服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ウクライナ

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 ウクライナのUNIAN通信のスマホアプリは、以前は「共有」ができず、情報の後処理にとって不便という欠陥があったが、久し振りに利用してみたら、「共有」できるようになっていた。そこで、改善記念に、UNIANの記事を使って1本お届けしたい。

 こちらの記事によれば、ウクライナの化学産業業界団体である「化学同盟」は、化学肥料の輸入代替の必要性を唱えている。同団体によれば、2016年にウクライナは149.5万tの窒素肥料、139.9万tの硝酸ナトリウム、36.8万tのリン酸アンモニウムを輸入し、約305億グリブナの費用を費やした。このうち、窒素肥料の149.5万tは完全に自給して120億グリブナを節約することが可能だし、硝酸アンモニウムも90万tは国産化し90億グリブナの節約が可能である。つごう、210億グリブナをウクライナは節約できるのだ。しかも、輸入の70%はロシアからであり、それだけの資金が国外に流出する一方、ウクライナではリウネとチェルカスィの窒素肥料工場が停止を余儀なくされている。ウクルトランスガスはOstchemのガス3.5億立米を押さえており、それをOstchemに返却すれば、両工場の操業再開は可能である。オデッサ臨港工場はOstchemに2.5億ドル分のガス代未払いがあり、同工場が利益を上げて債務を返済できるような条件を整備すべきである。「化学同盟」の幹部はこのように主張した(業界団体と言いつつ、完全にOstchemの利益代表だな、これは)。


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 こちらの記事に、分かりやすい図が出ていた。2010年12月を起点にとって、その後ウクライナの平均賃金(青の縦棒)と住宅・光熱費(赤の折線)とが、2016年7月までにどれだけ上昇したかを見たものである。この間、賃金も100%ほど上昇はしているが(つまり2倍になった)、住宅・光熱費は300%近く値上がりしており(つまり4倍近くになった)、まったく賃金が追い付いていないことが分かる。特に2015年春の公共料金値上げがどれだけラディカルなものであったかが、一目瞭然である。

 なお、この記事を書いているのはオレクサンドル・オフリメンコというエコノミストで、ウクライナの論壇では非常によく目にする名前であり、体制に批判的な論陣を張ることが多い。「ウクライナ分析センター」というシンクタンク(といっても個人商店だろう)を主宰しているようで、フェイスブックページに見るように、ウクライナ経済の困難を図解で解説するのを得意としている。


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 ベラルーシがロシアと石油・ガス供給で揉めて、ロシアの代替の原油供給源模索の動きに出ている。そうした流れで、こちらのニュースによれば、今般イラン産原油8万tを積んだタンカーがウクライナのオデッサ港に到着した。オデッサから鉄道でベラルーシのモズィリ製油所に輸送される。ウクライナ領の鉄道輸送は、オデッサ・ペレスィピ駅から、対ベラルーシ国境のベレジェスチ駅までで、輸送料は1t当たり11.88ドルとなる。


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 『ベラルーシ実業新聞』のこちらのページに、CIS諸国の平均賃金を米ドルに換算してその推移を比較した図が掲載されていた。ありそうでない、便利な図なので、日本語を添えた上で転載させていただく。

 図は、2016年11月までの月別の推移を跡付けたもの。ちなみに、旧ソ連諸国では12月に賃金の未払い分などがまとめて支払われることが多いので、どの国も各年の12月の山が突出する形となっている(したがってインフレ率なども12月にピークを迎える)。2014年頃からロシア、カザフスタンといったCISの中では豊かな国でもドル換算賃金が低下しているのは、原油価格の低下とそれに起因する景気後退、為替下落によるものである。ウクライナは政変後に為替がドカンと落ち、かつて欧州最貧と呼ばれたモルドバを下回り、今や中央アジアの低開発国であるキルギスと肩を並べている。なお、最新の2016年11月の各国の平均賃金を、大きい順に並べると、以下のとおり。

  • ロシア:553ドル
  • カザフスタン:416ドル
  • アルメニア:378ドル
  • ベラルーシ:363ドル
  • アゼルバイジャン:302ドル
  • モルドバ:254ドル
  • キルギス:203ドル
  • ウクライナ:201ドル
  • タジキスタン:128ドル

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 都合により、ウクライナの話題が続いて恐縮である。日本の通関統計によれば、ウクライナからのタバコ輸入が増えている。タバコは2015年にウクライナからの輸入品目として突如登場し、ざっくり言うと日本の対ウクライナ輸入の半分前後を占めるに至っている。2015年には55億本、2.9億ドルが、2016年には62億本、3.6億ドルが輸入された。ウクライナ・グリブナが下落したことで、ウクライナから調達するメリットが生じたのだろう。

 それで、どんな商品が輸入されているかを、ざっとネット情報で調べてみたところ、こちらのページに見るように、どうもフィリップモリスのマールボロ・ブラック・メンソール・エッジ1、エッジ8という商品がウクライナ産らしい。ウクライナには日系JTIの立派な工場もあるので、JTIウクライナ工場の商品が日本に供給されているのかな?などとも勘繰ったが、そうした事実は掴めなかった。


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 こちらのサイトに、ドンバス紛争とオリガルヒのリナト・アフメトフ氏のかかわりについて論じた論考が掲載されているので、その要旨を以下のとおりまとめておく。

 ドネツィク人民共和国、ルハンシク人民共和国は、ウクライナ側によるドンバス封鎖の解除を求めていたが、期限として設けていた2月27日までに解除されなかったので、3月1日に在ドンバス企業に対する外部管理に踏み切った。ドネツィク人民共和国のトップであるザハルチェンコによれば、これまで企業がウクライナ側に納税していたのか、人民共和国側に納税していたのかを精査し、前者の場合には人民共和国への登記変更を行い人民共和国に納税する必要があるという。

 ドンバスの占領地には、アフメトフ氏のSCM傘下のDTEK、メトインヴェストに属す企業が47社所在する。メトインヴェスト系で主なものには、カリミウシケ(旧コムソモリシケ)鉱山管理局(上掲写真)、ハルツィシク鋼管工場、エナキエヴェ冶金工場がある。DTEKはドンバスに火力発電所複数を抱えている。ドンバス占領地にあるメトインヴェストの鉱山冶金企業は、年間15億ドルの輸出収入をもたらしているほか、ウクライナ本土の企業もその供給に依存している。たとえば、クラスノドンヴヒーリャからの石炭供給が途絶えると、ウクライナのコークス化学工場におけるコークス生産が年間100万t低下する。また、カリミウシケからの石灰の供給が止まると、マリウポリとザポリージャの製鉄所も被害を被る。ドンバス企業の停止によるメトインヴェストの外貨収入喪失額は年間24億ドルに、雇用の喪失は4.5万人に達する恐れがあるという。アフメトフが保有するウクルテレコムのドネツィク事務所も3月1日に事業を停止し、通話やネットアクセスの停止で20万人が影響を被る。2014年以来人道支援の拠点として用いられていたドンバス・アレーナも、封鎖された状態にある。

 紛争が始まって以来、両人民共和国の指導部とアフメトフがこれほど大掛かりに対立するのは、初めてのことである。アフメトフは過去3年、人民共和国とウクライナ政府の間でバランスを取ろうとし、最低でも自分の資産を守り、あわよくば両者の仲介役として株を上げようとした。しかし、すぐに関係は悪化し、アフメトフ派の人材が両人民共和国の要職から排除された。アフメトフに近いヴォストーク大隊のホダコウシキー司令官は、ザハルチェンコに敵対する立場に転じ、ドンバスをロシアに編入すべきという立場に転じているが、ドネツィク人民共和国指導部には入っていない。

 かくしてドネツィク人民共和国は実質的に、アフメトフとの間に形成されていた非公式な関係の見直しに着手した。これまでアフメトフはドンバス住民を支援し、地域を資金的に回す役割を担わざるをえなかったが、ここに来ての情勢緊迫化で、アフメトフ系の企業が非公式な形で地域を支え続けることが難しくなっている。人民共和国当局が、国有化はせず、外部管理に留めていることは、アフメトフが当地の資産を保全するために、彼により厳しい条件を押し付けていることを意味する。妥協の余地がある反面、アフメトフが企業に対する管理を完全に失うリスクもある。ドネツィク人民共和国側もフリーハンドではなく、アフメトフの企業が供給する原料に依存しており、生産の全面的停止、社会破綻の脅威がある。ロシアから原料を調達する構えも見せているが、それには時間がかかりすぎ、制裁の対象になりかねないためロシア企業が供給に応じるとは思えず、これは脅しの試みだろう。ロシア市場を製品の販路にできるとも思えない。

 ロシア側では、両人民共和国の独立を承認する問題が取り沙汰されることが増えてきている。仮にそうなれば、2008年にアブハジアおよび南オセチアでやったのと同じシナリオになるが、実際にはロシアはドンバスについては最初から沿ドニエストル・シナリオを選んでいたように思われる。ロシアがドンバスの独立を認めると、ウクライナの対外政策の手足を縛る圧力のテコを失ってしまう。ドンバスが独立すれば、ウクライナは地政学的により一層西側一辺倒の国になってしまい、それはロシアの利益にそぐわないし、ミンスク合意が最終的に破綻し、西側がロシア包囲網をより一層強めることになりかねない。


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 ウクライナのキエフ国際社会学研究所は、定期的に実施している全国世論調査において、「貴方は社会的な抗議活動に参加する用意があるか?」ということを問うているようである。2016年12月に実施されたその最新結果が、こちらのページに出ている。今回の調査では、参加する用意があるという回答が48.5%、ないという回答が45.6%、回答困難が5.9%だった。参加する用意があるという回答者は、上図に見るとおり、今回の調査で過去最高レベルに達したようである。こうやって見ると腐敗していたヤヌコーヴィチ時代の方が民心は安定していたようであり、もとの濁りのヤヌコこいしきといったところだろうか。

 なお、今回の調査結果を地域別にみると、抗議活動参加の用意があるのは、西部で49.2%、中部で43.5%、南部で50.0%、東部で57.2%となっている。一方、こちらに見るとおり、ユーロマイダン革命直前の2013年11月に実施された世論調査の同様の設問では、抗議活動参加の用意があると回答した者は22.2%に留まっていた(上掲図と整合せず、どうも調査方法の技術的な変更があったような様子だが、正確なことは不明)。その際に、2013年の結果を地域別に見ると、西部では28.5%、中部では22.2%、南部では21.4%、東部では16.7%であった。不穏な空気は、かつては西部で強く、今日では東部で強くなった、ということになる。


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 こちらの記事が、ウクライナ与党の動向について伝えている。ウクライナでは、2014年11月に議会選挙が実施され、「欧州ウクライナ」という名称の連立与党が結成された。名を連ねた会派は、ポロシェンコ・ブロック、人民戦線、急進党、祖国、自助党で、302名からなる多数派だった(過半数は226議席)。しかし、2015年9月に急進党が離脱、2016年2月に祖国と自助党が離脱し、連立与党にはポロシェンコ・ブロックと人民戦線が残るのみとなった。どの会派も連立協定を破棄すると宣言はしていないので、法的には議会における与党多数派は存続しているが、残留している2会派では226議席に達していないので、実質的にはすでに多数派でなくなっている。そこでポロシェンコ・ブロックでは、元の5会派から成る連立を再興すべく、交渉を開始しているが、現在のところ進展はない。2月には急進党が連立に復帰するとの観測が伝えられたが、党首のリャシコは2月末にそれを否定している。

 下図は、少々古いが、こちらから拝借したもの。

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 ウクライナで、本土とドンバス占領地の鉄道輸送が遮断されていた問題は、こちらに見るとおり、3月15日のウクライナ国家安全保障・国防会議において、境界線の貨物通過を停止する旨の決定が正式に下された。こちらのサイトで、ドンバス封鎖問題につき、ロシアの有識者がコメントしているので、その要旨を以下のとおり紹介する。上級経済学校国民研究大学世界政治経済学部のアンドレイ・スズダリツェフ副学長(写真)のコメントである。

 ウクライナ政権がドンバスを経済・輸送面から封鎖することを決めてから、ドンバスは苦境に立たされるだろう。ドンバス経済の一部は、ウクライナとの関係を保っていた。たとえばエナキエヴェ冶金工場は、石炭はドンバス産、鉄鉱石はウクライナ本土のクリヴィーリフ産であり、こうした事例は数多い。占領地とウクライナ本土で境界線が引かれていても、砲撃を受けたり、オーナーが放棄したりした企業以外は、ドンバス企業は生産を停止しなかった。

 ドンバスの人々は、少ないながらも、賃金を受け取っていた、ルハンシク、ドネツィク当局も、企業が稼働し、住民が安定的な所得を得ることを重視し、税収を得るよりも賃金を優先していた。ウクライナ側も、ドンバス産の石炭、原料、半製品に対しては旺盛な需要があり、ウクライナ全土の冶金産業にとってドンバスが大きな役割を果たしていた。ウクライナは石炭供給の問題をドンバスなしでは解決できず、ロシアを含む他国から輸入せざるをえなくなる。

 ウクライナや、一部のロシアマスコミも誤って伝えているが、ドネツィクおよびルハンシクの両人民共和国は、企業を国有化したわけではなく、外部管理下に置いただけであり、ましてや企業が閉鎖されるわけではない。外部管理を敷いたのは、企業を稼働させたいからであり、すでに外部管理導入から数週間経っているが、一部の企業は完全にではないにせよ稼働を続けており、一部は停止した。

 ドネツィクおよびルハンシクの両人民共和国は、ロシア市場を当てにしている。客観的に言っても、ドンバス経済はロシアに対して競争力がある。ロシアにとってドンバスの産業の面倒を見るのは荷が重いが、これらの地域を支援しなければならないので、他に方法はない。

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 だいぶ遅れ気味のフォローになるが、ウクライナとドンバス占領地を結ぶ鉄道を封鎖している「有志」本部が、今度は3月5日から、ウクライナとロシアを結ぶ鉄道輸送を妨害し始めたということである。両国間の主たる鉄道路線が通るウクライナ・スムィ州のコノトプという街で、運行が遮断されているということらしい。しかし、その後、実際には貨物は問題なく通過できているような情報もあり、正確なところは未確認だ。ともあれ、本件とドンバス封鎖の問題につき、こちらのサイトに出ているロシアのアレクサンドル・グシチン氏のコメント要旨を以下のとおり紹介しておく。

 ウクライナがロシアとの通商を遮断しているのには、いくつかの側面がある。

 第1に、ウクライナ内政の要因である。自助党は、リヴィウでのごみスキャンダルと、クリヴィーリフでの選挙失敗で問題を抱えていたが、対ロシア通商封鎖で先頭に立ち、得点を稼いでいる。封鎖はオリガルヒのR.アフメトフ氏への打撃となるので、その背後にはオリガルヒのI.コロモイシキー氏がいるという説がある。本件はまたポロシェンコ大統領への痛手ともなる。ポロシェンコはミンスク和平は手詰まりだと語っており、封鎖にもかかわっているが、それによってウクライナの電力部門は苦境に陥っており、封鎖はウクライナ自体にボディーブローとなっているほか、グリブナ下落やその他の金融面での悪影響が生じかねない。こうして見ると、封鎖は大統領への圧迫であり、得点を稼ごうとする政治勢力の試みである。

 第2の要因として、ウクライナでは社会的な不満が非常に高まっており、その責任をロシアおよびドンバスになすりつけることによって国民の不満を逸らそうという思惑がある。

 第3の要因として、ドンバスを切り離して、ロシアに押し付けるための一環という面がある。一部の政治エリートはこの路線を志向し、ドンバス保全に努めようとはしていない。ウクライナの条件でドンバスを復帰させることは不可能だからであり、それゆえにドンバスとの経済関係を断ち切ろうとしている。ドンバスをモスクワに転嫁することは、沿ドニエストルでも生じていることであり、現実味がある。この見方によれば、ドンバスをより断固として取り込むよう、ロシア側に強いているということになる。

 ロシアとの通商封鎖に関しては、愛国的なPRという側面が強い。ドンバス封鎖が対ロシア通商封鎖とどのようにリンクしていくかというのが、注目点である。


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 こちらのサイトこちらのニュースによれば、ウクライナはロシアの国営銀行系のウクライナ子会社5行に対する制裁を導入した。3月15日付の大統領令によるもので、ズベルバンク・ウクライナ、VTBウクライナ、BMバンク(VTB子会社)、プロムインヴェストバンク(対外経済銀行子会社)、VSバンク(ズベルバンク子会社)が対象。これらの銀行が関係者のために資本を国外に持ち出すことが禁止される。また、ウクライナ国営企業・組織がこれらの銀行に預金をすることも禁止される。ウクライナはEU、米国およびその他の諸外国にも制裁に参加するように呼びかけている。

 上掲写真は、ウクライナの過激派たちがロシア系銀行店舗を襲撃している様子。УВАГАとはロシア語のВНИМАНИЕの意味。


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 ロシアがクリミア併合を既成事実化しようとしている中で、その最たるものは、ロシア本土のクラスノダル地方とクリミア半島を隔てるケルチ海峡に、橋をかけようとしていることであろう。こちらによれば、橋の総工費は2,279.2億ルーブルで、自動車道路としての開通は2018年12月が予定されている。

 非常に見応えがあるのが、橋の概略を説明したノーヴォスチ通信によるこちらの特設サイトである。私はロシア人が作りがちなこうした妙にインターアクティブで凝ったウェブサイトが嫌いなのだが、このサイトはまあまあ良くできているのではないかと思う。同サイトに記されている事実関係を以下のとおりまとめておく。

  • 橋の建設コースは、74もの案の中からえらられた。建設は海峡の両側から勧められている。
  • 橋の総延長は19kmであり、これはロシアだけでなく、ヨーロッパ全域でも最長となる。従来のヨーロッパ最長はポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマ橋の17.2kmだった。
  • 1日当たり両方向にそれぞれ47便の鉄道列車が運行される予定。
  • トゥズラ島は、かつてはトゥズラ砂州としてタマニ半島に繋がっていたが、20世紀初頭に侵食により分離した経緯がある。
  • 冬季には海は底まで氷結することがある。流氷が流れることもあるが、橋脚はその衝突にも耐えるように設計されている。
  • 海底からは古代や中世の文化財が見付かった。また、当地は第二次大戦の激戦地でもあったので、多くの爆弾も見付かった。
  • 船舶の航行のために、橋には、幅227メートル、高さ35メートルのアーチ部分が設けられる。その箇所は水深9.35メートルであり、喫水8メートルまでの船舶の航行が可能。
  • 自動車道路の最高速度は時速120km。自動車が橋の通過に要する時間は10分程度。

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 こちらの記事によると、ウクライナの社会経済変革研究所のI.ネスホドウシキー所長が現地のラジオ番組に出演し、ウクライナの対外債務問題につき発言したということである。

 所長によると、2017~2019年にウクライナ政府は125億ドルの対外および対内債務を支払う必要がある。ウクライナ国立銀行がその旨を公表しており、そのためにはIMFとの協力を継続して構造改革を堅持しなければならない。3月30日にIMFの新たなトランシュが受けられるが、我々をそれを、何らかの目的で消費できる融資というのではなく、本来であれば行わなければならない支払の猶予と捉えるべきである。もしもIMFの資金がなかったら、ウクライナ経済への悪影響は深刻である。もしも国内債務だったら、実質的に財務省証券をウクライナ中銀が買い上げている形なので、リスケなり、新たな証券の発行もある程度可能であるが、対外債務ではそれは不可能であり、リスケは即、テクニカルデフォルトを意味する。所長はこのように指摘した。


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 ロシア・NISのニュースサイトによく見られる図解資料(ロシア語でインフォグラフィカという)は、ブログのネタに困った時や忙しい時に便利なので、時々取り上げさせてもらう。意外にも、苦労して書いた文章などより、こうしたいただきものの図解の方が反響が大きかったりする。

 さて、そうした図解シリーズだが、こちらに、ウクライナのオリガルヒがドネツィク人民共和国による「国有化」で、どういった企業を失うのかという情報が出ている。これは、ウクライナからの分離・独立を求めている占領地域、自称「ドネツィク人民共和国」および「ルハンシク人民共和国」当局が2月27日に、占領地に所在する企業に外部統治を適用する旨を表明し、3月2日にドネツィク人民共和国がその対象となる43社のリストを発表したもので、上図ではそれがオーナーのオリガルヒごとに整理されてまとめられているわけである。

 ドネツィク人民共和国による43社リストの原典は、こちらであろう。以下ではそれを箇条書きで整理しておく。

  1. Филиал «Металлургический комплекс» ПрАО «Донецксталь» — металлургический завод
  2. ЧАО «Макеевкокс»
  3. ПАО «Ясиновский коксохимический завод»
  4. ЧАО «Енакиевский металлургический завод»
  5. Макеевский филиал ЧАО «Енакиевский металлургический завод»
  6. ПАО «Харцызский трубный завод»
  7. ПАО «Ер Ликид»
  8. ЧАО «Комсомольское рудоуправление»
  9. ЧАО «Енакиевский коксохимпром»
  10. ПАО «Концерн Стирол»
  11. ПАО «Донецккос»
  12. ЧАО «ДОКУЧАЕВСКИЙ ФЛЮСО-ДОЛОМИТНЫЙ КОМБИНАТ»
  13. Донецкий электротехнический завод
  14. ПРАО «Донецксталь-Металлургический завод Донецк»
  15. ПАО «ДТЭК Шахта «Комсомолец Донбасса»
  16. ООО «Моспинское УПП»
  17. ЧАО «ЦОФ «Колосниковская»
  18. ООО «ДТЭК Сервис»
  19. ООО «Электроналадка»
  20. Арендное предприятие Шахта им. А.Ф. Засядько
  21. ОП «Зуевская ТЭС» (ООО «Востокэнерго»)
  22. ДТЭК Высоковольтные сети
  23. ДТЭК ПЭС-Энергоуголь
  24. ДТЭК Донецкоблэнерго
  25. ООО «Инвест–Транс»
  26. ООО «РОСУКРТРАНС»
  27. ООО «ТРИМОБ»
  28. ПАО «УКРТЕЛЕКОМ»
  29. ООО «Астелит» (ООО «Лайфселл»)
  30. ООО «ДОНЕЦКАЯ МЕЖДУНАРОДНАЯ ШКОЛА «ГРИГОРЬЕВСКАЯ»
  31. ООО «Редакция газеты «Донецкие новости»
  32. HarvEast Holding
  33. ООО «Метинвест-СМЦ»
  34. ООО «Комплекс Пушкинский»
  35. Корпорация «Межрегиональный промышленный союз»
  36. ПАО «Украинская акционерная страховая компания «АСКА»
  37. ПАО «ПУМБ»
  38. ООО «7 ЛИНИЯ»
  39. ООО «Донбасс Арена»
  40. ООО «Отель «Донбасс-Палас»
  41. ООО «Проект – 2012» (Отель Park Inn by Radisson Donetsk)
  42. ЧАО «Футбольный клуб «Шахтер» СТБ «Кирша»
  43. ЧАО «Люкс»

 一方、自称ルハンシク人民共和国行政府は、こちらに見るとおり、2月27日付の政府決定第75号で対象企業を制定している。対象は3社であり、すべてアフメトフ氏傘下の企業となっている。

  1. ПАО «Краснодонуголь»
  2. ООО «ДТЭК Ровенькиантрацит»
  3. ООО «ДТЭК Свердловантрацит»

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 屑鉄(鉄スクラップ)というのは、むろん産業の花形というイメージはないが、電気炉で再び鉄を作る原料となり、鉄鋼業における重要性は意外に高い。ロシア・ウクライナ・ベラルーシの鉄鋼業のことを考える上でも、実はスクラップの貿易が無視できない要因となっている。

 こちらの記事が、ウクライナの鉄スクラップ供給・輸出事情について伝えている。これによれば、2014~2016年とウクライナではスクラップが不足する状況が続いており、2017年に入っても不足が解消されていない。2016年のウクライナのスクラップ輸出は27.3万tで、これは前年比77.5%減だった。金額ベースでは4,862万ドルで、83.3%減だった。しかし、2017年1~2月には1.8万tを輸出し、前年同期比77.9%増だった。金額ベースでは366万ドルで、70.7%増だった。他方で、1~2月には6,755tの輸入も行われた。輸出の最大の相手国はトルコで数量ベースで93.0%を占めるが、輸入の最大の相手国もトルコで79.9%を占めている。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2017年4月号の中身を、例によって編集長特権で、どこよりも早くご紹介。一般社団法人 ロシアNIS貿易会(ROTOBO)の前身に当たるソ連東欧貿易会が1967年1月16日に設立されてから、ちょうど50年の節目を迎えました。ロシアNIS貿易会ではこれを記念して、2017年2月2日(木)東京・如水会館において、創立50周年記念講演会および平成29年新春懇親パーティを開催いたしました。今号では、記念講演会における下斗米伸夫先生の講演記録を載録することを軸に、「激変する国際情勢の中のロシア」という特集をお届けしております。ビジネス誌である小誌としては珍しく、政治や地政学に重点を置いた号となりました。私自身は、「ロシア対外政策コンセプトに見る対欧米関係」、「ようやく上向いたウクライナの鉱工業生産」、「10年かかったサンクトペテルブルグのスタジアム」といった小文を執筆。3月20日発行予定。


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 こちらのサイトに、天然ガスをめぐるロシアとウクライナの関係を図示した便利な資料が出ていたので、取り上げさせていただく。上掲の上段のグラフが、ウクライナのガスの供給源であり、左から国内生産、ロシアからの供給、欧州からのリバース供給という具合に並んでいる(2016年にはロシアからの供給がゼロになったことが確認できる)。中段のグラフは、ロシアの対ウクライナ供給(緑)、対欧州供給(黄色)、そのうちウクライナ経由(ピンク)を示している。下段のグラフは、ロシア・ガスプロムのウクライナ向け価格(緑)と、欧州向け価格(黄色)の推移を跡付けている。図はクリックすると拡大する。


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 一部の勢力がウクライナ本土とドンバス占領地の輸送路を遮断している問題で、こちらの記事によれば、ウクライナのフロイスマン首相はそれによるウクライナの損害額を挙げた。首相によれば、本件によるウクライナの損害額は、毎月20億~40億グリブナ(7,380万~1億4,770万ドル)に上る。首相は、封鎖はウクライナの鉄鋼業にとっての脅威となり、国民経済を分断し、社会プログラムの履行を困難にする、ウクライナ経済がようやく上向こうとしているまさにその時に、誰かが我が国に困難を押し付けようとしているという印象を禁じえない、封鎖はウクライナ経済に深刻な悪影響を及ぼし、マイナス成長に陥ってしまう恐れもある、などと述べた。


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 ロシアは、旧ソ連の独立国家共同体(CIS)諸国の中では先進的な存在と位置付けられるが、経済の先進度を測る初歩的な指標の機械貿易において意外にも、数年前まで域内の取引が赤字だった。しかし、ウクライナ危機以降は、黒字に転じている。

 その状況を、ロシア連邦関税局の貿易データにもとづいて図示したのが、上図である。HSコード84~90の機械類の貿易につき、対CIS取引の輸出入から収支を算出すると、2012年時点で56億ドルあまりの赤字であった。その際に、CIS諸国の中でも、ロシアにとっての入超の相手国は、ウクライナとベラルーシにほぼ限られた(厳密に言えば、ウズベキスタンとの関係でも2012~2013年は小幅な入超であり、これはウズベキスタンからの小型乗用車の輸出という個別的な事情によるものである)。ロシアとウクライナ・ベラルーシとの間では、技術レベルが概ね似通っており、機械貿易の水平分業が成り立っていたが、ただしロシア経済が石油・ガスなどに偏重している分、ウクライナ・ベラルーシの方が製造業に特化する度合いが強くなり、その結果、機械貿易ではロシア側の入超だった。おそらく、これが大まかな構図ではないかと思われる。

 しかし、2013~2014年からウクライナ危機が発生し、ロシアとウクライナの政治関係が悪化、ロシア・ルーブルが下落、ロシア政府が輸入代替政策を推進、といった大きな情勢変化が生じた。その結果、ロシアの対ウクライナ機械貿易赤字は、大幅に縮小した。それに伴い、ロシアの対CIS機械貿易の収支も、黒字に転換していった。一方、ベラルーシはユーラシア経済連合に加入しロシアの統合パートナーに留まっているものの、当ブログでも累次報告しているように、ロシアとの関係はぎくしゃくしており、ロシア市場の冷え込みもあって、思うように対ロシア輸出増を果たせていない。


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blackseaports

 ロシア『エクスペルト』誌の2016年10月31日~11月6日号(No.44)に、上掲のような、黒海・アゾフ海海域の港湾地図が出ていたので、チェックしておく。ロシアのノヴォロシースク港の貨物量が多いが、実はその大部分は石油の積み出しであることが確認できる。ウクライナはある意味で日本に似ていて、中規模港湾の分散型。ルーマニアはコンスタンツァ港の一点豪華主義。トルコは黒海沿岸が低開発なので、大規模な黒海港湾というのは実は有してしない(ただし、黒海の出入り口に当たるイスタンブール港のハブ港としての重要性が高い)。


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evhyouka

 以前も取り上げたことがあると思うが、ユーラシア開発銀行というところが『ユーラシア開発銀行統合バロメーター』と題する報告書を毎年発行しており、こちらに見るとおり、最新版は2016年10月に発行された。これは、ロシア・NIS諸国のユーラシア統合に関する意識を継続的に調査しているものであり、ここではその中から、ロシア・NIS各国の国民が、ユーラシア経済連合についてどのように評価しているかを時系列的に跡付けたグラフを、上掲のとおりお目にかける。2012~2016年の数字がまとめられているが、以前はユーラシア経済連合非加盟国の調査結果も漏れなく載っていたものの、最近は非加盟国の数字はほぼ得られなくなってしまった。

 グラフの中で、上の5ヵ国は、実際にユーラシア経済連合に加盟している国々であり、同連合を肯定的に評価する国民が多い。ただし、アルメニアではユーラシア経済連合についての支持が趨勢的に後退している。一方、下の3ヵ国は、EUとの連合協定を結んだ国々であり、ウクライナ・ジョージアではユーラシア経済連合を否定的に評価する向きが増えている(2016年の数字はなし)。ただ、モルドバではいまだに肯定論が根強く、このあたりがロシアにとっての「付け入る余地」となっている。中段付近にあるタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンは、ユーラシアにもEUにも明確に接近していない国々である(政治文化や地理的要因から、EUへの接近といったことはそもそも考えにくいが)。このうち、タジキスタンはその外交ベクトルからして、ユーラシア経済連合加盟の予備軍と考えられる。ウズベキスタン、トルクメニスタンでは、国民の価値観からすればユーラシア経済連合に加わってもおかしくないが、政治指導部の意向により独歩的な外交路線を歩んでいる。アゼルバイジャンでは、ジョージアなど以上に、ユーラシア統合への反感が強い。


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 フロイスマン・ウクライナ首相のツイッターで自慢げに紹介されていて知ったのだが、ウクライナでチェコ企業の投資による白物家電生産が始まっているらしい。

 こちらの記事によると、チェコの家電大手のサターン社の投資により、すでにウクライナ中部チェルカスィ州カニウの工場で生産が行われており、そこでは洗濯機、ティーポットを生産しているほか、3月からは肉挽き器、暖房機、ドライフルーツ・メーカーなどの小物家電を生産開始予定である。さらにチェルカスィ市内の大規模な機械工場を買収し、現在は設営や試験作業を行っているところで、3月に開所式を開く。新工場では、現在は中国やトルコから輸入しているオーブン、冷蔵庫を生産予定で、夏にも生産が立ち上がる。サターン社は2015年に(カニウの?)工場を買収し、過去2年間で2,300万ドルを投資している。製品はハンガリー、ルーマニア、ポーランド等に輸出もしている。現在、西欧にも出荷する交渉中であり、新工場が立ち上がれば全欧州に供給する。サターン社では、チェルカスィ工場を基盤に工業団地を創設する計画である。

 それにしても、ドライフルーツ・メーカーというのは個人的に聞き慣れないアイテムだったが、ネットで検索すると、下のような画像が上がってくる。

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 日曜日なので、緩いネタでご容赦いただく。こちらのサイトに、「ウクライナの地方別のボルシチ指数」というのが出ていた。ボルシチはロシアというよりも、実はウクライナがルーツというのは言い古された話だが、その地方別の指数というのは一体何ぞやと思ったら、大した話ではなかった。要するに、ボルシチを作るのに必要な材料である牛肉、ジャガイモ、キャベツ、ニンジン、赤かぶ、玉ねぎをバスケットにした、地方都市別の物価比較であり、キエフ、テルノピリ、オデッサ、ドニプロ、ハルキウの物価を比較している。国際的な物価水準比較のビッグマック指数というのは有名だが、そのウクライナ国内版をボルシチでやっているわけである。その結果、一番高いのがキエフの28.65グリブナ、一番安いのがテルノピリの23.7グリブナという結果になった。しかし、平均給料をボルシチに換算すると、逆にキエフが一番多く、テルノピリが一番少ないという結果になる。


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 こちらのサイトこちらのニュースが伝えるところによれば、ウクライナ国民のEUビザなし渡航実現に向け、このほど大きな前進があった。2月28日、欧州議会と欧州理事会の代表者が、ウクライナ国民のEUへのビザなし短期滞在を認めることで合意したものである。今後、欧州議会の市民自由委員会、欧州議会本会議、欧州理事会が正式決定し、発効する運びとなる。EUとウクライナは2008年からビザ免除交渉を進めてきた。正式に発効すれば、ウクライナ国民はEU諸国に、180日のうち90日間、商用、観光、親族訪問の目的で滞在できる。ただし、アイルランドと英国を除く。また、ウクライナ国民がビザなしでEU圏で就業することはできない(←ここ大事)。


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flags

 こちらに見るとおり、駐ウクライナEU代表部が、2016年にEU・ウクライナ間の「深化した包括的自由貿易協定(DCFTA)」が発効したことにより、両者間の貿易が活発化したということを強調するリリースを発表した。それについて伝えた記事がこちらである。

 これによると、2016年にウクライナからEUへの輸出は3.7%増、往復の輸出入総額は8.1%増だった。2016年のウクライナの輸出の37.1%がEU向けであり、9.9%のロシア向けを大きく上回っている。今後7年間で連合協定が実施に移されていく中で、貿易関係はさらに拡大していくことになろう。ウクライナの法制および技術規制をEUのそれに適合させていることにより、ウクライナの輸出は利益を得ており、これらは関税引き下げ効果よりも大きいものであると、プレスリリースは強調している。


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 こちらの記事によると、ドンバス紛争の情勢悪化により、ここに来てウクライナのメトインヴェスト社の事業所で、操業が止まる事態が重なっているとのことである。具体的には、エナキエヴェ冶金工場と、原料炭を産出しているクラスノドンヴヒーリャで、操業の停止を余儀なくされた。軍事衝突の継続、ウクライナ政府支配地域と武装勢力の占領地間での鉄道輸送の封鎖が、その原因。デモ隊がЯсиноватая – Скотоватаяのチェックポイントを閉鎖して以来、占領地への原料の移入と、製品の移出が不可能になっている。この閉鎖は1月末に、野党議員および退役軍人が分離主義勢力とともに組織したもので、彼らはこの物流がオリガルヒの利益になっており紛争を激化させていると主張している。ポロシェンコ大統領は先日、封鎖は占領地の住民から電力と暖房を奪い、工場を停止させ、ウクライナから20億ドルの輸出収入を奪うと指摘していた。なお、エナキエヴェ冶金工場とクラスノドンヴヒーリャ自体はウクライナ政府の統治下にあり、ウクライナ政府に納税している。


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 2016年秋の動きなので、少々古く、かつマニアックな話題で恐縮である。こちらの記事が、興味深いことを伝えている。ロシアやベラルーシなどから成るユーラシア経済連合は、ウクライナから輸入するフェロアロイ(合金鉄)の一種であるフェロシリコンマンガンに、アンチダンピング関税を導入しようとした。連合の政府に該当するユーラシア経済委員会が、ウクライナのフェロシリコンマンガンに5年間にわたって26.35%の追加関税を導入すると発表したものである。フェロアロイは、製鋼の際に添加物として使用して、特定の性状を得るのために用いられる。ウクライナではI.コロモイシキーのプリヴァト財閥の傘下にニコポリ、ザポリージャ、スタハーノフと3つのフェロアロイ工場があり、2014年にはロシアに2億ドルのフェロアロイを供給していたが、それらがアンチダンピング関税の対象となることになった。しかし、ベラルーシのベラルーシ冶金工場や、ロシアの一連の鉄鋼メーカーは、ウクライナ産のフェロシリコンマンガンのユーザーであるため、ベラルーシ政府がAD関税に反対し、その結果、AD関税導入は当面延期され、政府間の協議に委ねられる旨が7月に発表された。それから数ヵ月が過ぎ、ようやく10月になってベラルーシも納得し、妥協が成立した。ベラルーシがAD関税導入に同意した条件は、ロシアのチェリャビンスク電気冶金コンビナートがベラルーシにフェロアロイを供給する際の価格を20%引き下げるというものだった(こちらによれば、チェリャビンスク電気冶金コンビナートはロシア最大のフェロアロイ生産者であり、そもそも今回のAD導入は同社の発意によるものだった)。AD関税導入後、チェリャビンスク電気冶金コンビナートが損害を受けない水準まで、製品が値上がりすると見られる。これにより、ロシアの鉄鋼メーカーも影響を受けるが、鉄鋼メーカーの生産原価に占めるフェロシリコンマンガンの比率は1~2%程度なので、影響は軽微とされている。

 ユーラシア経済委のこちらのページが、本件に関する公報だろう。なるほど、2016年6月2日に採択された文書が、2016年10月28日に発効したと記されている。


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 EUが2016年10月に発行した 34th Annual Report from the Commission to the European Parliament and the Council on the EU's Anti-Dumping, Anti-Subsidy and Safeguard activities (2015) というレポートを眺めているところである(やや重いがこちらからダウンロード可能)。EUが他国の産品に課している反ダンピング・反補助金措置について、2015年までの状況をまとめたものである。2011~2015年に新たにEUによる反ダンピング・反補助金調査の対象になった事案を産業部門別にまとめたのが上のA表、対象国別にまとめたのが下のB表ということになる。産業部門では鉄鋼が多く、国では中国が多いという、イメージどおりのデータとなっている。私の関係国では、この間にベラルーシが1件、カザフスタンが1件、ロシアが4件、ウクライナが1件、調査の対象となった。

 それにしても、こんなことを言うのはナイーブかもしれないが、EUのアンチダンピング政策は恣意的だなと、改めて思うわけである。EUが2008年にロシア・ウクライナ・ベラルーシおよび中国産の溶接管を対象に導入した反ダンピング関税がある。こちらに見るように、EUは2015年1月に、ロシア・ベラルーシおよび中国に対してはその反ダンピング関税を維持する一方、ウクライナは同措置から外す決定を下した。その説明が振るっていて、

 Following disclosure, interested parties argued that maintaining the measures in force against Russia while terminating the measures in force against Ukraine (see below) amounts to discrimination, since Russia and Ukraine allegedly had similar spare capacities.

 This claim is not supported by the findings of the investigation, which established significant spare capacities in Russia accounting for at least most of the consumption on the EU market. On the other hand, for Ukraine, it was established that the available spare capacities for exports to all countries are limited. Due to this significant difference in spare capacities, the claim of discrimination is therefore rejected.

 ロシアと違って、ウクライナはダンピング輸出できるような遊休設備が限られているので、もはやダンピングの心配はない、したがってこれはロシア差別・ウクライナ優遇ではないのだ、と主張している。別のところでは、(ウクライナの支配的な鋼管メーカーである)インテルパイプが仮に60%輸出を増やしても、EUでのシェアは0.5%程度にすぎない、とも。よく言うよなあ。なら、なぜそもそも2008年にAD関税適用したのかという話だ。


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 昨年末のこちらのエントリーで、ウクライナがロシア産の窒素肥料にアンチダンピング関税を課す決定を下したということをお伝えした。しかし、最新のこちらのニュースによると、アンチダンピング関税は2月28日から導入される予定だったが、ウクライナ政府の省庁間国際貿易委員会は2月13日、その導入を当面延期することを決めた。農業省の働きかけもあり、国内の窒素肥料不足、それによる価格高騰が農業に打撃を与えないよう、配慮したものである。今後は、中国、中近東、米国などからの調達を確保し、供給源を多角化して市場の安定を図る意向である。


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 ロシアではワインのボトリングがそこそこ行われているが、自国で醸造しているというよりは、海外から安いワインの原液を樽で買ってきて、単にロシアの工場でボトリングしているだけのパターンが多い。そうした中、ウクライナから併合した(国際的には承認されていない)クリミアは、本物のブドウおよびワインの産地として名高い。しかしながら、昨今では、実際には輸入樽ワインを使っているのに、パッケージにクリミアの風物を描いて、いかにもクリミア・ワインと見せかけた商品が出回っているようだ。

 しかし、こちらの記事によると、ロシアは特定産地のブドウを使用している醸造所には、その旨の証明を与えるということを始めたそうである。クリミアで収穫されたブドウを85%以上使用している場合に、正真正銘のクリミア・ワインという称号が与えられる。そして、2016年11月に有名なマッサンドラがその証明を取得したのを皮切りに、ノーヴィ・スヴェート、ソルネチナヤ・ドリナと続き、今般アルマ・ヴァレーが加わって、これで4ブランドがその指定を受けたことになる。


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