服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ベラルーシ

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 ベラルーシでは、中国の乗用車メーカー「Geely」と、地元ベラルーシによる自動車合弁「ベルジー」のプロジェクトがある。同プロジェクトに関し、こちらの記事が伝えている。

 同プロジェクトに関し、このほどベラルーシ側のV.ヴォフク産業相がテレビ番組の中でコメントした。ベルジーは、初期段階では年間最大6万台を生産し、その90%ほどをロシア市場に供給することを計画している。近いうちに年産5万台を達成したあたりで、第2ラインの開設を検討し、それにより年産12万台が可能になる。ベルジー工場の建設が足掛かりとなり、我が国に自動車産業の専門家層が形成されれば、将来的にはベラルーシ独自の乗用車を生み出せるかもしれない。大臣は以上のように述べた。


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 こちらによると、ハイネケンは2007年にボブルイスクにあるビール工場を買収し、ベラルーシに生産アセットを有する数少ない大手外資メーカーとなっていたが、このほど資産を売却してベラルーシから撤退することになった。なお、2014年にはベラルーシの政権当局が、ハイネケン工場は赤字を出しているとして批判したことがあった。


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 こちらによれば、欧州委員会はベラルーシ産の鉄筋にアンチダンピング関税を適用することを決定した。5年間適用される。決定は、調査の結果、ベラルーシ産の鉄筋はEU市場に市場価格よりも58%安く供給されていると認定されたことを受けたもの。調査は2016年3月に開始され、2016年12月には暫定税率12.5%が導入されていた経緯がある。ベラルーシ唯一の鉄筋生産者は、ベラルーシ冶金工場である。EU側のデータによれば、2012年から2015年にかけてベラルーシからの輸入は3倍に増え、EU市場の5%に到達、価格は25%下落し、EU自身の生産は5%低下した。しかし、ベラルーシ側はダンピングの事実を否定し、輸出増はラトビアおよびスロバキアの2工場が閉鎖になった関係で2015年に一時的に輸出が結えた結果にすぎなかったと反論している。


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 ベラルーシの主力輸出品であるカリ肥料は、価格が低迷しているようだ。こちらの記事によれば、2017年第1四半期の価格は、前年同期から25.7%も低下しているという。供給過剰、主要生産国で計画されている生産能力の拡張などが、価格低迷の原因ということである。

 これにより、ベラルーシの生産者「ベラルーシカリ」の財務が悪化しているようで、こちらの記事によれば、そうした事情に配慮して、このほど6月6日付のベラルーシ大統領令により、カリ肥料(HSコード3104)の輸出関税が引き下げられることになった。1t当たり55ユーロとされていた税率を、20ユーロに引き下げる。当該措置は2017年4月1日から12月31日までの期間適用される。

 それだけベラルーシカリ社の経営が厳しいということなのだろうが、言うまでもなく税率を引き下げれば財政の痛手となるわけで、石油精製部門の苦境といい、ベラルーシは踏んだりけったりだ。


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 こちらのサイトこちらのニュースによれば、トランプ米大統領は6月13日、ベラルーシに対する制裁を、1年間延長する措置をとった。6月16日からさらに1年間適用される。当該の制裁は、ベラルーシにおける人権侵害や政治的抑圧が、米国の国家安全保障の脅威になっている(!)ことを理由に、ブッシュ・ジュニア時代の2006年6月16日から施行されているもの。ルカシェンコ大統領をはじめとする政府高官らが対象で、在米資産凍結、米国渡航禁止、米企業との取引禁止がその中身。

 トランプが就任してみたら、対ロシア政策の変化はそれほどなかったし、ベラルーシ政策もとりあえずは変更なしとなった格好だ。一度決めた政策を、廃止するのは、それはそれでパワーが要る。


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 こちらの記事によると、ベラルーシのセマシコ副首相は、ロシア産エネルギーへの過度な依存は危険である旨発言した。副首相によれば、ベラルーシの発電の95%は、天然ガスを利用している。たとえどんな友好国であろうとも、我が国のエネルギー需要の95%を一国に依存するというのは、危険である。だからこそ我が国は原発を建設し、その依存を回避しようとしている。近い将来に天然ガス価格が値上がりするはずで、その頃までには原発の建設が完了し、そうしたリスクにある程度備えられるはずである。セマシコ副首相は以上のように述べた。(実は原発建設の資金も技術も、核燃料もすべてロシアに依存するわけだが。)


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 ウクライナに「ミロニウカ・パン製品」という有名な食品会社がある。ユーリー・コシューク氏という富豪が経営しており、旧ソ連最大規模の養鶏業者として君臨している。私は今般初めて知ったのだが、同社傘下の「クルィラ」というファストフードチェーンがあるそうで、これまではウクライナ国内でチェーン展開していたようだ。

 それで、こちらのニュースによると、そのクルィラがベラルーシとカザフスタンにも進出しようとしているということである。ベラルーシでは20店程度、カザフスタンでは10店程度と、フランチャイズ契約を結ぶ意向。なお、クルィラは2011年からチェーン展開しており、米国のKFCの開拓した市場セグメントに食い込もうとしている。現在までに、ウクライナ国内で約40店舗を数えるということである。

 まあ、購買力や市場規模からして、本当はロシアに出たいんだろうけどな(笑)。コシューク氏のビジネスについては、以前当ブログで取り上げたので、よかったらご参照を。


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 にわかには信じがたい話だが、旧ソ連諸国で最大の牛乳生産者は、実はベラルーシ大統領官房である。ベラルーシ大統領官房は以前から不動産などの商業活動を手掛けていたが、ルカシェンコ政権の黒幕的な存在であるヴィクトル・シェイマン氏が2013年1月に大統領官房長に就任して以来、従来にも増して商業活動への進出に熱心になった。その一環として、大統領官房は一連の酪農企業を傘下に収め、旧ソ連最大の牛乳生産者に躍り出た、というのが事の次第である。ロシアあたりでは黒い液体をめぐる権力闘争が激しいが、ベラルーシは同じ液体でも白い牛乳をめぐる利権の争奪をやっているわけだ。

 ところが、こちらのニュースによると、大統領官房による畜産利権に、異変が生じたようである。大統領官房が保有するアグロホールディング「マチュリシチ」から今般、3つの農場が剥奪され、ブレスト州およびヴィテプスク州の行政に所有権が移転された。3農場合わせて、10万tほどの牛乳生産規模を有していたようだ。その結果、今やマチュリシチに残っているのは3つの農場で、2016年のそれら3農場による牛乳生産量は9万tあまりだったそうだ。

 シェイマン氏がルカシェンコの不興を買ったのか、それとも何か別の事情があるのか、そのあたりは今のところ不明。

 (PS:本件についての続報はこちら


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bypro

 ベラルーシはロシアから輸入した原油を自国2箇所の製油所で精製して製品を主に欧州方面に売ることを、産業の柱としている。自前の石油資源は乏しいのに、エネルギー大国ロシアの「おこぼれ」にあずかるような形でしばらく前までは高成長を実現していた。しかし、ここ2~3年の石油価格の低迷でロシアが打撃を受け、ベラルーシもそれに連動して厳しい局面を過ごしてきた。

 それで、最近のこちらこちらの記事などを見ると、ベラルーシの石油精製業はまさに「三重苦」の状況にあるのだなとの思いを強くする。第1に、大前提として、油価の低迷が長引いていること。第2に、当ブログでも何度か取り上げたように、ロシアは現在、「税制マヌーバ」と称する石油部門の税制改革を推進しており、その結果ベラルーシがロシアから調達する原油の価格が(国際価格に反して)上昇傾向にあること。そして第3に、こうした厳しい環境下で、ベラルーシがロシアと天然ガス価格問題で揉め、その結果2016年下半期の原油供給をロシアに大幅カットされた。両国の事前の合意では、2016年に2,400万t供給されるはずであったものが、実際には1,816万tに終わった。

 以前お伝えしたように、本年4月に両国は和解し、2017年以降の供給量は元の2,400万tに戻すことが決まったもの、対立の火種が完全に消えたとは思えない。


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 先日、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談し、両国がお互いの農産物に課していた輸入禁止措置を解除することになった。しかし、最重要品目であるロシアのトルコからのトマトの輸入は、禁輸が解除されるのは3年後ということになった(ちなみにキュウリも)。それに関連する記事がロシア『エクスペルト』誌の2017年5月22~28日号(No.21)に出ている。

 上掲は、その記事に掲載されていたグラフであり、左側がロシアにおけるトマト収穫量を、右側がロシアのトマト輸入量を示している。従来、ロシアのトマト輸入のざっと半分程度がトルコからであり、その輸入が減ったことで、ロシアの輸入代替生産が進んできた。過去4年間で、ロシアでは野菜の温室栽培に1,500億ルーブルが投資され、生産者がすでに行った投資をなるべく早く回収するためにも、今すぐにトルコ産トマトを解禁するわけにはいかないという事情があった。過去数年ロシアでは、小売チェーンのマグニトや、総合事業のシステマ社といった様々な企業が野菜の温室栽培に参入していた。

 ちなみに、こちらの記事が伝えているとおり、2017年第1四半期に、トルコのトマト輸出相手国としてベラルーシが第1位に浮上したということである。ベラルーシのトマト需要がそんなに急に高まるとも思えず、何らかの形でロシアに流れている可能性が高いのではないか。


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 あまり一般的な話題ではないが、こちらの記事で取り上げられている問題は、私の個人的な研究分野にとって非常に重要な事柄である。ロシアの輸入代替政策と、ユーラシア経済連合の統合が、どう関わり合うかという問題である。

 記事によると、ユーラシア経済委員会の鉱工業諮問委員会は、ロシアが提案した輸入代替プログラムをユーラシア空間で実施するとの提案を、検討した。すでに、ロシアの輸入代替プログラムに参加する意向を表明しているユーラシア経済連合加盟諸国の鉱工業企業の暫定リストが制定されている。17の鉱工業部門に及ぶ62品目の輸入代替プログラムが選定された。工作機械、軽工業、化学工業、電力機械等が対象になっている。飛行機の座席生産から、包帯に至るまで、多様である。実際にユーラシア諸国の企業がロシアの輸入代替プロジェクトにどのようなメカニズムで参加するかは、今後専門家が検討する。諮問委員会のS.シドルスキー委員長(元ベラルーシ首相)は、輸入代替、産業協業のアプローチはユーラシア統合のポテンシャルを考慮し足並みを揃えるべきである、ある加盟国で生産されている品目を別の加盟国が国庫を投じて輸入代替するのは無意味だ、一本化された政策手段を策定して既存のポテンシャルを活用すべきだ、などとコメントした。ロシアの輸入代替プロジェクトへの参加を希望しているユーラシア企業リストには、ベラルーシ企業が多い。今後ユーラシアの枠内での輸入代替の問題は、夏の終わりか秋の初めに開催される次回会合で継続審議する。なお、ロシアの輸入代替にユーラシア諸国企業が参加するという件に関しては、2016年5月31日にプーチン・ロシア大統領が提案し、ロシア産業・商業省とロシア・エネルギー省が他のユーラシア諸国の関係者と共同で25の産業部門に関する提案を策定したという経緯である。


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 こちらに、ちょっと面白い話が出ている。ユーラシア開発銀行のD.パンキン専務理事(写真)が、内陸国は通商の最大30%を失うと指摘したということである。なお、ユーラシア開発銀行はロシア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アルメニアが参加している国際金融機関で、ロシア以外の5ヵ国はすべて内陸国である。パンキン専務理事が国連経済社会会議のフォーラムで指摘したところによれば、内陸国の平均的な経済指標は、海への出口を持っている国のそれに比べ、1.5%ポイント低い。貿易量は、30%低い。その原因は明らかであり、輸送費が高くつくことである。内陸国の輸送費は、海に面した国と比べて、最大で50%高くなる。その解決策こそ地域経済統合であり、国境・通関コストを引き下げ、労働力・資本の可動性を高めることによって、地理的な孤立を軽減できる。パンキン氏は以上のように述べた。


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 こちらの記事によると、A.ヴァルドマツキー氏が主宰する「ベラルーシ分析室(BAW)」が、2017年3月28日~4月13日に1,063人を対象にベラルーシ全土で実施した世論調査において、回答者が主な外国元首をどう評価するかということが問われた由である。その結果を図示したのが上図。上から、プーチン・ロシア大統領、トランプ米大統領、メルケル・ドイツ首相、ポロシェンコ・ウクライナ大統領と並んでいて、その順に肯定的な評価が多いという結果になっている。


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 ロシアなど5ヵ国から成るユーラシア経済連合では、当初の予定では、2016年1月1日から共同医薬品市場が成立するとされていた。しかし、実際には作業が遅れ、このほどようやく共同市場が発足したということである。こちらのサイトによると、加盟5ヵ国の批准を経て、5月6日から共同医薬品市場がスタートするということである。

 この場合、共同市場というのが意味するのは、医薬品の臨床の問題、認可、価格管理、政府調達などの機能を、各国レベルから、超国家レベルのユーラシア経済連合に移管するということのようである。ただし、移行期間が設けられており、2020年12月31日までは、メーカーは自国政府か、ユーラシア経済連合か、どちらに申請を行うかを選択することができる。

 今のところ、私の理解もだいぶ漠然としているのだけど、このテーマについては今後詳しく調べる予定なので、いずれまた報告する機会があるかと思う。


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 少々遅れ気味のフォローになってしまった。こちらのサイトや、こちらの記事が、ユーラシア経済連合の関税法典の施行が、半年延期されることになったと伝えている。ユーラシア経済委員会の理事会が4月28日に開催され、従来2017年7月1日からの施行とされていたものを、2018年1月1日施行へと延期したものである。ユーラシア経済委の上記サイトでは、「関税法典の批准手続きを同時進行化することを決定した」という意味深長な言い回しとなっていおり、要するに一部の国の批准手続きが遅れているのでそれを待つということだろうか。


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 当ブログで以前やっていた「日めくり紋章」というシリーズは多忙につき休止中だけれど、ちょっとそれに関連するような話題。こちらの記事によると、このほどベラルーシ外務省は上掲のような新しいシンボルマークというかエンブレムを制定したということである。周りにあしらわれている言葉は一応ベラルーシ語だ。


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 こちらのサイトで、政治学者のアンドレイ・スズダリツェフ氏(写真)がロシア・ベラルーシ関係についてコメントしているので、要旨をまとめておく。

2015_12_25_andrey_suzdaltsev_3551 ロシアとベラルーシの対立は完全に解消したわけではない。対立は2015年末に始まり、2016年1月にガス問題をめぐって先鋭化、それが15ヵ月ほど続いた。そもそもの問題は、ベラルーシがロシアから享受する優遇、融資、ロシア市場へのアクセスが、ベラルーシが自国民を養うのに不充分なレベルだったということである。ベラルーシは、ロシア本国に劣らず、ロシアの財政によって生きており、それには安いエネルギーの供給も含まれる。ベラルーシは、自分たちはより多くを要求する権利があると考え、2016年1月から契約通りにガス代金を払うことを停止したのである。

 ロシア・ベラルーシ関係は、パラダイムが変わった。第1に、ロシア側はベラルーシに対する譲歩をやめた。ロシアはベラルーシに、法律にもとづいて契約を果たすよう求めた。第2に、ロシアは過去四半世紀、ベラルーシへの支援を前払いという形で支払ってきたが、それに対するしかるべき見返りをベラルーシから得られなかった。そこでロシアは支援水準を引き下げたが、ベラルーシ経済はカネを浪費するブラックホールのようなものであり、ベラルーシ指導部はその数倍もの支援を求めた。過去数年で様々な形により20億ドルをつぎ込んだにもかかわらず、その結果としてベラルーシに出現したのは崩壊した経済、より貧しい国民、出稼ぎの横行(3月時点で約50万人がロシアで働いている)、ベラルーシ版オリガルヒの輩出だった。こうした次第なので、今後も対立は続くが、今は一時的に収まったところである。


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 昨日お伝えしたように、1年以上続いてきた石油ガス供給をめぐるベラルーシとロシアの対立が、このほどようやく解決した。そして、明らかにこの両国の歩み寄りを受けた動きになるが、こちらこちらの記事が伝えているとおり、ベラルーシのルカシェンコ大統領は4月11日、ユーラシア経済連合の関税法典に署名を行った。当ブログでも何度か報告してきたとおり、昨年12月に開催されたユーラシア経済連合の首脳会合をルカシェンコはボイコットし、同会合では目玉であったユーラシア経済連合関税法典への署名を、ベラルーシ抜きの4ヵ国首脳だけで行った経緯があった。ユーラシア経済委員会によれば、ルカシェンコの署名はすでに事務局に届いており、近く関税法典はウェブサイトに掲載されることになる、という。

 なお、ユーラシア経済連合の概要をまとめた便利な図がこちらに出ていたので、転載させていただく。

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 こちらなどが伝えているように、1年以上続いてきた石油ガスをめぐるベラルーシとロシアの対立が、このほどようやく解決した。ロシアからベラルーシへの天然ガスと石油の供給条件に関し、両国政府間で妥結し、4月13日に合意文書(複数)に署名したものである。今回の文書署名に先立っては、ガスプロムが、ベラルーシから2016~2017年のガス代金7億2,620万ドルを満額受け取ったと発表していた。

 今回の合意によれば、ロシアはベラルーシ向けのガス価格に、現行の価格決定方式から割引する係数を適用する。また、原油供給は、削減前の水準である年間2,400万tに戻すこととする。ただし、合意の細部は公表はされていない。

 ガス供給価格は、2017年は現行のままで、2018~2019年は13日にガスプロムのミレル社長とベラルーシのセマシコ副首相が調印した覚書に沿って決定される。ただし、詳細は明らかになっておらず、ガスプロムでは単に「従来通りヤマロ・ネネツ自治管区での価格にリンクして決められる」と説明している。ロシアのドヴォルコヴィチ副首相は、2018年からベラルーシ向けの単価は130ドル以下となると言明している。両国が加盟するユーラシア経済連合では、2025年に共同ガス市場を発足させることになっており、両国はそれに向けて2018年までにそれぞれの提案を示すことになった。

 原油供給に関しては、2017年から2024年まで、年間2,400万tをパイプラインで供給することになった。なお、2021年以降、供給を2,400万tよりもさらに拡大する可能性もあるとされている。


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 前のエントリーと同じような話で、今度はベラルーシの主要品目の生産量に占める輸出の比率というグラフがこちらに出ていたので、2011年とやや古いデータではあるが、取り上げさせていただく。小国なので、輸出依存度は全体的に非常に高い(しかも多くの品目でロシア市場に過度に依存)。整理すれば、品目ごとの輸出比率は以下のとおり。

  • トラック:83.7%
  • トラクター:96.8%
  • バス:70.8%
  • エレベーター:68.7%
  • カリ肥料:88.6%
  • タイヤ:71.9%
  • タイル:75.5%
  • 家庭用冷蔵庫・冷凍庫:78.7%
  • テレビ:67.0%
  • 洗濯機:51.8%

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 こちらこちらの記事によると、EUは4月7日から、テロ対策のために、シェンゲン協定加盟諸国に外国籍人が出入国する際の管理を厳格化した。しかるべきデータベースを用いて、外国籍人の特定と出入国手続きが厳格に行われるようになった。その結果、貨物を輸送するトラックがベラルーシからEU領に入国するにも従来以上に手間と時間を要するようになり、ベラルーシの対リトアニア、ラトビア、ポーランド国境では700台の大型トラックの行列ができている。一方、ベラルーシの対ウクライナ国境では何の問題も発生していない。


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 こちらの記事によると、過去1年ほど続いている石油・ガスの供給をめぐるロシア・ベラルーシ間の対立につき、解決策を探る両国政府間の交渉が3月30日に行われたものの、物別れに終わった。本件は、2016年初めから、ロシアの供給するガスの料金が不公正に高いと主張して、ベラルーシ側が一方的に引き下げた価格での支払を行い、その結果7億ドルの債務が累積、ロシア側はベラルーシへの原油供給を削減するという対抗策を示していたものである。不調に終わった今回の政府間交渉につき、ロシアのノヴァク・エネルギー相は、次のようにコメントした。いわく、残念ながら、紛争の調整につき、最終的な合意は得られなかった。最大のネックは、ベラルーシ側が、大幅な値下げと支払期限の延長がなされなければ、債務を償還しないとしていることである。我が国からすれば、ベラルーシの立場は充分に建設的とは言えないが、この紛争は我が方から始めたのではなく、交渉は続けていくつもりで、ベラルーシ側がより建設的になってくれることを願う。ノヴァク大臣は以上のように述べた。


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 ベラルーシがロシアと石油・ガス供給で揉めて、ロシアの代替の原油供給源模索の動きに出ている。そうした流れで、こちらのニュースによれば、今般イラン産原油8万tを積んだタンカーがウクライナのオデッサ港に到着した。オデッサから鉄道でベラルーシのモズィリ製油所に輸送される。ウクライナ領の鉄道輸送は、オデッサ・ペレスィピ駅から、対ベラルーシ国境のベレジェスチ駅までで、輸送料は1t当たり11.88ドルとなる。


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ichi

 ロシアはなぜゆえにベラルーシを重視するのか? かつて、その一つの要因として挙げられていたものに、飛び地である戦略的要衝=カリーニングラードへの輸送路確保というポイントがあった。ベラルーシとカリーニングラード州が直接地続きになっているわけではないのだが、ロシア本土とカリーニングラードとの鉄道輸送はベラルーシとリトアニアを通るので、カリーニングラードという飛び地を維持するためにも、輸送路としてのベラルーシを押さえておく必要があると、まあそんなような言説があった。ちょっと分かりにくいかもしれないけれど、上掲の図参照。

 しかし、そうした状況が変わりつつあるようである。こちらの記事によれば、ロシアは料金への不満ゆえにリトアニア~ベラルーシの鉄道輸送路を敬遠し、カリーニングラードとロシア本土を結ぶフェリー輸送(自動車だけでなく鉄道車両も運ぶ鉄道連絡船)を強化する方針のようだ。

 記事によると、カリーニングラード州バルチースク港と、本土のレニングラード州ウスチルガ港を結ぶ鉄道連絡船が、強化されることになる。新船の建造と運航のために、官民パートナーシップでプロジェクト会社が設立され、㈱ロシア鉄道が出資する。連絡線の価格競争力を維持するために、ロシア政府はカリーニングラード州とロシア本土を結ぶ鉄道輸送に適用している補助金を撤廃することを検討している。2月22日に当該の準備作業がD.コザク副首相から運輸省に命じられた。国は建設作業に51億ルーブルを支出する構え。当該の鉄道連絡船は2006年から存在し、現在2隻が運航しているが、近く退役予定。それに代わる3隻を新たに建造する方針が、2016年春に決まった。建造費用は総額110億ルーブル。


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minsk

 ベラルーシで反政府デモの動きが広がっているのだが、一体何について揉めているのか、一般の皆さんには分かりにくいと思う。実はベラルーシでは2015年に「穀潰し課税策」とでもいうべき制度が導入された。国民が失業をすれば、日本であれば失業手当を受けられたり、長期的な貧困に陥れば生活保護が受けられたりするところ、ベラルーシではそうした人は働かずに国民経済に貢献していない者だと位置付けられ、課税されることになったのだ。正直、なぜ今になって反対デモが起きているのか、個人的に分からないのだが、とにかくこの政策反対を掲げるデモがミンスク、モギリョフ、グロドノなどの大都市で発生し、逮捕者も多数出ているということのようである。

 こちらの記事によれば、多くのデモ参加者は特定の野党に属しているのではなく、あくまでもルカシェンコ政権がもたらした今日の経済難がデモ参加の理由だという。デモ隊のプラカードには、「国民にとっての主たる穀潰しは、官僚、政治家、警察だ」といったスローガンが見られる。一方でデモ隊には無政府主義者の一団も含まれており、警察が目を光らせている、という。


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 こちらの記事によると、ベラルーシとロシアのカリ肥料産業が、関係を修復する可能性が出てきた。ベラルーシのベラルーシカリ社と、ロシアのウラルカリ社は、かつては共同販売会社を築いており、往時にはその連合が世界市場の40%を押さえていた。しかし、2013年にその協業関係が崩れ、以降はライバル同士となり、販売競争が世界的な価格下落に繋がった経緯がある。しかし今般ベラルーシのルカシェンコ大統領が、ロシア側と関係を修復して共同販売会社を再興する用意がある旨表明した由である。ルカシェンコ大統領は、「我が国の側が一方的に譲るつもりはないが、相互譲歩であれば応じる用意があり、それは互恵的なものでなければならない」と発言した。ベラルーシのカリ肥料の輸出量は2015年の920万tから2016年の900万tに落ち込み、価格も25%ほど下落している。2017年には1,000万tを輸出したいという意向を有している。


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 これもベラルーシとロシアのエネルギー関係。こちらの記事によると、ロシアのガスプロムがベラルーシにガスを輸出する際の2017年の価格が明らかになった。ガスプロムのゴルベフ副社長が、ノヴァク・ロシア・エネルギー相に1月25日に送付した書簡の内容から判明した。これによれば、2016年通年の価格が1,000立米当たり132ドルだったのに対し、2017年1月1日からは141.11ドルとなり、6.81%上昇する。

 なお、上掲の図はこちらからとったもの。


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 「イジメ、カッコ悪いよ」の公共広告じゃないが、昨年来、ベラルーシがロシアにいじめられたような形になっている。近年ベラルーシ経済の生命線となっているのが石油精製業であり、同産業はロシアから割安な原油を安定的に輸入しなければ成り立たないところ、ロシアがベラルーシによる天然ガス代金の未払いを理由に原油の供給をカットし、ベラルーシが窮地に立っているものである。

 こちらのサイトに、ロシアのベラルーシ向け原油輸出(HSコード2709)の四半期別動向を跡付けた図表が載っていて、有益なので転載させていただく。上が輸出量、下が輸出額であり、いかにラディカルに削られたかが、良く分かる。

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 ミンスク市内に創設された「ベラルーシ・ハイテクパーク」は、ソフト開発の拠点として近年成長を遂げ、今やベラルーシ経済の希望の星のようになっている。こちらの記事によると、このほどハイテクパークのヴァレーリー・ツェプカロ総裁が、2016年の活動実績を明らかにした。それによると、ハイテクパークは2016年に7億9,020万ベラルーシ・ルーブルのソフト開発を行った。これは9億440万ドルに相当し、ドル表示では前年比19%増だった。ツェプカロ総裁は2016年の目標を10億ドルとしていたので、その達成は逃した形だが、いずれにせよ順調な発展が続いている。2016年のドル実績が目標を下回ったのは、ロシアからの発注の減少と、ユーロおよび英ポンドの対ドル・レートの下落である。いずれにせよ、世界全体のIT市場の成長が3%であったことを考えれば、ベラルーシの19%増は上々である。2016年にハイテクパークは世界67ヵ国の発注に応え、輸出の半分は西欧、43%は米国であり、ロシアのシェアは43%に低下した。ハイテクパークには165の入居企業があり、27,000人を雇用している。入居企業でサービス輸出額のトップ5は、EPAM Systems、Game Stream、IBA IT Park、Itransition、iTechArt Groupとなっている。


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 少々入り組んだ話である。情報源はこちらこちらこちら

 記事によれば、2014年12月に、ある事件が起きた。バルト海に面したロシアの飛び地であるカリーニングラード州は、ロシアにおけるテレビ組立産業のメッカとなっており、同地で組み立てられたテレビが、リトアニア~ベラルーシを経由して、ロシア本土に出荷されている。ところが、2014年12月に、テレビおよびテレビチューナーのメーカーであるカリーニングラードの10社以上の貨物を積んだトラック38台が、ベラルーシ税関に拘束され、貨物が没収されるという事件が生じた。ロシア側が被った損害は5億ルーブルに上るとされる。充分な申告がなされていないというのが、ベラルーシ側の主張した没収理由だった。ロシア側が、カリーニングラード州で合法的に生産された商品であるとしたのに対し、ベラルーシの専門家および当局はこれらは付加価値税の支払を逃れる形でユーラシア関税同盟に持ち込まれている中国製品であるとした。

 事件を受け、ロシア司法省は、ユーラシア経済連合裁判所に本件審理を依頼した。ベラルーシはユーラシア経済連合条約、関税同盟関税法典125条、税関相互協力協定11条および17条に違反しているというのが、ロシア側の訴えだった。そしてユーラシア経済連合裁判所はこのほど2月21日に、ロシアの訴えを認める判決を下した。ただし、その際に5名の判事が個別意見を提出した。判決の結果、カリーニングラード州の企業はベラルーシから補償を受ける可能性が生じた。

 なお、こちらのサイトによれば、ユーラシア経済連合裁判所は、2015年1月1日のユーラシア経済連合の発足と同時に設置された。ユーラシア経済連合創設条約をはじめとする国際条約の統一的な適用を図るのが目的。加盟5ヵ国が各2名、計10名の判事を出しており、現在はベラルーシ派遣のアレクサンドル・フェドルツォフが裁判所長官となっている。


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