服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ベラルーシ

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 ベラルーシ統計委のこちらのページに掲載された速報値によれば、2016年のベラルーシのGDPは現行価格(デノミ後)で943億ベラルーシ・ルーブルとなり、前年比実質2.6%低下した。

 また、こちらのページによると、2016年のベラルーシの鉱工業生産は前年比0.4%減となった。鉱業が0.7%減、製造業が0.1%減、ガス・電力業が0.9%減だった。主要産業の一つである輸送手段(トラック等)が12.6%減となった。


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 これまで個人的に認識していなかったのだが、実はベラルーシには鉄鉱石の資源が埋蔵されているようである。ベラルーシと言えばとにかく(塩化カリウム以外は)天然資源のない国というのが一般的な位置付けであり、鉄鉱石の採掘もこれまでは行われてこなかったが、資源自体は賦存しているようだ。そのあたりの事情につき、A.ペシチェンコ・D.ムィチコが2009年に発表したこちらの論文が、論じている。

 論文によれば、ベラルーシでは1966~1970年にオコロフスコエ(Околовское)、ノヴォショルコフスコエ(Новосёлковское)という2つの鉄鉱石鉱床が発見された。オコロフスコエはミンスク州ストルプツィ地区、ノヴォショルコフスコエはグロドノ州コレリチ地区に所在している。これらのベラルーシの鉄鉱石資源は、それほど豊かなものとは言えないものの、鉄鋼業の自前の資源基盤を築く上では、有望である。第1に、オコロフスコエの鉄鉱石は選鉱が容易であり、その採掘は坑内掘りで行われる。第2に、これらの鉱石はペレット化が容易である。ベラルーシの鉄鉱石の埋蔵量は磁鉄鉱換算で5億tである。ベラルーシ国民経済の粗鋼需要は最盛期でも400万t以下だったので、ベラルーシは向こう100年の鉄を確保できたようなものである。毎年20~25%の鉄くずが利用されていることを考えれば、その期間はもっと長くなるし、さらに深く掘り進めば資源量はさらに増える。オコロフスコエ鉱床開発の目的で、鉱山・選鉱・ペレット生産の複合体の建設が計画されている。ペレット生産設備は、冶金工場の敷地内に配置され、そこで完成品が生産される。想定される年間生産規模は、鉱石の選鉱が400万t、精鉱の生産が79万t、ペレットが57万tなどとなっている。Midrex製法の第1案と、Corex製法の第2案がある。第1案の優位点はベラルーシ冶金工場(BMZ)およびベラルーシに所在するその他10ほどのメーカーの電炉を利用できることであり、投資費用を節約でき、環境負荷が低く、鉄の品質は高くなる。第2案では高炉を建設しなければならないが、銑鉄生産には天然ガスではなく石炭を利用するので、天然ガス依存度を低下させられる。想定では、ベラルーシでペレット1tを生産するコストは50ドルで、ロシアや米国でそれを購入したら100~120ドルを要するので、その差額によりベラルーシ金属加工産業の赤字を削減できる。かくして、オコロフスコエ鉱床を開発することにより、ベラルーシ国内の鉄鋼需要を満たせるようになるだけでなく、理想的には、原料の輸出も可能になるかもしれない。


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 上掲動画は、2015年9月にベラルーシ冶金工場(BMZ)で新たな圧延設備が稼働し、その際にルカシェンコ大統領が工場を訪問してセレモニーを行った際の様子である。

 こちらの記事などが伝えるところによると、この近代的な設備により付加価値の向上が可能になり、鉄鋼生産のバランスがとれるようになる。この設備の生産能力は年間70万tで、100万tまで拡張することも可能。すでに2015年3月から試験・調整運転が行われており、9月までに3.6万t、1,500万ドルが輸出された。生産の約75%が輸出されることが想定されており、また線材の完全な輸入代替、鉄筋の90%以上の国内自給が可能になる。輸出はブルガリア、イタリア、リトアニア、ポーランド、米国、フランス、チェコ、スロバキア、ドイツ、オーストリア、ベルギー向けに行われている。同プロジェクトの投資総額は3.3億ユーロであり、「2011~2015年のベラルーシ・イノベーション発展国家プログラム」に沿い、ベラルーシ政府の政府保証を得た上でユーラシア開発銀行およびベラルースバンクの融資により実施された。

 上掲の動画の中でルカシェンコ大統領は、この追加的な設備の建設は必須だった、なぜなら半製品をそのまま販売することは犯罪的ですらあり、付加価値の高い完成品にシフトしなければならないからだ、完成品こそより多くの利益をもたらし、ひいてはより高い賃金と税収に繋がる、今すぐにというわけにはいかないだろうが、将来的にはすべての半製品を加工して完成品を販売するようにしたい、などと発言している。これを見て、私は考え込んでしまった。半製品から完成品へのシフトという課題は、旧ソ連を代表する鉄鋼業立国のウクライナが取り組むべきなのに、独立後四半世紀も放ったらかしになっていた課題だからだ。ウクライナは鉄鉱石と石炭という資源と、ソ連から引き継いだ巨大設備がありながら、製鉄所を傘下に収めたオリガルヒたちは目先の利益を追い求め、延々と付加価値の低い半製品を生産・輸出し続けた。そして、付加価値が低くとも、それなりに利益は挙がったはずだが、そのお金はどこに消えてしまったのだろうか? それに対し、初期条件としては鉄鋼業の基盤が強いとは言えないベラルーシが、大統領の号令の下、設備投資を積み重ね、高付加価値化に取り組んでいる。。。私自身は、ルカシェンコ体制を肯定するつもりはまったくないのだが、こうした明暗を目の当たりにすると、「ウクライナよりもベラルーシの方がまし」と考える人々が少なくないのも、無理はないような気もしてしまう。


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 ロシアで、石油の輸出関税を段階的に撤廃し、その分、地下資源採掘税を引き上げて税収を確保しようとするいわゆる「税制マヌーバ」をめぐって、こちらの記事によれば、引き続き論争が続いているようだ。

 記事によれば、財務省が推進しようとしている税制マヌーバに関し、エネルギー省がそれに伴うリスクを指摘する書簡を、12月27日付で取りまとめた。エネルギー省のアナトリー・ヤノフスキー次官によれば、輸出関税の撤廃は、充分に練り上げられておらず、輸出関税面での優遇を受けている鉱床の利益率低下に繋がる恐れがある。さらに、ベラルーシとの関係悪化につながるリスクがある。ベラルーシ向け輸出は元々石油輸出税が免除されているため、マヌーバを実施すると、同国向けの価格が地下資源採掘税の値上げ分だけ上昇することになり、油価40ドルで為替が64.6ルーブルと仮定すると、ベラルーシの損失は960億ルーブルにも上る。ロシア国内の石油精製業にとっても事態は深刻で、1t当たりの石油精製のマージンが2,700ルーブルから1,000ルーブルに低下してしまう。石油会社にとっては、精製するよりも、原油のまま輸出した方が有利というケースが出てくる。ロシアの石油精製量の20%に相当する6,000万tの石油精製が、一気に失われる恐れがある。それは国内の石油製品不足をもたらし、製品の値上げにより社会問題も引き起こすだろう。したがって2017年の税制を2020年までは維持し、石油採掘および精製部門の投資魅力を維持するべきである。エネルギー省は以上のように主張している。

 ロシア政府は、2018年から、地下資源採掘税および輸出関税という石油の数量にもとづいた課税に代えて、「付加所得税」というキャッシュフローにもとづいた税制を導入し、税負担を軽減するとともに柔軟性をもたせようとしている。この点に関する財務省とエネルギー省の立場の隔たりも、輸出関税をめぐる論争の背景にある。


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 当ブログ既報のとおり、年末から年始にかけてベラルーシとロシアの関係が急激に冷却化したのには、石油ガスをめぐる対立、ユーラシア経済連合の関税法典をめぐる対立という、2つの対立要因があった。そのうち後者は、より具体的に言えば、新たな関税法典の成立により、ベラルーシの経済特区からユーラシア経済連合に製品を輸出する上での関税優遇措置が廃止され、企業がベラルーシの特区に入居する上でのメリットが損なわれてしまうという問題だった。

 こうした事態を受け、ベラルーシは特区入居企業への追加的な優遇措置を制定し、企業を繋ぎ止める構えを示していたが、このほどその措置を具体的に制定したベラルーシ大統領令の中身が明らかになった。これは、2016年12月30日付ベラルーシ大統領令第508号であり、そのテキストはこちらのサイトで閲覧ができる。しかし、より分かりやすいのは、ベラルーシ経済省のこちらのサイトに出ている解説かもしれない。追加的な優遇措置は、以下のような内容となっている。

  • 特区入居企業が生産に用いる製品を輸入する際に、付加価値税を免除する。
  • 特区入居企業がベラルーシの国有地を賃貸する際に、地代を免除する。
  • 特区の存続期間を、2049年12月31日まで延長する。
  • 3つの特区、ブレスト、グロドノインヴェスト、ヴィテプスクの領域を拡大する。
  • 特区の入居企業として認定されるための最低投資額を、100万ユーロから、50万ユーロに引き下げる。

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 12月26日にサンクトペテルブルグでユーラシア経済連合の首脳会合が開かれ、その場で同連合の関税法典条約への調印がなされたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領はそれに欠席したということは、当ブログでも既報のとおりである。

 それで、その時は、ベラルーシは代理で誰かが署名したとか、時間や場所をずらして署名するとか、そんな処理がなされるのだろうと想像した。実際、後日ロシア大統領報道官は、文書をルカシェンコ大統領の署名用に、ベラルーシに送付したことを明らかにした。しかし、こちらこちらの情報によると、ベラルーシはまだ関税法典条約への署名は行っていないということである。ベラルーシ側は単に、12月28日付の大統領令により、関税法典条約案を承認し、同案についての交渉を進めることを政府に指示しただけだ、と説明されている。


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 こちらの記事によると、2016年のロシアから「近い外国」(近隣の旧ソ連諸国)への原油の輸出は1,814.8万tで、前年比20.3%減だった。その際に、原油が輸出された相手国は、ベラルーシだけだった。前年もほぼ九分九厘、ベラルーシ向けだったので、すなわち、ベラルーシ向けが約20%低下したということになる。

 一方、2016年のロシアから旧ソ連域外の「遠い外国」向けの原油輸出は、2億3,581.3万tで、前年比7.0%増大した。


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 こちらのサイトに、ロシアを中心に5ヵ国から成るユーラシア経済連合の2016年の動向をまとめた記事が出ており、内容を紹介する余裕はないが、下に見るような便利な図が出ていたので、メモ代わりに転載させていただく。

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 昨年秋にNHKのBSで放送され、個人的に録画はしてあったが、何となく気が重く未視聴でいたドキュメンタリー番組を、このほどようやく観た。「BS世界のドキュメンタリー」のシリーズで放映された「ベラルーシ自由劇場の闘い~“欧州最後の独裁国家”の中で~」である。米国制作の番組で、その内容は、

 “ヨーロッパ最後の独裁国家”とも呼ばれる旧ソビエトのベラルーシ共和国。その中で、弾圧を受けながらも現体制を批判し続けてきた「ベラルーシ自由劇団」の活動に密着する。

 ベラルーシ自由劇団は、元ジャーナリストや元国立劇場所属の俳優たちが作った小劇団。20年以上も続くルカシェンコ大統領の独裁政権下で、自由と解放を求めて活動してきた。しかし、2010年の大統領選挙で対立候補を応援したことが原因で政府に目をつけられ、身の危険にさらされたメンバーは亡命を余儀なくされるが、国外から「表現の自由」を訴え続ける。(2015年国際エミー賞受賞)

 というものである。上掲はその告知動画。原題は「Dangerous Acts:Starring the Unstable Elements of Belarus」となっており、「危険な演目:出演はベラルーシの不満分子たち」といったところだろう。

 事前には、もっと演劇が中心の内容で、「不自由な中でも頑張っています」みたいな奮闘記なのかなと想像していたのだけれど、実際には2010年大統領選を軸とした反体制活動記録に近く、むしろ反体制活動のはけ口として演劇があるような、そんな描かれ方だった。私は演劇に疎いので、この番組の中で断片的に取り上げられた演劇のシーンだけでは、純粋に演劇としてどれくらいの水準にあるのか、良く分からなかった。2010年大統領選後の弾圧で、劇団は半ば欧米への亡命を余儀なくされ、英国で「ミンスク2011」という公演を行ったりもしたのだけれど、劇中の言語はロシア語。これでは、英国に身を寄せているベラルーシ人くらいしか関心を集めないのではないか、などと思ってしまった。実際、番組の中でも、ベラルーシ反体制派の訴えが英国の一般の人達にまったく関心を持ってもらえない様子が描かれている。

 「ピオネール」と言えば、かつてソ連に存在した翼賛児童育成機関だが、ベラルーシには今日もなおピオネールが存在する。この番組の中で、シングルマザーの劇団員が登場するのだが、幼い女児が母親の意に反して、ピオネールに加入してしまったというシーンには、胸が締め付けられた。子供は「だって、私以外みんな入っているんだもの。宣誓の言葉? 忘れちゃった」と、無邪気そのものだ。(親の承諾なしに児童が宣誓するだけで入れるのだろうか?という疑問は覚えたが。)

 2010年の大統領選後、紆余曲折があって、現在は国際社会はそれほど激しくベラルーシに批判の矛先を向けていない。しかし、ルカシェンコ体制は本質的に何も変わっておらず、ベラルーシを取り巻く国際的な風向きが多少変わっただけなのだろう。そんなことを再認識させてくれるドキュメンタリーだった。


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 ベラルーシの鉄鋼業というのは、一般的にあまりイメージにないだろう(ていうか、ベラルーシという国自体が、日本人のイメージにないと言った方がいいか)。ロシアやウクライナと違い、ベラルーシでは鉄鉱石や石炭の採掘は行われていないので、高炉メーカーは所在していない。しかし、ジロビン市にベラルーシ冶金工場(BMZ)という有力メーカーがあって、そこが電炉による粗鋼の生産や、鉄鋼製品の生産を手掛けているのである。

 それで、年末の話になるが、こちらの記事などが伝えているように、EUはそのBMZ製の鉄筋にアンチダンピング関税を暫定的に適用することになった。欧州の業界団体であるEuroferが2016年2月15日に提出した申請にもとづき、欧州委員会が3月31日にBMZ製のEU向け輸出に関するアンチダンピング調査を開始。Eurofer側は、ベラルーシが鉄筋をEUに非市場価格で販売し、欧州の生産者に打撃を与えていると訴えていた。そして今般欧州委員会はBMZの鉄筋に12.5%のアンチダンピング関税を暫定的に適用することを決め、12月20日に公布したものである。正式決定は7月20日までになされ、通常は5年間課税が続く。

 これを受け、こちらに見るように、BMZのアナトリー・サヴェノク社長が現地紙のインタビューで、ダンピングの事実はない旨強調する発言をした。社長いわく、我々はEUの立場には同意しがたい。数量だけでなく、その他の要因をとってみても、BMZの輸出がEU産業の脅威になっていることはありえない。具体的に言えば、我が社の販売戦略にしても、EUの供給者を含め原料を外部に依存していることにしても、設備が過剰となっているわけではないことにしても、ダンピングはありえない。我が社の戦略は、市場を分散してリスクを最小化することにあり、輸出はCIS市場、欧州市場、その他の市場と約3分の1ずつになっている。ある市場が落ち込んだら、別の市場向けを増やすことができるわけだが、その場合でも決して急増するわけではない。EUの中の特定の国に輸出を集中するということもしておらず、多くの国に均等に供給することを心掛けている。EU28ヵ国のうち、24か国に輸出しており、2016年1~11月の金額ベースでは、ドイツ12.7%、オランダ8.5%、リトアニア7.9%、ポーランド6.2%、イタリア3.7%といった内訳だった。我が社にはそもそも遊休の製品や生産能力がなく、特定の市場に供給を急増させることはできない。もしかしたらEU側は2015年の状況を重視しすぎているのかもしれないが、同年にはラトビアおよびスロバキアで工場の閉鎖があったので、BMZからポーランドおよびバルト3国向けの輸出が一時的に増えただけである。同年にはロシア市場で利益が出なくなったので、EU市場に製品を振り向けたという側面もあった。現に2016年にはベラルーシからEUへの鉄筋輸出は低下し、ほぼ以前のレベルに戻った。ロシア・ルーブルが強含んだので、我が社は再びロシア市場に注力するようになった。サヴェノク社長は以上のように弁明した。なお、BMZの生産キャパシティは年産300万tで世界110位ほど、ベラルーシの2015年の粗鋼生産量は世界で41位となっている。

 2016年7月のこちらの記事では、ベラルーシ鉄鋼業の近況が簡単に触れられている。これによれば、機械産業および建設業の低迷が、ベラルーシ鉄鋼業にとっての打撃となっている。2016年第1四半期には、BMZがベラルーシの株式会社の中で最大の赤字を記録した。

 EU市場では、2015年に需要が2.3%増に留まりながら、輸入は27%も増大した。中国に加え、ロシアのメーカーが、EUの生産者を圧迫した。ベラルーシもその波に乗り、非合金鋼の半製品、鋼材のEU向け輸出を拡大した。

 業界団体の「ルースカヤ・スターリ」によれば、2015年にロシアでは鉄鋼の消費が9%減少した。ベラルーシでも、2015年にトラック生産は半減、トラクターの生産は35%減となり、それに伴い鉄鋼需要が低下した。

 2012~2014年にはベラルーシの鉄鋼輸出は年間23億~25億ドルで安定していた。しかし、2015年には価格および需要低迷で前年比26.4%減の17.4億ドルとなった。ただ、いくつかの品目の輸出数量は増大している。BMZの形鋼輸出量は5%伸びたが、価格低下で額は落ち込んだ。2013~2014年にBMZは純損失を記録したが、販売そのものの利益は挙げていた。しかし2015年には販売による利益も挙がらなくなり、活発な設備投資を実施した中で、巨額の純損失を計上した。

 2016~2017年にユーラシア経済連合諸国では経済成長は期待できず、鉄鋼需要が高まるとは思えない。ルースカヤ・スターリの予測によれば、2016年に鋼材需要はさらに6%落ち込むことになる。ベラルーシ国内需要の回復も期待できない。ただ、ベラルーシの鉄鋼メーカーにとって、事態はそれほど絶望的なものではない。ベラルーシの輸出先は充分に分散されており、2016年にEUおよびその他世界向けの輸出量は確保されるだろう。問題はその価格である。


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 既報のとおり、12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで開かれたユーラシア経済連合の首脳会合に、ベラルーシのルカシェンコ大統領が出席しなかった。ユーラシア経済委員会のこちらのページにその時の様子が出ているが、上掲写真のように、ホストのロシアはベラルーシの国旗の掲出すら許さなかったのだろうか? これはかなり尾を引きそうな対立である。

 それで、上記のサイトにも記されているとおり、今回のサミットでは、ユーラシア経済連合の新たな関税法典の調印というのが、メインイベントだった。そして、私の理解する限り、関税法典はもっと以前に採択されるはずだったのだが、ベラルーシの反対、具体的にはベラルーシ領にある経済特区の取扱をめぐって調整が難航し、それで2016年の年末までずれ込んだということだったはずである。

 具体的には、こういうことである。従来、ユーラシア経済連合加盟国の経済特区での自動車アセンブリに従事するメーカーは、現地調達比率にかかわりなく、他の加盟国に関税なしで自動車を輸出できた。しかし、ベラルーシ特区からの中国ブランドGeely車の流入を問題視したロシアとカザフスタンがルール改正を主導し、今後は特区入居企業であっても、特区外の工業アセンブリ適用企業と同様に、現地調達比率30%(2018年7月からは50%)を達成しなければ、域内製品と認められない方向となった。断片的な情報を総合すると、今回の関税法典で、最後まで揉めたのは、この点だったようだ。

 こちらこちらに見るとおり、ユーラシア・サミットの翌日の12月27日、ベラルーシではルカシェンコ大統領直々に参加する経済特区に関する政権幹部会合が開かれた。記事によれば、ユーラシア経済連合の条件に合わせる結果、ベラルーシの特区では2017年1月1日から入居企業への優遇措置が大幅に縮小されることになる。そこでベラルーシ政府としては、入居企業に対する補償措置、新たな優遇策を準備しているということを、これらの記事は伝えている。

 前回エントリーでは、石油・ガスをめぐるロシアとの対立が、ルカシェンコがサミットを欠席する主原因とお伝えしたが、この関税法典および特区の問題も同様に大きかったのかもしれない。


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 12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで、ユーラシア経済連合と、CIS集団安保機構の首脳会合が開かれた。しかし、こちらこちらなどが伝えているように、経済・軍事両面でロシアの緊密な統合パートナーであるはずのベラルーシから、ルカシェンコ大統領が出席せず、物議を醸している。その背景には、石油ガス問題を筆頭とするベラルーシ・ロシア間の対立点があると推察されている。ルカシェンコ大統領の欠席に関し、ロシア側のペスコフ大統領領報道官は、それが討議の妨げになることはない、本日調印される文書はすでに完全にベラルーシ側の合意が得られているものだなどと発言し、影響がないことを強調した。


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 こちらに、RIAノーヴォスチによる2016年のNIS諸国の主要ニュースというものが出ている。基本的に各国1ネタという感じになっている。項目だけ箇条書きにすると、以下のとおり。

  • ウズベキスタンでカリモフ氏死去し新大統領選出。
  • モルドバで秋に政権交代、親ロシア路線に転換か。
  • ジョージア議会選、サアアシヴィリ元大統領の帰還には繋がらず。
  • ロシアで収監されていたサウチェンコ議員が5月にウクライナに帰国。
  • ナゴルノカラバフで4月に戦闘再燃。
  • カザフスタン、テロと首相交代に揺れる。
  • タジキスタン国民投票、ラフモン一族の「王朝化」に道開く。
  • アゼルバイジャン国民投票、副大統領制など導入する憲法改正を可決。
  • ベラルーシでデノミ実施、硬貨も導入。
  • キルギスで9月に世界遊牧民競技大会。

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 こちらによれば、ミハイル・ミャスニコヴィチ・ベラルーシ上院議長(元首相)が同国唯一のタイヤメーカーであるベルシナ社を訪問した際に、ロシア・メーカーによるベラルーシへのタイヤ輸出攻勢に苦言を呈する場面があった。ミャスニコヴィチ議長いわく、ロシア・メーカーによる不公正な競争により、ベルシナが損失を被っている。ロシア・メーカーには、ベラルーシのそれに比べて、エネルギーおよび原料を安く供給する決定がなされており、結果ベラルーシ側が不利に立たされている。ロシア・ベラルーシの共同市場にもかかわらず、競争条件が不平等となっている。タイヤだけでなく、多くの項目において、両国は接近するというよりも、乖離していっている。困難な局面で、一国だけで生き残ろうとするのは、正しくない。ベラルーシ・ロシアの連合国家、またユーラシア経済連合の枠内で、いかにして協調経済政策を実施すべきか、我々は政府と共同で新しいアプローチを検討している。保護主義の措置はすべて、協調的なものであるべきである。保護主義は許容できるが、単一経済空間のパートナーの利益を損なうものであってはならない。競争はあって当然だが、公正なものであるべきだ。ミャスニコヴィチ議長は以上のように述べた。


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 こちらの記事が、ベラルーシの主要輸出品であるカリ肥料の市場動向について伝えている。ベラルーシのミハイル・ルスィ副首相が、議会に出席してジャーナリストの質問に答えた。それによれば、カリ肥料の価格は安定に転じ、若干上昇する気配も見せている。現時点で、ベラルーシカリ社の稼働率は95%である。2015年のカリ肥料の輸出量は920万t(前年比3.1%減)、2016年は900万tになると見られる。2016年上半期は不振で、輸出量が前年同期比で22%減、金額ベースでは3分の1もの減であった。カリ肥料の輸出関税は当初1t当たり55ユーロに設定されていたが、市場低迷を背景に10月1日から12月31日までは45ユーロに引き下げられた経緯がある。2017年国家予算は同55ユーロで編成されており、カリ肥料業界側は市場低迷を理由にその引き下げを求めていた。こうしたこともあり、市況が改善し始めたことは喜ばしい。ルスィ副首相は以上のように発言した。


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 全然大した情報ではないけれど、2015年のベラルーシの貿易相手国の順位をまとめる用事があったので、せっかくだから作成した表をお目にかける。出所はベラルーシ統計局。言うまでもなく、ベラルーシにとって最大の貿易相手国はロシアであり、以下ウクライナ、中国、英国、ドイツなどと続く。日本は、自動車の輸出などは行われているが、はっきり言ってベラルーシから買うものがないので、ベラルーシ貿易ランキングにおける順位は43位止まりであり、シェアも0.2%にすぎない。

bytrade

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 こちらのサイトに見るように、ロシアの世論調査機関「VTsIOM」がロシア国民のCIS諸国についての意識を調査し、その結果が発表された。1.CIS諸国のうち、どの国が最も安定・成功していると思うか? 2.どの国がロシアの頼りになるパートナーか? 3.ロシア語話者の権利が守られている国はどこか? 4.それらの国の大統領のうち、最も信頼できるのは誰か? という、4つの設問が示されている。その結果、4つの設問とも、だいたい同じような回答傾向である。容易に想像できるように、ロシア国民はベラルーシ、カザフスタンというユーラシア経済連合のパートナー諸国を高く評価し、ウクライナに対しては厳しい評価を示している。

 「どの国がロシアの頼りになるパートナーか?」という設問では、3つまでの複数回答で、ベラルーシ66%、カザフスタン55%と続き、ウクライナは最下位の2%だった。

 「どの大統領を信頼するか?」という設問では、やはり3つまでの複数回答で、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領65%、ナザルバエフ・カザフスタン大統領54%と続き、ポロシェンコ・ウクライナ大統領が最下位の2%だった。

 今回の調査結果については、早速ベラルーシ大統領府機関紙のサイトが、慶事として伝えている。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2017年1月号の中身を、例によって編集長特権で、どこよりも早くご紹介。2016年12月は、1991年12月のソ連邦解体から四半世紀という、大きな節目になります。そこで今号では、「ソ連解体から四半世紀を経たロシア・NIS」という特集をお届けしております。その際に、今号のポリシーは、ロシア・NISのすべての国々を、例外なく個別のレポートで取り上げるというものです。調べたわけではありませんが、旧ソ連のすべての国をこれだけ詳しく個別に論じるのは、日本の雑誌としては、おそらく初めてではないでしょうか。私自身は、「農業・食品産業から読み解くベラルーシ」というレポートを執筆し、『バルト三国の歴史 ―エストニア・ラトヴィア・リトアニア 石器時代から現代まで』の書評も担当。12月20日発行予定。


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 今年前半に発生した石油・ガスをめぐるロシアとベラルーシの不和は、何度か和解が伝えられたものの、結局完全には解消されないまま越年しそうな雰囲気である。

 こちらの記事によると、現在ベラルーシがロシアに供給しているガソリンの量は、両国の合意の水準を満たしていないとして、このほどロシア・エネルギー省のキリル・モルドツォフ次官が苦言を呈した。

 一方、こちらの記事によると、ロシアは経済発展省が策定した2017年以降の経済見通しにもとづき、2017年にはベラルーシから100万tのガソリンを輸入することを希望している。ロシア経済発展省の推計では、2016年の輸入量は58.4万tとなる見通しである。ロシア経済発展省による油価40ドルを前提とした基礎シナリオでは、ロシアは2017年に2,500万tの原油を、2018~2019年には2,400万tの原油をベラルーシに供給することになる。より高い油価48ドルのシナリオでは、2017~2019年のベラルーシへの原油供給量は年間2,400万tとなる。その際にロシアは、原油供給を、その後のベラルーシによるガソリン供給とリンクさせている。ところが現時点ではベラルーシがガソリン供給義務を履行していないので、ロシアからの原油供給は2016年1Qには580万t、2Qには570万t、3Qには350万tに留まった。ベラルーシが10月にガス債務を支払ったことで、原油供給は500万tに回復すると見られる。


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 少々込み入った話になるが、こちらに、ユーラシア経済連合諸国間の自動車リサイクル税二重払いの問題についての記事が出ている。これによると、たとえばベラルーシのトラック運送業者がロシアに子会社を設立し、既存の車両をその子会社に移管しようとすると、ロシアで車両リサイクル税を支払わなければならない。新車をベラルーシで登録した際にすでにリサイクル税を払っているのに、共同市場であるはずのロシアに車両を移しただけで、「中古車を購入した」という扱いになり、再び支払義務が発生するというのである。これについてベラルーシの企業団体はこのほど、リサイクル税の徴収に関しユーラシア諸国間で相殺方式を導入するべきだと主張した。


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 こちらの記事によると、このほどベラルーシ中央選挙管理委員会のリジヤ・エルモシナ委員長は、大統領および下院議員の任期を延長するための国民投票を実施することも一案というような発言をした。ベラルーシ自由民主党(注:お金目当ての翼賛勢力として悪名高い)が、2018年の地方議会選挙と同日に全国国民投票を実施することを提案しており、それに関してエルモシナ委員長がコメントした形。エルモシナ委員長いわく、私には政治的決定を下す権限がないので、それに関する明確な立場があるわけではないが、国民投票の実施に関する提案自体は、何ら国際的な慣行に反するものではない。そして、それを実施するとしたら、一定程度、社会の安定に資することになり、選挙の費用も若干節約できるだろう。エルモシナ議長は以上のように述べた。


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 こちらのサイトこちらの記事によれば、欧州議会は11月24日、ベラルーシの現状を批判する決議を採択した。賛成468、反対21、棄権93だった。決議によれば、ベラルーシでは1994年以来、自由で公正な選挙は実施されておらず、2015年大統領選および2016年議会選も不満足なものだった。経済の基幹部門は依然として国の管理下に置かれている。2000年以降、新たな政党の登録はなく、野党に対する新手の抑圧や収監が行われている。建設が進められているオストロヴェツの原発についても安全が不安視される。ベラルーシはこうした政策を停止し、民主的・市民的な原則を旨とすべきであり、欧州対外行動局および欧州委員会はベラルーシ内外の市民組織への支援を継続すべきだ。決議は以上のようにうたっている。


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 ベラルーシとEUの関係に関する記事が2本ほど目に止まったので、メモしておく。

 こちらによると、先日アルメニアのエレヴァンで東方パートナーシップ諸国による非公式な外相会合が開催され、ベラルーシからはエヴゲーニー・シェスタコフ外務次官が参加した。その席でベラルーシは、東方パートナーシップの枠内で運輸・エネルギーの協力を活発化させることを提唱した。

 こちらによると、このほどベラルーシのルカシェンコ大統領がEU代表団と面談した。ルカシェンコはこの席で、本年2月に政治制裁が解除されたことに続いて、ベラルーシ商品のEU市場へのアクセス制限も撤廃されることを期待している、しかしEUはいまだに一連のベラルーシ商品に制限を残しており、特に我が国にとっては繊維製品の制限が最もデリケートだ、ベラルーシ商品への門戸が開かれることは我が国の経済的独立性に大いに資することになる、またIMFがベラルーシに融資を実行してくれるよう大口出資者のEUが働きかけてくれるとありがたい、等と自国の立場を述べた。


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midea

 東芝が白物家電事業を売却することになった相手としても話題になった中国の「美的集団」という家電大手がある。英語ではMideaというブランドだが、読み方がミデアなのかマイディアなのか、両方入り乱れていて良く分からない。

 そのMideaはロシアでは今のところ販売だけで、現地生産は行っていないようである。CIS諸国では唯一、ベラルーシに電子レンジ工場がある。ベラルーシの名門テレビメーカーである「ゴリゾント」との合弁で2007年に「ミデア・ゴリゾント」という有限会社を設立し、ミンスク経済特区で電子レンジを生産している。ミデア、ゴリゾント両ブランドの電子レンジだけでなく、Daewoo、Bosch、シャープ、パナソニックといった外国ブランド製品のOEM生産も手掛けている。

 それで、先日当ブログでは、パナソニックのテレビがベラルーシで組立生産されることになったという話題をお伝えした。ただ、その時にはパナソニック現地法人の代表者は、具体的にベラルーシのどの工場に生産を委託するかは、明らかにしていなかった。

 その後目にしたこちらの記事は、パナソニックの幹部が「これが当該企業との初めての協力ではない」と語っていることに着目し、これまでも電子レンジの生産を委託してきたミデア・ゴリゾントにテレビの生産も任せるのではないか、とのニュアンスで報じている。(ただし、ざっと情報を探ってみた限り、ミデア・ゴリゾントはこれまでは電子レンジ以外の生産実績はない模様であり、新たにテレビも組み立てるとなれば、それなりの準備や投資が必要だろう。)


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 こちらこちらの記事によると、ベラルーシとロシアがエネルギー供給関係で揉めて、ベラルーシが独自の石油供給源を模索した結果、久し振りにアゼルバイジャン産の原油がベラルーシにもたらされたようである。先日アゼルバイジャンのSOCAR系トレーダーの販売した原油8万4,700tが、ジョージアのスプサ港~ウクライナのオデッサ港と海上輸送され、そこから鉄道でベラルーシ南部のモズィリ製油所まで運ばれた由である。そして、ベラルーシのベルネフチェヒムと、ウクライナのウクルトランスナフタが、今後の協力関係につき年末までに条件を詰めることになった。それには、ウクライナの原油をベラルーシの製油所で委託加工すること、ベラルーシ向けの原油輸送にウクライナの石油輸送システムを活用することなどが含まれる、という。


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 こちらによれば、ベラルーシのルカシェンコ大統領は、CIS諸国の政府首脳らとの会見の席で、ベラルーシはユーラシア経済連合の共同エネルギー諸市場(具体的には天然ガス市場、石油市場のこと)の立ち上げが2025年とあまりに遅すぎることに不満を抱いていると表明した。なお、共同エネルギー市場創設のコンセプトは、2016年5月31日に5ヵ国で承認されている。それとは別に、石油ガスをめぐってロシアと対立していたベラルーシは、その解決の見返りとして、ベラルーシ・ロシア二国間で近日中に共同電力市場創設に関する協定に調印し、それを2019年7月から始動させることに同意を余儀なくされた。現在のところ、ロシアとの電力格差が大きいが、協定によってベラルーシの電力会社、国民、産業にどのような影響が及ぶか、不透明となっている。


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whitesugar

 統計を調べていたら、CIS諸国の中で、アゼルバイジャンとベラルーシが、砂糖(HS1701)輸出の双璧だということに気が付いた。輸出ということで言えば、テンサイ(サトウダイコン)の産地というイメージの強いロシア、ウクライナ、モルドバあたりよりも、この2カ国の方がずっと上である。ベラルーシの砂糖産業は知っていたけど、アゼルバイジャンは認識外だったなあ。

 ただし、やや古いがこちらの記事によると、アゼルバイジャンはサトウキビ由来の原料糖を輸入し、それを精糖に加工して輸出するというビジネスのようだ。そして、ベラルーシもサトウキビ由来の原料糖を輸入しているという(ただしベラルーシの場合は輸入原料糖に加え、自国で採れたテンサイも原料にしているはず)。

 同じ記事で興味深いくだりは、サトウキビを原料とする精糖工場とテンサイを原料とする精糖工場には違いがあり、前者がサトウキビを絞った残りカスを燃やして燃料として使えるのに対し、テンサイではそのような利用が不可能という話である(いずれの砂糖工場も蒸気と電力を大量に使うため自家発電をしている)。


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koyou

 最近自動車産業のことを集中的に調べて、遅ればせながら認識するに至ったのは、ベラルーシ最大規模の企業であるミンスク自動車工場(MAZ、大型トラックおよびバスを生産)の経営状況が非常に深刻だということである。主力のロシア市場で景気が冷え込んでいる上に、ユーラシア経済連合発足で逆に輸出条件も悪化しており、このことがMAZの生産激減に繋がっている(先日のエントリーでトラック生産の減少参照)。普通の国なら、とうに倒産しているレベルである。問題は、MAZの従業員数が上図に見るとおり2万人近くに上ることで(図はベラルーシ財務省資料にもとづき服部作成)、当国最大の雇用がかかっているわけである。サプライヤーも含めれば、ざっと10万人ほどがMAZの関係で仕事をしていると言われている。

 それで、MAZは同じく大型トラックメーカーであるロシアのKamAZとの経営統合を模索していたが、条件が折り合わすに2015年に棚上げになった経緯がある。ようやく本題に入ると、こちらのニュースによれば、KamAZが所在するロシア・タタルスタン共和国のルスタム・ミンニハノフ首長はこのほど、KamAZとMAZは商品ラインナップを棲み分けるべきではないかと問題提起した。商品ラインナップがほとんど被っているので、お互いの言い分を聞きながらそれぞれの分担を決めるべきであり、その気になれば現実的だと、ミンニハノフは述べた。


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 ベラルーシでルカシェンコ大統領の経済補佐官を務めていたキリル・ルディという人物がいた(上掲写真)。ルカシェンコの補佐官のわりには、ルカシェンコ経済体制の限界や問題をあけっぴろげに論じていた専門家であり、この人を見ると、「ベラルーシでは、ルカシェンコを名指しで非難したりしない限り、思想や言論はかなり自由なんだな」ということを強く感じる。それで、これは個人的に見落としていたニュースだったのだが、そのルディ氏、2016年7月に補佐官の職を解かれ、駐中国大使に転身したということである。普通、補佐官から大使になったら、左遷的なニュアンスが生じるわけだが、駐中国大使ということは、経済協力の橋渡し役ということであり、むしろ手腕を買われての起用なのかもしれない。


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 こちらの記事によると、ロシアとベラルーシによるカリ肥料販売の共同戦線形成に向けた交渉は、いったん中断ということになった。しかし、ロシアのウラルカリ社側は、お互いの利益のために引き続き妥協を探っていきたいとしている。ロシアのウラルカリ社とベラルーシのベラルーシカリ社は、かつて共同販売会社「ベラルーシカリ会社(BKK)」を設立していたが、2013年半ばにその体制が崩壊した。それ以来、両社はパートナーから、ライバル関係となり、「販売量よりも価格維持を重視」という業界の不文律も破られることになった。破断から半年後にウラルカリのオーナーが変わり、ドミトリー・マゼピンが社長に就任すると、ベラルーシのルカシェンコ大統領は関係修復の可能性に再三触れるようになった。マゼピンによると、ルカシェンコと何度か面談したが、ベラルーシ側は共同販売会社を再興し、それをベラルーシに登記すると主張している。我が社としてはベラルーシに移転してベラルーシに納税し、ベラルーシの役人に経営を委ねるわけにはいかないと、マゼピンは述べた。なお、オネクシム・グループのミハイル・プロホロフは本年夏に、ウラルカリの自らの持ち株をベラルーシ人のドミトリー・ロビャクに売却しており、ロビャクはマゼピンの旧友である。


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