服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ベラルーシ

20170220debt

 私の公式HPの方に、「日本とロシアで対照的な財政規律」というエッセイを書いた。普段なら、「よかったら、ご笑覧ください」と言うところだけど、今回は別に読まなくていいです。

 ただ、それに向けて作ったグラフはなかなか良い出来栄えで、我ながらうっとり見とれてしまうので、グラフだけここに転載する次第。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

16719800_404

 ベラルーシにアンドレイ・ヴァルドマツキーという社会学者がおり(上掲写真)、以前はベラルーシ国内でややコマーシャルな調査業務などをやっていたのだが(その意味では社会経済政治独立研究所=IISEPSなどに比べると野党色は薄かった)、それでもベラルーシでは活動できなくなったのか、2012年からはポーランドのワルシャワに拠点を移し「ベラルーシ分析室(BAW)」と称し活動を続けているようである。こちらがそのHPだと思うのだが、更新は2015年で止まっている。

 こちらのニュースによると、2016年12月にそのBAWがベラルーシの対外戦略に関する世論調査をベラルーシ全土で1,048人を対象に実施した。その結果、回答者の64.9%はロシアとの連合関係を選好し、EU加入を望む者は19.1%だけだった(分からないが13.9%、無回答が2.2%)。ただし、ベラルーシとロシアが完全に1つの国に統合されることを望んだり(2016年5月の調査では13.1%)、ベラルーシがロシアの連邦構成主体になることを望む者(同1.7%)は少なく、友好的で開かれた国境の2つの独立国同士であることを望む向きが多い(同73.0%)。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

bmz5996

 2016年秋の動きなので、少々古く、かつマニアックな話題で恐縮である。こちらの記事が、興味深いことを伝えている。ロシアやベラルーシなどから成るユーラシア経済連合は、ウクライナから輸入するフェロアロイ(合金鉄)の一種であるフェロシリコンマンガンに、アンチダンピング関税を導入しようとした。連合の政府に該当するユーラシア経済委員会が、ウクライナのフェロシリコンマンガンに5年間にわたって26.35%の追加関税を導入すると発表したものである。フェロアロイは、製鋼の際に添加物として使用して、特定の性状を得るのために用いられる。ウクライナではI.コロモイシキーのプリヴァト財閥の傘下にニコポリ、ザポリージャ、スタハーノフと3つのフェロアロイ工場があり、2014年にはロシアに2億ドルのフェロアロイを供給していたが、それらがアンチダンピング関税の対象となることになった。しかし、ベラルーシのベラルーシ冶金工場や、ロシアの一連の鉄鋼メーカーは、ウクライナ産のフェロシリコンマンガンのユーザーであるため、ベラルーシ政府がAD関税に反対し、その結果、AD関税導入は当面延期され、政府間の協議に委ねられる旨が7月に発表された。それから数ヵ月が過ぎ、ようやく10月になってベラルーシも納得し、妥協が成立した。ベラルーシがAD関税導入に同意した条件は、ロシアのチェリャビンスク電気冶金コンビナートがベラルーシにフェロアロイを供給する際の価格を20%引き下げるというものだった(こちらによれば、チェリャビンスク電気冶金コンビナートはロシア最大のフェロアロイ生産者であり、そもそも今回のAD導入は同社の発意によるものだった)。AD関税導入後、チェリャビンスク電気冶金コンビナートが損害を受けない水準まで、製品が値上がりすると見られる。これにより、ロシアの鉄鋼メーカーも影響を受けるが、鉄鋼メーカーの生産原価に占めるフェロシリコンマンガンの比率は1~2%程度なので、影響は軽微とされている。

 ユーラシア経済委のこちらのページが、本件に関する公報だろう。なるほど、2016年6月2日に採択された文書が、2016年10月28日に発効したと記されている。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1477141753

 こちらの記事によると、原油の供給をほぼ100%ロシアに依存しているベラルーシが、今般初めて、イラン産原油を購入した。国営企業「ベラルースネフチ」の輸出子会社であるBeloil Polskaが、イラン国営石油会社から8万tの原油を購入する契約を結んだもので、ロイターが報じた。2月20日頃にタンカーへの積出が始まると見られ、時期は不明ながら、ウクライナのオデッサ港(黒海)またはラトビアのヴェンツピルス港(バルト海)で陸揚げされ、そこから鉄道でベラルーシに運ばれる。本件に関しては、2016年10月初めにルカシェンコ・ベラルーシ大統領が、原油供給につきイランと交渉している旨を明らかにしていた経緯がある。10月末にはオデッサ港経由でアゼルバイジャン原油が入荷していた。なお、今回イラン原油を調達したことに関し、ベラルースネフチの親会社に当たるベルネフチェヒムは、否定も肯定もしていない。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

list

 ベラルーシ産業省のこちらのページに、ベラルーシが2017年に株式を売却する予定の国営企業19社の一覧が掲載されている。この中に、ベラルーシとしては大企業に属す重要企業が3社含まれている。サッカーでも有名な「BATE(ボリソフ自動車電装品工場)」、ミンスクの家電メーカー「ゴリゾント」、ゴメリの農機メーカー「ゴムセリマシ」である。ただし、これらの3社については、支配株を売却する際に、投資契約を締結した上で、戦略的投資家に売却することが条件とされている。つまり、大掛かりなテコ入れを実施してくれるような、救世主的な投資家にのみ売却可能ということである。

 本件を伝えているこちらの記事によれば、BATEとゴリゾントについては、以前も同じような条件で株式の売却が表明されたことがあるが、その時は売却は実現しなかった。2016年末に国有資産委の委員長が、中国資本を受け入れるベラルーシ企業のリストを策定すると表明し、その中にBATE、ゴリゾント、ゴムセリマシも含まれていた経緯があった。これまでベラルーシと中国の経済協力は、中国から融資を受け、中国の設備を導入して中国人労働者を受け入れるという方式が主流であり、これはベラルーシが中国の輸出を支援しているに等しいとして、ベラルーシ側は不満を抱いていた。ゆえに、ベラルーシ企業に中国資本を受け入れるという方向に、転換することになった。ゴリゾントについては、LGに売却するという構想が以前からあったが、結局政権がそれに踏み切れなかった。BATEは、ロシアへの輸出が主力で、CIS市場への輸出拠点として西側メーカーにとっても価値があったが、現在ボリソフ近郊で中国系ベルジーの自動車工場が建設されており、同工場での現地化比率を高めなければならないので、BATEと中国企業の提携は充分考えられる。ゴムセリマシは、以前ロシアのロストセリマシが買収を検討したことがあり、ベラルーシ側は逆にロストセリマシを買収する構えを見せたことがあったが、ゴムセリマシは最近は中国との協業に傾斜し、コンバインの共同での組立を始めた。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 医薬品産業では、臨床試験・認可といった国家規制が重要となるが、ロシアを中心としたユーラシア経済連合ではその国家規制を共通化し、共同市場を創設しようとしている。今般、ユーラシア経済委員会のツイッターで、下図のような情報が回ってきた(原典はこちら)。要するに、ユーラシア経済連合のある加盟国で承認された医薬品が、他の加盟国でも承認されるための手続きや所用日数を図示したものである。ざっと見ると、ある国で認可されたからといって、別の国でも自動認可されるわけではなく、別の国で追加認可されるためには、一定の手続きが必要で(却下されることもありうる)、それには100日間を要する、ということのようだ。

okusuri

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

300px-LukParad9maj

 どうでもいいような話だが、これまで個人的に認識していなかった件なので、書き留めておく。ルカシェンコ・ベラルーシ大統領の誕生日である。

 従来の公式バイオグラフィでは、ルカシェンコは1954年8月30日生まれとされており、私などもそのように紹介していた。しかし、ルカシェンコは2009年になって突然、「私は本当は8月31日の生まれだ」と言い出したそうである。現に、大統領の公式HPでも、現在は8月31日生まれとされている。そして、どうもそのことは、溺愛する末っ子(婚外子)ニコライ君の存在と関係があるようなのである。

 ロシア語版ウィキペディアによると、2009年の現地紙のインタビューでルカシェンコは、「私も一人の人間で、私には子供たちがおり、特に末っ子のニコライは目に入れても痛くない。彼は今日5歳になり、一方私は55歳である。我々は同じ8月31日に生まれたのだ」と述べたということである。

 歳をとってからの子供は可愛いと言うが、ルカシェンコのニコライ溺愛振りは有名であり(上の写真参照)、後継者に据えようとしているとの見方が有力である。おそらくは、幼い息子可愛さのあまり、自分の誕生日すら息子に合わせることにしたのではないか。しかも、自分の50歳の誕生日に授かった子供となれば、キリも良く、なおさらめでたい、ということで(普通なら、息子の誕生日を自分に合わせそうな気もするが)。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1487110049

 若干フォローが遅れてしまったが、こちらの記事などによれば、ベラルーシのルカシェンコ大統領は2月3日、国内で開かれた大掛かりな記者会見の場で、ユーラシア経済連合の枠組みでの統合でベラルーシが不利益を被っている旨主張した。大統領いわく、ベラルーシはユーラシア経済連合が創設されてから、そこにおける不平等な価格と条件により、150億ドルの損失を被った。彼ら(注:実質的にロシアのことだろう)もその数字を認めている。その上で、50億ドルを我が国に貸し付けているが、損失額の3分の1にすぎず、しかもIMFよりも金利が高い。もっとも、遅かれ早かれ、我々は合意に達するだろう。ルカシェンコ大統領は以上のように述べた。

 また、こちらの記事によれば、同じ記者会見でルカシェンコ大統領は、ユーラシア経済連合の関税法典は、盛り込まれて然るべき項目の多くが機能を果たしていないので、自分は署名していないと発言した。しかも、ベラルーシの主要な代表をユーラシア経済委員会から引き揚げることを指示したという。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

01_medical-tourism-Belarus

 こちらおよびこちらの情報によると、ベラルーシで医療ツーリズムの受入が盛んになっているらしい。2016年には5万人強の医療ツーリストがベラルーシを訪問した。ベラルーシが受け入れている外国人ツーリストは全体でも年間30万人足らずなので、この5万人という数字はとても大きい。周辺国に比べてコストが低く、それでいてベラルーシの医師が優秀であることが、利点となっている。ある関係者によると、医療ツーリストの60~70%はロシア国民で、ベラルーシでロシア語が通用することが大きい。2014年以降のロシア・ルーブル安で、ロシアとベラルーシの料金差は縮まっているものの、ベラルーシ医療の質を求めて来訪するロシア人は依然として多く、カザフスタンやウクライナの利用者も然りだという。また、英語に担当なベラルーシ人医師も多いので、欧米の顧客を受け入れる用意もある。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

238498631

 こちらの記事が、米トランプ政権の発足がベラルーシに及ぼす影響について論じているので、骨子をまとめておく。

 トランプの就任演説は、若き日のルカシェンコのそれと似た面があった。ルカシェンコは1994年大統領選で、特権層を押さえ付けて庶民の真の体現者となるということを約束し、庶民の共感を勝ち取ったが、トランプもまた権力をワシントンから庶民の手に取り戻すのだと述べた。

 ちなみに、ルカシェンコは9月の時点でトランプの勝利を予想し、その際に「アメリカ社会はまだ、女性を大統領に選出するところまでは至っていない」と余計なことを述べた。ルカシェンコは、ポピュリストの本能で、米社会はポピュリズムへの大きな需要があるということを見抜いたのだろう。ルカシェンコはトランプに同類としてのものを感じ取り、彼とならばベラルーシと米国の関係改善を期待できると考えたのかもしれない。かつてウーゴ・チャヴェスと意気投合したのと同じである。

 しかし、米国のような民主国家は政策決定過程が透明なので、トランプに対ベラルーシ制裁解除などを個人的に働きかけようとしても、合意をするのは困難だろう。トランプはおそらくベラルーシという国の存在も知らないかもしれないし、彼が近いうちにベラルーシに関係した政策決定をするとは思えない。

 ベラルーシ戦略研究所のデニス・メリヤンツォフも、トランプはベラルーシの行く末にごくわずかな影響しか及ぼさないと指摘する。ベラルーシという国がどこにあり、その情勢を多少なりとも知っている人間は、米国務省には3人しかおらず、米国にとってベラルーシは優先事項ではなく、明確な対ベラルーシ政策もない。現在両国間では外交関係の改善が緩慢に進んでいるだけだというのが、メリヤンツェフの見方である。

 他方、アンドレイ・フョードロフのように、トランプとプーチンが接近すると、新たなヤルタ協定のような事態が生じ、ベラルーシがロシア国家に完全に取り込まれてしまう恐れがあると警鐘を鳴らす専門家もいる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 こちらの記事によれば、ベラルーシのONTというテレビ局のニュース番組が、トランプ米新大統領の演説は、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領のそれに似ているということを伝えたそうである。上掲がそのテレビ番組の一部を切り取った動画。必ずしも、批判的に取り上げているわけではないようで、両大統領とも国益を守るためには大胆な言動も辞さない、といったニュアンスで伝えているように思われる。

 ベラルーシも、ロシアと同じく、トランプ歓迎、ということだろうか。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

belarus_flag

 ベラルーシ統計委のこちらのページに掲載された速報値によれば、2016年のベラルーシのGDPは現行価格(デノミ後)で943億ベラルーシ・ルーブルとなり、前年比実質2.6%低下した。

 また、こちらのページによると、2016年のベラルーシの鉱工業生産は前年比0.4%減となった。鉱業が0.7%減、製造業が0.1%減、ガス・電力業が0.9%減だった。主要産業の一つである輸送手段(トラック等)が12.6%減となった。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

zhele

 これまで個人的に認識していなかったのだが、実はベラルーシには鉄鉱石の資源が埋蔵されているようである。ベラルーシと言えばとにかく(塩化カリウム以外は)天然資源のない国というのが一般的な位置付けであり、鉄鉱石の採掘もこれまでは行われてこなかったが、資源自体は賦存しているようだ。そのあたりの事情につき、A.ペシチェンコ・D.ムィチコが2009年に発表したこちらの論文が、論じている。

 論文によれば、ベラルーシでは1966~1970年にオコロフスコエ(Околовское)、ノヴォショルコフスコエ(Новосёлковское)という2つの鉄鉱石鉱床が発見された。オコロフスコエはミンスク州ストルプツィ地区、ノヴォショルコフスコエはグロドノ州コレリチ地区に所在している。これらのベラルーシの鉄鉱石資源は、それほど豊かなものとは言えないものの、鉄鋼業の自前の資源基盤を築く上では、有望である。第1に、オコロフスコエの鉄鉱石は選鉱が容易であり、その採掘は坑内掘りで行われる。第2に、これらの鉱石はペレット化が容易である。ベラルーシの鉄鉱石の埋蔵量は磁鉄鉱換算で5億tである。ベラルーシ国民経済の粗鋼需要は最盛期でも400万t以下だったので、ベラルーシは向こう100年の鉄を確保できたようなものである。毎年20~25%の鉄くずが利用されていることを考えれば、その期間はもっと長くなるし、さらに深く掘り進めば資源量はさらに増える。オコロフスコエ鉱床開発の目的で、鉱山・選鉱・ペレット生産の複合体の建設が計画されている。ペレット生産設備は、冶金工場の敷地内に配置され、そこで完成品が生産される。想定される年間生産規模は、鉱石の選鉱が400万t、精鉱の生産が79万t、ペレットが57万tなどとなっている。Midrex製法の第1案と、Corex製法の第2案がある。第1案の優位点はベラルーシ冶金工場(BMZ)およびベラルーシに所在するその他10ほどのメーカーの電炉を利用できることであり、投資費用を節約でき、環境負荷が低く、鉄の品質は高くなる。第2案では高炉を建設しなければならないが、銑鉄生産には天然ガスではなく石炭を利用するので、天然ガス依存度を低下させられる。想定では、ベラルーシでペレット1tを生産するコストは50ドルで、ロシアや米国でそれを購入したら100~120ドルを要するので、その差額によりベラルーシ金属加工産業の赤字を削減できる。かくして、オコロフスコエ鉱床を開発することにより、ベラルーシ国内の鉄鋼需要を満たせるようになるだけでなく、理想的には、原料の輸出も可能になるかもしれない。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 上掲動画は、2015年9月にベラルーシ冶金工場(BMZ)で新たな圧延設備が稼働し、その際にルカシェンコ大統領が工場を訪問してセレモニーを行った際の様子である。

 こちらの記事などが伝えるところによると、この近代的な設備により付加価値の向上が可能になり、鉄鋼生産のバランスがとれるようになる。この設備の生産能力は年間70万tで、100万tまで拡張することも可能。すでに2015年3月から試験・調整運転が行われており、9月までに3.6万t、1,500万ドルが輸出された。生産の約75%が輸出されることが想定されており、また線材の完全な輸入代替、鉄筋の90%以上の国内自給が可能になる。輸出はブルガリア、イタリア、リトアニア、ポーランド、米国、フランス、チェコ、スロバキア、ドイツ、オーストリア、ベルギー向けに行われている。同プロジェクトの投資総額は3.3億ユーロであり、「2011~2015年のベラルーシ・イノベーション発展国家プログラム」に沿い、ベラルーシ政府の政府保証を得た上でユーラシア開発銀行およびベラルースバンクの融資により実施された。

 上掲の動画の中でルカシェンコ大統領は、この追加的な設備の建設は必須だった、なぜなら半製品をそのまま販売することは犯罪的ですらあり、付加価値の高い完成品にシフトしなければならないからだ、完成品こそより多くの利益をもたらし、ひいてはより高い賃金と税収に繋がる、今すぐにというわけにはいかないだろうが、将来的にはすべての半製品を加工して完成品を販売するようにしたい、などと発言している。これを見て、私は考え込んでしまった。半製品から完成品へのシフトという課題は、旧ソ連を代表する鉄鋼業立国のウクライナが取り組むべきなのに、独立後四半世紀も放ったらかしになっていた課題だからだ。ウクライナは鉄鉱石と石炭という資源と、ソ連から引き継いだ巨大設備がありながら、製鉄所を傘下に収めたオリガルヒたちは目先の利益を追い求め、延々と付加価値の低い半製品を生産・輸出し続けた。そして、付加価値が低くとも、それなりに利益は挙がったはずだが、そのお金はどこに消えてしまったのだろうか? それに対し、初期条件としては鉄鋼業の基盤が強いとは言えないベラルーシが、大統領の号令の下、設備投資を積み重ね、高付加価値化に取り組んでいる。。。私自身は、ルカシェンコ体制を肯定するつもりはまったくないのだが、こうした明暗を目の当たりにすると、「ウクライナよりもベラルーシの方がまし」と考える人々が少なくないのも、無理はないような気もしてしまう。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

KMO_120183_00033_1_t218_184331

 ロシアで、石油の輸出関税を段階的に撤廃し、その分、地下資源採掘税を引き上げて税収を確保しようとするいわゆる「税制マヌーバ」をめぐって、こちらの記事によれば、引き続き論争が続いているようだ。

 記事によれば、財務省が推進しようとしている税制マヌーバに関し、エネルギー省がそれに伴うリスクを指摘する書簡を、12月27日付で取りまとめた。エネルギー省のアナトリー・ヤノフスキー次官によれば、輸出関税の撤廃は、充分に練り上げられておらず、輸出関税面での優遇を受けている鉱床の利益率低下に繋がる恐れがある。さらに、ベラルーシとの関係悪化につながるリスクがある。ベラルーシ向け輸出は元々石油輸出税が免除されているため、マヌーバを実施すると、同国向けの価格が地下資源採掘税の値上げ分だけ上昇することになり、油価40ドルで為替が64.6ルーブルと仮定すると、ベラルーシの損失は960億ルーブルにも上る。ロシア国内の石油精製業にとっても事態は深刻で、1t当たりの石油精製のマージンが2,700ルーブルから1,000ルーブルに低下してしまう。石油会社にとっては、精製するよりも、原油のまま輸出した方が有利というケースが出てくる。ロシアの石油精製量の20%に相当する6,000万tの石油精製が、一気に失われる恐れがある。それは国内の石油製品不足をもたらし、製品の値上げにより社会問題も引き起こすだろう。したがって2017年の税制を2020年までは維持し、石油採掘および精製部門の投資魅力を維持するべきである。エネルギー省は以上のように主張している。

 ロシア政府は、2018年から、地下資源採掘税および輸出関税という石油の数量にもとづいた課税に代えて、「付加所得税」というキャッシュフローにもとづいた税制を導入し、税負担を軽減するとともに柔軟性をもたせようとしている。この点に関する財務省とエネルギー省の立場の隔たりも、輸出関税をめぐる論争の背景にある。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

free_zones

 当ブログ既報のとおり、年末から年始にかけてベラルーシとロシアの関係が急激に冷却化したのには、石油ガスをめぐる対立、ユーラシア経済連合の関税法典をめぐる対立という、2つの対立要因があった。そのうち後者は、より具体的に言えば、新たな関税法典の成立により、ベラルーシの経済特区からユーラシア経済連合に製品を輸出する上での関税優遇措置が廃止され、企業がベラルーシの特区に入居する上でのメリットが損なわれてしまうという問題だった。

 こうした事態を受け、ベラルーシは特区入居企業への追加的な優遇措置を制定し、企業を繋ぎ止める構えを示していたが、このほどその措置を具体的に制定したベラルーシ大統領令の中身が明らかになった。これは、2016年12月30日付ベラルーシ大統領令第508号であり、そのテキストはこちらのサイトで閲覧ができる。しかし、より分かりやすいのは、ベラルーシ経済省のこちらのサイトに出ている解説かもしれない。追加的な優遇措置は、以下のような内容となっている。

  • 特区入居企業が生産に用いる製品を輸入する際に、付加価値税を免除する。
  • 特区入居企業がベラルーシの国有地を賃貸する際に、地代を免除する。
  • 特区の存続期間を、2049年12月31日まで延長する。
  • 3つの特区、ブレスト、グロドノインヴェスト、ヴィテプスクの領域を拡大する。
  • 特区の入居企業として認定されるための最低投資額を、100万ユーロから、50万ユーロに引き下げる。

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

IMG_0117

 12月26日にサンクトペテルブルグでユーラシア経済連合の首脳会合が開かれ、その場で同連合の関税法典条約への調印がなされたが、ベラルーシのルカシェンコ大統領はそれに欠席したということは、当ブログでも既報のとおりである。

 それで、その時は、ベラルーシは代理で誰かが署名したとか、時間や場所をずらして署名するとか、そんな処理がなされるのだろうと想像した。実際、後日ロシア大統領報道官は、文書をルカシェンコ大統領の署名用に、ベラルーシに送付したことを明らかにした。しかし、こちらこちらの情報によると、ベラルーシはまだ関税法典条約への署名は行っていないということである。ベラルーシ側は単に、12月28日付の大統領令により、関税法典条約案を承認し、同案についての交渉を進めることを政府に指示しただけだ、と説明されている。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

tranzit-nefte

 こちらの記事によると、2016年のロシアから「近い外国」(近隣の旧ソ連諸国)への原油の輸出は1,814.8万tで、前年比20.3%減だった。その際に、原油が輸出された相手国は、ベラルーシだけだった。前年もほぼ九分九厘、ベラルーシ向けだったので、すなわち、ベラルーシ向けが約20%低下したということになる。

 一方、2016年のロシアから旧ソ連域外の「遠い外国」向けの原油輸出は、2億3,581.3万tで、前年比7.0%増大した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 こちらのサイトに、ロシアを中心に5ヵ国から成るユーラシア経済連合の2016年の動向をまとめた記事が出ており、内容を紹介する余裕はないが、下に見るような便利な図が出ていたので、メモ代わりに転載させていただく。

449add20f8965b5148256472620420d1

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 昨年秋にNHKのBSで放送され、個人的に録画はしてあったが、何となく気が重く未視聴でいたドキュメンタリー番組を、このほどようやく観た。「BS世界のドキュメンタリー」のシリーズで放映された「ベラルーシ自由劇場の闘い~“欧州最後の独裁国家”の中で~」である。米国制作の番組で、その内容は、

 “ヨーロッパ最後の独裁国家”とも呼ばれる旧ソビエトのベラルーシ共和国。その中で、弾圧を受けながらも現体制を批判し続けてきた「ベラルーシ自由劇団」の活動に密着する。

 ベラルーシ自由劇団は、元ジャーナリストや元国立劇場所属の俳優たちが作った小劇団。20年以上も続くルカシェンコ大統領の独裁政権下で、自由と解放を求めて活動してきた。しかし、2010年の大統領選挙で対立候補を応援したことが原因で政府に目をつけられ、身の危険にさらされたメンバーは亡命を余儀なくされるが、国外から「表現の自由」を訴え続ける。(2015年国際エミー賞受賞)

 というものである。上掲はその告知動画。原題は「Dangerous Acts:Starring the Unstable Elements of Belarus」となっており、「危険な演目:出演はベラルーシの不満分子たち」といったところだろう。

 事前には、もっと演劇が中心の内容で、「不自由な中でも頑張っています」みたいな奮闘記なのかなと想像していたのだけれど、実際には2010年大統領選を軸とした反体制活動記録に近く、むしろ反体制活動のはけ口として演劇があるような、そんな描かれ方だった。私は演劇に疎いので、この番組の中で断片的に取り上げられた演劇のシーンだけでは、純粋に演劇としてどれくらいの水準にあるのか、良く分からなかった。2010年大統領選後の弾圧で、劇団は半ば欧米への亡命を余儀なくされ、英国で「ミンスク2011」という公演を行ったりもしたのだけれど、劇中の言語はロシア語。これでは、英国に身を寄せているベラルーシ人くらいしか関心を集めないのではないか、などと思ってしまった。実際、番組の中でも、ベラルーシ反体制派の訴えが英国の一般の人達にまったく関心を持ってもらえない様子が描かれている。

 「ピオネール」と言えば、かつてソ連に存在した翼賛児童育成機関だが、ベラルーシには今日もなおピオネールが存在する。この番組の中で、シングルマザーの劇団員が登場するのだが、幼い女児が母親の意に反して、ピオネールに加入してしまったというシーンには、胸が締め付けられた。子供は「だって、私以外みんな入っているんだもの。宣誓の言葉? 忘れちゃった」と、無邪気そのものだ。(親の承諾なしに児童が宣誓するだけで入れるのだろうか?という疑問は覚えたが。)

 2010年の大統領選後、紆余曲折があって、現在は国際社会はそれほど激しくベラルーシに批判の矛先を向けていない。しかし、ルカシェンコ体制は本質的に何も変わっておらず、ベラルーシを取り巻く国際的な風向きが多少変わっただけなのだろう。そんなことを再認識させてくれるドキュメンタリーだった。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

000022_601428_bigindex

 ベラルーシの鉄鋼業というのは、一般的にあまりイメージにないだろう(ていうか、ベラルーシという国自体が、日本人のイメージにないと言った方がいいか)。ロシアやウクライナと違い、ベラルーシでは鉄鉱石や石炭の採掘は行われていないので、高炉メーカーは所在していない。しかし、ジロビン市にベラルーシ冶金工場(BMZ)という有力メーカーがあって、そこが電炉による粗鋼の生産や、鉄鋼製品の生産を手掛けているのである。

 それで、年末の話になるが、こちらの記事などが伝えているように、EUはそのBMZ製の鉄筋にアンチダンピング関税を暫定的に適用することになった。欧州の業界団体であるEuroferが2016年2月15日に提出した申請にもとづき、欧州委員会が3月31日にBMZ製のEU向け輸出に関するアンチダンピング調査を開始。Eurofer側は、ベラルーシが鉄筋をEUに非市場価格で販売し、欧州の生産者に打撃を与えていると訴えていた。そして今般欧州委員会はBMZの鉄筋に12.5%のアンチダンピング関税を暫定的に適用することを決め、12月20日に公布したものである。正式決定は7月20日までになされ、通常は5年間課税が続く。

 これを受け、こちらに見るように、BMZのアナトリー・サヴェノク社長が現地紙のインタビューで、ダンピングの事実はない旨強調する発言をした。社長いわく、我々はEUの立場には同意しがたい。数量だけでなく、その他の要因をとってみても、BMZの輸出がEU産業の脅威になっていることはありえない。具体的に言えば、我が社の販売戦略にしても、EUの供給者を含め原料を外部に依存していることにしても、設備が過剰となっているわけではないことにしても、ダンピングはありえない。我が社の戦略は、市場を分散してリスクを最小化することにあり、輸出はCIS市場、欧州市場、その他の市場と約3分の1ずつになっている。ある市場が落ち込んだら、別の市場向けを増やすことができるわけだが、その場合でも決して急増するわけではない。EUの中の特定の国に輸出を集中するということもしておらず、多くの国に均等に供給することを心掛けている。EU28ヵ国のうち、24か国に輸出しており、2016年1~11月の金額ベースでは、ドイツ12.7%、オランダ8.5%、リトアニア7.9%、ポーランド6.2%、イタリア3.7%といった内訳だった。我が社にはそもそも遊休の製品や生産能力がなく、特定の市場に供給を急増させることはできない。もしかしたらEU側は2015年の状況を重視しすぎているのかもしれないが、同年にはラトビアおよびスロバキアで工場の閉鎖があったので、BMZからポーランドおよびバルト3国向けの輸出が一時的に増えただけである。同年にはロシア市場で利益が出なくなったので、EU市場に製品を振り向けたという側面もあった。現に2016年にはベラルーシからEUへの鉄筋輸出は低下し、ほぼ以前のレベルに戻った。ロシア・ルーブルが強含んだので、我が社は再びロシア市場に注力するようになった。サヴェノク社長は以上のように弁明した。なお、BMZの生産キャパシティは年産300万tで世界110位ほど、ベラルーシの2015年の粗鋼生産量は世界で41位となっている。

 2016年7月のこちらの記事では、ベラルーシ鉄鋼業の近況が簡単に触れられている。これによれば、機械産業および建設業の低迷が、ベラルーシ鉄鋼業にとっての打撃となっている。2016年第1四半期には、BMZがベラルーシの株式会社の中で最大の赤字を記録した。

 EU市場では、2015年に需要が2.3%増に留まりながら、輸入は27%も増大した。中国に加え、ロシアのメーカーが、EUの生産者を圧迫した。ベラルーシもその波に乗り、非合金鋼の半製品、鋼材のEU向け輸出を拡大した。

 業界団体の「ルースカヤ・スターリ」によれば、2015年にロシアでは鉄鋼の消費が9%減少した。ベラルーシでも、2015年にトラック生産は半減、トラクターの生産は35%減となり、それに伴い鉄鋼需要が低下した。

 2012~2014年にはベラルーシの鉄鋼輸出は年間23億~25億ドルで安定していた。しかし、2015年には価格および需要低迷で前年比26.4%減の17.4億ドルとなった。ただ、いくつかの品目の輸出数量は増大している。BMZの形鋼輸出量は5%伸びたが、価格低下で額は落ち込んだ。2013~2014年にBMZは純損失を記録したが、販売そのものの利益は挙げていた。しかし2015年には販売による利益も挙がらなくなり、活発な設備投資を実施した中で、巨額の純損失を計上した。

 2016~2017年にユーラシア経済連合諸国では経済成長は期待できず、鉄鋼需要が高まるとは思えない。ルースカヤ・スターリの予測によれば、2016年に鋼材需要はさらに6%落ち込むことになる。ベラルーシ国内需要の回復も期待できない。ただ、ベラルーシの鉄鋼メーカーにとって、事態はそれほど絶望的なものではない。ベラルーシの輸出先は充分に分散されており、2016年にEUおよびその他世界向けの輸出量は確保されるだろう。問題はその価格である。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

IMG_0117

 既報のとおり、12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで開かれたユーラシア経済連合の首脳会合に、ベラルーシのルカシェンコ大統領が出席しなかった。ユーラシア経済委員会のこちらのページにその時の様子が出ているが、上掲写真のように、ホストのロシアはベラルーシの国旗の掲出すら許さなかったのだろうか? これはかなり尾を引きそうな対立である。

 それで、上記のサイトにも記されているとおり、今回のサミットでは、ユーラシア経済連合の新たな関税法典の調印というのが、メインイベントだった。そして、私の理解する限り、関税法典はもっと以前に採択されるはずだったのだが、ベラルーシの反対、具体的にはベラルーシ領にある経済特区の取扱をめぐって調整が難航し、それで2016年の年末までずれ込んだということだったはずである。

 具体的には、こういうことである。従来、ユーラシア経済連合加盟国の経済特区での自動車アセンブリに従事するメーカーは、現地調達比率にかかわりなく、他の加盟国に関税なしで自動車を輸出できた。しかし、ベラルーシ特区からの中国ブランドGeely車の流入を問題視したロシアとカザフスタンがルール改正を主導し、今後は特区入居企業であっても、特区外の工業アセンブリ適用企業と同様に、現地調達比率30%(2018年7月からは50%)を達成しなければ、域内製品と認められない方向となった。断片的な情報を総合すると、今回の関税法典で、最後まで揉めたのは、この点だったようだ。

 こちらこちらに見るとおり、ユーラシア・サミットの翌日の12月27日、ベラルーシではルカシェンコ大統領直々に参加する経済特区に関する政権幹部会合が開かれた。記事によれば、ユーラシア経済連合の条件に合わせる結果、ベラルーシの特区では2017年1月1日から入居企業への優遇措置が大幅に縮小されることになる。そこでベラルーシ政府としては、入居企業に対する補償措置、新たな優遇策を準備しているということを、これらの記事は伝えている。

 前回エントリーでは、石油・ガスをめぐるロシアとの対立が、ルカシェンコがサミットを欠席する主原因とお伝えしたが、この関税法典および特区の問題も同様に大きかったのかもしれない。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

lukashenko_putin_20160225_phsl_brush_tutby_004

 12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで、ユーラシア経済連合と、CIS集団安保機構の首脳会合が開かれた。しかし、こちらこちらなどが伝えているように、経済・軍事両面でロシアの緊密な統合パートナーであるはずのベラルーシから、ルカシェンコ大統領が出席せず、物議を醸している。その背景には、石油ガス問題を筆頭とするベラルーシ・ロシア間の対立点があると推察されている。ルカシェンコ大統領の欠席に関し、ロシア側のペスコフ大統領領報道官は、それが討議の妨げになることはない、本日調印される文書はすでに完全にベラルーシ側の合意が得られているものだなどと発言し、影響がないことを強調した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1482851060

 こちらに、RIAノーヴォスチによる2016年のNIS諸国の主要ニュースというものが出ている。基本的に各国1ネタという感じになっている。項目だけ箇条書きにすると、以下のとおり。

  • ウズベキスタンでカリモフ氏死去し新大統領選出。
  • モルドバで秋に政権交代、親ロシア路線に転換か。
  • ジョージア議会選、サアアシヴィリ元大統領の帰還には繋がらず。
  • ロシアで収監されていたサウチェンコ議員が5月にウクライナに帰国。
  • ナゴルノカラバフで4月に戦闘再燃。
  • カザフスタン、テロと首相交代に揺れる。
  • タジキスタン国民投票、ラフモン一族の「王朝化」に道開く。
  • アゼルバイジャン国民投票、副大統領制など導入する憲法改正を可決。
  • ベラルーシでデノミ実施、硬貨も導入。
  • キルギスで9月に世界遊牧民競技大会。

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

000021_825161_big

 こちらによれば、ミハイル・ミャスニコヴィチ・ベラルーシ上院議長(元首相)が同国唯一のタイヤメーカーであるベルシナ社を訪問した際に、ロシア・メーカーによるベラルーシへのタイヤ輸出攻勢に苦言を呈する場面があった。ミャスニコヴィチ議長いわく、ロシア・メーカーによる不公正な競争により、ベルシナが損失を被っている。ロシア・メーカーには、ベラルーシのそれに比べて、エネルギーおよび原料を安く供給する決定がなされており、結果ベラルーシ側が不利に立たされている。ロシア・ベラルーシの共同市場にもかかわらず、競争条件が不平等となっている。タイヤだけでなく、多くの項目において、両国は接近するというよりも、乖離していっている。困難な局面で、一国だけで生き残ろうとするのは、正しくない。ベラルーシ・ロシアの連合国家、またユーラシア経済連合の枠内で、いかにして協調経済政策を実施すべきか、我々は政府と共同で新しいアプローチを検討している。保護主義の措置はすべて、協調的なものであるべきである。保護主義は許容できるが、単一経済空間のパートナーの利益を損なうものであってはならない。競争はあって当然だが、公正なものであるべきだ。ミャスニコヴィチ議長は以上のように述べた。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

belaruskaliy_02102015_tutby_brush_phsl_img_42

 こちらの記事が、ベラルーシの主要輸出品であるカリ肥料の市場動向について伝えている。ベラルーシのミハイル・ルスィ副首相が、議会に出席してジャーナリストの質問に答えた。それによれば、カリ肥料の価格は安定に転じ、若干上昇する気配も見せている。現時点で、ベラルーシカリ社の稼働率は95%である。2015年のカリ肥料の輸出量は920万t(前年比3.1%減)、2016年は900万tになると見られる。2016年上半期は不振で、輸出量が前年同期比で22%減、金額ベースでは3分の1もの減であった。カリ肥料の輸出関税は当初1t当たり55ユーロに設定されていたが、市場低迷を背景に10月1日から12月31日までは45ユーロに引き下げられた経緯がある。2017年国家予算は同55ユーロで編成されており、カリ肥料業界側は市場低迷を理由にその引き下げを求めていた。こうしたこともあり、市況が改善し始めたことは喜ばしい。ルスィ副首相は以上のように発言した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 全然大した情報ではないけれど、2015年のベラルーシの貿易相手国の順位をまとめる用事があったので、せっかくだから作成した表をお目にかける。出所はベラルーシ統計局。言うまでもなく、ベラルーシにとって最大の貿易相手国はロシアであり、以下ウクライナ、中国、英国、ドイツなどと続く。日本は、自動車の輸出などは行われているが、はっきり言ってベラルーシから買うものがないので、ベラルーシ貿易ランキングにおける順位は43位止まりであり、シェアも0.2%にすぎない。

bytrade

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

70cdcf744ea3aa4c6128747208af2702

 こちらのサイトに見るように、ロシアの世論調査機関「VTsIOM」がロシア国民のCIS諸国についての意識を調査し、その結果が発表された。1.CIS諸国のうち、どの国が最も安定・成功していると思うか? 2.どの国がロシアの頼りになるパートナーか? 3.ロシア語話者の権利が守られている国はどこか? 4.それらの国の大統領のうち、最も信頼できるのは誰か? という、4つの設問が示されている。その結果、4つの設問とも、だいたい同じような回答傾向である。容易に想像できるように、ロシア国民はベラルーシ、カザフスタンというユーラシア経済連合のパートナー諸国を高く評価し、ウクライナに対しては厳しい評価を示している。

 「どの国がロシアの頼りになるパートナーか?」という設問では、3つまでの複数回答で、ベラルーシ66%、カザフスタン55%と続き、ウクライナは最下位の2%だった。

 「どの大統領を信頼するか?」という設問では、やはり3つまでの複数回答で、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領65%、ナザルバエフ・カザフスタン大統領54%と続き、ポロシェンコ・ウクライナ大統領が最下位の2%だった。

 今回の調査結果については、早速ベラルーシ大統領府機関紙のサイトが、慶事として伝えている。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1

 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2017年1月号の中身を、例によって編集長特権で、どこよりも早くご紹介。2016年12月は、1991年12月のソ連邦解体から四半世紀という、大きな節目になります。そこで今号では、「ソ連解体から四半世紀を経たロシア・NIS」という特集をお届けしております。その際に、今号のポリシーは、ロシア・NISのすべての国々を、例外なく個別のレポートで取り上げるというものです。調べたわけではありませんが、旧ソ連のすべての国をこれだけ詳しく個別に論じるのは、日本の雑誌としては、おそらく初めてではないでしょうか。私自身は、「農業・食品産業から読み解くベラルーシ」というレポートを執筆し、『バルト三国の歴史 ―エストニア・ラトヴィア・リトアニア 石器時代から現代まで』の書評も担当。12月20日発行予定。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

oil_neft_nafta

 今年前半に発生した石油・ガスをめぐるロシアとベラルーシの不和は、何度か和解が伝えられたものの、結局完全には解消されないまま越年しそうな雰囲気である。

 こちらの記事によると、現在ベラルーシがロシアに供給しているガソリンの量は、両国の合意の水準を満たしていないとして、このほどロシア・エネルギー省のキリル・モルドツォフ次官が苦言を呈した。

 一方、こちらの記事によると、ロシアは経済発展省が策定した2017年以降の経済見通しにもとづき、2017年にはベラルーシから100万tのガソリンを輸入することを希望している。ロシア経済発展省の推計では、2016年の輸入量は58.4万tとなる見通しである。ロシア経済発展省による油価40ドルを前提とした基礎シナリオでは、ロシアは2017年に2,500万tの原油を、2018~2019年には2,400万tの原油をベラルーシに供給することになる。より高い油価48ドルのシナリオでは、2017~2019年のベラルーシへの原油供給量は年間2,400万tとなる。その際にロシアは、原油供給を、その後のベラルーシによるガソリン供給とリンクさせている。ところが現時点ではベラルーシがガソリン供給義務を履行していないので、ロシアからの原油供給は2016年1Qには580万t、2Qには570万t、3Qには350万tに留まった。ベラルーシが10月にガス債務を支払ったことで、原油供給は500万tに回復すると見られる。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

↑このページのトップヘ