服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ウクライナ

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 こちらこちらの記事によると、ウクライナの公営事業利権をめぐり動きがあったようだ。首都キエフ市議会はこのほど、同市への暖房・温水供給に関するキエフエネルゴとの契約を打ち切ることを決定した。キエフエネルゴは、当国随一のオリガルヒ、R.アフメトフ氏傘下の企業である。従来キエフエネルゴが管理していた熱併給火力発電所(第5および第6)等が、16年振りにキエフ市の管轄下に戻る。契約自体は2017年12月31日に切れることになっていたが、次の暖房シーズンへの影響を避けるために、契約を2018年4月27日まで延長し、それ以降、市に移管される。


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 化学肥料は、今書いている論文の題材の一つなので、時々当ブログに登場する。

 こちらの記事の要旨。ウクライナの一連の窒素肥料工場のうち、4箇所をオリガルヒのD.フィルタシ氏が経営するOstchemが傘下に収めている。そのうち3工場、チェルカスィ、リウネ、セヴェロドネツィクの各工場は、3ヵ月にわたって操業を停止していたが、このほど操業を再開した。同社の広報が発表した。現時点では、Ostchemが注力しているのはウクライナ国内市場であり、国内の農業生産者への供給を最優先している。3工場合計の生産能力は月産35万tであり、これは2017年の秋蒔き播種作業の需要を満たすのに充分である。今回の操業再開は、政府の国際貿易省庁間委員会が5月に、ロシア産の窒素肥料、尿素、尿素アンモニア混合にアンチダンピング関税を課す決定をしたことによって可能となった。


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 何でもジブリで例えるのは日本人の悪い癖だが、ウクライナとロシアの対立が、ポルコとカーティスの殴り合いのようになってきた。元々何について揉めていたのかも、もはや分からなくなり、単なる嫌がらせの応酬と化し、周りはみな呆れ顔といった感じだ。

 こちらの記事によれば、ウクライナでロシア産チョコレートおよびその他のカカオ製品に対するアンチダンピング関税が、このほど発効した。税率は31.33%で、5年間適用される。過去数年、ウクライナのロシアからのチョコレート輸入はほぼゼロに近付いていたが、今回の措置で、完全に消滅することが予想される。2013~2015年に実施された調査にもとづいた措置であり、ロシアからのダンピング輸出がウクライナの生産者に深刻な打撃を与えていることを斟酌した。調査によれば、ウクライナの生産量が7.63%低下し、国内販売が20.85%低下し、等々といった被害が認定されたという。

 ちなみに、このニュースからリンクしていたこちらのサイトが、ロシアと欧米およびウクライナとの制裁の応酬クロノロジーをまとめていて、便利だった。


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 こちらによると、ウクライナのひまわり油生産が好調である。2016/17マーケティング年度(2016年9月~2017年8月)の生産は580万tに上ると予想され、前年度のペースを40%以上上回っている。なお、米農務省では、2017/18マーケティング年度(2017年9月~2018年8月)のウクライナのひまわり油輸出を、500万tと予想している。


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 ウクライナに「ミロニウカ・パン製品」という有名な食品会社がある。ユーリー・コシューク氏という富豪が経営しており、旧ソ連最大規模の養鶏業者として君臨している。私は今般初めて知ったのだが、同社傘下の「クルィラ」というファストフードチェーンがあるそうで、これまではウクライナ国内でチェーン展開していたようだ。

 それで、こちらのニュースによると、そのクルィラがベラルーシとカザフスタンにも進出しようとしているということである。ベラルーシでは20店程度、カザフスタンでは10店程度と、フランチャイズ契約を結ぶ意向。なお、クルィラは2011年からチェーン展開しており、米国のKFCの開拓した市場セグメントに食い込もうとしている。現在までに、ウクライナ国内で約40店舗を数えるということである。

 まあ、購買力や市場規模からして、本当はロシアに出たいんだろうけどな(笑)。コシューク氏のビジネスについては、以前当ブログで取り上げたので、よかったらご参照を。


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 ウクライナとEUのビザなし協定が施行されたということで、ウクライナのメインストリームの皆さんはご満悦のようだが、私は生来のひねくれものなので、それとはちょっと別角度の情報を取り上げたい。

 こちらのサイトに、ウクライナの「ソフィヤ」という調査機関が実施したウクライナ全国世論調査の結果が出ている。5月26日から6月1日までにクリミアとドンバス占領地を除くウクライナ全土で、1,217人の成人回答者を対象に実施された調査である。この中で、最近ウクライナ当局が推進しているロシアに対抗したりその影響力を排除しようとする一連の政策を、回答者が支持するか否かということが問われている。その回答状況をまとめたのが上図(便宜的に「反ロシア的」政策と銘打っている)。EUとのビザなしで、「これで我々も欧州人」といった浮かれ気分がウクライナの一部に広がっているが、実は国民の半分強は、ロシアとの間でも現状のビザなし体制が続くことを希望している。物議を醸したロシア系SNS「アドノクラスニキ」や「フコンタクチェ」のブロックは、特に反対論が多い。


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dina

 こちらのページに、ウクライナの平均賃金に関する図解資料が掲載されているので、これをちょっとチェックしておく。上掲のグラフの、オレンジの縦棒が平均月額賃金(グリブナ)、グレーの縦棒が最低月額賃金(グリブナ)、そして赤の折線がドル換算の最低月額賃金ということになる。2017年は4月時点の数字で、最低賃金が119ドルであり、図にはないものの、平均賃金6,659グリブナをドル換算すると250ドル程度だろう。賃金は今年に入ってからグリブナの名目でかなり上昇しているようだ。このほか、元の記事では、地域別のデータも表示できる。


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 最近の当ブログ、ちょっとウクライナの話題に偏りすぎか。この間ウクライナは「2035年までのウクライナ新エネルギー戦略:安全保障・エネルギー効率・競争力」と題する政策文書を策定する作業に取り組んできた。そして、こちらのサイトによれば、エネルギー・石炭産業省はこのほど、5月31日付で最終草案を取りまとめたということである。今後は、6月中に内閣がそれを承認する指令を出し、エネルギー戦略は正式に採択の運びとなる。

 ところで、戦略のテキストを紐解いてみると、一連の数値目標が記されており、その中からエネルギー安全保障と関連した項目だけ、下表に簡単にまとめてみた。これを見れば一目瞭然のとおり、ウクライナにとってのエネルギー安全保障とは、対ロシア依存からの脱却と同義であり、対ロシア依存脱却と裏表の事柄として、EUエネルギー市場との一体化の方向性が描かれている。

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 こちらなどが伝えているとおり、EUの議会にあたる欧州議会は6月1日、EU市場に関税なしで輸入できるウクライナ産農産物の枠を、拡大することを可決した。本件は昨年9月に欧州委員会が承認し、議会の審議にかけられていたもので、5月5日に欧州議会の国際貿易委員会が可決、そして今回の本会議の可決を経て、今後は欧州連合理事会が最終的に承認し、発効することとなる。本件については、個人的に以前から注視していたものの、理解していなかった点もあるので、この機会にまとめておく。こちらのサイトで、ウクライナ農業省の欧州統合問題担当次官のO.トロフィムツェヴァが解説しているので、主にそれにもとづいて整理しておく。

 トロフィムツェヴァ次官によれば、EU側が無税枠を拡大するのは、ぶどう・りんごジュース、はちみつ、とうもろこし、大麦、オーツ、穀物の挽き割りに対してである。ジュースとはちみつは従来の上限の50%分が、その他の品目については100%分が、新たな無税枠として追加される。これは3年間の時限的な措置となる。なお、ウクライナ側が枠の拡大を求めていた品目のうち、鳥肉と砂糖は交渉の初期段階で却下され、小麦と加工トマトは欧州議会の審議段階で却下された(注:上の図はまだ小麦と加工トマトが生き残っていた段階のもの)。EUの設定する関税割当は連合協定に数量が明記されており、今回の措置は協定を見直すわけではなく、あくまでもEU側による一方的な追加的優遇措置であり、したがってウクライナ側が何らかの見返りを求められるものではない。ウクライナ農業省の試算によれば、無税枠の拡大によって、年間1.8億ドルを得ることになり、3年間では5億ドル程度の利得となる。今後も、他の品目に対して無税枠が拡大される可能性もないわけではないが、それはもはやEU側による一方的な優遇措置というよりも、EUとのDCFTA発効3年後に見直し交渉をすることになっているので、その一環として交渉されることになろう。連合協定の経済条項が発効したのが2016年1月なので、1年半後にはその交渉に着手することが可能で、我々はその準備を進めておかなければならない。次官は以上のように説明している。


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 以前も取り上げたことがあるが、ウクライナに「ウクライナ分析センター」というシンクタンクがあり、今般そのフェイスブックページに、ウクライナで小売販売されている商品に占める国産品の比率という資料が掲載された。ここではその中から、商品の国産品比率をロシアとウクライナで対比したデータをグラフにしてご紹介する。ロシアの当該指標がここ2~3年拡大基調にあったのに対し、ウクライナはロシアと同じように激しい通貨下落に見舞われたにもかかわらず、輸入代替が進展しているとは言えないと、同センターでは指摘している。


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 ウクライナでは養蜂が盛んであり、最近になって諸外国へのはちみつの輸出が活発化しているようである。ちなみに、日本でも主に業務用として出回っていて、こちらのページに見るように、輸入する業者も現れたし、Amazonで注文することも可能である。ウクライナ=美女=はちみつの効果という図式に訴求しようとしている。

 こちらの記事によれば、2016年のウクライナのはちみつ輸出量は5.7万tで、過去最高だった。これは、2011年と比べると、実に5.8倍の拡大である。輸出増は本年に入っても続いており、2017年1~4月の輸出は2.2万tを記録、これは前年同期比2.3倍の伸びとなっている。1~4月のウクライナ産はちみつの主な輸入国は、米国1,260万ドル(シェア34%)、ドイツ850万ドル(23%)、ポーランド370万ドル(10%)などと続く。通貨グリブナの下落と国民の購買力低下が重なり、2017年の輸出量は大幅増に終わりそうである。

 ところで、「はちみつ ウクライナ」で検索していたら、「差し入れの蜂蜜容器が爆発、兵士4人死傷 ウクライナ東部」という2年前のニュースが目に止まった。


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 ウクライナのオリガルヒにO.ヤロスラウシキー氏(ロシア語ではA.ヤロスラフスキー氏)というハルキウの名士がおり、同氏については以前当ブログで「ウクライナのオリガルヒ14:ハルキウの転売師ヤロスラウシキー」として紹介したことがある。

 それで、こちらの記事によると、そのヤロスラウシキー氏がこのほど、ロシアの鉄鋼グループ「エヴラズ」から、ウクライナに所在する鉄鉱石コンビナート「スハ・バルカ」を、1.1億ドルで買い上げたということである。なお、同コンビナートは、元々はウクライナのプリヴァト財閥が保有していたが、2007年にロシアのエヴラズが他の一連の鉄鋼関連資産とともに買収した経緯がある。以前報告したとおり、ヤロスラウシキー氏は2016年にはハルキウ・トラクター工場を買収しており、業績を回復させたところで高値で転売すると見られ、相変わらず転売ビジネスは盛んなようだ。


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 先日、「ウクライナがロシア系ネットサービスを遮断」という話題をお届けしたが、関連情報を追加したい。こちらに、ウクライナで利用率の高いウェブサイトという情報が出ていたので、それを上図のとおり紹介させていただく。赤で示されているサイトがロシア系のサービスであり、ウクライナはこれらを全面禁止しようとしているわけである。

 このベスト25のサイトには、私の知らないものもかなりあった。それらについて調べたところ、olx.uarozetka.com.uaaliexpress.comは、通販サイトのようだ。prom.uaはオークションサイトらしい。gismeteo.uaは天気予報。


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 肥料産業は、地味ながら、現在個人的に取り組んでいる論文の題材の一つなので、時々このブログで取り上げている。以前、こちらおよびこちらのエントリーで報告したように、ウクライナの省庁間国際貿易委員会は2016年12月に、ロシア産の肥料にアンチダンピング関税を課す決定を下したものの、国内の肥料不足を不安視する農業省の意見を受け入れ、2月13日にその導入を当面延期することを決めた経緯がある。

 そして、こちらの記事によると、ウクライナの省庁間国際貿易委員会は5月18日、延期していたロシア産肥料に対するアンチダンピング関税の導入を、再度決定した。今後は、ロシア産のすべての尿素および尿素・アンモニア混合物(HSコード310210、 3102800000)に対し、31.84%のアンチダンピング関税が課せられる。決定は官報掲載の翌日に発効する。

 また、こちらの記事によると、ウクライナ経済発展・商業省は、ロシア以外のすべての国からの窒素肥料輸入に対する関税を全廃する意向を表明した。なお、これまで、ウクライナへの窒素肥料供給の80~90%をロシアが担ってきた。


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 こちらのニュースで知ったのだが、このほどウクライナで同国観光のポータルサイトが開設されたということである。http://zruchno.travelというのが、それだ。タイトルの「ズルチノ」というのは、ロシア語の「ウドーブナ」に相当し、「快適ウクライナ旅」みたいなタイトルなのだろう。ただ、ナショナルなサイトが出来たという触れ込みだったので、ウクライナ観光庁みたいなところの公式サイトなのかと思ったら、ロシア語・ウクライナ語のバイリンガルになっているし、ロシア語の方に優先順位が置かれているということで、どうも民間のプロジェクトのようである。今のところ英語ページはなく、一体誰にウクライナを観光してほしいと思っているのか、若干謎である。

 詳しく閲覧している時間はないが、ウクライナ全土の5万もの観光スポットが掲載されているという。クリミア、ドンバス占領地すらも対象になっている。


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 こちらの記事こちらのサイトによると、このほど5月15日付でポロシェンコ大統領が署名した大統領令により、国家安全保障・国防会議の4月28日付決定が発効した。これにより、対ロシア政策が拡大されることになった。制裁リストには、1,228の法人、468の個人が加えられた。

 問題は、今回の制裁リストに、ロシアの多くのマスコミだけでなく、ВКонтакте(フ・コンタクチェ)、Одноклассники(アドノクラスニキ)、Яндекс(ヤンデックス)、 Mail.ru(メイル・ル)といったロシア系のSNS、ネットサービスも含まれていることである。これらのサービスは、ウクライナでもユーザーが多く、ウクライナの一般市民の日常的な活動に重大な影響を及ぼすことが予想される(ただし、完全に遮断するとなると2年ほどの時間と数十億ドル単位の費用を要するという)。一例として、2015年現在のウクライナにおける各ネットサービスの利用率は、こちらのサイトからとった上掲図を参照していただきたい。上からグーグル、フ・コンタクチェ、YouTube、メイル・ル、ヤンデックス、フェイスブック、アドノクラスニキと並んでいる。

 かつてベネディクト・アンダーソンは、植民地の住民が宗主国の言語でコミュニケーションすることは何ら問題ではない、むしろ宗主国の言語であってもコミュニケーションが発達することによって植民地の国民意識が形成されるのだといった趣旨のことを喝破したことがある。現下ウクライナにとっても、たとえロシア発のネットサービスであっても、それによってウクライナ国民のコミュニケーションが促されるのであれば、国民形成にとってはプラスのはずである。それを遮断するような愚行を犯す国民に、果たして明るい未来が待っているのか、甚だ心許ない。


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 EUはウクライナとの連合協定に伴うFTAの成立で、ウクライナ産品に対する輸入関税を基本的に撤廃しているのだけれど、農産物・食品だけは例外で、多くの品目に「関税割当」が設定されている。関税割当とは、一定量までは無税で輸入されるが、その上限を超えると通常の関税が課せられるという制度である。それで、ウクライナ側はEUの設定した関税割当の上限が過小だとして、その引き上げを求めていた。私が事前に聞いていた話では、欧州連合理事会は5月11日に本件を審議する予定とされていた。しかし、11日を過ぎても、本件に関するニュースがまったく伝わってこない。一体どうなったのだろうか?

 その代り、ウクライナ農業・食品省のこちらのサイトに、5月11日付で、EUの関税割当問題に関するオリガ・トロフィムツェヴァ次官(欧州統合担当)のコメントが出ていた。次官いわく、EUの関税割当は過小で、いくつかの品目についてはあっと言う間に消化されてしまう。しかし、関税割当はウクライナの輸出車にとって決定的な問題ではない。たとえばハチミツであれば5,000tというように、割当が過小であっても、それでもそれを超えて輸出がなされている。これは割当が決定的ではないということであり、その上限を超えてもウクライナ産品は競争力があるのだ。先週(?)末、欧州議会の国際貿易委員会はウクライナへの優遇拡大を可決し、それには農産物も含まれていた。ただし、欧州委員会は8項目のうち2項目、すなわち加工トマトと小麦の上限引き上げを却下した。小麦については10万t、加工トマトについてはわずか5,000tを増量するにすぎない案だったのだが。なお、ウクライナの農産物・食品の最大の輸出市場はアジアであり、EUは2番目である。次官は以上のように述べた。


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 昨日お届けしたエントリーの、補足のような話である。こちらの記事によれば、EUがウクライナ国民に対してビザを廃止したことに伴い、EUとビザ廃止協定を有している南米およびアジアの35ヵ国以上が、自動的にウクライナ国民に対するビザを廃止することになるという。ウクライナ国民はまた、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタインというEU非加盟の欧州国家にもビザなしで入国できるようになる。ポロシェンコ大統領がテレビインタビューで語った。

 日本もEUと相互に短期滞在ビザを廃止しているはずだけど、よもや、それが原因で、日本もウクライナ国民にビザを廃止することになるのだろうか? まさか、そうとは思えないが。なお、ウクライナはすでに一方的に、日本国民のビザなしでのウクライナ短期滞在を認めている。


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 こちらのニュースなどが伝えているとおり、欧州連合理事会は5月11日、ウクライナ国民にEU圏でのビザなし短期滞在を認める方針を、最終的に決定した。今後は、5月17日にEU・ウクライナ間で協定が調印される予定。協定が発効し、ウクライナ国民がビザなしでEUに入れるようになるのは、6月11日頃と予想される。ただし理事会では、出入国および安全保障に問題が生じた場合は、EUはウクライナとのビザなし体制を停止するとしている。

 協定が発効すれば、ウクライナ国民はEU諸国に、180日のうち90日間、商用、観光、親族訪問の目的で滞在できる。ただし、協定が成立しても、ウクライナ国民がビザなしでEU圏で就業することはできず、この点に関しウクライナ国民がきちんと理解しているのかという疑問もある。もっとも、正規ではなく、非合法な形で、EUに出稼ぎに出るウクライナ国民は増えるかもしれない。


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 いつも思うのだけど、ウクライナがEUに入りたいという願望は、妖怪人間の「早く人間になりたい」という願いに似ているのではないか。つまり、ロシア圏の一部という醜い妖怪の姿から、欧州という全うな文明に転身するという発想なのではないかと思うのである。

 それで、ウクライナが真人間になるための重要なステップであるEUとの連合協定批准手続きであるが、オランダ議会の批准が遅れており、いまだ協定は発効していない。2017年2月23日にオランダ下院が批准を済ませたものの(定数150議席のところ、賛成89、反対55)、その後オランダの総選挙などがあり、上院の批准が残っていたものである(別に上院は改選されたわけではないはずだが)。

 比較的新しいこちらの情報によると、オランダ上院は5月23日に本件批准に関する審議を行うことを計画しているが、もしも外相の日程の都合がつかない場合には、6月6日に延期される可能性があるということである。審議して、即日採決するかは不明だが、可決されれば、国王に送られて署名という運びとなるということである。そして、署名された文書がブリュッセルに送付される。


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 ウクライナとロシアは仲が悪いが、やっていることは似ている。まあ、兄弟喧嘩というのは、そうういうものか。

 ウクライナ危機以降、ロシアは従来欧米およびウクライナから供給を受けていた軍需関連製品を、自国産に切り替える政策を推進している。それに対し、ウクライナも軍需産業の脱ロシア依存を推進しているところである。こちらの記事に、その進捗状況が出ている。

 記事によると、ウクライナでは国営武器公社「ウクルアバロンプロム」が2015年4月から軍需産業の輸入代替プログラムを実施しており、その枠内で19の州行政府と協力覚書を締結、約400社がプログラムに参加している。ウクライナは2020年までに自国の軍需産業を全面的にNATOの標準に移行させることを計画しており、その観点からも必要となる情報データベースの構築を現在進めている。ウクライナでは、従来ロシアから調達していた軍需産業向けユニット・物資の8,000品目を輸入代替する計画であるが、2017年初頭の時点ですでに代替の52.5%を完了した。うち33%は外国企業から購入しており(注:それを輸入代替とは言わないぞ、普通)、残り67%をウクライナ国内の輸入代替協業プログラムの成果で賄っている。


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 完全なる自分用のメモであるが、ロシアのノーヴォスチ通信が作成した、「ロシア市場への依存度が高かったウクライナの輸出品目」という上掲のような資料がある。ノーヴォスチはこの資料をしばしば使い回しているようだが、たとえばこちらの記事などに添えられている。明記はされていないものの、2012年のデータであり、ウクライナが各品目を同年にロシアにどれだけ輸出したか、そして輸出に占めるロシア向けのシェアは何%だったかを示したもの。上から、鉄道貨車、タービン、アルミナ、鉄道機関車部品、形鋼、チョコレート、トランス、チーズなどと並んでいる。


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 ウクライナでは、当地に進出したロシア系銀行への迫害が強まっており、ズベルバンクほか、あらかたウクライナから撤退する方向になっている。そうした中、こちらの記事によれば、このほどウクライナのロシコヴァ中銀副総裁は、次のように発言した。いわく、我々はこれまでずっと、2年前も今も、当地ではロシア系銀行に将来はないということを言い続けている(ロシア側はそれについて私を非難しているが)。皆がそれを理解する必要がある。確かに、現在のご時勢では、ウクライナ資産の買い手を見つけるのは困難であるが。他方、我々は管理者である中銀の立場として、市場からの退場は文明的であるべきと考える。(ロシア系銀行店舗の前で)バリケードを築いたりする必要はない。銀行が市場から平穏に、パニックなしに退出できるようにしてあげよう。

 ウクライナがロシア資本に怨念を抱くのも理解はできるが、中銀総裁が特定国を敵視し、撤退を迫るようなことを公式に発言するのは、どう考えても不正常なことであろう。外国人が、こういう国に投資をしようという気には、なかなかなれない。


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 こちらのサイトに、ウクライナ国民が住宅・光熱費をどれだけ支払っているか、それが家計支出に対しどれだけの割合を占めているかということを図解した資料が出ていたので、転載する。クリックすると拡大。


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 正直言うと、マスタード(洋カラシ)が何を原料に作られるのかも知らなかったが、こちらに見るように、シロガラシというアブラナ科の植物の種が原料らしい。

 そして、こちらの記事によると、そのシロガラシの生産・輸出国として、ウクライナが台頭しているようだ。シロガラシの生産量では(カッコ内は種の大まかな年産量)、カナダ(20万t)、ネパール(15万t)、ロシア(9万t)に次いで、ウクライナ(4万t)が世界4位となっている。2016年にウクライナは3.5万tの種を輸出、これは2013年からは倍増だが、過去最高だった2015年からは21.9%減だった。


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 こちらの記事の中で、ロシア・ガスプロム社のミレル社長が、欧州向け天然ガス輸出におけるウクライナ・トランジットの利用方針に関し語っている。それによれば、ガスプロムは2019年以降もウクライナ・ルートを活用する可能性はあるが、量は従来よりもずっと少なくなり、年間150億立米止まりとなる。ガスプロムはバルト海と黒海を通る新パイプラインを建設する予定であり、2019年に契約が切れるウクライナと新協定を結ぶかは未定である。我々は交渉の用意はあるが、仕向け地はウクライナと隣接している諸国に限られ、せいぜい年間150億立米となろう。ロシアの天然ガス採掘の中心はヤマル半島にシフトしており、そこと輸送先のドイツを結ぶ最短距離はバルト海ルートであって、ウクライナ経由よりも2,000kmも短い。ミレル社長は以上のように述べた。


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 本日4月26日は、チェルノブイリ原発事故の記念日。1986年の事故から、31年が経過。こちらのサイトに、事故や被害の概要を図解したものが出ているので、転載させていただく。クリックすると拡大。

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 こちらの記事によると、米国のトランプ政権はウクライナへの支援を大幅に縮小しようとしている。トランプ政権は3月に、途上国への支援を3分の1カットする予算案を発表したが、その際には細目は明らかになっていなかった。このほどForeign Policyが入手した国務省の予算案によれば、米国の途上国支援は開発援助から、国家安全保障にかかわるプログラムへとシフトする。そして、2018年のウクライナ向けの支援としては5.7億ドルが計上されているものの、うち金融支援は1億7,700万ドルまでカットされ、これは68.8%減となることを意味する。


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 別に新しい情報ではないが、個人的なまとめ作業。2016年4月6日にオランダの国民投票でEU・ウクライナ連合協定の批准が否決され(拘束力はない)、同協定をめぐる状況が袋小路に陥り、EU側は対ウクライナ関係をトーンダウンさせることで、本件収拾を図った。すなわち、2016年12月15日に開催されたEU首脳会議で、連合協定に制限事項を明記することで合意したものである。その合意点は、こちらのサイトに見るように、同日付の欧州理事会決定の付属文書として発表された。以下ではその付属文書にある合意(Decision)を翻訳しておく。

欧州連合、欧州原子力共同体およびその加盟諸国とウクライナとの間の連合協定に関する、欧州連合加盟28ヵ国元首または政府長と、欧州理事会会合の決定

 欧州連合、欧州原子力共同体およびその加盟諸国とウクライナとの間の連合協定にその政府が署名した欧州連合加盟28ヵ国元首または政府長は、

 EU・ウクライナ連合協定批准法案に関する2016年4月6日のオランダ国民投票の結果と、オランダ王国首相によって国民投票に先立ち表明された懸念に留意し、

 EU・ウクライナ連合協定およびEUの諸条約を完全に遵守し、そしてウクライナとの関係を深めたいとのEUの目標に沿いつつ、これらの懸念に対応することを望み、

 2016年12月15日付の欧州理事会の結論を重んじ、

 共通理解として以下のことを決定した。それは、オランダ王国が連合協定を批准し、欧州連合が批准作業を完了したことをもって発効する。

 A.共通の価値にもとづいて連合協定の当事者間の緊密で持続的な関係を構築することを目標としつつ、連合協定はウクライナにEU加盟候補国としての資格を与えるものではなく、将来においてウクライナにそのような資格を与えるコミットメントを成すものでもない。

 B.連合協定は、安全保障、とりわけ紛争回避、危機管理、大量破壊兵器の不拡散といった分野でのウクライナとの協力関係を再確認するものである。それは、EUおよびその加盟諸国に、ウクライナに集団安全保障またはその他の軍事援助・支援を提供することを義務付けるものではない。

 C.連合協定は、市民の移動性を高めるという目標を掲げてはいるものの、ウクライナ市民とEU市民の相互に、互いの領土内で自由に居住・労働する権利を付与するものではない。連合協定は、被雇用か自己雇用であるかにかかわりなく、EU加盟諸国の領土で求職するウクライナ国民への許可割当を決定するEU加盟諸国の権利に影響を及ぼすものではない。

 D.連合協定は、ウクライナにおける改革プロセスを支援するEUのコミットメントを再確認するものである。連合協定は、EU加盟諸国のウクライナに対する追加的な金融支援を求めるものではなく、二国間の金融支援の性格と規模を決定するEU加盟各国の独占的な権利を変更するものでもない。

 E.腐敗との闘争は、連合協定の両当事者間の関係を高める上で、中心的である。連合協定の下で両当事者は、民間および公的の両セクターにおいて、腐敗と闘争しそれを防止する上で協力することになる。法の支配に関連した両当事者間の協力は、とりわけ、司法の強化、その効率の改善、その独立と公平性の確保、腐敗との闘争に向けられる。

 F.民主的諸原則、人権および基本的な自由の尊重、上記E項で言及されたものをはじめとする法の支配の尊重は、連合協定の本質的な要素である。両当事者はそれらの義務の完全な履行を要請され、その履行と執行はモニターされることになる。義務が不履行となった場合には、各当事者は連合協定第478条に則って適切な措置をとりうる。適切な措置の選択に当たっては、連合協定の機能を乱すことが最も少ないものが優先される。これらの措置は、やむをえない場合には、連合協定の条項で規定された権利・義務の停止を含みうる。


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 ウクライナでヴォロディーミル・フロイスマン(ロシア語ではウラジーミル・グロイスマン)首相が就任してから、4月14日で1年が経過した。これに関連し、こちらのサイトで、オレグ・グロモフという評論家が論評しているので、以下のとおり要旨をまとめておく。

 ウクライナと西側の関係という観点から言うと、IMFとの交渉において、様々な困難にもかかわらず、フロイスマンはIMFからトランシュを取り付けており、最近第4トランシュが供与され、近いうちに第5も続く見通しである。IMF側の評価によれば、フロイスマン内閣の最大の功績はマクロ経済を安定化させたことで、ロシアとの通商関係悪化による損失にもかかわらず、2016年の財政赤字を1年前の見通しの対GDP比3.7%から2.3%に引き下げてみせた。

 IMFではさらにウクライナ政府に対して2つの重要な措置を期待しており、それは国内で物議を醸す問題である。第1に年金改革(受給開始年齢の引き上げ)であり、第2に現在は一時見合わせとなっている土地売買の自由化である。

 これらの措置の実施は、連立与党の実質的な崩壊ゆえに、困難なものとなる。2016年にポロシェンコ・ブロックの何人かの議員は会派を離脱し、ヤツェニューク首相退陣後の「人民戦線」議員たちも煮え切らない姿勢を見せている。その幹部の一人であるアヴァコフ内相は、大統領選出馬の野心を持っており、フロイスマン首相およびポロシェンコ大統領を同盟相手というよりはライバルと見ている。それは、内相の支配下にある民族主義的な軍人集団の動きにも見て取れ、それが昨今のドンバス封鎖やロシア系銀行圧迫政策といった流れを主導しており、政府は不本意ながらそれを受け入れざるをえなくなっている。

 かくして、内閣は宙ぶらりんの状態となり、こうした状況では市民の生活水準を削るような法案を通すのはきわめて困難である。来たる大統領選のことを考えれば、なおさらだ。

 つまり、フロイスマン首相にとっては難問が増すばかりで、彼は前任者のヤツェニュークに劣らず政治的なカミカゼ特攻隊とならざるをえない(ちなみにヤツェニュークは退任後、政界から完全に消えた)。世論調査によれば、国民のフロイスマン支持率は2%以下なので、ヤツェニュークと同じ運命を辿る可能性が高い。

 マクロ経済安定化は、フロイスマン首相および政権の人気低下という代償を伴っている。公共料金は2015年から2017年3月までに2倍以上になっている。平均年金が1,000グリブナであることを考えると、高齢者の大部分は自動的に無産階級に転落した。こうした状況では、フロイスマンが首相から退いた後、第二の政治人生が待っているかというと、それは厳しい。

 フロイスマンはレームダックと化して現在に至っており、自立した政治的な展望を切り開く見通しはない。ヤツェニューク同様、西側からの支援が得られるにしても、部分的にすぎない。現に、欧米からは構造改革の遅れを批判されている。

 フロイスマンがテクニカルな首相であるがゆえに、今のところ解任を免れている。また、ティモシェンコも、他の野党勢力も、ポロシェンコ・チームも、不人気な政策を実施せざるをえない首相というポストを引き受ける用意は今はできていない。ヤツェニューク以来、ウクライナの首相という役回りは、そのように損なものとなっているのである。


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