服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ロシア

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 以前も取り上げたことがあるが、ウクライナに「ウクライナ分析センター」というシンクタンクがあり、今般そのフェイスブックページに、ウクライナで小売販売されている商品に占める国産品の比率という資料が掲載された。ここではその中から、商品の国産品比率をロシアとウクライナで対比したデータをグラフにしてご紹介する。ロシアの当該指標がここ2~3年拡大基調にあったのに対し、ウクライナはロシアと同じように激しい通貨下落に見舞われたにもかかわらず、輸入代替が進展しているとは言えないと、同センターでは指摘している。


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 先般、ロシア連邦国家統計局より、2015年の地域総生産のデータが発表された。地域総生産は、簡単に言うと国内総生産(GDP)を地域別にブレークダウンしたものであり、通常の国民経済計算統計よりも出るのが遅く、今頃になってようやく2015年の数字が出たというわけである。

 そのデータを眺めていて、どうも極東連邦管区の成長率がロシア平均と比べて低いのではないかということに気付いた。実際、データを整理し上図を作成してみたところ、そのとおりだった。2000年を基点に2015年までの成長率を辿ってみると、この間、極東連邦管区は76.8%しか成長しておらず(図では小数点以下を四捨五入しているが)、8連邦管区の中で最低の成績だった。プーチン政権が「東方シフト」をうたい、極東開発に注力している割には、冴えない数字だなと思ってしまった。

 しかし、ロシア極東は人口減に苦しんでいることが知られており、もしかしたら極東の相対的な低成長はそれが原因なのかもしれないなと、考え直した。そこで、「住民1人当たりの地域総生産」という別の指標を見たところ、まさにそのとおりだった。住民1人当たりの地域総生産では、極東連邦管区が第1位の伸び率を示していた(下図参照)。1人当たりの伸びは急だが、人口が減っているので、ロシアで最も低成長に甘んじているという極東の現実が、データからも浮き彫りとなる。

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 ウクライナのオリガルヒにO.ヤロスラウシキー氏(ロシア語ではA.ヤロスラフスキー氏)というハルキウの名士がおり、同氏については以前当ブログで「ウクライナのオリガルヒ14:ハルキウの転売師ヤロスラウシキー」として紹介したことがある。

 それで、こちらの記事によると、そのヤロスラウシキー氏がこのほど、ロシアの鉄鋼グループ「エヴラズ」から、ウクライナに所在する鉄鉱石コンビナート「スハ・バルカ」を、1.1億ドルで買い上げたということである。なお、同コンビナートは、元々はウクライナのプリヴァト財閥が保有していたが、2007年にロシアのエヴラズが他の一連の鉄鋼関連資産とともに買収した経緯がある。以前報告したとおり、ヤロスラウシキー氏は2016年にはハルキウ・トラクター工場を買収しており、業績を回復させたところで高値で転売すると見られ、相変わらず転売ビジネスは盛んなようだ。


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 これはロシアの産業界にとってはなかなか重要な話題。こちらなどが伝えているように、ロシアで開発されている双発中短距離ジェット旅客機「イルクート MS-21」(座席数は150~211席となる)が、5月28日に初飛行を無事に終えた。テスト飛行は、時速300km、高度1,000mで行われ、30分ほど続いた。マントゥロフ産業・商業相によれば、2037年までに1,000機を販売することを見込んでいるという。政府は市場開拓などを支援する。下に見るのは、こちらのサイトに出ている図解資料。

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eco

 ロシア『エクスペルト』誌の2017年5月21~28日号(No.21)に、各研究分野ごとのロシアの大学の実績ランキングという記事が掲載された。今後何かに使うかもしれないので、メモがてら、私とかかわりの大きい経済学のランキングだけ、ここに転載させていただく。

 1位のВысшая школа экономикиは、英語ではHigher School of Economicsだが、日本語で何と訳していいか、いつも困る学校である。「上級経済学校」でいいのだろうか。

 以下、2.ロシア経済スクール(これも訳に自信なし)、3.サンクトペテルブルグ国立大、4-5.ロシア国立社会大、4-5.モスクワ国立大、などと続く。


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tomato

 先日、ロシアのプーチン大統領とトルコのエルドアン大統領が会談し、両国がお互いの農産物に課していた輸入禁止措置を解除することになった。しかし、最重要品目であるロシアのトルコからのトマトの輸入は、禁輸が解除されるのは3年後ということになった(ちなみにキュウリも)。それに関連する記事がロシア『エクスペルト』誌の2017年5月22~28日号(No.21)に出ている。

 上掲は、その記事に掲載されていたグラフであり、左側がロシアにおけるトマト収穫量を、右側がロシアのトマト輸入量を示している。従来、ロシアのトマト輸入のざっと半分程度がトルコからであり、その輸入が減ったことで、ロシアの輸入代替生産が進んできた。過去4年間で、ロシアでは野菜の温室栽培に1,500億ルーブルが投資され、生産者がすでに行った投資をなるべく早く回収するためにも、今すぐにトルコ産トマトを解禁するわけにはいかないという事情があった。過去数年ロシアでは、小売チェーンのマグニトや、総合事業のシステマ社といった様々な企業が野菜の温室栽培に参入していた。

 ちなみに、こちらの記事が伝えているとおり、2017年第1四半期に、トルコのトマト輸出相手国としてベラルーシが第1位に浮上したということである。ベラルーシのトマト需要がそんなに急に高まるとも思えず、何らかの形でロシアに流れている可能性が高いのではないか。


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VPK

 ロシアの『コメルサント』紙は、『コメルサント・ビジネスガイド』と称して、時々有益なテーマ別の別冊を付録として付けることがある。2016年1月25日号では、軍需産業に関する別冊特集が添えられている。少々重いが、こちらからダウンロード可能である。

 これに掲載されている記事によると、ロシアの軍需産業コンプレクスでは、2014年現在で1,339社がリストに登録されている。メーカーだけでなく、研究所、設計局も含まれ、そこでは200万人が働いている。ロシアの32地域に、軍需企業を中核とした企業城下町が129存在する。

 さて、これらの軍需産業コンプレクス企業は、軍需製品だけでなく、軍民汎用製品、民需製品も生産する。ソ連崩壊後は、民需への転換こそが美徳とされた時代があった。しかし、プーチン体制の下で、最近ではむしろ軍需回帰の現象が生じているようである。記事によると、ロシアの軍需産業コンプレクスでは数年前までは汎用製品にシフトしようとする動きがあったが、現時点では全体の80%ほどが軍需となっている。民需の需要家による発注割合は、2011年には33.7%だったのに対し、2014年には20.9%にすぎなかった。2006年にはロシアのマイクロエレクトロニクスの生産のうち軍需向けは15%だったが、2014年には50%になった。航空・宇宙産業でも軍需の優位が強まっている。


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 あまり一般的な話題ではないが、こちらの記事で取り上げられている問題は、私の個人的な研究分野にとって非常に重要な事柄である。ロシアの輸入代替政策と、ユーラシア経済連合の統合が、どう関わり合うかという問題である。

 記事によると、ユーラシア経済委員会の鉱工業諮問委員会は、ロシアが提案した輸入代替プログラムをユーラシア空間で実施するとの提案を、検討した。すでに、ロシアの輸入代替プログラムに参加する意向を表明しているユーラシア経済連合加盟諸国の鉱工業企業の暫定リストが制定されている。17の鉱工業部門に及ぶ62品目の輸入代替プログラムが選定された。工作機械、軽工業、化学工業、電力機械等が対象になっている。飛行機の座席生産から、包帯に至るまで、多様である。実際にユーラシア諸国の企業がロシアの輸入代替プロジェクトにどのようなメカニズムで参加するかは、今後専門家が検討する。諮問委員会のS.シドルスキー委員長(元ベラルーシ首相)は、輸入代替、産業協業のアプローチはユーラシア統合のポテンシャルを考慮し足並みを揃えるべきである、ある加盟国で生産されている品目を別の加盟国が国庫を投じて輸入代替するのは無意味だ、一本化された政策手段を策定して既存のポテンシャルを活用すべきだ、などとコメントした。ロシアの輸入代替プロジェクトへの参加を希望しているユーラシア企業リストには、ベラルーシ企業が多い。今後ユーラシアの枠内での輸入代替の問題は、夏の終わりか秋の初めに開催される次回会合で継続審議する。なお、ロシアの輸入代替にユーラシア諸国企業が参加するという件に関しては、2016年5月31日にプーチン・ロシア大統領が提案し、ロシア産業・商業省とロシア・エネルギー省が他のユーラシア諸国の関係者と共同で25の産業部門に関する提案を策定したという経緯である。


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tatar

 ロシアで5月24日から26日にかけて「鉱工業ロシアのデジタル産業」というイベントが開催されているということである。こちらがそのウェブサイト。タタルスタン共和国のイノポリスというテクノパークを舞台に開催されている。

 それで、こちらの記事によると、同イベントにおける全体会合で、国際的な調査会社のボストン・コンサルティング・グループが、ロシアは世界のデジタル先進国から平均で5~8年遅れているということを指摘した。ロシアは過去5年でキャッチアップ・グループから主要グループに移行したものの、依然としてアウトサイダーの地位にある。ただし、ブロードバンドでのネットアクセス、スマホの販売といった点では、かなり指標を改善している。


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 当ブログでは本年3月に、こちらこちらのエントリーで、ロシア連邦国家プログラム「対外経済活動の発展」につきご報告した。同プログラムは、2013年3月18日に採択され、2014年4月15日に改訂されたという経緯だった。それで、今般気付いたのだが、実は同プログラムはその後、2017年3月31日付のロシア政府決定により、さらに改訂されていたのである。ちなみに、最新版のテキストは、こちらで閲覧が可能である。これに伴い、同プログラムの数値目標も、若干の手直しがなされ、その結果、当ブログに以前掲載した図表も古くなってしまった。そこで、最新版のプログラムにもとづきデータを更新した上で、再度図表を掲載したい。

 まず、今日のロシアの「東方シフト」を象徴する指標である「商品輸出にAPEC諸国向けが占める比率」というデータを見てみよう。前回申し上げたとおり、ロシアは輸出のAPEC比率を「超過達成」している状態だったので、実情に合わせて今後の目標値を引き上げた形である。

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 次に、ロシアの貿易の高度化を示す指標として、「ロシアの商品輸出に占める機械・設備・輸送手段の比率」が、下図のとおりである。なお、注意していただきたいのは、最新版の国家プログラムでこの指標は「2011年固定価格」とされていることである。つまり、2014年以降、石油価格が大幅に下落したので、変動価格だとそれだけで機械輸出の比率が高まってしまうことにかんがみ、そうした価格変動にとらわれずに、実際にどれだけ機械の比率が伸びているかという指標を示しているわけである。前回もお伝えしたとおり、ロシアは輸出全体に占める機械比率の伸びはきわめて慎重に見積もっているものの、CIS域内向けでは機械比率がますます高まっていくと見ている。このCIS向け機械輸出の指標も、2013~2015年に「超過達成」してしまったので、2017年以降の目標値を引き上げたものだろう。

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 肥料産業は、地味ながら、現在個人的に取り組んでいる論文の題材の一つなので、時々このブログで取り上げている。以前、こちらおよびこちらのエントリーで報告したように、ウクライナの省庁間国際貿易委員会は2016年12月に、ロシア産の肥料にアンチダンピング関税を課す決定を下したものの、国内の肥料不足を不安視する農業省の意見を受け入れ、2月13日にその導入を当面延期することを決めた経緯がある。

 そして、こちらの記事によると、ウクライナの省庁間国際貿易委員会は5月18日、延期していたロシア産肥料に対するアンチダンピング関税の導入を、再度決定した。今後は、ロシア産のすべての尿素および尿素・アンモニア混合物(HSコード310210、 3102800000)に対し、31.84%のアンチダンピング関税が課せられる。決定は官報掲載の翌日に発効する。

 また、こちらの記事によると、ウクライナ経済発展・商業省は、ロシア以外のすべての国からの窒素肥料輸入に対する関税を全廃する意向を表明した。なお、これまで、ウクライナへの窒素肥料供給の80~90%をロシアが担ってきた。


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 こちらの記事こちらのサイトによれば、ロシアでは5月19日にソチでプーチン大統領とメドヴェージェフ首相が面談し、首相は大統領に「2017~2025年のロシア政府の行動計画」を提出したということである。大統領が首相に同計画の策定を指示し、それを受けて今回の提出となった。ただし、今後有識者の意見なども取り入れながら、最終版を取りまとめたいとされているので、今回のものは草案という位置付けのようである。なお、現在のところ大統領府や政府の公式HPには、計画のテキストは載っていないようだ。

 プーチンが2018年に再選を果たしたとすると、任期は2024年までとなる。何ゆえに2025年までの計画を作らせているのか、やや腑に落ちない。


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 旧ソ連諸国のサッカー会場には従来、明らかな短所と明らかな長所があった。

 短所は、サッカー専用スタジアムがほぼ存在せず、トラック付きの陸上競技場でサッカーの試合が開催され、これが臨場感を損なっていたことである。他方で、長所は、そうした陸上競技場は、ほとんどの場合、街のど真ん中に位置しており、交通が至便だったことである。実際、旧ソ連の地方都市に行くと、スタジアムの名前が「ツェントラーリヌィ」(「中央」という意味)であるケースが少なくない。旧ソ連の地方都市は画一的で味気ないが、スタジアムの立地だけはソ連の都市計画の画一性に感謝すべき状況だった。

 ただ、ウクライナでは、ユーロ2012に向け、リヴィウとドネツィクで立派なサッカー専用スタジアムが完成した(後者は紛争で破壊されてしまったが)。ロシアでも、2018年のワールドカップに向け、続々と専スタが誕生している。恐らく、現時点で、世界の中で最もすごい勢いでサッカー専用スタジアムが誕生しているのが、ロシアという国である。何しろ、ワールドカップ向けの12会場はすべてサッカー専用であり、それ以外にもモスクワの各クラブの自前専スタが3つほどある(建設中含む)。

 しかし、そうした新しい専スタは遊休地に建設せざるをえないので、従来の街の真ん中にあった陸上競技場と異なり、どうしても交通の便が悪くなる。これは、日本のサッカー場がたいてい交通の便が悪いのと同じ問題である(日本ではサッカーは後発の文化なので)。

 それで、今般気付いたのは、こちらの記事などに見るように、どうもサンクトペテルブルグの新サッカースタジアムである「ゼニト・アレーナ」が、かなり交通の便が悪そうだということである。同スタジアムは島というか川の中州のようなところに誕生したのだが、最寄りの地下鉄駅から2.7kmあり、歩くと30分くらいかかる。しかも、大イベント開催時には、人ごみで進むのが遅くなるし、道中の警備を厳重にやるはずなので、余計にノロノロになりそうである。自家用車で付近まで行こうとしても、橋が渋滞したり閉鎖されたりといったことがありそうで、まずやめた方がよさそうだ。

 近く、ワールドカップのプレ大会として、コンフェデが開催され、ゼニト・アレーナでロシアVSニュージーランドの開幕戦が行われる。大イベントで同スタジアムが使われるのは初めてなので、導線の課題などがここで浮き彫りになってくるはずである。


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 個人的に研究に取り組んでいるロシアの輸入代替政策に関し、こちらに見るように、5月16日に政府幹部の会合が開催された。会合における政府幹部の発言の中から、気になった部分だけメモしておく。

  • 輸入代替プロジェクト実施のために、3,750億ルーブルという、ロシアの経済状況からすればかなりの額が投入された。うち1,050億ルーブルは、産業発展基金を通じて、連邦財政の資金が国家支援として提供されたものだった。
  • 石油ガス機器の分野では、目標とされていた輸入比率は56%だったが、現在すでに45.5%に低下している。無線・エレクトロニクス分野では、目標69%に対し、実際にはすでに54%になっている。つまり、予定していたよりも迅速に輸入代替が進展している部門がある。
  • 農産物・食品の輸入は、過去3年間で、41%ほど低下した(原文では1.7分の1になったと表現されている)。2016年にはロシアの農産物生産は5%、食品加工産業は2.6%増大した。
  • 触媒の輸入代替も推進されている。石油ガス加工部門における触媒の輸入浸透率は、当初(いつ?)の62%から、2016年までに39%に低下した。同じく石油化学部門における触媒の輸入浸透率は、38%から27%に低下した。その際に、ロスネフチ、ガスプロム、ガスプロムネフチといった石油ガス会社が自ら触媒の生産に乗り出し、これが輸入依存率の引き下げに大いに貢献している。

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 忙しいから手抜きで恐縮なのだけど、ちょっと用事があってこんな表を作ってみた。ロシア政府は2012年7月に「2013~2020年の農業発展、農産物・原料・食品市場管理国家プログラム」を採択し(担当は農業省)、その主要目的として食糧安全保障ドクトリン(2010年採択)の指標達成、ロシア産農産物の内外市場における競争力向上がうたわれ、その付属文書では主要農産物の自給率向上の具体的な数値目標も示された。なお、同国家プログラムは2014年4月に改訂されているものの、主要農産物の自給率向上の数値目標に変更は見られない。そして、農業省は、この国家プログラムの実施状況に関する報告書を毎年発表しており、その最新版によれば、主要食品の国産比率は上掲の表のように推移している。農業・食品部門は、ロシアの様々な産業の中で、比較的順調に国産化が進んでいると言えそうである。ただ、「食糧安全保障ドクトリン」で、食塩の国産比率の目標まで掲げているのは、少々大仰な印象を受けた。


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 このほど中国で新シルクロードこと「一帯一路」をテーマとした大規模な国際会議が開かれた。プーチン・ロシア大統領をはじめ、外国の首脳も多く駆け付けたようである。それに合わせて、ロシア・ノーヴォスチ通信のこちらのページに、一帯一路を図解した資料が掲載された。上掲の図はその一部を切り取ったものであり、オリジナルはさらに国別の経済データなどが出ている。この資料によれば、ロシアが一帯一路に寄せる利害は、次のようなものだという。

  • 大規模なトランジットゾーンとしてのステータス。
  • 輸送インフラの投資資金を回収率を高める。
  • ロシアの東部領土の諸地域の発展を活発化する。
  • 中国およびその他諸国との協力を強化・拡大する。

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playpad

 こちらの記事によれば、ルーブル安によって賃金、賃料、通信費などの支出が割安になったことから、タブレット端末の生産を中国からロシアに移すという事例が生じているということである。日本語の記事なので、事の次第は、元の記事をご覧いただきたい。

 記事によれば、ロシアとしては比較的コストの高いモスクワ州の生産原価が、中国の半分になっているということである。正直、個人的には、眉唾という感じがする。ロシア国内向けに出荷するのに、中国で生産するよりもロシアで生産した方が有利という状況は生じるかもしれないが(税制とか輸送費諸々の要因で)、生産コストそのものは、どうだろうか? ただ、この記事で取り上げられているハムステル社というところは、ロシアで生産し西欧に輸出することも検討しているそうで、ロシアでの生産に一定の優位性が発生していることは事実なのだろう。

 記事で取り上げられている「プレイパッド」というタブレット端末は、教育向けらしく、通販サイト「オゾン」のこちらのページによれば、上掲のような外観らしい。


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 ウクライナ危機が発生したことを受け、欧州復興開発銀行(EBRD)の株主総会は2014年7月、ロシアの新規プロジェクトへの投資は見合わせることを決定した。こちらの記事によれば、今般開催されているEBRDの総務会、理事会で、ロシアの脱退といった議題が審議されることはない。現在EBRDでは、チャクラバルティ氏というインド人が専務理事を務めているのだが、同総裁は改めて、EBRDにとってのロシアの重要性を強調した。EBRDがロシアで行ってきた既存の投資には優良なものが多く、またモスクワ事務所は中央アジアに投資を行う上でのハブにもなっているからである。

 一方、こちらの記事によれば、EBRDの総務会に出席したオレーシキン・ロシア経済発展相は、ロシアへの融資停止は条約違反であり、ロシアとしては法的な解決を求めざるをえない、ロシアへの融資を停止することでEBRDの財務も悪化することになるだろう、ただしロシアとしては現状を打破するための交渉の用意はある、などと発言した。なお、2016年のEBRDの利潤は6億4,200万ユーロで、過去5年間で最低の数字だった。2016年のEBRDの売上高は16億9,900万ユーロだが、ロシアでのオペレーションを除くと12億200万ユーロに低下する。


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 ロシアなど5ヵ国から成るユーラシア経済連合では、当初の予定では、2016年1月1日から共同医薬品市場が成立するとされていた。しかし、実際には作業が遅れ、このほどようやく共同市場が発足したということである。こちらのサイトによると、加盟5ヵ国の批准を経て、5月6日から共同医薬品市場がスタートするということである。

 この場合、共同市場というのが意味するのは、医薬品の臨床の問題、認可、価格管理、政府調達などの機能を、各国レベルから、超国家レベルのユーラシア経済連合に移管するということのようである。ただし、移行期間が設けられており、2020年12月31日までは、メーカーは自国政府か、ユーラシア経済連合か、どちらに申請を行うかを選択することができる。

 今のところ、私の理解もだいぶ漠然としているのだけど、このテーマについては今後詳しく調べる予定なので、いずれまた報告する機会があるかと思う。


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 少々遅れ気味のフォローになってしまった。こちらのサイトや、こちらの記事が、ユーラシア経済連合の関税法典の施行が、半年延期されることになったと伝えている。ユーラシア経済委員会の理事会が4月28日に開催され、従来2017年7月1日からの施行とされていたものを、2018年1月1日施行へと延期したものである。ユーラシア経済委の上記サイトでは、「関税法典の批准手続きを同時進行化することを決定した」という意味深長な言い回しとなっていおり、要するに一部の国の批准手続きが遅れているのでそれを待つということだろうか。


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 ウクライナとロシアは仲が悪いが、やっていることは似ている。まあ、兄弟喧嘩というのは、そうういうものか。

 ウクライナ危機以降、ロシアは従来欧米およびウクライナから供給を受けていた軍需関連製品を、自国産に切り替える政策を推進している。それに対し、ウクライナも軍需産業の脱ロシア依存を推進しているところである。こちらの記事に、その進捗状況が出ている。

 記事によると、ウクライナでは国営武器公社「ウクルアバロンプロム」が2015年4月から軍需産業の輸入代替プログラムを実施しており、その枠内で19の州行政府と協力覚書を締結、約400社がプログラムに参加している。ウクライナは2020年までに自国の軍需産業を全面的にNATOの標準に移行させることを計画しており、その観点からも必要となる情報データベースの構築を現在進めている。ウクライナでは、従来ロシアから調達していた軍需産業向けユニット・物資の8,000品目を輸入代替する計画であるが、2017年初頭の時点ですでに代替の52.5%を完了した。うち33%は外国企業から購入しており(注:それを輸入代替とは言わないぞ、普通)、残り67%をウクライナ国内の輸入代替協業プログラムの成果で賄っている。


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 ロシアでは、2016年5月16日付の政府決定により、国家プログラム「国防産業の発展について」が採択された。そのテキストが、こちらである。ただし、同国家プログラムはこのほど、2017年3月31日付の政府決定により、修正されている。そのテキストは、こちらからダウンロードできる。

 プラグラムの付属文書にはいくつかの数値目標が掲げられており、そのうち、国防産業の生産指数と、国防産業の生産に占めるイノベーション製品の比率という2つの指標を取り上げ、上掲のようなグラフを作成してみた。なお、2016年5月版も、2017年3月版も、これらの数字には変更はない。このプログラムの中に、国防産業の輸入代替についての言及があるかと思って調べてみたが、そのような箇所は見当たらず、むしろ「イノベーション」という語句が多用されているのが特徴的である(そのワードは27回も出てくる)。


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 完全なる自分用のメモであるが、ロシアのノーヴォスチ通信が作成した、「ロシア市場への依存度が高かったウクライナの輸出品目」という上掲のような資料がある。ノーヴォスチはこの資料をしばしば使い回しているようだが、たとえばこちらの記事などに添えられている。明記はされていないものの、2012年のデータであり、ウクライナが各品目を同年にロシアにどれだけ輸出したか、そして輸出に占めるロシア向けのシェアは何%だったかを示したもの。上から、鉄道貨車、タービン、アルミナ、鉄道機関車部品、形鋼、チョコレート、トランス、チーズなどと並んでいる。


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 当ブログでも累次お伝えしているとおり、現下ロシアで経済政策の柱となっているものの一つに、輸入代替政策がある。そして、それはモノだけでなく、ソフトウェアにも当てはまる。メモしておくと、こちらのサイトに見るように、ロシアでは2015年4月1日付の通信マスコミ省の省令により、コンピュータプログラムの輸入代替計画が承認された。その付属文書により、上掲のとおり各種プログラムの輸入代替目標が明記された。たとえば、1番上の「ビジネスソフト」では、2014年現在の輸入依存度が75%であるところ、それを2020年までに50%以下に、2025年までに25%以下に引き下げるという目標が掲げられている。なお、2番目に掲げられているのがアンチウィルスソフトで、ロシアにはカスペルスキーがあるので国産比率が高いのかと思ったら、意外とそうでもないようだ。


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 こちらによると、ロシアのトカチョフ農相はこのほど、ロシアが有機食品の世界市場で躍進したい旨の抱負を語った。すなわち、第2回全ロシア食糧安全保障フォーラムでスピーチしたトカチョフ農相は、以下のように述べた。いわく、有機食品の世界市場はすでに1,000億ドルを超えており、5年後には倍増する可能性がある。ロシアは、適切なアプローチさえとれば、将来的にその市場の10~15%をとれるはずである。ただし、現時点ではロシアは世界市場の0.2%を占めているにすぎない。農相は以上のように述べた。


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 先週のニュースで恐縮だが、こちらなどが伝えているとおり、ロシア中央銀行は9.75%だった政策金利を、4月28日から9.25%に引き下げた。上図に見るとおり、過去1年で段階的な利下げを実施してきている。

 そのサイトに載っている動画によると、アナリストは利下げの見方では一致していたものの、幅が0.5%になるか、0.25%になるかで意見が分かれており、結局前者になった。インフレ期待の低下を受けての判断だったと見られる。ロシアの金融当局は本年末までにインフレ率を4%に引き下げるという目標を掲げているものの、それよりも早く4%を達成する可能性も出てきた。世界経済の情勢次第で、本年下半期に中銀が追加的な利下げに踏み切る可能性もある。


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izon

 当ブログでは以前、「ロシアの製造業部門ごとの輸入浸透率」と題し、部門ごとの輸入代替の進捗動向を見た。それは産業部門ごとのアウトプットに着目したものだったが、別の角度から、インプットに着目することも可能である。すなわち、各産業部門が生産・販売活動を行う上で、原料、物資、半製品、ユニットなどの財をどれだけ輸入に依存しているかという観点である。そうした観点から分析を行っているのが、O.ベレジンスカヤ・A.ヴェージェフ「ロシア産業の生産の輸入依存度と戦略的輸入代替のメカニズム」『経済の諸問題』2015年、No.1(ロシア語)という論文である。この論文に掲載されているデータを若干再構成して作成したのが、上表である。2年以上前に発表された論文なので、データは2013年までと、ロシアで輸入代替政策が本格化する前の時点で止まっている。ともあれ、全体的な傾向は明確であり、ロシアでは2013年までは、生産の輸入依存度が上昇する傾向がはっきりと見て取れた。これは主として、ロシアでは過去十数年の産業発展が、自動車産業に象徴されるように、外資系企業によるロシア現地生産とともに進み、ロシアでの完成品の国産比率は高まったものの、それらの製品を輸入部品・ユニットで賄う度合いが高まってきたからだろう。実際、表にはないが(輸送機器の一部になっている)、乗用車生産における輸入依存度は、2005年の17%から、2013年の75%に急増したということである。


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 ウクライナでは、当地に進出したロシア系銀行への迫害が強まっており、ズベルバンクほか、あらかたウクライナから撤退する方向になっている。そうした中、こちらの記事によれば、このほどウクライナのロシコヴァ中銀副総裁は、次のように発言した。いわく、我々はこれまでずっと、2年前も今も、当地ではロシア系銀行に将来はないということを言い続けている(ロシア側はそれについて私を非難しているが)。皆がそれを理解する必要がある。確かに、現在のご時勢では、ウクライナ資産の買い手を見つけるのは困難であるが。他方、我々は管理者である中銀の立場として、市場からの退場は文明的であるべきと考える。(ロシア系銀行店舗の前で)バリケードを築いたりする必要はない。銀行が市場から平穏に、パニックなしに退出できるようにしてあげよう。

 ウクライナがロシア資本に怨念を抱くのも理解はできるが、中銀総裁が特定国を敵視し、撤退を迫るようなことを公式に発言するのは、どう考えても不正常なことであろう。外国人が、こういう国に投資をしようという気には、なかなかなれない。


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hishigen

 ロシア『エクスペルト』誌の2017年4月3~9日号(No.14)に、ロシアの輸出に関し様々な角度から考察した特集が掲載されている。その中に、上掲のようなグラフが掲載されている。縦棒の中の青は資源・エネルギー輸出の総額を、赤は非資源輸出の総額を示しており、折れ線は輸出に占める非資源輸出の割合を見たものである。非資源輸出の絶対額が増えているわけではないが、資源・エネルギー輸出が縮小した分、結果として非資源輸出の比率が顕著に増えているというのが、全体的な構図である。

 ただし、ここで注意すべきは、「非資源輸出」の中身である。記事によれば、「非資源輸出」の品目別ベスト20は、下表のとおりであるという。以下で日本語訳を当てるが、「資源」そのものではないにせよ、金属や食料などの原料・素材系の商品が大部分であり、加工度の高い高度製品は13、15などに限られる。乗用車の輸出は増えているものの、ロシアでの現地生産は輸入部品・コンポーネントに依存する部分が大きい。

  1. アルミニウム
  2. 鉄鋼半製品
  3. 小麦
  4. 木材
  5. 複合肥料
  6. 熱間圧延鋼板
  7. 白金族金属
  8. 窒素肥料
  9. 冷凍魚
  10. カリ肥料
  11. ニッケル
  12. ターボジェットエンジン、ガスタービン
  13. ひまわり油
  14. 核燃料集合体
  15. 合成ゴム
  16. フェロアロイ
  17. 銑鉄
  18. 乗用車
  19. タイヤ
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gdphi

 ちょっと用事があり、上掲のようなグラフを作成した。各国の輸出および輸入(商品だけでなくサービスも含む)額が、各年のGDPに対してどれだけの比率を占めているかを比較したものである。ウクライナ危機が起きる前の平穏だった時期の2012年と、最新の2016年とを対比している。出所は、輸出入額が各国中央銀行発表の国際収支統計、GDPがIMF発表のドル換算経常価格データである。なお、輸出入の対GDP比は世銀のこちらのサイトからもデータを入手できるが、各国中銀の国際収支統計の方がより正確で最新のデータが得られるはずと考え、そのように対応した。

 ロシアは石油ガス輸出で膨大な収入を獲得している国だが、自国の市場規模がそれなりに大きいので、貿易の対GDP比という指標をとると、このようにそれほど大きなものではなくなる。2012年と2016年では経済環境が激変したが、結果的には輸出入の対GDP比はそれほど変わっていない。

 ウクライナは、国の経済規模に比べて、かなり旺盛に輸出を行っている国である。しかし、貿易の基調は赤字であり、これは石油ガスの輸入依存に起因するところが大きい。ただ、経済危機でガス消費量が低下していることもあり、結果的に輸入の対GDP比は低下、貿易赤字の対GDP比も縮小することとなった。

 ベラルーシは自国の経済規模が小さく、ゆえに貿易依存度がNIS諸国の中でトップクラスとなっている。その際に、近年はロシアから原油を輸入し加工した石油製品を欧州等に輸出するビジネスが貿易の柱となっていたが、2016年にはロシアとの関係悪化でそのスキームが縮小(むろん油価下落もある)、結果として輸出入の対GDP比も大幅な低下を示した。

 モルドバは、外貨獲得能力のあるような産業が乏しく、貿易は構造的に大幅な赤字である。その赤字を埋め合わせているものこそ、国外出稼ぎ収入に他ならない。


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