服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ウクライナ

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 今回のウクライナ出張の夕食の一コマ。ウクライナ国旗色の、黄色と青の愛国ヴァレーニキ。ちょっと青が国旗の青っぽくない気もするが。けばけばしい色合いに反し、中身はジャガイモとカッテージチーズの、割とオーソドックスなヴァレーニキだった。


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 今回のウクライナ出張で多く見かけた看板・ポスター。「軍! 言語! 信教! 我々は我が道を行く! 我らウクライナ ペトロ・ポロシェンコ」とある。北朝鮮並みに先軍政治をうたっているのには思わずビビるが、「言語」というのは言うまでもなくもっぱらウクライナ語を指し、また「信教」も宗教一般ではなく暗にキエフ派の正教会を拡大していく決意を示したものであろう。要するに現在の国家路線をさらに不退転に推し進めていくという立ち位置を示したものだ。


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 ウクライナにつき、重要でありながら、これまで個人的に見逃しており、今回の現地調査で認識するに至った問題があったので、書き留めておく。

 ウクライナは、フランスに似たような感じの政治制度になっており、意外に中央集権的な国である。それを分権化していくというのが以前から懸案になっており、例のドンバス自治付与と直接関係するわけではないが、2014年のユーロマイダン革命後に、EUの技術支援も受けながら、地方分権化が実際に動き出した。その際に、隣接する地方自治体同士の自発的な合同と引き換えに自治を与えるという方式になっており、この間、一部自治体の合同と分権化が同時並行的に進んできた。

 複数の隣接自治体同士が自発的に合同し、新たな「合同地域体」を形成することは、こちらに見るとおり、2015年2月5日付のウクライナ法によって定められている。合同地域体は、ウクライナ語ではОб'єднана територіальна громадаと、ロシア語ではОбъединённая территориальная общинаと呼ぶ。ウィキペディアの解説によると、合同地域体は、行政中心が市に置かれている場合には市型の合同地域体と、町に置かれている場合には町型の合同地域体と、村に置かれている場合は村型の合同地域体と見なされる。2018年4月10日までに728の合同地域体が成立し、そこには630万人が居住している。合同地域体の数はさらに増えていく方向と思われる。

 ただし、私の理解する限りでは、日本の「平成の大合併」などとは異なり、ウクライナの合同地域体は、既存の市町村を廃止するわけではなく、それらを束ねる新たな枠組みを形成する、ということのようである。現に、統計集を紐解くと、ここ3年で合同地域体の数は急増しているのに、市町村の数は完全に横這いである。

 自発的な合同と引き換えに、合同地域体は、財政などの権限が拡大される。そして、従来ウクライナでは、州知事はもちろん、市町村レベルの首長に至るまですべて中央による任命だったのだが、合同地域体では住民が首長を直接選出できるようになる。すでに、2017年10月、12月、2018年4月に、合同地域体の議会および首長選挙が統一的に実施されている。


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 日本人なら思わず旨煮と表記したくなる、ウクライナのウマニという街がある。普段は目立たない小都市だが、実はウクライナのユダヤ人の歴史・文化においては聖地とも言うべき地である。詳しくは、近く刊行される『ウクライナを知るための65章』で赤尾光春さんという専門家が語っているので、ぜひそちらを参照していただきたいが、赤尾さんによると、ユダヤ教敬虔派ハシディズムの義人ブラツラフのラビ・ナフマンの墓がこの街にあり、そこへの巡礼がユダヤ人の伝統となっているという。ナフマン廟への巡礼はソ連崩壊後に解禁され、ユダヤ暦新年(ロシュ・ハシャナ)になるとウマニの一角はイスラエルや世界中から来た多数のユダヤ教徒で埋め尽くされるというのだ。

 それで、今回9月4日にキエフのボリスポリ空港に降り立ったところ、妙に正式な装束を身にまとった正統派のユダヤ人が多いのが目に付いた。しかも、彼らの多くは、カオスのようなパスポートコントロールの行列から解放され、荷物受取場に出ると、まず端の壁に向かい、熱心に祈りを唱え始めるのだ(上の写真がその様子)。エルサレムの嘆きの壁は有名だが、ボリスポリ空港の壁でも代用可能とは知らなかった。私は何人かに声をかけてウクライナ渡航目的を聞いてみたが、皆口々に「ウマニ」と答えていた。調べてみたところ、やはり本年は9月上旬のこの時期がまさに、ユダヤ暦新年(ロシュ・ハシャナ)に当たるということであり、ウマニで新年を迎えるためわざわざウクライナにやって来たということになる。


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 ジョージアでのきわめて有意義な調査は終わり、4日夕方の便でウクライナ・キエフに移動。しかし、トビリシの空港でウクライナ国際航空にチェックインしようとしたところ、「事前にネットで登録していない客はチェックイン料が15ユーロ」とかいう訳の分からない料金を徴収され、同行の皆さんは憤懣やるかたない様子。キエフのボリスポリ空港に着いたら着いたで、入国審査に長蛇の列ができており、カオスの様相。市内に移動しても、両替の窓口、スーパーの店員等、あまりにもぶっきらぼう。同行の皆さんは、陽光と笑顔のトビリシを名残惜しんでいる様子だが、私はむしろ、久し振りにホームに帰ってきたという心境だ。2年半ほど足が遠のいていたウクライナに、ようやく帰ってきた。


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 これは話題としては新しくないのだが、個人的に認識しておらず、見落としていた動きだったので、整理しておく。

 こちらの解説などに詳しいが、「汎欧州・地中海原産地規則憲章」なるものが存在する由である。この地域では、EUを軸に多角的なFTAのネットワークが形成されている。ウクライナも、連合協定に伴うDCFTAをEUと結んでいる。ウクライナがEUに無税で商品を輸出するためには、単にメイドインウクライナだけでは駄目で、その商品が主としてウクライナ産の材料を用いたものでなければならない。あるいは、輸出先のEU産の材料でもOKである。そこで問題となるのは、たとえばEUとトルコの間ではFTAが成立しており、ウクライナがトルコ産の生地を使って服を生産しそれをEUに輸出する場合にはどうなるのか?ということだ。そこで、欧州および地中海沿岸諸国で、原産地に関する共通のルールを設け、FTA関係にある第三国の原料の使用も認めようというのが、この汎欧州・地中海原産地規則憲章である。ただし、単にこの憲章に加わるだけでそれが認められるわけではなく、ウクライナがトルコとFTAを結んではじめて、ウクライナはトルコ産生地を使って生産した服をEUに無税で輸出できるようになる、ということだ。ウクライナはすでにEU、EFTA、モンテネグロ、マケドニア、(CIS自由貿易協定を通じて)モルドバとFTA関係にあり、さらにトルコ、イスラエルとも交渉を進めている。

 それで、こちらの記事によれば、ウクライナは2018年1月31日付で汎欧州・地中海原産地規則憲章の加盟国になった、ということである。


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 誰も興味がないような話で恐縮である。ウクライナで、サッカー・プレミアリーグの試合を観に行くと、試合前にウクライナ国歌の伴奏が流され、皆でそれを歌うことになっている(ナショナルチームではなく、あくまでもクラブ・レベルの試合である)。もっと言えば、試合中にも、自然発生的に観客席が国歌を歌い始め、そのたびに当方も起立しなければならないので、面倒である。

 そんなこんなで、ウクライナ・プレミアリーグにおける国歌の演奏は義務付けられたものであり、少なくとも2014年の政変後は義務になっているのだろうと想像していた。しかし、今般調べてみたところ、こちらこちらの記事に見るとおり、試合前の国歌が義務付けられたのは、つい最近のことらしい。具体的に言えば、2017年11月6日のウクライナ・サッカー協会の理事会で国歌義務付けが決定され、2017/18シーズンの途中から施行されたということだ。なお、この決定に先立っては、シャフタールVSマリウポリの一戦の前に国歌が演奏されず物議を醸したことがあったそうで、従来は自然発生的だったものをこの事件を受けて名文化したということのようだ。


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 ウクライナの民間シンクタンクであるラズムコフ・センターは、『国家安全保障と国防』という雑誌を定期的に刊行しているが、その2017年第3-4号を見ていたら、興味深いくだりがあった。同センターでは2017年10~11月にウクライナ最高会議議員45名を対象にアンケート調査を実施したということであり、その一環として、「以下の諸問題の中で、貴方が最も喫緊と思うものはどれか?」ということを問うていて、その回答状況をまとめたのが上表である。表の見方は、一番左の列が「最も喫緊の問題」、中央の列が「2番目に喫緊の問題」、右列が「3番目に喫緊の問題」となっている。そして、回答は上から、ドンバスの内戦、汚職対策、非集権化、非効率的な国の保健制度、欧州統合、過度な税負担、公職者・公務員の政治的な理由による追放、外国人への土地所有権の許可、クリミアのウクライナへの奪還、民営化、国の経済への介入の制限、等々と続いている。

 非常に顕著なのは、最も喫緊の問題としてドンバスを挙げた議員が46.7%と多かった一方、クリミアを挙げた議員は1人もいなかったことである。ただし、クリミアは2番目に喫緊という回答が11.1%、3番目に喫緊という回答が11.1%と、かなり多い。つまり、今も差し迫った問題であるドンバスに対し、クリミアはロシアが完全に掌中に収め、粛々と実効支配を進めているので、重大ではあるが、今すぐにどうこうできるような問題ではないことを、議員たちが認めているということであろう。もう一つ、欧州統合がそれほど喫緊と受け止められていないというのも、興味深い数字だ。アンケート参加者が45人と少ないのが残念だが、まあウクライナ政界の空気を反映した数字であることは間違いなさそうだ。


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 こちらおよびこちらの記事が伝えるところによると、ウクライナ鉄道はこのほど、もしも政府がその旨の決定を下せば、ロシアとの間の鉄道便を廃止する用意があるということをマスコミに表明した。もっとも、両国間の鉄道旅客輸送は年々低下しており、2017年の旅客数は90万人で(注:記事の書き振りからは両方向なのか、ウクライナ→ロシア方向だけなのかが判別できない)、これは2013年と比べると5分の1の水準である。2018年1~7月の実績も45.4万人であり、前年同期比16.4%減であった。現時点でロシア~ウクライナ間では13便の列車が運行されており、政変前と比べて数分の1の数である。うち8便をウクライナ鉄道が、3便をモルドバ鉄道が、1便をロシア鉄道が、1便をアゼルバイジャン鉄道が運行している。ウクライナ鉄道にとって2017年に最も収益が挙がったのはキエフ~モスクワ便で、600万ドルの収益をもたらした。


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 多忙で、ブログのネタに窮しているので、時々更新するウクライナの乗用車販売のグラフでお茶を濁すことにする。まあ、景気のバロメーターとしては打って付けだろう。ウクライナの乗用車販売は、政変翌年の2015年がどん底であり、2016~2017はどうにかそこから脱して上向き加減ではあった。2018年に入って、年初の出足こそ好調だったものの、その後ほとんど横這いの状態が続いている。2018年1~7月の販売台数は46,177台で、前年同期比6.4%増だった。


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 現在準備中のウクライナについての書籍に向けて、こんな地図を作成したのだけど、不採用となったので、ここに掲載する。仕事が多忙なので、今日のブログはこれだけ。


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 こちらのサイトに、2018年上半期(1~6月期)のウクライナの鉄鋼業生産実績が出ている。なお、ドンバス占領地の生産活動を2017年3月からウクライナ当局が把握できなくなり、2017年2月までのドンバス占領地の数字をカウントするか否かで、前年同期比の伸び率が変わってくる。2018年上半期の銑鉄生産高は1,015万tで、これは2017年1~2月までの占領地における生産量を考慮すれば前年同期比8%増だが、考慮しなければ14%増となる。以下、粗鋼1,035万t(同1%、5%増)、完成鋼材925万t(同5%、10%増)となっている。


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 穀物輸出などを見る場合に使う農業年度というのは、各年の7月に始まって、翌年の6月に終わる。なので、ちょうど今の時期は、旧年度が終わった時期ということになる。

 こちらの記事によると、2017/2018年度のロシアの穀物輸出は5,320万t程度だったと見られる。うち小麦は4,200万tだったと見られる。これは事前の農業省の予測を、わずかに上回る水準である。また、2016/2017年度の輸出実績は3,547万tだったので(うち小麦は2,708万t)、前年度から大幅に拡大している。しかしながら、2018/2019年度については、今年の収穫の低下で、輸出も若干縮小すると予測される。

 一方、こちらの記事によれば、ウクライナは2017/2018年度に3,938万tの穀物を輸出した。うち、とうもろこしは1,774万t、小麦は1,710万t、大麦は420万tであった。ウクライナの2016/2017年度の穀物輸出は4,380万tと史上最大だったので、前年度からは低下した。


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 サッカー・ロシア代表、準々決勝で散った。個人的に言えば、ロシア代表は応援していたものの、実力不相応に勝ち上がり、「もう、お腹いっぱいかな」という感じがしてきたのも事実である。開催国チームとしてのノルマは、十二分に果たした。

 ところで、私は普段、日常的には欧州サッカーを観ないので、スター揃いのクロアチア代表チームの面々を、それほど良く知らない。むしろ、ヴィダというディフェンダーが、昔ディナモ・キエフにいたので、何度か生で観たこともあり、個人的にヴィダが一番馴染みがあるくらいである。今回のロシア戦で、ヴィダは延長で一時勝ち越し点となるゴールを決めたり、PK戦でもキックを成功させたりと、目立っていた。

 それで、ここからが本題なのだが、その元ディナモ・キエフ所属のヴィダと、もう1人、こちらも元ディナモ・キエフ所属のヴコエヴィチが、ロシア戦後に、「ウクライナ万歳! これはディナモのための、そしてウクライナのための勝利だ。進めクロアチア!」とコメントする動画が、A.シャホフというウクライナ・ジャーナリストのフェイスブックページに掲載された。下に見るのがそれである。明らかに余計な一言であり、遺恨を残さなければいいがな、と思う。


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 ウクライナの国外出稼ぎ労働については時々取り上げるが、こちらの記事にはちょっと新味があったので、メモしておくことにする。今般A.レヴァ社会政策相が述べたところによると、ウクライナの労働移民のうち、外国で定職に就いている者が、320万人程度に上る。また、外国で季節労働に従事する向きが、900万人いる、ということである。ウクライナ政府では労働力の国外流出を問題視しており、先日フロイスマン首相は、国内での賃金引上げや職の改善を通じて数年間で労働移民の流れに歯止めをかけたいと発言した。

 従来、ウクライナの外国出稼ぎ労働者は、300万~500万人とされることが多かったように思う。今回のように、定職に就いている者と、一時的な季節労働に従事している者を区別した数字は、あまり目にしたことがなかった。それにしても、両者を合計すると1,220万人にも上ってしまうわけで、ウクライナの労働可能人口1,800万人の相当部分が多かれ少なかれ外国に働きに出ていることになる。


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 こちらの記事によると、ウクライナ最高会議は、内閣の要請に応じて、O.ダニリューク蔵相を解任することを可決した。ダニリューク蔵相はIMFと合意した改革の最も断固たる支持者だった。ダニリューク蔵相とV.フロイスマン首相は5月に閣議の場で公然と対立しており、また蔵相は諸外国の大使たちに向けて不満をぶちまけており、フロイスマン首相はそれらが国際パートナーたちとの交渉にとり有害であると批判していた。それに対しダニリューク蔵相側は、大統領選および議会選が2019年に迫る中で、自分は議員たちのお手盛りプロジェクトに公的資金を支出することを迫られ、さもなくば辞任しなければならない立場に追い込まれたのだと、反論していた。なお、専門家らによれば、ダニリューク蔵相の退陣で、財政規律が弛緩し、財政赤字が拡大する恐れがあり、IMFに対して負っているオブリゲーションに反することになりかねないという。


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 本日はロシア出張から日本に帰国する日であり、バタバタしているので、簡単な記事だけでご勘弁いただく。

 何度か取り上げているが、「ウクライナ分析センター」というシンクタンクがあり、フェイスブックページでウクライナ経済についての図解資料を発信している。このほど上掲のような図が目に留まった(ついでにFBページを下に埋め込んでおく)。2017年のウクライナの農産物・食品輸出額の内訳を示したものであり、具体的には、ひまわり油:24.0%、とうもろこし:16.7%、小麦:15.4%、大豆:5.9%、アブラナ:4.9%、油の搾りかす:4.5%、大麦:4.0%、砂糖:1.6%、タバコ:1.6%となっている。

 ウクライナはひまわり油の輸出では世界一の超大国で、穀物も有名だけど、意外と大豆も世界で上位の輸出国なんだよね。


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 報告が遅れたが、こちらこちらのサイト、こちらの記事などに見るように、ウクライナのポロシェンコ大統領は5月19日、独立国家共同体(CIS)の枠組みで締結された特定の条約のウクライナへの効力を停止することを決めた大統領令に署名した。これにより、CISから脱退するウクライナの国内手続きが完了したというのが、一般的な解釈なのだと思う。

 現に、ポロシェンコ大統領は前掲記事の中で、ルビコンを渡りEUに加入するために本日すべてのことをやった、CISのすべての機構へのウクライナの参加を停止する大統領令に署名した、もうかの地ですることはない、我々はともにヨーロッパに進むのだ、などと発言している。

 ただし、率直に言って、個人的にはよく分からないところがある。そもそも、ウクライナはCIS憲章には調印しておらず、これをもって「CISのオブザーバーにすぎない」との公式的立場をずっと以前からとっていた。最初から、自国にとって意味があると考えられるCIS枠内の一部の条約、機構にのみ参加するというスタンスだったわけである。しかし、今回の大統領令を読む限り、一部の条約のウクライナにとっての効力を停止するということであり、すべてとは言っていない。依然としてウクライナにとって有益だと判断されたら、一部のCISの枠内で結ばれた条約に留まるつもりがあるということなのだろうか。また、それは法的な観点から可能なのだろうか(たとえば、ウクライナがCISから完全脱退しながらCIS自由貿易協定に参加し続けるようなことは可能か?)。むろん、ロシアがどう出るかなど、政治力学はまた別だろうし。


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 こちらの記事によると、ロシア科学アカデミーのA.セルゲエフ総裁は、大規模なガス田が存在すると見られるクリミア沖の大陸棚で、総合的な調査を実施することを提案した。セルゲエフは3日間のクリミア出張に出向き、現地の石油ガス開発会社「チェルノモルネフチェガス」のトップとの会談も予定されている。セルゲエフ総裁は、我々は大陸棚開発のテーマを提起したい、これまで行われ、また現在も続けられている調査からは、クリミア沖大陸棚には充分なガス埋蔵量が存在することが見て取れる、より総合的な調査を行うことを提案したい、今後ボーリングを実施する確度の高い地区を特定したい、などとコメントした。

 まあ、ガス資源はあるのだろうが、問題は誰が開発をするかだろう。クリミア沖のガス開発などに関与したら、欧米の制裁リストに追加されることは必至なので、一般のロシア企業は二の足を踏むのではないか。


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 こちらの記事によると、ウクライナ内閣は5月10日の閣議で、2022年までのウクライナ航空機産業再生戦略を採択した。同戦略は経済発展・商業省が主導していたものだった。内容的には、アントノフ・シリーズの航空機生産を最適化・近代化すること、ミリ・シリーズのヘリコプターを近代化・生産すること、ロシアから輸入しているコンポーネントを輸入代替生産すること、航空機部門の企業を構造改革することなどを盛り込んでいる。S.クビウ第一副首相・経済発展相は、ウクライナは航空機を完全サイクルで生産できる世界でも数少ない国の1つであり、ロシアの圧迫で生産が低下していたが、今回の戦略により航空機・ヘリコプターの生産を盛り返し、少なくとも6万人の専門家を維持することが可能であると強調した。先にはフロイスマン首相も、航空機産業の発展は政府の優先課題の1つであると発言していた。


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 ウクライナにROSAVA社というヤイヤメーカーがある。キエフ州ビラツェルクヴァに工場を有し、製品は半分が国内市場に、半分がCIS内外の外国市場向けに供給されている。経済難のウクライナにあっても、割と順調に生産を維持しており、個人的に注目していた企業だ。

 ところが、4月末のこちらのニュースで、ROSAVA社が会社をたたむことになったと報じられており、驚いた。4月30日の株主総会で自主廃業が決まったという内容だった。タイヤ産業については、私自身、ウクライナの数少ない成長産業の一つとして注目していただけに、びっくりしたわけである。

 ただし、こちらに見るように、その後同社の広報が発表したところによると、同社は廃業するのではなく、会社の組織変更を行うために既存法人を清算することを決めたということである。ウクライナの現行法と市場の要請に応じるために、タイヤの生産・販売・マーケティング戦略と機能ごとに会社を設立し直すという趣旨であると説明されている。既存の雇用は維持されるだけでなく、今後毎年75~125人程度の増員を行い、生産増加や投資拡大も見込んでいると、同社では説明している。


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 私が編集長を務めている『ロシアNIS調査月報』2018年6月号の中身をご紹介。 毎年6月号は、NIS諸国、すなわちロシア以外の旧ソ連新興独立諸国の総論的な特集が恒例となっており、本年も「安定成長を模索するNIS経済」と題し特集をお届けしております。私自身は、ロシア・NIS諸国全般およびウクライナの経済レビューのほか、細かい記事ばかりですが、「NISの労働移民問題とウクライナ」、「ホロドモールを学ぶ歴史ドキュメンタリー」、「メドヴェージェフ首相の果たしてきた役割」、「2025年までのロシアの自動車産業発展戦略」、「ワールドカップ・ロシア大会の経済効果」と色々書いています。5月20日発行予定。


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 このほど、ちょっと用事があって、こんな図を作成してみた。世銀の資料「Migration and Development Brief 28 (October 2017)」にもとづき、旧ソ連のNIS諸国につき、いわゆるレミッタンス、すなわち出稼ぎ等による国外からの個人送金額と、その対GDP比を図示したものである(2017年の予測値)。なお、ロシア、ベラルーシ、カザフスタン、トルクメニスタンなど、出稼ぎ依存度が低い国は原典に数字がなかったので、対象外となっている。

 NISの小国は、外国からの送金への依存度が高い国が多い。上掲資料によれば、その対GDP比が世界で最も高いのはキルギス37.1%であり、以下ハイチ31.2%、タジキスタン28.0%、ネパール27.2%、リベリア25.9%、モルドバ21.1%などと続く。一方、図で見るように、送金額はNIS諸国の中でウクライナが一番多く、2番目がウズベキスタンとなっているが、これは言うまでもなく両国が人口規模が大きいからだろう。ロシアに行くと、ウズベキスタンの労働移民がかなり多い印象を受けるが、同国は経済・人口規模がそこそこ大きいので、こうやって対GDP比の数字を見ると意外に出稼ぎ依存度が大きくないことが分かる。


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 ウクライナの改名都市シリーズは先週で終わったはずだったけど、1コ追加させていただく。

 というのも、先日、ちょっと鉄鋼業の古い資料を眺めていて、ソ連の「ジダーノフ製鉄所」というのが出てきて、「え? そんな製鉄所あったっけ?」と戸惑ったのである。ジダーノフはソ連初期の有名な政治家の名前だが、どこかの製鉄所にその名前が冠されていたのだろうか?

 調べてみたところ、ウクライナ・ドネツィク州の現マリウポリ市が、1948年から1989年までジダーノフ市と呼ばれていたことを知った。ひょっとしたら有名な話なのかもしれないが、個人的には初耳だった。それで、ジダーノフ製鉄所というのは、現在のイリチ記念マリウポリ冶金コンビナートのことだと判明した。重要な事実を知らなかった反省として、マリウポリの市章を掲載する次第である。港町なので、波と碇のマークのデザインになっている。ちなみに上半分の灰色が鉄鋼業を表しているらしい。


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 ウクライナで最近改名された都市の紋章シリーズをお届けしてきたが、これが最終回かな。最後に、一番メジャーな街のドニプロ市を取り上げる。2016年まではドニプロペトロウシク(ロシア語読みではドニエプロペトロフスク)と呼ばれ、これはドニプロという川の名前とペトロフスキーという社会主義革命家の名前を合成したものだったが、後者を忌避して単にドニプロ市に変わった次第である。ただ、当地のサッカークラブは元々FCドニプロだったし、一連の改名の中では最も無理がないものと言えるかもしれない。ただし、ドニプロ市を州都とする州の名前は、ドニプロペトロウシク州で変わっていない。


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 先日のエントリーで、ウクライナで労働移民に関する統計集が刊行され、その中でウクライナの公式出版物としては珍しく、国を西北中南東という5つのマクロリージョンに区分することを試みていた、ということをお伝えした。それで、せっかくなので、その西北中南東という5つのマクロリージョン区分を地図に表してみたので、その地図を上掲のとおりお目にかける。こうやって見ても、まあそんなに違和感のない区分だ。私が使用することが多かったラズムコフ・センターの区分では(下図参照)、これの北部と中部を合計して中部と呼んでいた(あと、ラズムコフの区分では、フメリニツィキー州が西部ではなく中部だった)。

ウクライナ地域地図色付き

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 1年近く前の古い情報だが、こちらのサイトで、A.グーシチンというロシアの政治評論家(上掲写真)が、ウクライナ政界にはドンバス紛争に関し3つほどの潮流があるということを論じているので、要旨を整理しておく。

 ウクライナ政界に見られる立場で、第1に挙げられるのは、両人民共和国を軍事的に奪還すべきだという過激シナリオである。しかし、ロシアは制裁も省みず両人民共和国を何としても支援しようとするので、このシナリオを実施するのは至難である。この立場をとるのは民族主義・過激勢力であり、まず自由党が挙げられるが、同党は小数の小選挙区議員を有する存在にすぎない。もう一つ、人民戦線の中にもそのような立場が見られるが、多数派ではない。最近、ウクライナ軍が強化されただけに、このシナリオは西側でも歓迎されないし、ロシアが指をくわえて見ていることもありえない。

 第2は、「再統合」という路線であり、「野党ブロック」、(条件付の)親ロシア・反マイダン政治勢力がしばしばそれを唱えている。彼らはミンスク合意を実施することによる再統合が必要と考え、地方選挙、憲法改革、ドンバスへの特別なステータスの付与を実施に移すべきだと考える。これに対し、政権側は、表向きはミンスク合意を履行すると言っているものの、そのためにはまず安全保障が確保され国境管理権の引渡しがなされなければならないとの立場をとる。

 第3は、沿ドニエストルのように紛争を凍結し、問題の責任と両人民共和国の費用負担をロシアに押し付ければいいという立場である。実質的にドンバスの一部を手放すことで、ウクライナ社会はより同質的になれるという効果もある。今日我々が目撃しているのは、まさにこのシナリオの実現であり、実際、ミンスク合意の政治部分はまったく実行されていない。ポロシェンコ大統領が何より目指しているのは、自らが政権に留まり体制を維持することである。ポロシェンコが長期的に何を目指しているのかを見極めるのは難しいが、現時点でポロシェンコが志向しているのも、まさにこの第3のシナリオである。


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