産業は知っていたけど、アゼルバイジャンは認識外だったなあ。

 ただし、やや古いがこちらの記事によると、アゼルバイジャンはサトウキビ由来の原料糖を輸入し、それを精糖に加工して輸出するというビジネスのようだ。そして、ベラルーシもサトウキビ由来の原料糖を輸入しているという(ただしベラルーシの場合は輸入原料糖に加え、自国で採れたテンサイも原料にしているはず)。

 同じ記事で興味深いくだりは、サトウキビを原料とする精糖工場とテンサイを原料とする精糖工場には違いがあり、前者がサトウキビを絞った残りカスを燃やして燃料として使えるのに対し、テンサイではそのような利用が不可能という話である(いずれの砂糖工場も蒸気と電力を大量に使うため自家発電をしている)。


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 最近自動車産業のことを集中的に調べて、遅ればせながら認識するに至ったのは、ベラルーシ最大規模の企業であるミンスク自動車工場(MAZ、大型トラックおよびバスを生産)の経営状況が非常に深刻だということである。主力のロシア市場で景気が冷え込んでいる上に、ユーラシア経済連合発足で逆に輸出条件も悪化しており、このことがMAZの生産激減に繋がっている(先日のエントリーでトラック生産の減少参照)。普通の国なら、とうに倒産しているレベルである。問題は、MAZの従業員数が上図に見るとおり2万人近くに上ることで(図はベラルーシ財務省資料にもとづき服部作成)、当国最大の雇用がかかっているわけである。サプライヤーも含めれば、ざっと10万人ほどがMAZの関係で仕事をしていると言われている。

 それで、MAZは同じく大型トラックメーカーであるロシアのKamAZとの経営統合を模索していたが、条件が折り合わすに2015年に棚上げになった経緯がある。ようやく本題に入ると、こちらのニュースによれば、KamAZが所在するロシア・タタルスタン共和国のルスタム・ミンニハノフ首長はこのほど、KamAZとMAZは商品ラインナップを棲み分けるべきではないかと問題提起した。商品ラインナップがほとんど被っているので、お互いの言い分を聞きながらそれぞれの分担を決めるべきであり、その気になれば現実的だと、ミンニハノフは述べた。


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 ベラルーシでルカシェンコ大統領の経済補佐官を務めていたキリル・ルディという人物がいた(上掲写真)。ルカシェンコの補佐官のわりには、ルカシェンコ経済体制の限界や問題をあけっぴろげに論じていた専門家であり、この人を見ると、「ベラルーシでは、ルカシェンコを名指しで非難したりしない限り、思想や言論はかなり自由なんだな」ということを強く感じる。それで、これは個人的に見落としていたニュースだったのだが、そのルディ氏、2016年7月に補佐官の職を解かれ、駐中国大使に転身したということである。普通、補佐官から大使になったら、左遷的なニュアンスが生じるわけだが、駐中国大使ということは、経済協力の橋渡し役ということであり、むしろ手腕を買われての起用なのかもしれない。


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 こちらの記事によると、ロシアとベラルーシによるカリ肥料販売の共同戦線形成に向けた交渉は、いったん中断ということになった。しかし、ロシアのウラルカリ社側は、お互いの利益のために引き続き妥協を探っていきたいとしている。ロシアのウラルカリ社とベラルーシのベラルーシカリ社は、かつて共同販売会社「ベラルーシカリ会社(BKK)」を設立していたが、2013年半ばにその体制が崩壊した。それ以来、両社はパートナーから、ライバル関係となり、「販売量よりも価格維持を重視」という業界の不文律も破られることになった。破断から半年後にウラルカリのオーナーが変わり、ドミトリー・マゼピンが社長に就任すると、ベラルーシのルカシェンコ大統領は関係修復の可能性に再三触れるようになった。マゼピンによると、ルカシェンコと何度か面談したが、ベラルーシ側は共同販売会社を再興し、それをベラルーシに登記すると主張している。我が社としてはベラルーシに移転してベラルーシに納税し、ベラルーシの役人に経営を委ねるわけにはいかないと、マゼピンは述べた。なお、オネクシム・グループのミハイル・プロホロフは本年夏に、ウラルカリの自らの持ち株をベラルーシ人のドミトリー・ロビャクに売却しており、ロビャクはマゼピンの旧友である。


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 引き続き、個人的な事情で自動車の話題ばかりなのだけれど、ベラルーシの自動車生産台数をグラフにすると、上図のようになる。ベラルーシにはソ連時代から自動車産業が立地しており、なおかつ現在でもそれが当国の主産業として残っているが、乗用車生産は基本的に行われず、トラック・バスに特化しているのが、ベラルーシの際立った特徴だった。しかし、近年になって、中国Geelyとの提携による自動車組立生産が始まり、2014~2015年には年間1万台近い乗用車生産を達成した。その一方で、ロシアを主力販売市場とする貨物自動車の方は、同国の景気後退が響いてか、3年連続で大幅減を記録している。かくして、ベラルーシの歴史の中で2015年は、初めて乗用車の生産台数が貨物自動車のそれを上回った年になったわけである。ただ、言うまでもなく、乗用車の方が単価がずっと安く、しかも現状は単純なセミノックダウン生産にすぎないので、経済効果はたかが知れている。単価や付加価値が数倍大きいはずの貨物自動車の生産を立て直すことが急務だろう。


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 こちらの記事が、少々風変わりな話題を伝えている。ベラルーシでは、独自モデルの乗用車生産などは行われていないが、それでも自動車生産関連でいくつかの注目すべき成果を達成しているというのである。

 その一つに挙がっているのが、上掲の写真に見る世界最大の自動車(ダンプカー)。ベルアズ(BelAZ)ことベラルーシ自動車工場が生産したもので、最大積載量450tを誇り、実際に積載量と車体の大きさの2つの項目でギネスブックにも掲載されている模様だ。

 また、下に見る写真は、ベルコムンマシ(ベラルーシ公営事業機械)という会社が最近発表した電気バスだそうである。個人的に、電気バスの技術的難易度や市場性などについては不案内だが、ベラルーシのメーカーがこうした製品を開発しているというのは初めて知った。

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 こちらの記事によれば、ロシアのタバコ販売市場では2016年第3四半期現在で、ロシアの物品税を支払っていない非合法の商品の割合が7%に達し、これは前年同期から倍増している。そして、非合法タバコの3分の1は、ベラルーシ産である。問題は、ユーラシア経済連合で物品税が共通化されていないこと、またベラルーシのグロドノ・タバコ工場の生産能力がベラルーシの内需よりも大きいことである。その結果、同社のFest、NZ、Minskといったブランドが、ロシアの闇市場の人気銘柄となっている。ロシアの低価格帯の正規品が1箱75ルーブル程度なのに対し、ベラルーシの非正規品は40~50ルーブルで売られている。また、最近では新たにユーラシア経済連合に加入したキルギスからの非合法商品の流入も急増している。


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 こちらの記事によると、10月13~14日とベラルーシのミンスクで、ベラルーシ外務省と駐ベラルーシEU代表部による通商対話の第1ラウンドが開催されており、13日には対話再開に関する合意文書が調印されたということである。参加したベラルーシ側のアンドレイ・エヴドチェンコ外務第一次官は、当然我々としては今回の合意文書の調印で終わるつもりはなく、今後さらに通商協定のの調印まで進みたい、それは個別の通商協定かもしれないし、新たなパートナーシップ・協力条約の一部という形になるかもしれない、などと述べた。今後、年に2回のペースで協議が行われる予定になっている。


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 当ブログでは「宣戦布告なき石油・ガス戦争」なんて記事を3回にわけてお届けしたが、どうやらベラルーシとロシアの対立は収束に向かったようである。こちらの記事によると、天然ガス価格について折り合ったことを、両国政府がそれぞれ明らかにした。もっとも、合意内容については言い分に食い違いがあり、ロシアが価格の値引きはないと発表したのに対し、当初ベラルーシは値引きが適用されると説明した。その後ベラルーシ側は、値引きという話は取り下げ、価格は現状維持であると認めたが、両国間である種の補償が行われると付言した。この点以外については、双方一致しており、ベラルーシはガス債務を解消する、ロシアは輸出関税なしでの原油供給を再開する、ベラルーシは石油トランジット料の一方的な引き上げは行わない、という内容とされる。


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 ちなみに、前の記事で、ロシア全国紙の報道というのは、こちらのことである。

 記事の中でベラルーシに関係した部分だけ要旨をまとめておくと、大統領府長官から自然保護・環境・運輸問題大統領特別代表に就任したセルゲイ・イヴァノフ氏の主宰で、石油の輸出問題に関する会議が開催され、ロシアの石油製品輸出をバルト3国およびウクライナの港からロシアの自前の港にシフトする課題が検討される予定である。その一環として、輸出関税なしでロシアからベラルーシに石油を供給することを定めているロシア・ベラルーシ政府間協定に、ベラルーシが一定量の石油製品をロシアの港湾経由で輸出することを義務付けることを盛り込むことも、イヴァノフ特別代表から提起される。現時点では、ベラルーシの石油製品輸出の90%以上が、バルト3国またはウクライナの港から輸出されている。2015年にはベラルーシはバルト3国の港から850万tの石油製品を輸出、2016年1~8月も567万tに上っている。リトアニア最大の石油積出ターミナルKlaipedos Naftaの2015年の積出実績は18.5%拡大し、642万tに達した。Klaipedos Naftaではベラルーシ貨物の積出専用に1,000万ユーロを投じて施設を拡張する計画を表明しているほどである。石油製品の他にも、ベラルーシのカリ肥料および窒素肥料がリトアニア経由で輸出されている。ベラルーシ関係筋によれば、欧州向け輸出をバルト3国からロシアの港に切り替えようとすると、輸送距離が長くなり、輸送費が高くつく。そうしたシフトが可能になるのは、ロシア鉄道が輸送費を値引きしたり、パイプライン利用が保証されたりする場合だけだろう。政府間協定を変更して強制的に貨物をロシアの港にシフトさせようとすることは、単一経済空間の原則、連合国家の枠内の合意に反すると、関係筋は指摘した。


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 引き続き、こちらの記事を抄訳して紹介する。

 トランスネフチがベラルーシ向けの石油供給量削減を表明したあと、ロシアの全国紙で次のようなことが伝えられた。輸出関税なしでロシアからベラルーシに石油を供給することを定めている政府間協定に、ベラルーシが一定量の石油製品をロシアの港湾経由で輸出することを義務付けることを盛り込むべく、ロシア側が計画しているというのである。現時点では、ベラルーシの石油製品輸出の90%以上が、バルト3国またはウクライナの港から輸出されている。これを、ロシアの港から欧州に輸出しようとすると、輸送路が長くなり、輸送費が高くつく。ロシア鉄道が輸送費を値引きしたり、パイプライン利用が保証されたりといった条件付きならルート変更も可能だが、それはロシアのコストになる。

 ベラルーシ政権当局も手をこまねいてはおらず、より決然と対応することにした。ベラルーシ領を通過するロシア石油のトランジット料を、平均で50%値上げしたのである。ベラルーシ領には、石油パイプライン「ドルージバ」の北および南支線が通っており、それを通じた中東欧への石油輸送量は年間5,000万tに及び、それに加えベラルーシ自体への供給量も1,800万~2,400万tある。ロシアからベラルーシへのトランジット料の支払いは、年間100億ベラルーシルーブル(約1.6億ドル)に上るとされる。

 値上げを受け、ロシア側は司法に訴えた。ただし、ベラルーシ独占禁止・商業省の決定が発効するのは2016年10月11日であり、ロシア側にはまだ駆け引きの時間が残されている。専門家らは、ベラルーシがトランジット料の値上げを打ち出したのは、近く始まるガス交渉をにらんでのものだと見ている。

 (続く)


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 引き続き、こちらの記事を抄訳して紹介する。

 ロシア側は、ベラルーシとの妥協点を見出すのは困難と判断し、石油という切り札を使うことを決めた。すなわち、ガス問題に絡めて、2016年第3四半期のベラルーシへの石油供給量を225万t削減した。ガス問題と石油問題をリンクさせることについて、ベラルーシ側は反発した。ベラルーシ政府は、6~8月に石油供給量が160万t低下しただけで、ベラルーシの鉱工業生産が縮小し、GDPが0.3%(1.5億ドル分)下落したと訴えた。ルカシェンコ大統領は交渉が進展しないことを激しく批判、9月20日の連合国家(注:ベラルーシとロシアの統合機関)のグリゴリー・ラポタ国家書記との面談の席で、ロシア側の圧力は我慢ならないと述べた上で、統合プロジェクトへのベラルーシの参加を見直すように政府および大統領府に指示した。ルカシェンコ大統領は、現在我々は統合プロジェクト、とりわけユーラシア経済連合への参加について徹底的に精査している、こうした状況が続くのなら、何のために高給を払って自国の役人たちをユーラシア経済連合の政府に派遣しているのか、最良の人材をモスクワに派遣しているのに、これだったら自国に戻す方がいいのではないか(大意)、などと述べた。

 しかし、ルカシェンコの訴えに特に効果はなく、9月23日にはロシアの石油輸送会社「トランスネフチ」の広報が、ロシアは第4四半期にベラルーシに石油を300万tしか輸出しないと表明した。これは第3四半期よりもさらに50万t少ない。そうなれば、2016年にロシアがベラルーシに供給する石油は、事前に約束されていた2,300万~2,400万tではなく、1,800万tということになってしまう。

 (続く)


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 こちらに、石油・ガスをめぐるベラルーシとロシアの対立の経緯に関する記事が出ているので、抄訳して紹介する。少々長いので、何回かに分けて掲載する。

 ベラルーシとロシアは、統合関係にあることを互いに標榜し、法的には単一経済空間にあるものの、またも激しいにらみ合いに突入した。これまでもガス戦争、牛乳戦争、カリ肥料戦争などの対立があったが、先日ベラルーシがロシア石油のトランジットに対する輸送料金を引き上げたことにより、今回の対立はそう簡単には収束しない恐れがある。

 天然ガスをめぐる両国の対立が表面化したのは、2016年5月3日のことだった。同日、ベラルーシのヴラジーミル・セマシコ副首相が記者団に対し、ガスプロム・トランスガス・ベラルーシ社(露ガスプロムの100%子会社)が訴訟を起こしたことを明らかにした。ベラルーシの州別のガス会社が2016年1月1日以降のガス代金につき、ガスプロム・トランスガス・ベラルーシに未払いを起しているというのである。ロシア側の主張によれば、ベラルーシ側が2015~2016年の契約条件に違反しているとされている。同契約によれば、ベラルーシ向けの販売価格は、ロシア・ヤマル半島の価格に、トランジット料・貯蔵料・現地販売料を加算したものになっている。これによれば、ベラルーシ向けの料金は1,000立米当たり132ドルとなる。これに対しベラルーシ側は、世界的なエネルギー価格の下落を理由に、73ドルが妥当であると主張、その点は両国政府間の追加協定に明記されているとの立場をとっている。その上でセマシコ副首相は、本件は経済主体間の関係を明確化するという性格のものだとした。

 しかし、その後の展開により、本件は経済主体間というよりも、政府レベルの問題に発展していった。夏の終わり頃にはルカシェンコ大統領が本件に出馬した。9月11日の議会選挙で投票を終えたルカシェンコ大統領は囲み取材に対し、本件に関しプーチン大統領と協議しており、問題は近日中に解決するだろうと述べた。9月12日にルカシェンコ大統領はセマシコ副首相に対し、2週間以内に最終的な解決を図るよう指示した。それから3週間以上が経過したが、紛争は激化する一方であり、そうこうするうちにベラルーシのガス未払いは3億ドルに迫っている。

 (続く)


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 こちらの記事によると、このほどロシア・ベラルーシ合同の検察幹部会合が開催された。その席でロシア側は、2015年にベラルーシはロシアに57.3万tのリンゴとキノコを輸出したが(注:なぜ一緒くたにする)、これはベラルーシの年間収穫量の5倍に相当すると指摘した(注:つまり、ベラルーシ産と偽って、実は制裁対象になっている欧米の食品が入ってきているということを、暗に指摘した)。ロシア・ベラルーシ国境で食品検疫が実施されていないことが、事態を困難にしていると、ロシア側は指摘した。


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 こちらの記事が、ベラルーシの石油精製産業について、主に2つのことを伝えている(ベラルーシの経済ジャーナリストのタチヤナ・マニョーノクが、ウクライナの石油専門家セルヒー・クユン氏に話を聞くというスタイルの記事になっている)。

 第1に、ベラルーシの製油所(具体的には対ウクライナ国境からも近いベラルーシ南東部のモズィリ製油所が主だろう)からウクライナへの石油製品の輸出が拡大しており、おそらく2016年にはウクライナ市場に供給される製品の半分以上がベラルーシ産になりそうだ、ということである。それを図示したのが上図であり、これまでの最高レベルは2012年だったらしいが、2016年にはガソリン(黄色)で56%、軽油(黒)でやはり56%になる見通しということである。ウクライナでベラルーシ産が優位になる原因は、輸送の利便性と、ベラルーシ石油会社の6~7年にわたる市場開拓の努力が実を結んだ形だという。

 第2に、ただし気がかりな点があり、それはロシアがここに来てベラルーシのガス代金未払いを理由にベラルーシへの原油供給を滞らせていることである(それに関してはこちらの記事)。ルカシェンコ大統領も先日、ロシア産の代わりとなる供給源を見つけるよう、政府幹部に指示した。クユン氏によれば、その点で、ウクライナはベラルーシを支援しうる。というのも、ウクライナは現在、イラン産の原油をオデッサ~ブロディ・パイプラインを通じて欧州に輸出すべく交渉中であり、その一部をモズィリ製油所にも供給することが可能だからだ。2011年にアゼルバイジャン産原油を同ルートでベラルーシに運んだことがあったが、その再現である。しかも、アゼルバイジャン産と異なり、イラン産はロシア産と比べても価格面で遜色ない。ベラルーシはロシア産に加え常にイラン産を20~25%の割合でもっておくと有益であると、クユンは指摘した。


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