服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ロシア

russia

 当ブログでは2年ほど前に、「ロシア政府がメイドインロシアの促進策」と題するエントリーをお届けしたことがある。その際にお伝えしたのは、次のような点だった。

 ロシア政府はMade in Russia («Сделано в России»)と称するプログラムに取り組んでおり、ロシア製品・ブランド・企業・文化を国内のみならす海外にも普及させていくことを目指しているという。その取り組みの柱として、ロシアの商業・文化ブランド、輸出業者および製品を網羅した総合カタログを創設する計画である。現在は、省庁横断の体制で、その実現に向けた作業が進められている。正式には «Сделано в России» という名称で、2016年12月にお披露目される予定ということだ。

 それで、同プロジェクト進捗の表れとして、「メイドインロシア」というポータルサイトがすでに立ち上げられていることを、今般知った。ロシア政府がしかるべき認定をした商品が「メイドインロシア」と銘打つことが許されているわけだが、サイトではその認定を受けた生産者、商品の一覧などを閲覧することができる。認定企業および商品は、日々拡大しているようである。

 むろん、「メイドインロシア」と商品に銘打たれていたとしても、それによって外国の技術標準をクリアできるといった具体的なメリットはないだろう。また、ロシアの国際的イメージが必ずしも芳しくない中で、「メイドインロシア」をうたうことが外国での販売促進に繋がるかというのも、微妙な気がしないでもない。いずれにせよ、ロシアがそれなりに本気で輸出拡大に取り組んでいることの、証左の一つではあろう。


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gaz

 こちらの記事が、先日米国が追加的に制裁リストに加えたロシアのGAZ(ゴーリキー自動車工場)につき、制裁の影響を論じているので、以下要旨を整理しておく。

 関係者によれば、米国の制裁はGAZグループにとって、コンポーネント供給の途絶、欧米サプライヤーおよびパートナーが距離を置くことに繋がる可能性がある。

 ニジニノヴゴロド市に所在するGAZは、4万人の雇用を生み、地元経済に占める比率は15%に上る。2017年には5.9万台のLCVを、主にロシア国内およびCIS市場に販売した。

 だが、西側のパートナーが、制裁対象のGAZと協力することに懸念を示す結果、外国のサプライヤーによる供給、西側の大手メーカーとの契約、独フォルクスワーゲンとの合弁が、影響を被る可能性があるという。関係者の一人は、外貨取引に支障が生じ、何らかの形で米国と関係した契約に加え、VW車およびシュコダ車の現地生産にも問題が生じると指摘する。

 4月6日に制裁が決まって以降、GAZの株式時価総額は3分の1縮小した。もっともO.デリパスカ氏の保有する別企業「ルサール」は60%も縮小しているので、それよりはマシである。

 経緯を振り返ると、GAZは2011年にVW車とシュコダ車をニジニノヴゴロド工場で生産する契約を締結した。この枠組みですでに20万台が生産され、アセンブリー契約は2025年まで有効となっている。2017年12月時点の情報では、VW側はGAZの持ち分を買い取ることも提案しており、今回の制裁の問題はその交渉にも影響を及ぼすと懸念される。なお、GAZは同様に独ダイムラー社との契約でメルセデス・ブランドのライトバン「スプリンター」も生産しているが、ダイムラー社では「情勢を分析中」とコメントするに留まっている。

 一方、GAZ独自の生産としては、小型商用車「ガゼリ」を1990年代半ばから生産しており、これに関しては輸入コンポーネントへの依存度は小さいが、それでも一部はドイツ、オーストリア、チェコなどから輸入しているという。GAZではその供給途絶により生産ラインが6月頃に止まる恐れがあると懸念している。さらに、外資系メーカーのロシア工場がGAZに供給しているケースもあり、たとえばドイツ系塗料メーカーのBASFがそうだが、同社も情勢把握に努めているとコメントするに留まっている。また、米系メーカー「Cummins」の中国工場から一部のガゼリにエンジンが供給されているような例もある。


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 こちらの記事によると、ロシアの家電量販大手の「Mヴィデオ」が、別の量販チェーン「エルドラド」を吸収合併する取引が確定した。正確には、Mヴィデオの親会社になっているM.グツェリエフ氏のサフマル・グループが、エルドラドの株式100%を455億ルーブルで取得するという取引である。4月16日にサフマル・グループの株主らが了承した。455億ルーブルは自己資金および借入金で捻出する。法的な合併手続きは2019年3月までに完了する。合併後もMヴィデオ、エルドラドという両ブランドは保持される。双方合わせて831店舗を有する。双方とも独自の経営陣を有してそれぞれマーケティングに取り組む一方、購入、人事、ロジスティクス、IT、金融などを共通化して経営の効率を図る。


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 こちらの記事によれば、このほどロシアのD.マントゥロフ産業・商業相が、ロシアで有望な輸出部門について語った。

 同大臣いわく、現時点で優先的な輸出部門は自動車、航空機、農業機械、建設・道路機械だ。石油ガス機器、電力機器、重機械でもすばらしいチャンスがあり、我々はこれら機械部門の輸出拡大余地を170億ドルと見積もっている。

 第2の有望部門は付加価値が相対的に高い化学品で、産業・商業省とエネルギー省の共同管轄分野である。具体的にはプラスチック、ポリマー、タイヤであり、さらに化学肥料、医薬品も含まれる。これら化学品分野の拡大余地は150億ドルである。

 当然、冶金のほか、林業・木材部門もあるが、後者は製紙工場の建設次第である。冶金は、地政学的な要因に左右されるが、非鉄にしても鉄鋼にしても、加工度を高めることが輸出増に繋がる。

 ロシア政府の主たる輸出促進手段は、輸出志向プロジェクトを対象とした研究開発費の負担、投資プロジェクトへの補助金、「産業発展基金」による優遇融資、輸出志向プロジェクトへの融資の金利を1%まで引き下げることなどである。ロシア輸出センターが有しているこれらの措置に加え、ロジスティクスセンターや工業団地の創設に追加的資金が得られることを期待していると、大臣は述べた。


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 毎度お馴染み、ロシアの非資源・非エネルギー輸出の拡大を目指して活動する「ロシア輸出センター」発の情報である。今般同センターが発信した情報によれば、ロシアからの映画の輸出が増えているということである。2015年から2017年にかけて、輸出された映画の本数は43本から62本に増え、売上も1,100万ドルから4,400万ドルに増えた。特に有望な市場は中国で、2017年の同国への輸出は1,250万ドルに上ったという。

 まあ、こちらの情報によれば、米国の映画輸出額は年間50億ドルくらいに上るらしいから、ロシアは増えたとはいってもまだ米国の100分の1くらいの規模ということになる。


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 日本でも報道されているように、アルメニアのセルジ・サルキシャン首相が4月23日に辞任した。サルキシャンは2008年から本年まで2期10年間大統領を務めたが、大統領権限の多くを首相に移す憲法改正を経て、4月17日に自らその首相に就任したばかりだった。これは事実上の政権長期化を意味し、それに抗議する大規模なデモが続いていた。ラルキシャン首相の辞任を受け、当面の首相代行にはカレン・カラペチャン氏が就任した。

 さて、個人的に気になるのは、今回の政変により、アルメニアの政策路線、とりわけ対ロシア/EU関係をはじめとする対外政策が変わるのかどうかである。その関連で注目されるのが、反政府デモを主導したとされるニコル・パシニャン氏(後掲写真)の動きである。同氏はYelkというリベラル政党の党首。こちらの記事によると、パシニャンは2017年10月、「アルメニアは(ロシア主導の)ユーラシア経済連合に、自発的にではなく、強要されて加入した」という見解を示した由である。

 私の知る限りでも、アルメニアがユーラシア入りをロシアに強要されたというのは、限りなく真実に近い。議会では体制側が多数派のようで、Yelkは少数勢力にすぎないようではあるが、いずれにしても、長期政権のサルキシャン氏が権力の座を追われ、ロシアと距離を置こうとする野党勢力が勢い付いたとしたら、ロシアにとっては不利な状況となろう。

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 こちらのサイトに、2013年の健康保護法施行後、ロシアでタバコ離れが進んでいることを示した図解資料が出ている。図中の上の数字がロシアにおけるタバコの販売本数(単位:10億本)、下の数字が全国民に占める喫煙者の比率である(単位:%)。最新の2017年では、販売2,625.5億本、喫煙率は32%ということになる。


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 この春は当ブログで鉄鋼関係の話題を多くお伝えしたが、見落としていた重要なニュースがあった。こちらの記事などが伝えるところによれば、ロシアのスヴェルドロフスク州に所在するニジニタギル冶金コンビナート(鉄鋼グループ「エヴラズ」傘下)では、この4月に新たに第7高炉が稼動したということである。新高炉の容量は2,200立米で、設計能力は銑鉄年産250万t。高炉の建設費用は150億ルーブルで、建設には18ヵ月を要した。新たな第7高炉は、完全な自動運転となる。ニジニタギルでは第5高炉と第6高炉が稼動中で(容量はそれぞれ2,200立米)、第7高炉の追加により3高炉体制となった。老朽化した第1~4高炉は2000年代初頭に破棄され、今回第7高炉が建設されたのは第3高炉のあった場所であった。


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 ロシアの石炭輸出のことを調べようと思っても、ロシア連邦関税局が発行している通関統計集では、HSコード2701石炭という大きなくくりのデータしか掲載されておらず、情報が不充分である。基本的に、石炭は鉄鋼業等に用いられるコークス用の原料炭と、主に発電に用いられる一般炭とに大別されるが、ロシアの通関統計集ではその最低限の区分すらなされていない。

 それでも、国際貿易センター(ITC)のデータベースを用いれば、ロシアの石炭輸出の内訳を知ることは可能である。このほど、ちょっと用事があり、ロシアの過去数年の石炭輸出の内訳を、上掲の表のとおりまとめてみた。私の理解によれば、表の2701 12 1000 コークス用炭(Coking coal)というものが原料炭に相当し、それ以外が一般炭ということではないかと思う。

 ここでもう一つ厄介なのは、HSコードは基本的に世界共通ではあるが、6桁以上の細目に関しては、各国の裁量に委ねられており、ゆえに石炭に関しても日本とロシアで微妙に分類およびコードが異なる点である。日本の分類およびコードに関してはJOGMECのこちらの資料が参考になり、下に見るのはその353ページに掲載されている表を抜き出したものである。

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 当ブログでは、ロシアで開催されるサッカー・ワールドカップが、危険物を扱う工場の操業停止や、港での過度なセキュリティ強化に繋がり、経済への影響が小さくないことについてお伝えしてきた。そして、こちらの記事によれば、影響は鉄道輸送にも広がりそうである。記事によると、危険貨物を搭載した貨物列車は、W杯開催都市を迂回して走る(!)ことが要求されるそうで、近々その危険貨物のリストが公表されるとのことである。リン、アンモニア、プロパン、ブタン、液化ガス、シアン化物、ロケット燃料、その他の危険な化学物質が対象になる見通しだという。ちなみに、こうした物資はW杯とは関係なく2012年からモスクワでは鉄道輸送が禁止されており、今回はその措置を他の開催都市にも広げるという形になるらしい。輸送上、とりわけボトルネックになるのがエカテリンブルグであり、ロシアの東西の鉄道輸送はほぼこの街を経由して行われているので、これが難題になるということだ。

 それにしても、やることが徹底しているというか、何と言うか。ワールドカップのせいで、ロシアのGDPが何パーセントマイナスになるのか、誰か実証研究してほしいほどである。


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 前にも言ったと思うけど、私は「ロシア輸出センター」(非資源・非エネルギー輸出の拡大を促進する公的機関)のフェイスブックページをフォローしていて、今般上掲のような面白いスライドが配信されてきた。ロシアの輸出額自体は世界で15~16位程度だが、品目によっては世界で上位のものも多いとして、それを列挙したものである。具体的には以下のとおり(資源・エネルギーは除外している)。色々意外な品目も見られる。

  • 1位:肥料、酵母、小麦、ニッケル、銑鉄
  • 2位:穀物、新聞用紙、製材、ひまわり油、アンモニア
  • 3位:銅、合成ゴム、鉄道貨車、チタン製品、鉄道車輪・軸
  • 4位:鋼管、大麦、鉄道レール、チタン、銅粉
  • 5位:Kライナー(段ボールなどに使われる紙のことらしい)、とうもろこし、合板、炭酸ナトリウム、希土類
  • 6位:銅線、ファイバーボード、大豆油、鏡、マーガリン
  • 7位:ひまわりの種、ターボエンジン、魚フィレ、木材建材、洗濯機
  • 8位:鋼板、大豆、化学パルプ、ガラス容器、ティーバック
  • 9位:オフィス用紙、鉛、苛性ソーダ、小麦グルテン、炭化物
  • 10位:チョコレート、甲殻類、アルデヒド樹脂、穀物の挽き割り・フレーク

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 マニアックな話題だが、個人的に興味を持ったので、ちょっと。こちらの記事が、カザフスタンの労働移民受入の問題について伝えている。カザフスタンは近年、労働移民の受け入れが増えており、その中には非合法なものも含まれ、非合法流入は麻薬・過激主義・人身売買などを伴うので懸念を引き起こしている。カザフスタン内相がこのほど明らかにしたところによると、過去3年でカザフスタンに入国した(注:労働移民だけか、他の渡航目的も含まれるかは不明)外国人は560万人である。うち90%以上がCIS諸国民で、主にウズベキスタン、ロシア、キルギスである。CIS域外からの入国も増えており、現在それは62万人に達していて、主にトルコと中国からである。アフガニスタン国民が帰還カザフ人を偽装したり、バングラディシュ国民やアフガン国民がカザフを経由してヨーロッパ行きを目指す動きもある。当局は国境での生体認証管理などを導入して非合法移民の対策を強化しようとしている。


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 当ブログでは、3月に米トランプ政権が鉄鋼およびアルミニウムに導入した関税につき、前者の鉄鋼に関してのみ情報を発信してきた。しかし、税率は鉄鋼が25%、アルミが10%でアルミの方が低いものの、ロシアへの影響ということで言えば、アルミの方が大きいだろう。なぜなら、ロシアにとって米国は鉄鋼輸出相手国としては主力ではないものの、アルミでは米国がトップの輸出相手国であり、2016~2017年は米国向けがロシアのアルミ輸出全体の3分の1ほどを占めているからである。

 なお、上図はロシアのアルミニウム輸出量の推移を跡付けたものである。正確に言うとHS7601アルミニウムの塊の輸出データ。ちなみに、米国の次にロシアのアルミを多く買い入れているのは日本である。

 そして、ロシアのアルミ産業の巨人であるルサール社は、4月に入って米国による制裁対象リストに加えられたので、二重のアメリカ・ショックに直撃された形である。


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 編集が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2018年5月号の中身を、編集長特権で、どこよりも早くご紹介。毎年5月号はロシア経済および日ロ関係に関する総論的な特集号と決まっていますが、本年はロシア大統領選があり、それを契機にロシア経済も新たなスタートを切るということで、「ロシア経済のリスタート」と題しお届けしております。私自身は、「ロシア鉄鋼業とトランプ関税」、「2017年の日ロ貿易 ―回復に転じるも力強さを欠く」、「国際緊張の中でのプーチン再選」、「安定からは遠いウクライナ鉄鋼業」、「ハリル・ジャパンに引導を渡したウクライナ」といったレポートを執筆。なお、毎年5月号だけは、統計が発表されるタイミングの原因により、皆様のお手元に届くのが通常より数日遅くなりますので、何卒ご了承ください。


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 こちらのサイトに見るとおり、ロシアのD.メドヴェージェフ首相は4月11日、議会下院を前に2012~2017年の政府活動報告を行った。私はロシアの輸出・輸入政策のことを調べているので、ここでは報告の中から、まずは輸出の諸問題に言及した箇所を抄訳しておく。

 当然のことながら、我が国は国内市場だけに集中しているわけではない。我々は我が国の産業製品を外国市場に浸透させることに取り組んでいる。この作業を調整するために、「国際協業・輸出」という個別の戦略的方向性が打ち出された。「ロシア輸出センター」が機能している。農業機械、自動車、鉄道機器、民間航空機という4つのパイロット部門に関し、輸出志向戦略が採択されている。これらの措置は一定の初期の成果を挙げている。非資源・非エネルギー輸出の総額は、2017年に22%あまり拡大している。産業の技術的な再装備なくして、輸出に対する需要などは得られない。


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 こちらの記事の中に、上に見るような便利な表が出ていたので、転載させていただく。ロシアは周辺のCIS諸国から大量に労働移民を受け入れていて、彼らは出稼ぎ収入を本国に送金しているわけだが、この表はロシア中銀のデータにもとづいてそれを国ごとに整理したものである。2017年にはロシアの景気が回復したので、ほぼすべての国でロシアからの送金額が増加しているが、関係の悪化しているウクライナだけは25.2%減となった。トルクメニスタンだけは例外的に以前から労働移民の現象がほとんど見られない。


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 ロシアのアルミ大手ルサールが米国の制裁リストに加えられたことに関し、こちらの記事によれば、ルサール・ジャパンの加藤氏は10日、ロシアから日本へのアルミ輸出に大きな影響が生じる可能性があると語った。ただし、措置導入から時間が経っておらず、多くのことが不明確である、影響の可能性について調べているところだ、ロシアからの情報を待っていると、加藤氏は語った。


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 これは個人的にはかなりビックリなニュースである。こちらなどが伝えるところによれば、ウクライナの財閥「ドンバス工業連合(ISD)」の経営者で、ロシアのサッカークラブ「FCクバン」のオーナーとしても知られたO.ムクルチャン氏がこのほど、ロシアで逮捕されたということである。数年前にロシアの銀行、特にVEBがISDに提供した融資の一部を横領した容疑がかけられている。ムクルチャンは1995年にS.タルタ、数人のロシア人実業家とともにISDを設立し、アルチェウシク冶金コンビナートなど多くの企業を傘下に置いた。ムクルチャンはそほのか、ロシア・クラスノダル地方にも多くの企業を保有し、またFCクバンをはじめとする複数のサッカークラブを何ヵ国かに保有していた。2017年12月にISDはドンバスの資産に対するコントロールを失ったことを表明していた。一方、ムクルチャンはFCクバンの株式を2年ほど前にクラスノダル地方行政に譲渡していた。


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 前のエントリーでお伝えした米財務省の対ロシア制裁追加リストには、デリパスカとヴェクセリベルグという2人の大物オリガルヒが含まれていた。それに関する現地専門家A.マカルキン氏(上掲写真)の論評がこちらに出ていたので、抄訳しておく。

 デリパスカとヴェクセリベルグを、ウクライナ・シリア問題や、在英スパイ問題に関して非難するのは、無理がある。米国の真意は、たとえ間接的ではあれ、米大統領選への介入に、資金面で関与したことにあるのかもしれない。ロバート・ミュラー特別検察官により、2人のロシア人オリガルヒの存在が取り沙汰されていたから、なおさらである。トランプは自らへの非難から逃れるため、イニシアティブを取り戻そうとしているように思える。

 ロシアの公職者と実業家たちは、メキシコの麻薬売人と同列に扱われている。これは米国による周到な侮辱であり、ロシアエリートのかなりの部分を犯罪層と見なしているというメッセージである。

 米国とビジネスをしているロシア企業にとって、このリストに入ることはきわめて危険である。公職者にとっては、それほどでもない。最近ロシアのシラビキたちが米国を訪問したことからも分かるとおり、個人制裁は必要とあらば停止されることもある。それに対し、企業にとってははるかに厄介である。


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 米財務省が4月6日に発表した対ロシア制裁追加リストに掲載された法人および個人のフルリストがこちらに出ていたので(まあ、別にどこにでも出ているのだが)、当ブログでも整理しておく。ロシア語のままで恐縮。まずは個人。

  • Андрей Акимов, председатель правления Газпромбанка 
  • Владимир Богданов, генеральный директор «Сургутнефтегаза» 
  • Олег Дерипаска, бывший президент «Русала» и En+ Group 
  • Алексей Дюмин, губернатор Тульской области 
  • Михаил Фрадков, директор Российского института стратегических исследований 
  • Сергей Фурсенко, президент футбольного клуба «Зенит» 
  • Олег Говорун, начальник управления президента по социально-экономическому сотрудничеству с государствами СНГ, Абхазией и Южной Осетией 
  • Сулейман Керимов, член Совета Федерации 
  • Владимир Колокольцев, министр внутренних дел России 
  • Константин Косачев, председатель комитета Совета Федерации по международным делам 
  • Андрей Костин, президент — председатель правления ВТБ 
  • Алексей Миллер, председатель правления «Газпрома» 
  • Николай Патрушев, секретарь Совета безопасности России 
  • Владислав Резник, депутат Государственной думы 
  • Игорь Ротенберг, председатель совета директоров «ЭнПиВи Инжиниринг» 
  • Кирилл Шамалов, член правления «Сибура» 
  • Евгений Школов, помощник президента России 
  • Андрей Скоч, депутат Государственной думы 
  • Александр Торшин, заместитель председателя Банка России 
  • Владимир Устинов, полномочный представитель президента России в Южном федеральном округе 
  • Тимур Валиулин, начальник главного управления по противодействию экстремизму МВД 
  • Виктор Вексельберг, председатель совета директоров группы компаний «Ренова» 
  • Александр Жаров, глава Роскомнадзора 
  • Виктор Золотов, глава Росгвардии

 以下は法人。

  • Агрохолдинг «Кубань» 
  • «Базовый элемент» 
  • B-Finance Limited 
  • En+ Group 
  • ГАЗ 
  • «Газпром бурение» 
  • «Евросибэнерго» 
  • «Ладога Менеджмент» 
  • «ЭнПиВи Инжиниринг» 
  • «Ренова» 
  • «Рособоронэкспорт» 
  • Российская финансовая корпорация 
  • «Русские машины» 
  • «Русал»

 これはまずいよなあ。影響が大きすぎる。


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 ロシアでは貴金属はおろか、非鉄金属の生産量すら国家機密扱いされ、統計局の公式統計資料にはその生産量が出てこない。しかし、厚いベールに覆われてまったく分からないかというと、そんなことはなく、報道には普通に数字が出ていたりするのが、この国の不思議なところである。

 というわけで、Interfax Russia & CIS Metals and Mining Weekly(February 9 – February 15, 2018)に、2017年のロシアの金・銀の生産データが出ていたので、何かに使えるかもしれないから、メモしておくことにする。これによれば、2017年の金の生産量は306.9tで、前年比6%増だった。そのうち、採掘分は253.9tで、前年比7%増だった。一方、2017年の銀の生産量は1,044.3tで、前年比4%減だった。うち採掘分は492.9tで、前年比19%減だった。なお、「採掘分」以外の生産量とは、副産物としての生産、二次生産である。採掘分の地域別内訳は、上表のとおり。


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 またまた鉄鋼業の話題で、昨日に引き続きロシアのエヴラズ社の話である。ロシアの鉄鋼大手の中では、唯一、ウクライナで本格的に事業展開していたのがエヴラズだった。しかし、当ブログで既報のとおり、エヴラズがウクライナに保有していたアセットのうち、鉄鉱石鉱山の「スハ・バルカ」は、すでに2017年にウクライナの有名なオリガルヒであるO.ヤロスラウシキー氏(DCH財閥)に売却済みである。そして、今年に入って3月1日付のこちらのリリースによれば、エヴラズはペトロウシキー記念ドニプロペトロウシク冶金工場についても、同じくヤロスラウシキー氏に売却する契約を結んだ。正確に言えば、製鉄所の親会社に当たるDRAMPISCO Ltd.の持ち株を、DCH財閥のSENALIOR INVESTMENTS LIMITEDに1億600万ドルで売却することになった。2017年の同工場の生産量は銑鉄101.9万t、粗鋼91.8万t、完成鋼材78.5万tで、売り上げは5.9億ドルだった。工場の従業員数は4,000人強(!)である。

 なお、エヴラズは2017年12月にEvraz Yuzkoksを6,300万ドルで売却しているので、今回の製鉄所売却でウクライナ資産をすべて手放すことになる。


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zsmk

 時節柄(?)鉄鋼の話題が多くなって恐縮だが、鉄鋼の中でも棒鋼、線材、形鋼、軌条(レール)などの細長い製品を「条鋼」、または「ロング製品」などと総称する。ロシアの鉄鋼メーカーの中では、エヴラズ、メチェルなどが条鋼を得意とし、マグニトゴルスク、セヴェルスターリ、ノヴォリペツクなどはどちらかというと鋼板(フラット製品)に強みがある。

 さて、エヴラズの傘下にケメロヴォ州ノヴォクズネツク市の西シベリア冶金コンビナートという製鉄所がある。ロシアで最も東にある製鉄所とのことであり、伝統的に鉄道レールに特化してきた。そして、Interfax Russia & CIS Metals and Mining Weekly( February 2 – February 8, 2018)が伝えるところによれば、このほど同工場はギリシャに1,650tの鉄道レールを出荷し、これは同社として初の欧州向けの輸出になったということである。欧州規格の54 E1というレールであり、継目無しの接続が可能になる。エヴラズはかねてから欧州の鉄道レール市場への参入を表明しており、2017年末に欧州のTSI規格を取得していた。


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 以前もブログに書いたことがあったと思うけど、ロシアの民間シンクタンク「レヴァダ・センター」というところが、国民のプーチン大統領およびメドヴェージェフ首相に対する信認・不信認のデータというのを毎月発表しており、しばらく前にうちの『調査月報』をプチリニューアルした際に、このレヴァダ・センターのデータを月報に毎号載せることにしようと考えたわけである。ところが、間の悪いことに、そう決めたとたんに、レヴァダ・センターのデータ更新が止まってしまった。大統領選の投票直前に、NHKが放送した特集番組によれば、唯一の独立系世論調査機関であるレヴァダ・センターに対しては、大統領選に関連する世論調査結果のデータを発表することが政権側によって禁止されていたということであり、その関係で上掲の信認・不信認データも公表できなかったということなのだろう。

 それで、大統領選も終了したということで、晴れて(?)レヴァダ・センターは当該の信認・不信認データを発表した(欠落していた時期のデータも含め)。上図がそれであり、2018年3月までの調査が反映されている。振り返ってみてみると、2月にプーチン支持率が若干低下する傾向が見られ、体制側がデータを伏せさせたことにはそれなりに意味があったかもしれない。他方、メドヴェージェフ首相に対する国民の信認率は低下する一方であり、3月には過去最低の39%にまで低下している(不信認の方が20ポイントも多く59%)。この調子では、首相再任の可能性は厳しくなりつつあるかもしれない。


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 ロシアのこちらの記事に、上に見るような図が出ていた。2017年の米国の産業部門別鉄鋼需要の内訳を示したものであり、建設:40%、自動車:26%、機械設備:10%、エネルギー(パイプラインが主だと思われるが):10%、コンテナ:4%、器具類:4%、国防産業:3%、その他:3%となっている。え? トランプが25%関税の理由にしている国防産業って、3%しかないじゃん。


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 ベタだが、世界鉄鋼協会のデータにもとづいて、世界主要国の鉄鋼(粗鋼)生産量をグラフにまとめてみた。クリックすると拡大する。

 しかし、こうやって見てみると、日本やEUなどの先進国の生産が完全に頭打ちになる中で、米国のそれはむしろ拡大傾向にあることが分かる。「ラストベルト(錆地帯)」という話と、生産データとが、どうも合致していないような。。。

 ロシアは、価格変動や為替などに翻弄されながらも、生産量自体は安定している。それに対し、かつて世界の鉄鋼生産国として第7位くらいだったウクライナは年々衰退しベスト10圏外となり、現状ではたぶん世界13位くらいである。ウクライナの2017年の実績に関してはこちらのニュースを参照した。


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zerno

 先日のエントリーで、ロシアではFIFAワールドカップの開催期間中に危険物を扱う工場の操業を停止させる、という話題をお伝えした。今回も、関連する話題である。こちらの記事によると、ロシア南部の穀物輸出業界は、W杯の悪影響が輸出業務に悪影響を及ぼすことを懸念しており、道路や港での過剰安全確保が輸出業務を滞らせるようなことがないよう、政府に確約を求めているということである。このほど、ロストフナドヌー(ここも開催都市の1つ)で業界代表者が地域行政の担当者と面談し、業界側がその問題を提起した。しかし、行政側からは色よい返答が得られず、一部の業者はW杯期間中の供給契約は見送ることも検討している。両者は協議を継続していくことになった。


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us

 例の米トランプ政権の鉄鋼関税は、この3月になって唐突に出てきた印象があったが、実はこちらのサイトに見るように、少なくとも2018年1月の時点で米商務省による関連レポートが出ており、それなりに周到に根回しが進められていたのだということに、遅れ馳せながら気付いた。鉄鋼・アルミの輸入が米国の国家安全保障を脅かすので、通商拡大法232条を適用して高関税を課すという荒唐無稽な措置は、3月になってトランプが突然個人的な思い付きで打ち出したわけではなく、一応外堀を埋めた上で発表されたということらしい。むろん、元々のイニシアティブはトランプ大統領に属し、トランプが商務省にこれこれの調査をやれと命じて出来上がったのがくだんの報告書ということになる。ちなみに、経緯を言うと、報告書は1月12日にロス商務長官からトランプ大統領に提出されていたものの、一般に公開したのは2月16日だったとのことだ。

 それで、トランプ関税に関し、ロシア側の当初の受け止め方としては、ロシアが米国に輸出しているのは主に鉄鋼半製品であり、それを米国の工場でさらに加工して完成製品を得るための材料にすぎないので、必ずしも高関税の対象にならないのではないか、といった希望的観測もあったように思う。しかし、1月の米商務省のレポートを眺めると、半製品の輸入も敵視していることが明白である。実は、米商務省は2001年にも同様のレポートを出しており、その際には半製品の輸入は米国の安全保障にとって特に脅威にはならないという立場が示されていたようだ。ところが、今回のレポートでは一転して、たとえば熱延製品の生産原価に占める半製品(スラブ)のコストは90%にも及び、そうした半製品の供給をロシアやブラジルのような国に依存している状況は安全保障上重大な問題である、という精神が横溢している。


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pererabotka-othodov

 これはしばらく前のニュースだったのだが、個人的に見落としていた。こちらのニュースこちらのサイトなどに見るとおり、ロシアでは2018年1月25日付の政府指令により、「2030年までの生産・消費廃棄物処理・再利用・無害化産業発展戦略」が採択されたということである。産業・商業省がその実施に当たる。この種の政策文書では恒例だが、戦略の付属文書の中で数値目標が示されており、たとえば廃棄物のうち再利用・無害化されているものの比率は2016年時点では59.6%だったが、それを2030年代までに86%に高めるとしている。また、廃棄物の処理・再利用・無害化の設備に占める輸入品の比率は、60%から10%へと低下させるとしている。様々な産業分野ごとのリサイクル目標も示されており、私の研究している鉄鋼業の分野では、鉄スクラップの利用が2016年の2,340万tから2030年には2,760万tに高まるとされ、それによる鉄鉱石、コークスの節約を見込んでいる。


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 「ロシア輸出センター」のフェイスブックページをフォローしているのだけれど、このたび上掲のようなスライドが掲載されていた。ロシアの「非資源・非エネルギー輸出」の相手国上位20ヵ国を示し、2017年1月の輸出額と、2018年1月の輸出額とで比較したものである。1月が出たということは、今後毎月この図が更新されていくということだろうか? こういうのを見て、ロシア側が、「なぜ日本はロシアの非資源・非エネルギー商品を受け入れないのだ?」などと的外れな難癖をつけてきたり、それを受けて日本のその筋の方々が右往左往する様子が目に浮かぶ。「日本は国家貿易国ではない。各企業が自社の利益を最大化するために取引をし、その集積が結果として貿易額になるにすぎないのだ」と、言ってやればいいのに。

 なお、ロシアの非資源・非エネルギー輸出の基本点については、私の最新のレポート「ロシアの貿易構造改革は進捗したか」で論じているので、ご関心の向きはそちらをご覧いただきたい。


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