服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ウクライナ

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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2017年4月号の中身を、例によって編集長特権で、どこよりも早くご紹介。一般社団法人 ロシアNIS貿易会(ROTOBO)の前身に当たるソ連東欧貿易会が1967年1月16日に設立されてから、ちょうど50年の節目を迎えました。ロシアNIS貿易会ではこれを記念して、2017年2月2日(木)東京・如水会館において、創立50周年記念講演会および平成29年新春懇親パーティを開催いたしました。今号では、記念講演会における下斗米伸夫先生の講演記録を載録することを軸に、「激変する国際情勢の中のロシア」という特集をお届けしております。ビジネス誌である小誌としては珍しく、政治や地政学に重点を置いた号となりました。私自身は、「ロシア対外政策コンセプトに見る対欧米関係」、「ようやく上向いたウクライナの鉱工業生産」、「10年かかったサンクトペテルブルグのスタジアム」といった小文を執筆。3月20日発行予定。


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 こちらのサイトに、天然ガスをめぐるロシアとウクライナの関係を図示した便利な資料が出ていたので、取り上げさせていただく。上掲の上段のグラフが、ウクライナのガスの供給源であり、左から国内生産、ロシアからの供給、欧州からのリバース供給という具合に並んでいる(2016年にはロシアからの供給がゼロになったことが確認できる)。中段のグラフは、ロシアの対ウクライナ供給(緑)、対欧州供給(黄色)、そのうちウクライナ経由(ピンク)を示している。下段のグラフは、ロシア・ガスプロムのウクライナ向け価格(緑)と、欧州向け価格(黄色)の推移を跡付けている。図はクリックすると拡大する。


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 一部の勢力がウクライナ本土とドンバス占領地の輸送路を遮断している問題で、こちらの記事によれば、ウクライナのフロイスマン首相はそれによるウクライナの損害額を挙げた。首相によれば、本件によるウクライナの損害額は、毎月20億~40億グリブナ(7,380万~1億4,770万ドル)に上る。首相は、封鎖はウクライナの鉄鋼業にとっての脅威となり、国民経済を分断し、社会プログラムの履行を困難にする、ウクライナ経済がようやく上向こうとしているまさにその時に、誰かが我が国に困難を押し付けようとしているという印象を禁じえない、封鎖はウクライナ経済に深刻な悪影響を及ぼし、マイナス成長に陥ってしまう恐れもある、などと述べた。


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 ロシアは、旧ソ連の独立国家共同体(CIS)諸国の中では先進的な存在と位置付けられるが、経済の先進度を測る初歩的な指標の機械貿易において意外にも、数年前まで域内の取引が赤字だった。しかし、ウクライナ危機以降は、黒字に転じている。

 その状況を、ロシア連邦関税局の貿易データにもとづいて図示したのが、上図である。HSコード84~90の機械類の貿易につき、対CIS取引の輸出入から収支を算出すると、2012年時点で56億ドルあまりの赤字であった。その際に、CIS諸国の中でも、ロシアにとっての入超の相手国は、ウクライナとベラルーシにほぼ限られた(厳密に言えば、ウズベキスタンとの関係でも2012~2013年は小幅な入超であり、これはウズベキスタンからの小型乗用車の輸出という個別的な事情によるものである)。ロシアとウクライナ・ベラルーシとの間では、技術レベルが概ね似通っており、機械貿易の水平分業が成り立っていたが、ただしロシア経済が石油・ガスなどに偏重している分、ウクライナ・ベラルーシの方が製造業に特化する度合いが強くなり、その結果、機械貿易ではロシア側の入超だった。おそらく、これが大まかな構図ではないかと思われる。

 しかし、2013~2014年からウクライナ危機が発生し、ロシアとウクライナの政治関係が悪化、ロシア・ルーブルが下落、ロシア政府が輸入代替政策を推進、といった大きな情勢変化が生じた。その結果、ロシアの対ウクライナ機械貿易赤字は、大幅に縮小した。それに伴い、ロシアの対CIS機械貿易の収支も、黒字に転換していった。一方、ベラルーシはユーラシア経済連合に加入しロシアの統合パートナーに留まっているものの、当ブログでも累次報告しているように、ロシアとの関係はぎくしゃくしており、ロシア市場の冷え込みもあって、思うように対ロシア輸出増を果たせていない。


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 ロシア『エクスペルト』誌の2016年10月31日~11月6日号(No.44)に、上掲のような、黒海・アゾフ海海域の港湾地図が出ていたので、チェックしておく。ロシアのノヴォロシースク港の貨物量が多いが、実はその大部分は石油の積み出しであることが確認できる。ウクライナはある意味で日本に似ていて、中規模港湾の分散型。ルーマニアはコンスタンツァ港の一点豪華主義。トルコは黒海沿岸が低開発なので、大規模な黒海港湾というのは実は有してしない(ただし、黒海の出入り口に当たるイスタンブール港のハブ港としての重要性が高い)。


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 以前も取り上げたことがあると思うが、ユーラシア開発銀行というところが『ユーラシア開発銀行統合バロメーター』と題する報告書を毎年発行しており、こちらに見るとおり、最新版は2016年10月に発行された。これは、ロシア・NIS諸国のユーラシア統合に関する意識を継続的に調査しているものであり、ここではその中から、ロシア・NIS各国の国民が、ユーラシア経済連合についてどのように評価しているかを時系列的に跡付けたグラフを、上掲のとおりお目にかける。2012~2016年の数字がまとめられているが、以前はユーラシア経済連合非加盟国の調査結果も漏れなく載っていたものの、最近は非加盟国の数字はほぼ得られなくなってしまった。

 グラフの中で、上の5ヵ国は、実際にユーラシア経済連合に加盟している国々であり、同連合を肯定的に評価する国民が多い。ただし、アルメニアではユーラシア経済連合についての支持が趨勢的に後退している。一方、下の3ヵ国は、EUとの連合協定を結んだ国々であり、ウクライナ・ジョージアではユーラシア経済連合を否定的に評価する向きが増えている(2016年の数字はなし)。ただ、モルドバではいまだに肯定論が根強く、このあたりがロシアにとっての「付け入る余地」となっている。中段付近にあるタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンは、ユーラシアにもEUにも明確に接近していない国々である(政治文化や地理的要因から、EUへの接近といったことはそもそも考えにくいが)。このうち、タジキスタンはその外交ベクトルからして、ユーラシア経済連合加盟の予備軍と考えられる。ウズベキスタン、トルクメニスタンでは、国民の価値観からすればユーラシア経済連合に加わってもおかしくないが、政治指導部の意向により独歩的な外交路線を歩んでいる。アゼルバイジャンでは、ジョージアなど以上に、ユーラシア統合への反感が強い。


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 フロイスマン・ウクライナ首相のツイッターで自慢げに紹介されていて知ったのだが、ウクライナでチェコ企業の投資による白物家電生産が始まっているらしい。

 こちらの記事によると、チェコの家電大手のサターン社の投資により、すでにウクライナ中部チェルカスィ州カニウの工場で生産が行われており、そこでは洗濯機、ティーポットを生産しているほか、3月からは肉挽き器、暖房機、ドライフルーツ・メーカーなどの小物家電を生産開始予定である。さらにチェルカスィ市内の大規模な機械工場を買収し、現在は設営や試験作業を行っているところで、3月に開所式を開く。新工場では、現在は中国やトルコから輸入しているオーブン、冷蔵庫を生産予定で、夏にも生産が立ち上がる。サターン社は2015年に(カニウの?)工場を買収し、過去2年間で2,300万ドルを投資している。製品はハンガリー、ルーマニア、ポーランド等に輸出もしている。現在、西欧にも出荷する交渉中であり、新工場が立ち上がれば全欧州に供給する。サターン社では、チェルカスィ工場を基盤に工業団地を創設する計画である。

 それにしても、ドライフルーツ・メーカーというのは個人的に聞き慣れないアイテムだったが、ネットで検索すると、下のような画像が上がってくる。

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 日曜日なので、緩いネタでご容赦いただく。こちらのサイトに、「ウクライナの地方別のボルシチ指数」というのが出ていた。ボルシチはロシアというよりも、実はウクライナがルーツというのは言い古された話だが、その地方別の指数というのは一体何ぞやと思ったら、大した話ではなかった。要するに、ボルシチを作るのに必要な材料である牛肉、ジャガイモ、キャベツ、ニンジン、赤かぶ、玉ねぎをバスケットにした、地方都市別の物価比較であり、キエフ、テルノピリ、オデッサ、ドニプロ、ハルキウの物価を比較している。国際的な物価水準比較のビッグマック指数というのは有名だが、そのウクライナ国内版をボルシチでやっているわけである。その結果、一番高いのがキエフの28.65グリブナ、一番安いのがテルノピリの23.7グリブナという結果になった。しかし、平均給料をボルシチに換算すると、逆にキエフが一番多く、テルノピリが一番少ないという結果になる。


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 こちらのサイトこちらのニュースが伝えるところによれば、ウクライナ国民のEUビザなし渡航実現に向け、このほど大きな前進があった。2月28日、欧州議会と欧州理事会の代表者が、ウクライナ国民のEUへのビザなし短期滞在を認めることで合意したものである。今後、欧州議会の市民自由委員会、欧州議会本会議、欧州理事会が正式決定し、発効する運びとなる。EUとウクライナは2008年からビザ免除交渉を進めてきた。正式に発効すれば、ウクライナ国民はEU諸国に、180日のうち90日間、商用、観光、親族訪問の目的で滞在できる。ただし、アイルランドと英国を除く。また、ウクライナ国民がビザなしでEU圏で就業することはできない(←ここ大事)。


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 こちらに見るとおり、駐ウクライナEU代表部が、2016年にEU・ウクライナ間の「深化した包括的自由貿易協定(DCFTA)」が発効したことにより、両者間の貿易が活発化したということを強調するリリースを発表した。それについて伝えた記事がこちらである。

 これによると、2016年にウクライナからEUへの輸出は3.7%増、往復の輸出入総額は8.1%増だった。2016年のウクライナの輸出の37.1%がEU向けであり、9.9%のロシア向けを大きく上回っている。今後7年間で連合協定が実施に移されていく中で、貿易関係はさらに拡大していくことになろう。ウクライナの法制および技術規制をEUのそれに適合させていることにより、ウクライナの輸出は利益を得ており、これらは関税引き下げ効果よりも大きいものであると、プレスリリースは強調している。


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 こちらの記事によると、ドンバス紛争の情勢悪化により、ここに来てウクライナのメトインヴェスト社の事業所で、操業が止まる事態が重なっているとのことである。具体的には、エナキエヴェ冶金工場と、原料炭を産出しているクラスノドンヴヒーリャで、操業の停止を余儀なくされた。軍事衝突の継続、ウクライナ政府支配地域と武装勢力の占領地間での鉄道輸送の封鎖が、その原因。デモ隊がЯсиноватая – Скотоватаяのチェックポイントを閉鎖して以来、占領地への原料の移入と、製品の移出が不可能になっている。この閉鎖は1月末に、野党議員および退役軍人が分離主義勢力とともに組織したもので、彼らはこの物流がオリガルヒの利益になっており紛争を激化させていると主張している。ポロシェンコ大統領は先日、封鎖は占領地の住民から電力と暖房を奪い、工場を停止させ、ウクライナから20億ドルの輸出収入を奪うと指摘していた。なお、エナキエヴェ冶金工場とクラスノドンヴヒーリャ自体はウクライナ政府の統治下にあり、ウクライナ政府に納税している。


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 2016年秋の動きなので、少々古く、かつマニアックな話題で恐縮である。こちらの記事が、興味深いことを伝えている。ロシアやベラルーシなどから成るユーラシア経済連合は、ウクライナから輸入するフェロアロイ(合金鉄)の一種であるフェロシリコンマンガンに、アンチダンピング関税を導入しようとした。連合の政府に該当するユーラシア経済委員会が、ウクライナのフェロシリコンマンガンに5年間にわたって26.35%の追加関税を導入すると発表したものである。フェロアロイは、製鋼の際に添加物として使用して、特定の性状を得るのために用いられる。ウクライナではI.コロモイシキーのプリヴァト財閥の傘下にニコポリ、ザポリージャ、スタハーノフと3つのフェロアロイ工場があり、2014年にはロシアに2億ドルのフェロアロイを供給していたが、それらがアンチダンピング関税の対象となることになった。しかし、ベラルーシのベラルーシ冶金工場や、ロシアの一連の鉄鋼メーカーは、ウクライナ産のフェロシリコンマンガンのユーザーであるため、ベラルーシ政府がAD関税に反対し、その結果、AD関税導入は当面延期され、政府間の協議に委ねられる旨が7月に発表された。それから数ヵ月が過ぎ、ようやく10月になってベラルーシも納得し、妥協が成立した。ベラルーシがAD関税導入に同意した条件は、ロシアのチェリャビンスク電気冶金コンビナートがベラルーシにフェロアロイを供給する際の価格を20%引き下げるというものだった(こちらによれば、チェリャビンスク電気冶金コンビナートはロシア最大のフェロアロイ生産者であり、そもそも今回のAD導入は同社の発意によるものだった)。AD関税導入後、チェリャビンスク電気冶金コンビナートが損害を受けない水準まで、製品が値上がりすると見られる。これにより、ロシアの鉄鋼メーカーも影響を受けるが、鉄鋼メーカーの生産原価に占めるフェロシリコンマンガンの比率は1~2%程度なので、影響は軽微とされている。

 ユーラシア経済委のこちらのページが、本件に関する公報だろう。なるほど、2016年6月2日に採択された文書が、2016年10月28日に発効したと記されている。


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 EUが2016年10月に発行した 34th Annual Report from the Commission to the European Parliament and the Council on the EU's Anti-Dumping, Anti-Subsidy and Safeguard activities (2015) というレポートを眺めているところである(やや重いがこちらからダウンロード可能)。EUが他国の産品に課している反ダンピング・反補助金措置について、2015年までの状況をまとめたものである。2011~2015年に新たにEUによる反ダンピング・反補助金調査の対象になった事案を産業部門別にまとめたのが上のA表、対象国別にまとめたのが下のB表ということになる。産業部門では鉄鋼が多く、国では中国が多いという、イメージどおりのデータとなっている。私の関係国では、この間にベラルーシが1件、カザフスタンが1件、ロシアが4件、ウクライナが1件、調査の対象となった。

 それにしても、こんなことを言うのはナイーブかもしれないが、EUのアンチダンピング政策は恣意的だなと、改めて思うわけである。EUが2008年にロシア・ウクライナ・ベラルーシおよび中国産の溶接管を対象に導入した反ダンピング関税がある。こちらに見るように、EUは2015年1月に、ロシア・ベラルーシおよび中国に対してはその反ダンピング関税を維持する一方、ウクライナは同措置から外す決定を下した。その説明が振るっていて、

 Following disclosure, interested parties argued that maintaining the measures in force against Russia while terminating the measures in force against Ukraine (see below) amounts to discrimination, since Russia and Ukraine allegedly had similar spare capacities.

 This claim is not supported by the findings of the investigation, which established significant spare capacities in Russia accounting for at least most of the consumption on the EU market. On the other hand, for Ukraine, it was established that the available spare capacities for exports to all countries are limited. Due to this significant difference in spare capacities, the claim of discrimination is therefore rejected.

 ロシアと違って、ウクライナはダンピング輸出できるような遊休設備が限られているので、もはやダンピングの心配はない、したがってこれはロシア差別・ウクライナ優遇ではないのだ、と主張している。別のところでは、(ウクライナの支配的な鋼管メーカーである)インテルパイプが仮に60%輸出を増やしても、EUでのシェアは0.5%程度にすぎない、とも。よく言うよなあ。なら、なぜそもそも2008年にAD関税適用したのかという話だ。


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 昨年末のこちらのエントリーで、ウクライナがロシア産の窒素肥料にアンチダンピング関税を課す決定を下したということをお伝えした。しかし、最新のこちらのニュースによると、アンチダンピング関税は2月28日から導入される予定だったが、ウクライナ政府の省庁間国際貿易委員会は2月13日、その導入を当面延期することを決めた。農業省の働きかけもあり、国内の窒素肥料不足、それによる価格高騰が農業に打撃を与えないよう、配慮したものである。今後は、中国、中近東、米国などからの調達を確保し、供給源を多角化して市場の安定を図る意向である。


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 ロシアではワインのボトリングがそこそこ行われているが、自国で醸造しているというよりは、海外から安いワインの原液を樽で買ってきて、単にロシアの工場でボトリングしているだけのパターンが多い。そうした中、ウクライナから併合した(国際的には承認されていない)クリミアは、本物のブドウおよびワインの産地として名高い。しかしながら、昨今では、実際には輸入樽ワインを使っているのに、パッケージにクリミアの風物を描いて、いかにもクリミア・ワインと見せかけた商品が出回っているようだ。

 しかし、こちらの記事によると、ロシアは特定産地のブドウを使用している醸造所には、その旨の証明を与えるということを始めたそうである。クリミアで収穫されたブドウを85%以上使用している場合に、正真正銘のクリミア・ワインという称号が与えられる。そして、2016年11月に有名なマッサンドラがその証明を取得したのを皮切りに、ノーヴィ・スヴェート、ソルネチナヤ・ドリナと続き、今般アルマ・ヴァレーが加わって、これで4ブランドがその指定を受けたことになる。


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 ちょっとした備忘録なのだけど、日本のテレビニュースで、こんな報道がなされた。

 北方領土の歯舞群島の島の一つに、ロシア側が第二次世界大戦終結時、日本の降伏文書に署名したロシア軍人の名をつけたことが明らかになりました。

 タス通信によりますと、ロシアのメドベージェフ首相が千島列島や北方領土で名前がついていなかった5つの島に対して、ロシア名をつける指示書に署名したということです。そのうちの一つは、歯舞群島の秋勇留島付近の島で第二次大戦終結時、日本の降伏文書に署名したロシア側代表の、デレビヤンコ将軍の名がつけられたということです。

 島の命名については、2010年からサハリン州議会で検討されてきましたが、現在、北方領土での日ロ共同経済活動の公式協議を行う準備が進められているなかで改めて、ロシア側の実効支配が強調された形です。

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 当方、歴史に疎く、デレビヤンコ将軍というのを知らなかったので、確認のために調べてみた。ウィキペディアのこちらのページにあるように、Кузьма Деревянкоであり、「ジェレヴャンコ」と読んだ方がずっと自然だろう。キエフ近郊の生まれで、民族的にはどう見てもウクライナ人であろう(ウクライナでも2007年に英雄の称号を授けられている)。


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 こちらの記事によると、EUは2月8日、ウクライナ制ワイヤーロープに課していたアンチダンピング(AD)関税を10日から撤廃することを発表した。このAD関税はウクライナのスタリカナト・シルル社の製品を対象に導入されていたものであり、1999年に51.8%の税率で導入され、実質的にEU市場への輸出が不可能になっていた。2016年1月に同社とウクライナ政府の尽力によりAD関税率が51.8%から10.5%に引き下げられ、これによりようやくEU市場への輸出再開が可能になっていた、という経緯がある。今回の撤廃により、EUがウクライナ産品に適用しているAD措置としては鋼管を残すのみとなり、ウクライナ政府は鋼管に対するAD適用は現状にそぐわないとして、その撤廃を求めていく構えである。

 なお、対象となっているウクライナのスタリカナト・シルル社のHPはこちら。2010年12月にオデッサのスタリカナト社とドネツィク州ハルツィシク市のシルル社が合併してスタリカナト・シルル社となった由である。


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 こちらの記事が、ウクライナの「レイティング」という機関が同国で実施した全国社会調査の結果概要について伝えている。調べたところ、原典はこちらであろう。調査によれば、ウクライナ国民の33%が、自らを貧しいと答えている。貧困者は、東部居住者、高齢者、農村居住者に多かった。一方、自分は社会の上層に属すと答えた回答者は、18%にすぎなかった。

 以上が結果概要だが、ただ、貧困が33%、上層が18%という自己評価は、まあ普通ではないかという気がするし、もはや日本社会もそう変わらない感じがする。また、かつてウクライナの貧困と言えば西部というイメージがあったが、政変後、東部が没落したということだろうか。後日時間を見付けて、もう少し読み込んでみたい。


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 こちらの記事によると、2016年にウクライナはロシアから天然ガスを輸入せず、輸入は全面的に欧州から行った。輸入量は、2015年の164億立米から、2016年の111億立米へと、32%縮小した。2016年の輸入のうち、国営ナフトガスが82億立米、民間企業が29億立米であり、民間企業の比率が拡大している。

 一方、こちらの記事によると、2016年のウクライナにおけるガスの消費は、住民が119億立米(5%増)、産業需要家が99億立米(12%減)、住民向けの暖房・給湯が57億立米(3%減)、公共施設および産業向けの暖房・給湯が16億立米(33%増)などとなっている。


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 Russia & CIS Metals and Mining Weekly(January 20 – January 26, 2017)が、2016年のウクライナのコークス産業の実績に関し伝えている。これによれば、2016年にウクライナのコークス工場には、1,760万tの原料炭が供給され、これは前年比11%増だった。その内訳は、輸入炭が1,180万t(19%増)、国産炭が580万t(2%減)だった。その結果、輸入炭の比率が67%となった。2017年初頭現在の原料炭のストックは、30万t程度となっている。2016年にはコークス工場から製鉄所に1,070万tのコークスが供給され、これは前年比11%増だった。他方、2016年には120万tの輸入コークスが供給され、これは前年比8%減だった。国産と輸入を合計して、計1,190万tのコークスが製鉄所に供給されたことになり、これは前年比8%増だった。


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 こちらのページに見るように、世界鉄鋼協会は先日、2016年の全世界の鉄鋼生産動向に関する主要指標を発表した。全世界の生産量は、2015年の減産から一転し、2016年には前年比0.8%拡大して、16億2,850万tとなった。全世界の生産の約半分を占める中国も、2016年には1.2%増を記録した。

 粗鋼生産量ベスト10の顔触れは、下表のとおりである。私の関係国では、ロシアが世界5位で前年比0.1%減。ウクライナはドンバス情勢が落ち着いたことで生産が5.5%上向き、世界十傑に復帰した。なお、この表にはないが、ベラルーシは223万t(前年比11.2%減)、カザフスタンは424万t(8.5%増)、モルドバは7.6万t(前年比82.8%減)であった。

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 こちらによると、欧州委員会は、ウクライナ政府が起草した「2035年までのウクライナ・エネルギー戦略」の草案につき、批判的な見解を示した。欧州委の評価によれば、草案にはコンセプト上の不備が見られる。特に、2019年以降のロシア産ガスのトランジット、ドンバス紛争などに伴うリスク・不確実性を考慮しておらず、サイバーテロなどにも注意を払っていないことが問題である。市場価格への移行、交差補助の廃止などの課題にもしかるべく言及していない。ウクライナは国際公約で2020年までに再生可能エネルギー源を11%以上とする義務を負っているが、それに関しても草案は触れていないほか、大気汚染物質の排出削減目標の問題も扱っていない。さらに、今後19年間GDPが年率4.3%成長するという楽観シナリオしか想定していないことも問題である。


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 2017年1月13~19日付けインターファクス『ロシア&CIS金属鉱山ウィークリー』によると、2016年のウクライナのフェロアロイの生産は前年比16%拡大し、102.8万tとなった。ウクライナ・フェロアロイ生産者協会が明らかにした。

 シリコンマンガンの生産が81.5万t(16.7%増)、フェロマンガンが10.4万t(19.1%増)、フェロシリコンが10.1万t(12.4%増)だった。ただ、マンガン鋼の生産は26.5%減の7,420tだった。

 企業別では、ニコポリ工場が74.6万t(24.1%)増、ザポリージャ工場が品目ごとにまだら模様だったのに対し、スタハーノフ工場はドンバス紛争地にあり操業しなかった。

 ウクライナの2大マンガン鉱石鉱山であるオルジョニキーゼとマルハネツィは、需要の落ち込みで2016年1~2月には操業を停止した。通年では、オルジョニキーゼが73.8万t(18.5%増)を採掘したのに対し、マルハネツィは51.2万t(12.3%減)にとどまった。両鉱山合計のマンガン精鉱の生産は125万tで3.6%増だった。


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 こちらの記事によると、2016年のウクライナの鉄鋼業の生産は、銑鉄2,350万t(前年比8%増)、粗鋼2,419.6万t(同6%増)、完成鋼材2,140万t(同6%増)であった。

 一方、こちらの記事によれば、ウクライナ冶金産業による2016年の天然ガス消費は、2016年に17.4億立米となり、これは前年比14%減であった。また、こちらの記事によれば、ウクライナ冶金産業による2016年の電力消費は前年比4%増の129億kWhであった。


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 こちらに出ているウクライナ石油精製業の動向をごく簡単に整理しておくと、ウクライナでは石油精製業が2000年代半ばから一貫して危機的状況にあり、現時点で実質的に稼働している製油所は2箇所しかない。具体的には、プリヴァト財閥系のウクルタトナフタ傘下のクレメンチューク製油所と、ハルキウ州にあるシェベリンカ・ガス精製工場である。

 2016年1~7月にはウクライナに30.1万t、9,160万ドル分の原油が輸入された。主な輸出国はカザフスタンとルーマニア。クリミアとドンバス占領地を除くウクライナ国内の原油採掘は2016年1~7月に11.9%低下し、95.8万tとなった。2016年1~6月のガスコンデンセートの採掘は5.5%減の31.5万tだった。2015年の原油採掘は11.8%減の180万t、ガスコンデンセートの採掘は6.8%減の65.6万tだった。

 2016年1~7月にはシェベリンカ・ガス精製工場で9.7万tのガソリン(13.2%増)、7.6万tの軽油(20.5%増)、3.2万tの重油(2.9%増)が生産された。2015年にはそれぞれ17.7万t(13.8%減)、10.9万t(8.3%減)、5.5万t(2.4%増)であった。同工場では低品質のユーロ2製品の生産を取りやめ、ユーロ4に移行する作業を進めている。2016年春にはガソリンで、8月には軽油でその転換が終わり、9月からは白油すべてがユーロ4に移行することになっている。

 クレメンチューク製油所では、2016年上半期に、29.7万tのガソリン(24%増)、25.6万tの軽油(10.7%増)、7.8万tのジェット燃料(?、27.6%増)、16.2万tの重油(0.8%減)が生産された。2014~2015年の生産実績は明らかでないが、2015年9月からカザフ原油の供給が始まり、生産増に転じたとされている。プリヴァト傘下の他の2つの製油所は操業を停止している。

 ロシアのロスネフチの傘下にあるルハンシク州のリシチャンシク製油所は、2012年から不採算を理由に操業を停止している。ドンバス紛争の破壊も被った。地元行政では、2016年7月からポリプロピレンの生産が始まるとしていたが、現時点ではまだ実現していない。

 ヘルソン製油所は、コンチニウム財閥の所有となっているが、かなり以前から、生産アセットとは見なされておらず、どちらかというと、ここを基盤に新たな製油所を建設する敷地と見なされている。ナサリク・エネルギー相もウクライナには1箇所か2箇所の新鋭製油所が必要だと発言している。ただし、ヘルソンに新たな精製設備を建設するにも、10億ドル程度が必要である。

 オデッサ製油所は、かつてはロシアのルクオイルに、その後はオリガルヒのクルチェンコに属していた。亡命したクルチェンコの資産は、現在、裁判所によって差し押さえられており、したがってオデッサ製油所で近い将来に石油製品が生産される見通しはない。


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 いまや欧州最貧となったウクライナという国だが、ソ連時代の名残で、高度産業である航空機製造産業を抱えている。だが、同産業はロシアとの分業関係で成り立ち、なおかつロシアを主要市場としてきた経緯があり、ウクライナの政変後には産業としての存続が危ぶまれる事態となっているわけである。ウクライナの航空機産業につき、こちらの記事が報告しているので、ごく簡単に要点だけまとめておく。

 記事によれば、ユーロマイダン革命後、新たな方向性を模索するウクライナ航空機産業において、やはり焦点となっているのは、アントノフ社であり、同社が中核となって数十のウクライナ関連企業が結集できるかということが鍵となっている。アントノフは、定期的に話題には上るものの、それが実際の契約に結び付いたり、発注が実行されたりといったことは、必ずしも多くない。最近では、2015年6月にAn158をキューバの航空会社に引き渡した程度で、同機の納入は計6機になった。それ以降、何機かの受注が発表されたが、その多くは、サウジアラビアとの契約など、ウクライナ国外での組立を想定している。

 2016年夏、アントノフは、航空機エンジンの世界的大手である米ゼネラル・エレクトリック社と協力覚書に調印した。これに怒りを露わにしたのが、ウクライナの地場航空機エンジンメーカーであるモトル・シチ社のオーナーであり、最高会議議員も務めるヴャチェスラウ・ボフスラエフである。同氏は「ウクライナの声」に寄稿した文章の中で、本件はウクライナの国益、付加価値の高い科学集約産業に対する裏切りだと、アントノフと外資との提携を激しく非難した。

 当面、ウクライナの航空機産業には、2つの主要課題がある。生産および人員を市場条件に合わせて合理化すること、そしてロシア産の部材から国産または欧米産の部材に切り替えていくことである。ただ、輸入代替には時間と資金を要する。アントノフ社では、輸入代替プログラムはすでに80%完了したとしている。


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 上掲動画は、2015年9月にベラルーシ冶金工場(BMZ)で新たな圧延設備が稼働し、その際にルカシェンコ大統領が工場を訪問してセレモニーを行った際の様子である。

 こちらの記事などが伝えるところによると、この近代的な設備により付加価値の向上が可能になり、鉄鋼生産のバランスがとれるようになる。この設備の生産能力は年間70万tで、100万tまで拡張することも可能。すでに2015年3月から試験・調整運転が行われており、9月までに3.6万t、1,500万ドルが輸出された。生産の約75%が輸出されることが想定されており、また線材の完全な輸入代替、鉄筋の90%以上の国内自給が可能になる。輸出はブルガリア、イタリア、リトアニア、ポーランド、米国、フランス、チェコ、スロバキア、ドイツ、オーストリア、ベルギー向けに行われている。同プロジェクトの投資総額は3.3億ユーロであり、「2011~2015年のベラルーシ・イノベーション発展国家プログラム」に沿い、ベラルーシ政府の政府保証を得た上でユーラシア開発銀行およびベラルースバンクの融資により実施された。

 上掲の動画の中でルカシェンコ大統領は、この追加的な設備の建設は必須だった、なぜなら半製品をそのまま販売することは犯罪的ですらあり、付加価値の高い完成品にシフトしなければならないからだ、完成品こそより多くの利益をもたらし、ひいてはより高い賃金と税収に繋がる、今すぐにというわけにはいかないだろうが、将来的にはすべての半製品を加工して完成品を販売するようにしたい、などと発言している。これを見て、私は考え込んでしまった。半製品から完成品へのシフトという課題は、旧ソ連を代表する鉄鋼業立国のウクライナが取り組むべきなのに、独立後四半世紀も放ったらかしになっていた課題だからだ。ウクライナは鉄鉱石と石炭という資源と、ソ連から引き継いだ巨大設備がありながら、製鉄所を傘下に収めたオリガルヒたちは目先の利益を追い求め、延々と付加価値の低い半製品を生産・輸出し続けた。そして、付加価値が低くとも、それなりに利益は挙がったはずだが、そのお金はどこに消えてしまったのだろうか? それに対し、初期条件としては鉄鋼業の基盤が強いとは言えないベラルーシが、大統領の号令の下、設備投資を積み重ね、高付加価値化に取り組んでいる。。。私自身は、ルカシェンコ体制を肯定するつもりはまったくないのだが、こうした明暗を目の当たりにすると、「ウクライナよりもベラルーシの方がまし」と考える人々が少なくないのも、無理はないような気もしてしまう。


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 ウクライナのポータルサイトに掲載された情報にもとづき、同国の産業情報をお届けしているが、今回はこちらの化学工業。ウクライナの化学工業と言えば、窒素肥料産業が花形であり、この資料では窒素肥料メーカーの売上高・利潤指標(上掲)と、その他の化学メーカーの売上高・利潤指標(後掲)という具合に、区分されて掲載されている。ただ、解説文はほぼ窒素肥料に関する話だけとなっている。

 記事によれば、ウクライナの窒素肥料産業の利益率は、2015年にマイナス17~18%だった。もっとも、2014年がマイナス23.4%だったから、それよりは改善した。窒素肥料メーカーの税引き前損失総額は、2014年の360億グリブナに対し、2015年は200億グリブナだった。2016年に関しても、大きく改善する見通しはない。窒素肥料の生産量も連続で低下している。その原因は、2014年5月からドンバス地方に所在するホルリウカのスチロール社とセヴェロドネツィクのアゾト社が操業停止していることである。工場を保有するOstchemでは、国家が安全を保障することが再開の条件としており、特にホルリウカが占領地にあることを考えると、近い将来の再開は期待しにくい。Ostchemの他の2工場、リウネ工場とチェルカスィ工場も、原料となるガスの供給停止を受け、2015年に4ヵ月間操業を停止した。こうしたことから、2015年のOstchemのアンモニア生産は38%減、硝酸アンモニウムは25%減となった。国内需要が優先されたため、輸出はさらに大幅に落ち込んだ。

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 ロシアやウクライナでは、鉄道車両生産はかなり重要な産業である。ウクライナの鉄道車両産業の現況につき、こちらの記事が伝えている。

 記事によれば、ウクライナにおける貨車の生産は、2015年に前年比81.5%も縮小し、1,151台に留まった。企業別では、クリュキウ車両工場が489台、ポパスナ車両工場が350台、鉱山運輸会社が123台などであった。

 これに対し、2016年上半期の貨車生産は、前年同期比73%増の1,100台に達した。ただし、これはトルクメニスタンからの大型契約750台の賜物である。2016年通年の生産がどうなるかは、トルクメニスタンやウクライナ鉄道から大口の契約を取り付けられるかどうかにかかっている。

 ウクライナ鉄道は、従来も鉄道車両の修理は手掛けていたが、新社長の下、今後は自ら鉄道車両の生産にも乗り出す意欲を示している。

 ウクライナとロシアの関係悪化のため、ロシアへの輸出はまったく期待できない状況にある。しかも、ロシア自体の需要が縮小しており、2016年上半期のロシアの貨車生産は1万500台に留まり、これは2010年以降最悪の数字であった。


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 実は、タバコ産業は知る人ぞ知るウクライナの主要産業の一つである。タバコ産業が「成長産業」になっているという点で、世界の中でも稀有な事例かもしれない。また、ここにはJTIという日系企業(多分に多国籍企業ではあるが)の存在もあり、しかもウクライナから日本にタバコが輸出されているというデータもある(ただし、日本側とウクライナ側で統計データに齟齬が見られ、正確なところは良く分からない)。

 こちらの記事が、そのウクライナのタバコ産業・市場につき報告している。2015年にWHOが実施した国際調査によれば、ウクライナの喫煙率の高さは世界で18番目である。18歳以上の国民の30~35%程度が喫煙者とされている。ただし、以前はベスト10の常連であったのに対し、近年は喫煙率が顕著に低下している。BATによれば、ウクライナ国内市場の規模は、2012年の829億本から、2015年の702億本に縮小した。2008年から2014年にかけてのタバコの値上がり率では、ウクライナが世界のトップだった。その後さらに、物品税の引き上げが実施されている。

 ウクライナのタバコ生産を担っているのは同国に進出した多国籍企業であり、その売上高、純利の数字は表のようになっている。

tabak

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