服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ウクライナ

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 EUが資金援助をして、ECORYSという機関が、東方パートナーシップ諸国の対EU世論を比較調査したということである。東方パートナーシップ諸国というのは、具体的には西NIS諸国(ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)である。調査結果はこちらからダウンロードできるが、2.8MBほどあるので注意。ただ、どうせなら、ロシアも調査対象に加えてほしかった気もする。

 諸々ある設問の中で、代表的なものとして、上掲の図は、「貴方のEUに対するイメージは、肯定的(緑)、中立(黄)、否定的(赤)、EUについて知らない/聞いたことがない(灰)のどれか?」という設問の回答を整理したものである。アゼルバイジャン人の19%がそもそもEUを知らないという結果にはシビれるが、私のフィールドである西NISについて言えば、ベラルーシは中立の市民が多く、EUと連合協定を結んだウクライナ、モルドバでは賛否が分かれる傾向が出ている。これは、ウクライナ、モルドバではEUとの直接的な関係が太いことにより、良かれ悪しかれ、EUが大きな関心事になっているということだろう。

 下の表は、EUを知らないという回答者は除いて、各国市民に、上からEU、米国、NATO、ユーラシア経済連合につき、信頼しているかどうかを問うた結果である。ここで特徴的なのは、「ちゃっかり国民」ことアルメニア人が、EU、(ロシア主導の)ユーラシア経済連合の双方にかなり高い信頼を置いていることである。さすがは、ユーラシア経済連合に加入しながら、EUからはGSP+という関税優遇を取り付けている両天秤国家だけのことはある。ウクライナも少しは見習ったらどうか。

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 こちらの記事によると、ウクライナのポロシェンコ大統領は10月10日、「国家投資評議会」のメンバーを定めた大統領令に署名した。投資誘致に関する諮問機関であり、ウクライナの政権幹部に加えて、外国資本の代表者が名を連ねている。米国の通商代表、欧州ビジネス協会の代表はオブザーバー資格で常に参加することになっている。以下にメンバーを整理するが、残念ながら日本勢の名前は見られない。ウクライナ側からお声がかからなかったのか、それともロシアとの関係に配慮して断ったのか。中国はもちろん、韓国勢ですら入っているのになあ。

  • президент Украины, председатель Совета Петр Порошенко
  • президент Государственной нефтяной компании Азербайджанской Республики SOCAR (Азербайджанская Республика) (по согласию) Ровнаг Абдуллаев
  • премьер-министр Украины Владимир Гройсман
  • министр финансов Украины Александр Данилюк
  • генеральный директор отделения Европа, Ближний Восток и Африка банка Citigroup Inc. (США) (по согласию) Джеймс Коулз
  • председатель правления компании Меtro AG (Федеративная Республика Германия) (по согласию) Олаф Кох
  • генеральный директор компании Еngie SA (Французская Республика) (по согласию) Изабель Кочер
  • первый вице-премьер-министр Украины - министр экономического развития и торговли Украины Степан Кубив
  • советник президента Украины, секретарь Совета Борис Ложкин
  • председатель правления компании Louis Dreyfus Holding B.V. (Королевство Нидерланды) (по согласию) Маргарита Луи-Дрейфус
  • председатель правления и генеральный директор компании Cargill Inc. (США) (по согласию) Дэвид Макленнан
  • старший вице-президент General Electric, президент и генеральный директор компании "GE Transportation" (США) (по согласию) Джейми Миллер
  • председатель правления и генеральный директор компании Arcelor Mittal Limited (Соединенное Королевство Великобритании и Северной Ирландии) (по согласию) Лакшми Нивас Миттал
  • министр энергетики и угольной промышленности Украины Игорь Насалик
  • министр инфраструктуры Украины Владимир Омелян
  • генеральный директор компании Unilever NV (Соединенное Королевство Великобритании и Северной Ирландии) (по согласию) Пол Палмен
  • председатель Верховной Рады Украины (по согласию) Андрей Парубий
  • министр юстиции Украины Павел Петренко
  • глава Администрации президента Украины Игорь Райнин
  • президент и генеральный директор компании Holtec Ипternational, Inc. (США) (по согласию) Крис Сингх
  • председатель правления и генеральный директор группы компаний DP World (Объединенные Арабские Эмираты) (по согласию) Султан Ахмед Бин Сулайем
  • председатель совета директоров компании Huawei Technologies Co., Ltd. (Китайская Народная Республика) (по согласию) Сунь Яфан
  • генеральный директор и президент группы компаний Vitol Holding B.V. (Королевство Нидерланды) (по согласию) Ян Тейлор
  • вице-президент корпорации International Finance Corporation (США) (по согласию) Димитрис Цицирагос
  • президент Европейского банка реконструкции и развития (по согласию) Сума Чакрабарти
  • заместитель главы Администрации президента Украины Дмитрий Шимкив
  • генеральный директор компании Bunge Limited (США) (по согласию) Сорен Шродер
  • президент и генеральный директор компании Posco Daewoo Corporation (Республика Корея) (по согласию) Ким Янг-Санг

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 10月11日にロシアのソチでCIS首脳会談が開催されたが、こちらの記事によれば、ウクライナからの出席はなかった。CIS事務局長のS.レベジェフによれば、ウクライナは法的にはCISの加盟国に留まっているが、実質的にはその多くの機関で活動を停止しており、一部にだけ参加している状態である。たとえば9月に開催されたCIS経済評議会にはウクライナ首相が参加して2つの声明を発表した。ウクライナはCISの分担金を支払っておらず、他の加盟国からの不満を招いていると、レベジェフ事務局長は指摘した。


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 こちらのニュースで知ったのだが、今般北朝鮮で発行された地図帳では、クリミアがロシア領として表示されているという。情報の発信元はこちらの在北朝鮮ロシア大使館のフェイスブックページであり、同ページは、「我々は北朝鮮外務省から、北朝鮮はクリミア住民投票の結果を尊重しており、それが完全に国際法の規範に合致していると考える旨の説明を受けている」と主張している。


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 こちらの記事などによれば、ウクライナで年金改革法が成立した。10月3日にウクライナ最高会議が可決、9日に大統領が署名、10日に官報に掲載され、(いくつかの特記事項を除き)翌11日に発効した。ただし、支給額の引き上げは、すでに10月1日から実施されている。

 今回の改革法により、10月から、900万人の年金支給額が、200グリブナから1,000グリブナの引き上げ幅で引き上げられる。また、インフレにスライドして毎年支給額が自動的に引き上げられるようになる。年金支給開始年齢の引き上げは盛り込まれなかったが、60歳から年金を受給するためには、25年間の年金納入期間がなければならない。納入期間が15~25年の場合は受給は63歳から、15年以下の場合は65年からとなる。まったく納入していない場合は、年金の代わりに63歳から社会補助を受け取ることになる。60歳から年金を受給するのに必要な納入期間は今後、1年間に1年ずつ引き上げられていき、2028年には35年納入していなければ60歳で年金を受給できないようになる。


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 サッカー・ワールドカップの各大陸予選が佳境を迎えているけれど、個人的に注視しているのはただ1つ、ウクライナが予選を勝ち上がれるかという一点である。もう日本は出場を決めたし、個人的な研究対象国では、ロシアは開催国につき予選免除、その他の旧ソ連諸国は軒並み敗退が決まる中で、唯一当落線上にあるのがウクライナなのである。そして、現地時間の昨晩、日本時間の本日未明、ウクライナの属すグループIの試合が行われ、ウクライナはアウェーでコソボに勝利した。上掲の表のとおり、第9節終了時点で3位につけている。首位を走っていたクロアチアがホームでフィンランドと戦い、試合終了間際に同点弾を食らってまさかのドローに終わるという波乱があったのだが、クロアチアが負けてくれたのならともかく、ドローではウクライナにとって意味はない。現時点でクロアチアとウクライナは勝ち点17で並んでいるが、得失点差がクロアチアの方が上なので、いずれにしても最終節にキエフで行われる試合で、ウクライナはクロアチアに勝たなければならないのである。今節、勝ち点19で首位に躍り出たアイスランドは、最終節はホームでコソボに勝つだろうから、1位でのストレート突破がかなり濃厚になってきた。大混戦となったグループIは、クロアチアとウクライナの2位争いに焦点がほぼ絞られたわけだ。ウクライナにとっては、グループIを2位で終えても、何度も煮え湯を飲まされているプレーオフの難関が待っているとはいえ、まずはプレーオフの資格を獲得しないと。まあ、裏番組を気にする必要がなく、「勝てばプレーオフ」(引き分け、負けなら敗退)という状況は、明快である点は、いいのではないか。まあ、それにしても、ヤバいキエフ決戦になりそうだ。

 ウクライナは、ロシアと違って、ワールドクラスの武器を持っている。コノプリャンカ、ヤルモレンコという左右のサイドアタッカーがそれであるが、ただ、それ以外はタレント力が落ち、せっかく外で崩しても中で決める選手がいないという感じ。シェフチェンコ監督も、特別な戦術を持ち合わせているという雰囲気はなく、単にカリスマ性で代表チームを率いているという印象だ。クロアチアも、最近は低空飛行のようだが、果たして、どうなるか。


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 一般の皆さんには関係ない話だろうが、個人的な研究分野の動きをメモしておくと、こちらのサイトに見るとおり、EUは今般、ウクライナ産のフェロシリコンに対するアンチダンピング(AD)調査を開始した。ウクライナ産およびエジプト産のフェロシリコンが不当に安くEU市場に輸出されているとの域内生産者の訴えを受けたもの。


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 地味な話題のメモだが、こちらの記事によると、2017年1~9月のウクライナの原油輸入は3.2億ドルとなり、金額ベースで前年同期比2.6倍拡大した。供給の82%がアゼルバイジャンから、10%がイランから、5.5%がカザフスタンからである。なお、2016年のウクライナの原油輸入は1.7億ドルで、前年比2.1倍だった。


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 ウクライナとEUは連合協定を結んで自由貿易関係が成立したのだが、EUはウクライナ産主要農産物・食品に対しては「関税割当」を設定し、それらの品目については一定量のみ無税で輸入する制度となっている。だが、その無税割当量があまりに少ないということで、ウクライナ側の不満が高まり、EUは協定とは別枠の独自の優遇措置として、追加的な無税枠をウクライナに与えることになった。具体的に言うと、ぶどうジュース(年間500tを追加、以下同様)、はちみつ(2,500t)、とうもろこし(625,000t)、大麦(325,000t)、オート(4,000t)、穀物のひき割り(7,800万t)、小麦(65,000t)、加工トマト(500t)という8品目に対して枠が追加された。そして、こちらのサイトに見るとおり、それを定めたEU規則が9月13日付で制定され、9月30日付のEU官報に掲載され、翌10月1日に発効した。なお、EU規則の条文を読んだだけでは分かりにくいが、こちらこちらのニュースが伝えるところによれば、適用は、小麦、大麦、とうもろこしは2018年1月1日から、それ以外は2017年10月1日から始まる。ただし、無税枠の追加は3年間の時限的な措置である。


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 こちらのサイトに、2016年11月時点のウクライナの政治評論家ランキングというのが出ていたので、備忘録までにメモしておく。基本的にヤンデックスでの統計にもとづいているということである。

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 こちらの記事などによると、ウクライナ政府は9月半ばにユーロ債を発行し、2014年以来の国際起債市場復帰を果たした。期間15年、利回り7.375%で、30億ドルを借り入れたもの。ただし、今回のユーロ債発行につき国際的な格付け機関のフィッチは、借り換えのリスクを低下させ外貨準備を拡大するものであり、国際収支の柔軟性という点では評価すべきであるものの、ウクライナが借り手としての信用を完全に回復できない当面の間は、ウクライナにとっての主たる貸し手は今後も公的機関、とりわけIMFに留まるだろうと指摘した。


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 こちらの記事によると、ウクライナに「未来についての対話」というテレビ番組があるそうで、9月21日に出演したナフトガス社幹部のYu.ヴィトレンコ氏が、ロシアからの天然ガスおよび石油の輸入の可能性に言及したということである。同氏いわく、きわめて悪い傾向が生じている。結局、元の木阿弥となり、2030年までに、ウクライナが再びロシアの天然ガスおよび石油を買うようになるかもしれない。確固たる発展の体制がなければ、古く、より根強い体制に逆戻りしてしまう。ウクライナの場合、それはオリガルヒ体制だ。残念ながら、ウクライナではオリガルヒ体制への逆戻りが基礎シナリオである。このモデルの国で、そこから脱却できた国は少ない。ヴィトレンコ氏は以上のように述べた。

 ウクライナがオリガルヒ体質であるがゆえに、ウクライナのロシアからの天然ガス・石油輸入取引が歪曲されたのは事実だと思うが、ではロシアからの天然ガス・石油輸入をやめればウクライナのオリガルヒ体質が治るかというと、だいぶ疑わしい。


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 ウクライナで毎年開催されている「ヤルタ欧州ストラテジー(YES)」という国際フォーラムがあり、3年前のクリミア併合以降はヤルタでは開催できなくなってしまったが、キエフに場所を変えてイベント自体は継続しており、本年も9月14~16日に開かれたということである。こちらのサイトによると、本年のYESに向け欧州7カ国でウクライナのEU加盟とNATO加盟に関し世論調査が行われ、その結果概要がYESの場で発表されたということである。しかし、上掲のようなふざけた動画を制作しているヒマがあったら、結果の一覧表でも淡々と示してくれた方がよほど役に立つと思うのだが、今回のリリースでは世論調査結果のほんのさわりしか発表されていない(後日発表するというようなことが書かれている)。ともあれ、リリースによれば、7ヵ国合計で、ウクライナのEU加盟賛成という意見が48%、NATO加盟賛成という意見が58%だったということである。うち、EU加盟に関して言えば、リトアニアでは68%、ポーランドでは67%が賛成、フランス、ドイツ、英国では半々、最も厳しいオランダでは賛成は27%に留まったということである。もう1ヵ国イタリアがあるのだが、それに関する言及はない。まあ要するに、欧州側のムードとして、ウクライナにはトルコ・シナリオ(NATOには入れるがEUには入れない)を歩んでもらいたいということだろうか。


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 サッカーのウクライナ・プレミアリーグの概況を眺めると、改めて悲惨な現状が浮き彫りとなる。同リーグは、前身の「トップ・リーグ」の時代の最盛期には、18チームから成っていた。しかし、ウクライナ危機以降、クリミアのクラブの喪失、一連のクラブの経営破綻などが続き、参加クラブが減少、2016/17シーズンからは12チームでの開催を余儀なくされている。

 それで、上図が、最新の2017/18シーズンの参加クラブマップなのだが、地理的に随分と偏っている。南東部の企業城下町的なクラブが多く、それにはドンバス占領地の3チームも含まれている。一方、ハルキウにはメタリストという強豪が存在したのだが、同クラブは経営破綻と分裂に見舞われ、現時点ではウクライナ第2の都市であるハルキウにプレミア所属クラブが存在しない状況となっている。また、普通、キエフほどの首都の大都市であれば、プレミア所属のクラブが3つくらいはあっても不思議でないが、現実にはディナモ1チームしかない。さらに言えば、ウクライナという国全体のバランスとしては、地域的には西部、産業的には農業や食品産業の重要性が高まっているが、サッカーの勢力図はそれとはかなり異なっている。

 下図は、ウクライナ・プレミアリーグの1試合当たり平均観客動員数の推移である。つい数年前までは1万人を超えていたが、ウクライナ危機以降は、日本のJ2平均(だいたい7,000人くらい)をも下回っている。

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 こちらの記事によると、このほどIMFのデビッド・リプトン筆頭副専務理事がウクライナのV.フロイスマン首相と会談し、その席でウクライナ経済につき次のようにコメントしたということである。いわく、ウクライナの経済改革の進捗は奇跡的で、経済の安定化はタイムリーであり、それは時期的に世界経済の成長と重なっている。これはウクライナにとって、安定化から、高度成長へと転じる可能性である。過去におけるIMFの支援が有益だったことを願っており、われわれはいかにして今後の改革を前進させるかを議論している。ウクライナは、もしも一層の改革を実施し、経済の安定化を達成すれば、その後には薔薇色の未来が期待できる。リプトン氏は以上のように述べた。

 なお、IMFの拡大信用供与の第3回目のレビューが行われ、IMF側はウクライナに、民営化、農地市場の発展、汚職撲滅、年金改革などの改革の加速を求めている。


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 最近のウクライナの数少ない明るい話題として、EUとの間でビザなし協定が成立し、6月11日からウクライナ国民がEUにビザなしで短期滞在できることになった、というものがあった。しかし、こちらの記事こちらのサイトによると、2017年上半期にはウクライナ国民がむしろロシアに渡航する回数が増え、上表に見るとおり、ロシア行きは前年同期比56.1%も増えたということである。EU諸国への渡航には目立った増加はない。まあ、ビザなしが発効したのが6月に入ってからだったので、EUへの渡航増はむしろ下半期の統計に反映されるということなのかもしれない。

 PS:なお、上表で、ポーランドが前年同期比45.4%減となっているのは、原典の誤りであり、正しくは15.4%減である。数字を修正した上で画像化したつもりだったのだが、なぜか反映されておらず、そのままになってしまっていて、悪しからず。


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 こちらのサイトに、2016年のウクライナの青果物の生産高というグラフが出ており、何かに使えるかもしれないので、メモしておく。まあ、要するに、ネタに困ったのである。単位は1,000t。上図の果物は、リンゴ、スイカ、ブドウ、スモモ、サクランボ、ナシ、メロンと並んでいる。下図の野菜は、ジャガイモ、トマト、キャベツ、タマネギ、キュウリ、ニンジン、ビートと並んでいる。

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 以前から、モスクワから鉄道でロシア南部のロストフに行こうとすると、ウクライナ領をかすめる形となり、そこで越境手続きをしなければならないから、不便だということが言われていた。そして、3年前の政変でロシアとウクライナが決定的に対立したことにより、上図に見るとおり、従来ウクライナ領を微妙にかすめていたジュラフカ~ミレロヴォ間の区画の迂回ルートの建設が、2014年から進められていた。そして、こちらの記事によると、近日中にその工事が終わり、10月には貨物列車の運行が始まるということである。ロシア鉄道のO.ベロジョーロフ社長が明らかにした。旅客列車は、ダイヤを編成する必要があるので、追って決定するということである。迂回区間は全長137kmで、その中には150mのものも含め5つの橋が設けられている。


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 ロシアは、ロシア本土と、クリミア半島を隔てるケルチ海峡を橋で結んで、そこに鉄道と道路を通そうとしているわけだが、アゾフ海と黒海を行き来する船舶のために、通過用のポイントを設ける必要がある。そして、8月の末にその通過ポイントの鉄道の橋桁を架ける難工事が行われ、その工事は成功したようだ。上の動画が橋を架ける様子、下の動画がその下を船が通過する様子ということである。こうやって見ると、かなり座高が高く、横幅もそれなりに確保されているように見えるが、どうなんだろうか。なお、鉄道の橋桁の隣には、道路のそれも架けられる予定となっている。まあ、ロシアもこういう工事を自力でできるんだなあと感心する反面、クリミア併合の既成事実化が後戻りできないところまで進んでいることも改めて実感する。


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 こちらの記事が、諸外国および国際機関によるウクライナ支援の状況について伝えているので、内容をメモしておく。ウクライナ経済発展・商業省が発表した情報ということである。2017年上半期に実施された支援の概況であり、金融支援ではなく技術支援に限られるようである。ちょっと定義が分かりづらいが、全体では、415のプロジェクト、53.2億ドルの支援がなされた。実施主体別に見ると、以下のとおりだという。

  • 米国:104プロジェクト:15億ドル
  • 欧州復興開発銀行:39プロジェクト:6.7億ドル
  • EU:139プロジェクト:3.3億ドル
  • ドイツ:26プロジェクト:2.1億ドル
  • カナダ:20プロジェクト:1.5億ドル
  • 日本:7プロジェクト:0.2億ドル

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 個人的に、少々、切羽詰っており、こういう時にはロシアのニュースサイトから図解資料を拝借して転載させていただくというのが、恒例となっている。今回は、こちらに掲載されている、ウクライナ国民のEUへの渡航事情に関する資料を抜粋して見てみよう。5月17日にウクライナとEUのビザなし協定が成立し、これでウクライナ国民は大手を振ってEU圏(正確にはシェンゲン協定圏)に行けることになったわけだが、当のウクライナ国民はEUへの渡航についてどう思っているかという社会調査が本年2月に行われたということであり、今回の図解はその結果を図示したものである。

 右上の設問で、ビザなしを利用して実際にEUに行くつもりがあるかを尋ねたところ、たぶん行く34%、たぶん行かない52%、分からない14%という結果になった。左上の設問では、ビザ廃止でどんな目的の渡航に期待するかが尋ねられており(複数回答だろう)、旅行52%、商用24、就業21%、就学12%、などとなっている。旅行でも、就業でも、ポーランドが行き先の筆頭に挙がっている(これは実績なのか、希望なのか、不明)。下の帯グラフは、ウクライナ国民が外国で働いている形態を尋ねており(実際に出稼ぎに出ている人のみへの質問だろう)、季節労働77%、定職15%、などとなっている。業種別では、建設・修理34%、農業33%、家事13%、高齢者・身障者介護6%、IT5%、等々と続く。

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 ウクライナでは昨年末に、最大手の民間銀行「プリヴァトバンク」が国有化されるという大事件があった。こちらの記事が伝えるところによると、英フィナンシャル・タイムズ紙が、ウクライナ当局の決定を批判するコラムを掲載したということである。ジョン・ミルズという実業家の論客が執筆している。

 ミルズによれば、プリヴァトバンクの国有化は、不適切で不要なものであり、ウクライナ経済に損害を加える。株主の資産を棄損し、さらにウクライナの納税者に追加的なコストを押し付ける。ウクライナ中銀が金融の現実を認めるのを拒んだ結果である。今回の国による非常手段は、ウクライナの銀行界および経済状況をむしろ悪化させ、政府の越権行為の典型例である。ミルズはこのように批判している。


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 先日、ウクライナとカナダの間で自由貿易協定(FTA)が成立し、8月から発効するということである。マニアックな話題だが、こちらが伝えているところによると、それに伴って、ウクライナに輸入されるカナダ産自動車の中古車は、関税率がゼロになるということである。「カナダから持ち込まれる中古車」ではなく、あくまでもカナダ産自動車の中古車が対象ということになる。なお、カナダ産新車の関税率は7%。

 ただ、「カナダに乗用車の工場なんて、あったっけ?」と思って検索したら、こちらのサイトで下に見るような図が出てきた。まあ、米国ほどではないが、カナダにも一部の自動車メーカーが立地しており、トヨタなども工場を持っているようである。もっとも、カナダの工場は北米全体のサプライチェーンに組み込まれているだろうから、ローカルコンテンツの認定とかややこしそうだ。

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 私は先日、「ウクライナの農産物・食品輸出とEU市場」というレポートを発表した。その中で、EUが「関税割当」と称し、一定量まではウクライナ産農産物・食品を無税で輸入する制度があるが、その無税枠があまりにも小さすぎるということで、EU側がウクライナ支援の一環として無税枠を拡大する方向である旨を論じた。

 しかし、今般、その件について続報があり、私が上掲レポートに書いたのとは若干異なる形で、事態が決着したようである。私が事前に得ていた情報では、ぶどう・りんごジュース、はちみつ、とうもろこし、大麦、オート、穀物のひき割りという6品目に対し無税枠が追加されるということだった。一方、小麦と加工トマトの2品目については、欧州議会の審議段階で却下されたと聞いていたので、レポートにはそのように書いた。ところが、今般出た6月28日のEUのリリースによると、却下されたと伝えられていた小麦と加工トマトも含め、8品目に対して無税枠が追加されるということである。上掲の図は、「ウクライナ分析センター」から拝借して、今回の決定を整理したもの。


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 こちらこちらの記事によると、ウクライナの公営事業利権をめぐり動きがあったようだ。首都キエフ市議会はこのほど、同市への暖房・温水供給に関するキエフエネルゴとの契約を打ち切ることを決定した。キエフエネルゴは、当国随一のオリガルヒ、R.アフメトフ氏傘下の企業である。従来キエフエネルゴが管理していた熱併給火力発電所(第5および第6)等が、16年振りにキエフ市の管轄下に戻る。契約自体は2017年12月31日に切れることになっていたが、次の暖房シーズンへの影響を避けるために、契約を2018年4月27日まで延長し、それ以降、市に移管される。


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 化学肥料は、今書いている論文の題材の一つなので、時々当ブログに登場する。

 こちらの記事の要旨。ウクライナの一連の窒素肥料工場のうち、4箇所をオリガルヒのD.フィルタシ氏が経営するOstchemが傘下に収めている。そのうち3工場、チェルカスィ、リウネ、セヴェロドネツィクの各工場は、3ヵ月にわたって操業を停止していたが、このほど操業を再開した。同社の広報が発表した。現時点では、Ostchemが注力しているのはウクライナ国内市場であり、国内の農業生産者への供給を最優先している。3工場合計の生産能力は月産35万tであり、これは2017年の秋蒔き播種作業の需要を満たすのに充分である。今回の操業再開は、政府の国際貿易省庁間委員会が5月に、ロシア産の窒素肥料、尿素、尿素アンモニア混合にアンチダンピング関税を課す決定をしたことによって可能となった。


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 何でもジブリで例えるのは日本人の悪い癖だが、ウクライナとロシアの対立が、ポルコとカーティスの殴り合いのようになってきた。元々何について揉めていたのかも、もはや分からなくなり、単なる嫌がらせの応酬と化し、周りはみな呆れ顔といった感じだ。

 こちらの記事によれば、ウクライナでロシア産チョコレートおよびその他のカカオ製品に対するアンチダンピング関税が、このほど発効した。税率は31.33%で、5年間適用される。過去数年、ウクライナのロシアからのチョコレート輸入はほぼゼロに近付いていたが、今回の措置で、完全に消滅することが予想される。2013~2015年に実施された調査にもとづいた措置であり、ロシアからのダンピング輸出がウクライナの生産者に深刻な打撃を与えていることを斟酌した。調査によれば、ウクライナの生産量が7.63%低下し、国内販売が20.85%低下し、等々といった被害が認定されたという。

 ちなみに、このニュースからリンクしていたこちらのサイトが、ロシアと欧米およびウクライナとの制裁の応酬クロノロジーをまとめていて、便利だった。


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 こちらによると、ウクライナのひまわり油生産が好調である。2016/17マーケティング年度(2016年9月~2017年8月)の生産は580万tに上ると予想され、前年度のペースを40%以上上回っている。なお、米農務省では、2017/18マーケティング年度(2017年9月~2018年8月)のウクライナのひまわり油輸出を、500万tと予想している。


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kryl_ya

 ウクライナに「ミロニウカ・パン製品」という有名な食品会社がある。ユーリー・コシューク氏という富豪が経営しており、旧ソ連最大規模の養鶏業者として君臨している。私は今般初めて知ったのだが、同社傘下の「クルィラ」というファストフードチェーンがあるそうで、これまではウクライナ国内でチェーン展開していたようだ。

 それで、こちらのニュースによると、そのクルィラがベラルーシとカザフスタンにも進出しようとしているということである。ベラルーシでは20店程度、カザフスタンでは10店程度と、フランチャイズ契約を結ぶ意向。なお、クルィラは2011年からチェーン展開しており、米国のKFCの開拓した市場セグメントに食い込もうとしている。現在までに、ウクライナ国内で約40店舗を数えるということである。

 まあ、購買力や市場規模からして、本当はロシアに出たいんだろうけどな(笑)。コシューク氏のビジネスについては、以前当ブログで取り上げたので、よかったらご参照を。


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hanro

 ウクライナとEUのビザなし協定が施行されたということで、ウクライナのメインストリームの皆さんはご満悦のようだが、私は生来のひねくれものなので、それとはちょっと別角度の情報を取り上げたい。

 こちらのサイトに、ウクライナの「ソフィヤ」という調査機関が実施したウクライナ全国世論調査の結果が出ている。5月26日から6月1日までにクリミアとドンバス占領地を除くウクライナ全土で、1,217人の成人回答者を対象に実施された調査である。この中で、最近ウクライナ当局が推進しているロシアに対抗したりその影響力を排除しようとする一連の政策を、回答者が支持するか否かということが問われている。その回答状況をまとめたのが上図(便宜的に「反ロシア的」政策と銘打っている)。EUとのビザなしで、「これで我々も欧州人」といった浮かれ気分がウクライナの一部に広がっているが、実は国民の半分強は、ロシアとの間でも現状のビザなし体制が続くことを希望している。物議を醸したロシア系SNS「アドノクラスニキ」や「フコンタクチェ」のブロックは、特に反対論が多い。


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