服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: サッカー

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 編集を担当している『調査月報』の締め切りにつき、ブログには大した記事も書けずに、申し訳ない。先のワールドカップに向け、ロシアでは各地方に不相応に大きなスタジアムが完成し、大会後、国内リーグ戦が始まって、それらのスタジアムにちゃんとお客さんが入っているか、気になっていた。そこで、新たに新スタを手に入れたプレミアリーグ所属の各地方クラブのホームゲーム6試合分の観客動員数を、グラフにまとめてみた。クルィリヤ・ソヴェトフ・サマラ、FCウラル、FCロストフの3チームの数字である(厳密に言えばFCウラルは新築ではなく改築だが)。で、こうやって数字をまとめてみると、W杯の余熱や、新スタ効果ゆえか、観客動員は今のところ大健闘と言えそうである。ただ、サマラなどは右肩下がりになりつつあるのが気になる。それに、ロシアはこれから冬を迎え、冬季中断があるとはいえ、12月初旬くらいまでは試合をしなければならないから、これからが本当の真価が問われる。


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 誰も興味がないような話で恐縮である。ウクライナで、サッカー・プレミアリーグの試合を観に行くと、試合前にウクライナ国歌の伴奏が流され、皆でそれを歌うことになっている(ナショナルチームではなく、あくまでもクラブ・レベルの試合である)。もっと言えば、試合中にも、自然発生的に観客席が国歌を歌い始め、そのたびに当方も起立しなければならないので、面倒である。

 そんなこんなで、ウクライナ・プレミアリーグにおける国歌の演奏は義務付けられたものであり、少なくとも2014年の政変後は義務になっているのだろうと想像していた。しかし、今般調べてみたところ、こちらこちらの記事に見るとおり、試合前の国歌が義務付けられたのは、つい最近のことらしい。具体的に言えば、2017年11月6日のウクライナ・サッカー協会の理事会で国歌義務付けが決定され、2017/18シーズンの途中から施行されたということだ。なお、この決定に先立っては、シャフタールVSマリウポリの一戦の前に国歌が演奏されず物議を醸したことがあったそうで、従来は自然発生的だったものをこの事件を受けて名文化したということのようだ。


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 ロシアW杯では3万人を超えるボランティアが大会の運営を大いに盛り立てたが、こちらの記事によれば、大会終了後、一部でそのユニがネットなどで売りに出されるという現象が見られるということである。ボランティア自体は報酬なしの奉仕活動なので、この記事では、「せめて少しでもマネタイズしようとしたのか」といった調子で伝えている。

 今大会では、一般客と区別するために、市内、ファンゾーン、プレスセンターのボランティアには青系のコスチュームが、スタジアムおよびその周囲のボランティアには赤系のコスチュームが配布された。ボランティアになると、各人のサイズに合うズボン、Tシャツ、パーカー、雨合羽、キャップ、リュック、シューズ入れ、カバンのセットを無料でもらえ、それらは一生の思い出になるとうたわれていた。ところが、大会終了後に、それらのセットが、安いところでは4,000ルーブル、高いところでは4万ルーブルほどで売りに出されている。なお、ボランティアに関する規定には、グッズを販売してはいけないという項目は存在しない。


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 ロシア代表が自国開催W杯で大善戦したことにより、プレーヤーたちの市場価値も上昇したようである。こちらのサイトでは、下に見るように、主なプレーヤーの市場価値が大会前(水色)と大会後(黄色)でどのように変化したかを図示している。目立つのは、Aゴロヴィンの1,800万ユーロ→2,500万ユーロ、D.チェルィシェフの300万ユーロ→800万ユーロ、M.フェルナンデスの1,600万ユーロ→2,000万ユーロなどである。ロシア代表全体の市場価値は、1憶6,060万ユーロから、大会後には1憶8,370万ユーロに上昇したということである。

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 ちょっと忙しいので、簡単なネタだけで。ロシアのサッカースタジアムは、食べ物にまったく期待できず、名物と言えるようなものも、ほとんど思い当たらない。唯一、もしかしたら、茹でとうもろこしだけは、ロシアのスタジアム名物と言えるかなと、以前から思っていた。上の写真は、まだ新スタが出来る前の時代のゼニト・サンクトペテルブルグのとうもろこし売りである。ただ、ひょっとしたら、ロシアだけでなく、ヨーロッパの他の国でも見られたりするのかなと、そのあたりが良く分からなかった。

 そうしたところ、W杯開幕前の情報だが、こちらのサイトに、主要国のサポーターのパラメーターを比較した特集記事が出ており、その中で、「スタジアムで何を食べるか?」という項目もあった。これを見ると、茹でとうもろこしというのが書いてあるのはロシアだけなので、茹でとうもろこしはロシアのサッカースタジアムの名物であると言ってよさそうである。


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 W杯決勝戦のプッシー・ライオット乱入事件、最初は良く事情が分からず、「なんか決勝に水を差す残念な出来事が起きちゃったな」くらいに感じただけだったが、事実関係が判明するにつれ、また時間が経過するにつれ、自分の中のモヤモヤがどんどん大きくなってきている。

 試合の翌日、プッシー・ライオットの仕業だということを知った時に、私が思ったのは、「今大会でロシアは、テロリストもフーリガンも封じ込めたのに、最後の最後に、あの連中に足元をすくわれちゃったな」といったことだった。

 しかし、そのあと、やや考えが変わってきた。プッシー・ライオットの今回の行為は、本質的にテロ行為なのではないかと思えてきた。むろん、テロというのは基本的に暴力で他人を殺傷することを指すのは承知している。しかし、たとえば「サイバーテロ」なんて言葉があるとおり、他人の価値を破壊的に毀損しようとする行為は、広い意味でテロと言えるはずである。プッシー・ライオットの連中が笑いながらグランドを走り回っている姿を改めて見て、これはテロに他ならないとの思いを強くした。自らの主義主張を唱えるために、ピッチ上で戦っている選手たちの思いも、全世界で固唾を飲んで見入っているサッカーファンの気持ちも、一切お構いなしと言うのであれば、程度の差こそあれ、その思考様式はテロリストのそれとまったく同じである。暴力に訴えていなくても、笑っていても、テロはテロであり、いわば「ゆるテロ」である。

 ロシアのニュースサイトなどを見ても、今回の事件に関する突っ込んだ分析や論評はまだそれほど見当たらない。そうした中、多少踏み込んだ論評を示していたのが、こちらの記事である。D.コレゼフ(コリョーゼフ? コレジョーフ?)という論者の個人的意見とされているが、今回のプッシー・ライオットの行為は従来と比べてそれほど過激ではなく、ロシアもプーチンも侮辱する内容ではなく、誰も傷付けないで世界に向けて自分たちの主張を伝える絶妙なやり方であった、これによりロシア国家は穏便化・人道化していくだろうなどと論じており、個人的にはきわめてナイーブな見方と感じる。

 ちなみに、こちらの記事では、プッシー・ライオットの連中がいかにして事を成し遂げたかということが書かれている。これによれば、彼らは1週間ほどかけて今回の行為を準備した、他人のファンIDを利用して会場に入った、トイレで持参した警察の制服に着替え、それを着てなるべくピッチの近くまで近付く手はずだった、などと伝えている。

 それにしても、腑に落ちないのは、ガチ中のガチであるロシアの情報機関が、プッシー・ライオットの動きを察知していないなどということがありえるのか?ということだ。これまでもスキャンダラスな行為を続けてきたプッシー・ライオットが、W杯に何かしでかすことは当然考えられ、それこそテロリスト予備軍並みにマークされていたと考えるのが普通だろう。他人のファンIDを使ってスタジアムに忍び込んだくらいで、当局の監視の目を逃れられるものだろうか? もしかしたら、当局はプッシー・ライオットの動きは知った上で、泳がせていたのではないかという疑問を抱きたくなる。連中があの舞台で騒ぎを起こせば、彼らを弾圧することをロシア国内および世界向けに正当化できる。。。むろん、今のところ何の証拠もないが、そんな風に勘繰りたくなるのも、モヤモヤが募る一因である。


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soukouhi

 今回のW杯ロシア大会で使用された12スタジアムの総工費を比較するグラフを作成してみた。数字は、今大会での無駄遣いに批判的な論陣を張っているこちらの記事からとった。ただ、ロシア・ルーブルのままでは分かりにくいと思うので、直近の為替レートで日本円に換算して示した。カッコ内に「改築費」と書かれているスタジアムに関しては、既存のスタジアムの建設費は除外し、改築費用だけを記している。他はすべて新規建設である(カザンとスパルタクは大会よりもしばらく前に完成していたが)。

 我々に身近な例で言うと、ガンバ大阪の吹田スタジアムの総工費は140億円程度と言われ、ロシアのW杯向け新スタはすべてそれを上回っている。ただし、問題は為替レートの要因だろう。ロシアでは2014年以降ルーブルが暴落し、他方で建設費用は資材・人件費等ルーブル建てのものが多いはずなので、ルーブル安によって外貨換算建設費が低く抑えられたはずである。2013年頃までの為替レートで計算すれば、日本円換算の建設費は、このグラフにあるよりも1.7倍くらい高かったはずである。


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isan

 寂しいことに、ロシアW杯はもう終わってしまうけれど、私がこの大会について一番こだわっていたのは、いわゆる大会のレガシー(遺産)の問題だった。なので、地域研究者としての私のW杯ロシア大会研究は、むしろこれから始まるのである。

 その作業の一環として、上に見るような図を作成してみた。今回のW杯で会場となった12のスタジアムのうち、モスクワ・ルジニキとソチ・フィシトは、特定のクラブによる使用が想定されていない、ナショナルスタジアム的なところである。それ以外の10のスタジアムにつき、収容人数と、地元クラブが2017/18シーズンのリーグ戦の平均で実際にどれだけ集客していたかを対比したものだ。なお、一連の地方スタジアムには、W杯限定の増設分の席があり、W杯終了後にはそれを撤去してよりコンパクトにすることが決まっているので、その増設分をピンクで示してある。

 サッカーをお好きな方ならご存知のとおり、スタジアムの高揚感はどれだけびっしりと観客席が埋まっているかに左右される。5万人のスタジアムで2万人入っているよりも、1万人のスタジアムが満席になった方が、はるかに緊迫感が増す。そうした観点から、上のグラフを見ると、合格点と言えるのは、ゼニトのサンクトペテルブルグと、スパルタク・モスクワくらいであり、後の地方の状況は悲惨である。一番酷いのは我々にとっても思い出の地であるヴォルゴグラードで、45,000のキャパがあるところ、2017/18シーズンの実際の動員はわずかに3,621人だった(新スタは工事中だったので、別の小さい会場でやっていたという事情はあるにせよ)。まあ、2018/19シーズンの初めくらいは、W杯の高揚も残っており、新スタ見物感覚で多少お客さんが増えるかもしれないけど、代表選手もいない2部リーグの試合をリピートしてくれるかというと、だいぶ心許ない。


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 既報のとおり、世論調査結果によれば、ロシア国民のうちワールドカップのロシア代表の試合を観たという人は、サウジアラビア戦55%、エジプト戦59%、ウルグアイ戦59、スペイン戦71%と、大会が進むにつれ高まっていった。

 そして、こちらによれば、準々決勝のクロアチア戦の数字が出たということである。これによると、クロアチア戦を観たという国民は、69%だったということである。スペイン戦よりも若干低下したことになり、これが誤差の範囲内なのか、実際に何らかの事情で低下したのかというのは、ちょっと微妙という気がする。


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 以前、当ブログに、上掲のような動画を載せたことがある。ロシア代表が前回の2014年FIFAワールドカップ・ブラジル大会でグループステージ惨敗し、失意の帰国を果たした時の様子だ。確か着いたのは早朝であり、人影もまばらな空港で、カペッロ監督や選手もノーガードの状態である。大会で大きなミスを犯し戦犯となりながら、気さくに写真やサインに応じるGKアキンフェエフの姿には、得も言われぬ哀愁が漂っていた。個人的に、この動画がトラウマのように印象に残っていただけに、4年後の今大会で、打って変わって、ロシア代表が英雄としてモスクワに凱旋したことを、本当に嬉しく思ったわけである。


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 サッカー・ロシア代表、準々決勝で散った。個人的に言えば、ロシア代表は応援していたものの、実力不相応に勝ち上がり、「もう、お腹いっぱいかな」という感じがしてきたのも事実である。開催国チームとしてのノルマは、十二分に果たした。

 ところで、私は普段、日常的には欧州サッカーを観ないので、スター揃いのクロアチア代表チームの面々を、それほど良く知らない。むしろ、ヴィダというディフェンダーが、昔ディナモ・キエフにいたので、何度か生で観たこともあり、個人的にヴィダが一番馴染みがあるくらいである。今回のロシア戦で、ヴィダは延長で一時勝ち越し点となるゴールを決めたり、PK戦でもキックを成功させたりと、目立っていた。

 それで、ここからが本題なのだが、その元ディナモ・キエフ所属のヴィダと、もう1人、こちらも元ディナモ・キエフ所属のヴコエヴィチが、ロシア戦後に、「ウクライナ万歳! これはディナモのための、そしてウクライナのための勝利だ。進めクロアチア!」とコメントする動画が、A.シャホフというウクライナ・ジャーナリストのフェイスブックページに掲載された。下に見るのがそれである。明らかに余計な一言であり、遺恨を残さなければいいがな、と思う。


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 全ロシア世論調査センターの調査結果によれば、ロシア国民のうちW杯のロシア代表の試合を観たという向きは、上掲のとおり、大会が進むにつれ拡大していっているようだ。サウジ戦55%、エジプト戦59%、ウルグアイ戦59%だったものが、スペイン戦では71%に跳ね上がったということらしい。「ロシア代表は準決勝に進めますか?」という質問に対して、「はい」と答えていたのは、6月26日には12%にすぎなかったけれど、スペイン戦を経た7月2日の調査では33%に高まった。


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 ロシアがスペインをPK戦で退けた試合、VIP席にプーチン大統領の姿がなく、メドヴェージェフ首相夫妻だけが観戦に訪れていたのを見て、個人的におや?と思った。元世界チャンピオンのスペインにこてんぱんに負けることを予想して、あえて出向かなかったのだろうか?などと勘ぐってしまった。

 こちらなどに見るように、大統領報道官は事前に、大統領は「多忙を極めるため」、スペイン戦には行かないとアナウンスしていた。しかし、上の写真に見るように、「多忙を極めている」割には6月28日には赤の広場に設けられたサッカー広場を訪れてボールを蹴るようなサービスもしているし、クレムリンのHPを見る限りこの土日には公式行事は一つもなかった。

 こちらによれば、プーチンはスペイン戦当日、試合の前と後にチェルチェソフ監督に電話をしており(試合後にはスペイン国王にも電話)、また試合そのものは最初から最後までテレビ観戦したという。やはり、スペインという強敵との対戦ということで、現場に駆けつけ、負け戦の大将みたいなばつの悪い思いをしたくなかったのではないか。


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 現地時間の本日、決勝トーナメント1回戦の日本VSベルギー戦がありますが、その開催都市に関し、「決戦の地ロストフナドヌー ロシアとウクライナの『グレーゾーン』」と題するコラムをGlobe+に寄稿しました。


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 こちらの英『インディペンデント』のサイトに、W杯開催都市11箇所を勝手にランキングした結果が出ている。どういう基準で順位を付けているのか、特に説明はないが、まあ何となく合点は行く結果である。結果は以下のとおり。

  1. サンクトペテルブルグ
  2. モスクワ
  3. ソチ
  4. ニジニノヴゴロド
  5. カリーニングラード
  6. エカテリンブルグ
  7. ヴォルゴグラード
  8. カザン
  9. ロストヌナドヌー
  10. サマラ
  11. サランスク

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 以前書いた「女性にそっぽを向かれるW杯ロシア大会」という記事で、ロシア国民は女性を中心にW杯を覚めた目で見ており、テレビ観戦を一切するつもりのない向きが少なくないということをお伝えした。

 それはレヴァダ・センターの調査結果だったが、こちらに見る全ロシア世論調査センターの調査結果は、やや異なる傾向を示している。すなわち、ロシア国民の59%が、第2戦の対エジプト戦を観戦したということである。うち、57%が自宅または職場のテレビ観戦、1%がカフェやバーでの観戦、1%弱がスタジアムでの直接観戦だったということである。

 事前には「そんなもの観ない!」と思っていた人も、いざ始まってテレビでやっていれば、やはりそれなりに観てしまうといったところか。


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 まったく予想外なことに、第2節を終えた時点で、早くもロシア代表の決勝トーナメント進出が決定してしまった。これによって、ロシアが第3戦のウルグアイ戦をどう位置付けるかが、微妙になった。そもそも、A組のロシアは、決勝トーナメント1回戦で、B組のスペインかポルトガルと対戦することが濃厚なわけだけど、どちらの方がくみしやすいということはないだろうし、今現在のB組の順位表を見ても、どちらが1位でどちらが2位になるのか分からない。そもそも、6月25日にA組のロシアの方がB組よりも先に試合をするので、ロシアがB組の結果を見てウルグアイ戦のさじ加減を決めるということは不可能である。

 したがって、ロシアにとってウルグアイ戦は、主力を適度に休ませ、控えに出場機会を与えることに、ある程度重点が置かれそうだ。と同時に、チームとしての勢いやロシア国民の熱は失いたくないので、ウルグアイと引き分け以上の結果は残しておきたい。引き分け以上なら、ロシアは1位通過であり、万が一ポルトガルがイランに負ければ、ロシアは決勝トーナメント1回戦はB組2位のイランとの対戦になり、ベスト8も見えてくるかもしれない。


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 それにしても、ワールドカップで日本代表とロシア代表が同じ日に勝利を挙げる時が来るなんて、想像もしなかった。いや、できなかった。どちらも前評判が悪く、3戦全敗もあるのではないかと心配されたチーム。

 でも、「賞味期限の切れたのど飴と、前評判が悪い時の日本代表は、舐めたらアカン」という格言は生きていた。正直言えば、自分の支持クラブから代表プレーヤーが選出されなくなって久しく、私の日本代表への思い入れは、だいぶ以前から冷めている。ただ、時々火がつくことがある。たとえば2004年のアジアカップがそうだった。あの時も、最初は斜に構えて観ていたのだが、日本代表が開催地中国のアウェー逆境を乗り越え、川口の奇跡のPKストップ連発などで勝ち進むにつれ、応援する気持ちがどんどん強くなっていった。今回のW杯に当たっての私個人の心境は、2004年の時と似ている。ハリル擁護派の人たちが、あまりにも西野ジャパンをディスるので、へそ曲がりな私は、このチームに頑張ってほしいという気持ちがかえって強くなっているのだ。初戦の勝利で、西野ジャパンへの思いは、より一層強まった。

 そして、ロシア代表。このチームのここまでの2試合を観ていると、W杯でタレント力や戦術が占める割合はせいぜい半分くらいであり、残りの半分はコンディショニングと団結力だなということを、改めて痛感する。私は事前にロシア代表の23人の顔触れを見て、代表キャップが1桁であったり、大舞台の経験が少なかったりする選手が目立つことを懸念したが、ベテラン・新顔問わず、コンディションの良い選手を揃え、全員が運動量豊かに献身的なプレーをやり切るというチームコンセプトが、今のところバッチリはまっている。

 むろん、決勝トーナメント進出をすでに九分九厘決めたロシアと異なり、日本は運良く初戦をものにしたというにすぎず、ここからの戦いはきわめて厳しい。いずれにしても、自分の関係国2つが良いスタートを切ってくれたお陰で、個人的には楽しみが大いに膨らんだ。


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 すでにご報告したとおり、GLOBE+というところで「迷宮ロシアをさまよう」と題する連載を始めたわけですが、その一環として下記のとおり、ワールドカップ・ロシア大会で日本が試合を行う3都市を紹介したコラムを書きましたので、ぜひご笑覧ください。


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 ロシア・サッカー協会のHP(こちらこちらのページ)を眺めていたら、見覚えのある顔が出ていて、何かと思ったら、日本サッカー協会とロシア・サッカー協会が6月15日、協力覚書に調印したということである。まあ、ロシア側が日本を特別視しているということではなく、多くの国とこのような文書を結んでいるということらしいが、従来没交渉に近かった両国のサッカー界に相互交流が生じるとしたら、注目すべき動きではある。


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 第1戦で歴史的な大勝を果たしたロシア代表にあって、唯一の悲劇は、この日2トップの一画として(トップ下じゃなくて完全にスモロフと横並びのように見えた)先発出場したアラン・ザゴエフが、前半途中で負傷交代を余儀なくされたことだった。ハムストリングの故障で、第2、3戦を欠場することは確定だという。怪我を乗り越えてたどり着いた本国W杯の舞台だっただけに、気の毒でならない。

 ところで、Дзагоев選手については、日本のマスコミ等で「ジャゴエフ」という誤った読み方が定着してしまい、とても遺憾に思う。もしかしたら私の認識が間違ってるのかなと思い、いくつかの動画でロシア人の発音を確認してみたが(上掲はその1つ)、やはりどう聞いても「ザゴエフ」だ(力点を伸ばして「ザゴーエフ」にすれば、もっとロシア語っぽくなるが)。だいたい、ロシア語の「дз」という綴りは、「з」以上に、日本語のザ行に近いのである。現に、ロシアで「ヤクザ」は、「Якудза」と表記することになっている。ヤクザのことを「ヤクジャ」なんて言ったら、その筋の皆さんが怒るのではないか。

 だいたい、日本のスポーツ報道の固有名詞の読み方はメチャクチャだが、それはNHKも同じというか、むしろNHKこそ酷い。NHKには、ロシア語に堪能な人が山ほどいるはずなのに、報道局VSスポーツ局みたいな風通しの悪さがあるのか、ロシア語の知識のある人が固有名詞の読み方のチェックをしているような節は一切見られない。


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 ロシア代表、昨年のコンフェデも、最近の親善試合も、3バックベースで戦っていたはずだが、いきなり4バックで来たのには驚いた。しかも、ごくオーソドックスな4-4-2。それが、完璧なまでにはまった。パス成功率は低く、ロングボールとカウンター主体ではあったが、今回のサウジアラビアのように高さで勝れる相手ならばそれも効果的だし、中盤4枚の運動量を武器に、前からはめて相手にやらせないという、理想的な戦い方ができた。ザゴエフの負傷交代以外は、満点に近い開幕戦。まあ、すべての対戦相手にこのやり方が通用するとも思えないが、チームに勢いをもたらし国民を熱狂に巻き込むという初戦のミッションは十二分に達した。得失点でプラスの5も持っているということは、あと1つ引き分けるだけでも決勝トーナメントに進める可能性が高く、非常に大きなアドバンテージを得た。


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 まあ別に大した情報でもないけど、こちらのページに、ソ連~ロシア・サッカー代表のワールドカップ出場成績の歴史を図示したものが出ていたので、それを転載させていただく。見にくいと思うので、クリックして拡大のうえご覧ください。

 ユーロやオリンピックでは優勝経験もあったソ連だが、W杯での最高順位は1966年の4位。しかも当時はウクライナやジョージアの選手が結構多く、「ロシア代表」などでは決してなかったことは注意すべきだろう。

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 比較経済体制学会出席のため札幌滞在中であり、大した記事も書けないが、こちらに出ているW杯を戦うサッカー・ロシア代表23戦士の一覧。ゼニト・サンクトペテルブルグが5人、CSKAモスクワが5人といったところが中心。海外組はスペインのビジャレアルとベルギーのブリュージュが1人ずつ。アーセナルが1人いるが、ロンドンではなくトゥーラ。

 ところで、2010年W杯では、史上初めて、開催国が決勝トーナメントに進出できなかったわけだけど、改めて同大会の南アの成績を見てみると、1勝1分け1敗の勝ち点4であり、得失点差でグループステージ敗退したにすぎなかった。ロシアW杯はもしかして、地元が1つも勝てない、初めての大会になる?


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