服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ロシア

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 私は、ロシアの輸出促進政策のことを研究しており、今般「ロシアの非原料・非エネルギー輸出促進策」というレポートを発表したりしている。

 それで、こちらの記事で、ロシア輸出センターの総裁の発言を引用する形で、ロシアの輸出政策の最新の動向が伝えられているので、その要旨をまとめておく。記事によると、現在ロシアは一連の「ナショナルプロジェクト」の最終案を策定中で、それを8月15日までに取りまとめることになっている。その一つが、「国際協業と輸出」と題するナショナルプロジェクトである。同プロジェクトは連邦レベルの5本のプロジェクトから成り、具体的には、①鉱工業輸出、②農業・食品輸出、③サービス輸出、④貿易のロジスティクス、⑤国際協業と輸出の体系的な支援策、である。目標を達成するために、ロシア輸出センターは、産業・商業省、経済発展省、農業省、運輸省をはじめとする省庁と協力しながら、一連の措置を実施する。たとえば、貿易における行政手続き・障壁を軽減する、一例として輸出ライセンスや外貨管理に関連する過剰な必要事項を廃止することなどがある。また、2021年までに貿易参加者と国家機関の協業を組織し、ワンストップ窓口を作り、管理当局の介入を最小にする。また、ロジ・インフラを改善し、ロシア通商代表部を近代化し、ロシア製品を外国にプロモートする一体的な制度を構築し、輸出の金融・非金融の効果的な制度を作り上げる。

 以上が記事の中で総裁が述べている要旨だが、国際協調に努め、不毛な制裁合戦をやめることこそ、本当の輸出促進策ではないだろうか。


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 こちらの記事によると、ロシア天然資源・環境省はこのほど、小売りチェーンにおけるレジ袋の使用を廃止することに前向きな立場を示した。同省では、包装のかなりの部分をチェーン店のレジ袋が占めており、それらは使用後にすぐに捨てられてしまうので、同省としてはプラスチックごみの削減に向けた提案は歓迎する、レジ袋の削減は疑いなく前向きな一歩であり、しかも紙袋やトートバッグなど代わりのものはある、などと指摘した。これに先立っては、小売企業協会に加入する一連の大手企業が、レジ袋の廃止につき討議していた経緯があった(ただし現時点では消極的な企業も多い)。また、2017年10月には、自然保護・環境担当の大統領特使であるS.イヴァノフが、レジ袋に環境税を課し、紙袋の生産を支援すべきだとの考えを示していた。


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 こちらの記事が、クリミア発展プログラムの動向について伝えている。これによると、ロシア連邦政府は2014年8月、「2020年までのクリミア・セヴァストポリ社会経済発展連邦特定プログラム」を採択した。その総額は8,370億ルーブルであり、うち連邦財政が7,910億ルーブル、クリミアおよびセヴァストポリ財政が159億ルーブル、予算外の財源が301億ルーブルという内訳だった。プログラムでは663件の措置を盛り込み、うち220が社会分野、95がエンジニアリング、64が交通インフラ、14がエネルギー関連であった。2018年には750億ルーブルの予算が計上されている。1~7月の時点で、すでに284億ルーブルが消化されており、これは前年同期の消化額を2.7倍も上回る。

 なお、こちらの記事がプログラムの概要について伝えており、上の図はその記事からとったものである。


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 こちらのサイトに見るように、ロシアではプーチン大統領が8月3日に税制改正法に署名し、付加価値税の税率が現行の18%から2019年1月1日に20%へと引き上げられることが、正式に決定した。

 ただし、ロシアの付加価値税には、一部品目に軽減税率が設けられている。こちらの記事によると、教育・学術・文化にかかわる出版物(その生産・販売)の税率は、従来から10%の優遇税率であり、今回もそれが保持されることになったということである。これを受け、連邦出版・マスコミ庁のM.セスラヴィンスキー長官は、我が国の出版点数は米・中・英に次いで世界で4位である、こうした出版業の発展を可能にしているのは国の優遇策に他ならないと述べ、今回の軽減税率継続を歓迎した。


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 私は、自分のやっている雑誌に載せるために、上掲のようなグラフを毎月更新している。それで、今週になって、ルーブルは急落した。中銀の公定レートで跡付けるならば、8月9日が1ドル=63.6ルーブルだったものが、10日には66.3ルーブルに急落し、11日も66.9ルーブルとなっている。

 ロシア中銀は世界一保守的で素晴らしい中央銀行であり(常々、中央銀行だけは日本とロシアで交換したいと個人的に思っている)、現在は為替への人為的な介入は基本的に行っていない。しかし、こちらの記事によると、今回の急落に対しては、ロシアの通貨・金融当局も対応策をとる構えということである。9日にはシルアノフ第一副首相・蔵相が、中銀と財務省は市場を注視しており、金融市場の安定性に脅威が生じた際には対応策ととるつもりであると発言。10日には中銀が声明を発表し、今回のルーブル・レートの動揺は制裁についてのニュースに起因するものであり、通常こうした出来事は一過性のものにすぎず、市場には輸出企業の輸出収益のドルが供給されルーブルを支えている、などと指摘した。中銀は、国内市場における外貨の購入量を、予定よりも引き下げる措置をすでにとっており、単に方針の表明ではなく行動に着手している、ということである。


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 こちらおよびこちらの記事が伝えるところによると、ウクライナ鉄道はこのほど、もしも政府がその旨の決定を下せば、ロシアとの間の鉄道便を廃止する用意があるということをマスコミに表明した。もっとも、両国間の鉄道旅客輸送は年々低下しており、2017年の旅客数は90万人で(注:記事の書き振りからは両方向なのか、ウクライナ→ロシア方向だけなのかが判別できない)、これは2013年と比べると5分の1の水準である。2018年1~7月の実績も45.4万人であり、前年同期比16.4%減であった。現時点でロシア~ウクライナ間では13便の列車が運行されており、政変前と比べて数分の1の数である。うち8便をウクライナ鉄道が、3便をモルドバ鉄道が、1便をロシア鉄道が、1便をアゼルバイジャン鉄道が運行している。ウクライナ鉄道にとって2017年に最も収益が挙がったのはキエフ~モスクワ便で、600万ドルの収益をもたらした。


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 米トランプ政権が新たな対ロシア制裁を打ち出したことが話題になっているが、当ブログでは差し当たり、こちらの記事を紹介する形で、制裁が長期化した場合のアルミ大手ルサールへの影響について見ておくことにしたい。

 記事によると、このほど格付け機関のFitchが、世界アルミ市場の展望を示した。米国のルサールに対する制裁が維持された場合、2019年にはアルミの価格が1t当たり3,000ドルにまで上昇し、市場における長期的なアルミ不足が発生すると予想される。逆に、米国が制裁を撤廃した場合には、2019年にかけて市場は正常化し、ロンドン市場における2018~2019年の相場は2,100~2,300ドルの範囲内に留まるであろうと、Fitchは見通しを示した。

 一方、ルサールに近い筋は、もしも米制裁が保持された場合には、ルサールは9月には工場の一部を休止させざるをえなくなるだろうと指摘した。今現在の市場は、専門家たちが予測していたよりも、きわめて厳しいものとなっている。もしも制裁が近日中に撤廃されないと、供給契約が切れ、元々輸出向けだった生産分は、10月1日以降は買い手がなくなり在庫を積み上げることにならざるをえない。それでなくても、倉庫には4月に販売できなかった在庫が残っている中でだ。元々(カレリア共和国北部の)ナドヴォイツィ工場はもっぱら米国向けの生産を行っていたので売り先を失っているが、同工場だけでなく輸出向けの生産を行っている他の工場も停止せざるをえなくなる。制裁導入前のルサールの輸出比率が80%に上っていたことを考えれば、全世界にある関連会社だけでなく、グローバルなアルミ市場全体にとって破局的なことになりかねない。関係筋はこのように指摘した。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2018年9-10月合併号の中身を、どこよりも早くご紹介。今号は「ロシアの貿易と輸出促進の課題」と題する特集号で、その柱となる「2017年のロシアの貿易統計」、「ロシアの非原料・非エネルギー輸出促進策」というレポートを私が執筆しました。私は特集の枠外でも、「間合いを探り合った米ロ首脳会談」、「2018年1~6月のウクライナ経済」、「ワールドカップに水を差した政治的事件」といった記事を執筆。8月20日発行予定。この執筆・編集作業でグロッキーなので、今日のブログはこれだけでご容赦を。


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 ちょっと変なことに気付いてしまった。ロシア連邦国家統計局の『ロシア統計年鑑』には、しばらく前から、「ハイテク製品」の輸出入という指標が掲載されるようになった。2016年版の年鑑までは、OECDの定義によるハイテク製品輸出入額が記載されていた。ところが、2017年版の年鑑から、ロシア産業・商業省の定義によるハイテク製品輸出入額が掲載されるようになり、同年版に載っているのは過去3年間の数字だけなので、過去のデータとの断絶が生じてしまったのである。上のグラフは輸出側について見たものだが、両者のデータには2倍ほどの乖離がある。

 なお、2016年のロシアのハイテク輸出が33,198とされているが、原典に示されている構成比および前年比伸び率から見て誤りではないかと思われ、正しくは42,000程度ではないかと見られる。


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 仕事が立て込んでいるので、簡単な記事だけ。こちらのサイトに、最新の2018年第1四半期のロシア・スマートフォン市場のブランド別シェアというものが出ている(金額でなく台数ベースのはず)。サムスンが1位なのは不動。ロシアでは、普段はアップルのシェアが15%くらいなのだが、今回の調査で12.1%に留まっているのは、新型の発表待ちといところだろうか?


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 ロシア代表が自国開催W杯で大善戦したことにより、プレーヤーたちの市場価値も上昇したようである。こちらのサイトでは、下に見るように、主なプレーヤーの市場価値が大会前(水色)と大会後(黄色)でどのように変化したかを図示している。目立つのは、Aゴロヴィンの1,800万ユーロ→2,500万ユーロ、D.チェルィシェフの300万ユーロ→800万ユーロ、M.フェルナンデスの1,600万ユーロ→2,000万ユーロなどである。ロシア代表全体の市場価値は、1憶6,060万ユーロから、大会後には1憶8,370万ユーロに上昇したということである。

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 ロシアでは、ガソリンの小売価格が値上がりしつつあり、それが国民の不満の種になっているということが、しばらく前から指摘されていた。その問題が気になっていたところ、ロシア統計局のこちらのサイトに、ガソリンの値上がり状況に関する統計数値が示されていた。

 これによると、ロシアの小売市場における2018年6月のガソリン価格は、年初から9.4%上昇した。前年同月比では、12.3%の上昇となる。このくらいであれば、許容範囲という気もしないでもないが、ロシアでは全般的にインフレが鎮静化しているので、ガソリンの値上がりが突出している感覚を受けるのだろう。値上がりの背景には、国際石油価格の上昇があり、その割にはここしばらくはルーブル安が続いているので、ある程度国際価格に連動する国内価格も上昇しているということなのだろう。

 ちなみに、上掲のグラフは、2016年末を起点にとり、その後、消費者物価(茶の太線)、ガソリン小売価格(オレンジの細線)、ガソリンの生産者価格(緑の細連)、原油の生産者価格(紺の細線)の水準がどのように推移してきたかを示したものである。この間、オレンジのガソリン小売価格は、20%近い上昇を示している。ただし、緑の卸売り価格はそれ以上に高騰しており、これはガソリンスタンドの販売マージンが低下していることを意味し、今後小売価格がさらに上昇する可能性を秘めている。

 なお、最近値上がりしていると言っても、ロシアは国際的に見れば依然としてガソリンが相当安い国である。こちらの記事によると、ロシアのガソリン小売価格は1リットル当たり0.72ドルであり、これは世界で10番目に安いという。ヨーロッパでは一番安い。


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shinrai

 先日、Globe+に、「ワールドカップ成功の影でプーチン氏の支持率が落ちている」と題する文章を寄稿した。その中で、全ロシア世論調査センターによる、信頼する政治家としてプーチンおよびメドヴェージェフを挙げた国民の比率というグラフをお目にかけた。これは、同センターが毎日1000人のロシア国民に電話アンケートを実施し、その中で「貴方の信頼する政治家を挙げてください」ということを問い(複数回答可能)、それを週ごとに集計して発表しているものである。

 前回の寄稿の際には、7月8日の集計結果が最新だった。その後、7月15日、7月22日と、2回の集計結果が発表されたので、これをフォローアップすることにしたい。これを見ると、どうやらプーチンへの信頼度合いというのは、ひとまず下げ止まったような印象である。国民の年金改革への反発を受け、6月24日に最近では初めて40%を割り込んだわけだが(38.3%)、7月1日37.9%、7月8日37.6%、7月15日37.9%、7月22日37.7%と、その後はほぼ横這いとなっている。回復の兆しは見られないが、これ以上大きく落ち込む様子も、今のところ見て取れない。2018年に入ってからのトレンドを整理したのが、上のグラフである。


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khim

 リア・ノーヴォスチのこちらのサイトに、ロシアの産業発展動向を示す重要な図解資料が出ていた。化学工業部門における輸入代替生産プロジェクトの動きである。これによると、「2030年までの化学・石油化学工業発展戦略」と、「化学工業における輸入代替措置計画」の枠内で、2018年には6件のプロジェクトが実施されており、48億ルーブルが投資されている、ということである。近年中に、さらに21のプロジェクトが始動する予定とされている。

 本年実施されている6件のプロジェクトとは、クルスク州のポリエチレン・フィルム、サマラ州のポリアミド6、クラスノダル地方の肥料、ヴォルゴグラード州の殺虫剤、レニングラード州の排水管、スヴェルドロフスク州の粉末冶金および塗料となっている。


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 7月16日にヘルシンキで開催された米ロ首脳会談を受け、7月23日~8月19日付の『エスクペルト』誌が特殊記事を掲載している。この中で、D.エフスタフィエフという学者が執筆している論評の中に、今後、ロシアと米国が中長期的に関係を構築していく上で柱となりうる5項目というものが掲げられている。それを整理・要約すると、以下のとおりである。

  1. 戦略的な安定性。米ロ両国にとって、核兵器をはじめとする軍事力の新たなルールは必要。軍事力を個々の協定でコントロールすることは生産的でなくなっており、米ロが主導する形でグローバルな戦略的安定性の包括的な概念を策定することが求められ、その後それに中国も加わるようなことが考えられる。
  2. 米ドルをグローバルな金融システムの基盤として保持すること。米国にとっては、中国やロシアが自らの影響下にある経済空間を非ドル化しようとしていることは不都合。中ロ等がそうした試みを手控える代わりに、トランプが何らかの見返りを提案できるかというのが焦点。
  3. 炭化水素資源市場における新たなグローバル秩序。炭化水素資源市場の価格破壊は、サウジアラビアやロシアにとってと同等に、米国のシェール業者にとっても痛手。ロシアにとっても、現状のOPECとのカルテルから、一連の機械分野での米国との協力にシフトすることは有益。トランプが内政面で新たな力関係を築けるかが鍵。
  4. アジアにおける軍事的・政治的安定性。東方シフトを進めるロシアにとってアジアの安定は必須。その際に、2016~2018年の動きから見ると、東アジアの安定は巷間言われていたように中国ではなく、今のところ米国にかかっている。したがってロシアは、米中対話、場合によっては上海協力機構などの地域の既存枠組みの協議に米国が参加することも歓迎する。
  5. サイバー安全保障。サイバー空間で仁義なき戦いを始めたのは米国側だったが、それが制御不能になり、米国自身が困惑している状況にある。

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 こちらの記事によると、ロシアの首都モスクワ市の郊外部分に当たるモスクワ州は、経済特区2箇所を創設したい考えだという。このほど、ヴォロビヨフ・モスクワ州知事がメドヴェージェフ首相と面談し、その旨の希望を伝えた。ドモジェドヴォとカシーラがその候補地である。ヴォロビヨフ知事は面談の中で、本日特に提起したいのは新たな経済特区2箇所の創設だ、VTB銀行と共同で創設する可能性がある、連邦政府に要望したいのはインフラ創設のための資金ではなく(インフラはすでにある)関税と税制の優遇があれば十分だ、そうすれば投資家を誘致して新たな企業を創設することができる、などと述べた。メドヴェージェフ首相側は、そのプロジェクトは以前から検討されていたので、すでに承知している、と応じた。

 以上が記事のあらまし。2箇所のうち、ドモジェドヴォは空港のあるところで、モスクワ市のすぐ南に位置する。一方、カシーラという街については知らなかったので調べたところ、上掲地図のような位置で、モスクワ州の中でも南端にあった。最近は、経済が発達した地域は工業団地を創設し、後進的な地域は新型特区(先行開発地域)を創設するという流れであり、あえて時代遅れとなった感もある旧型特区を創設するという方針が興味深い。


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 こちらの記事によると、このほどロシアのプーチン大統領は、大統領付属の3つの諮問機関を廃止する大統領令に署名した。金融市場発展評議会、経済近代化・イノベーション発展評議会、経済評議会の3つである。

 このニュースを見て、直感的に思ったのは、「もしかしたら、メドヴェージェフ大統領時代に設けられた諮問機関を廃止するということなのだろうか?」ということだった。しかし、確認してみると、この中でメドヴェージェフ大統領が就任した2008年に設置されたのは金融市場発展評議会だけであり、残りの2つは第3期プーチン政権発足に合わせ2012年に設置されていたことが分かった。

 ちなみに、大統領付属の評議会の一覧は、こちらのサイトで確認することができる。この中で私が特に注目しているのは、一番下にある「戦略発展・ナショナルプロジェクト評議会」であり、輸出促進政策に果たしているその役割については当ブログでも取り上げたことがある。


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 ロシアで「大都市圏(Агломерация)」を20箇所くらい創出しようという動きは、2010年代に入ってから、盛んになっているようである。ただ、その20箇所というのが具体的にどこになるのかについては、いくつかのバージョンが存在する模様だ。最近では、2017年のペテルブルグ国際経済フォーラムで、クドリン元副首相・蔵相が提唱したことが挙げられる。なので、クドリン氏系のシンクタンクが作成したと思われる上掲地図を、こちらのサイトから転載させていただく。整理すれば、ここで示されているのは以下の都市圏だが、ここでは21が挙がっている。

  • モスクワ
  • サンクトペテルブルグ
  • ロストフ
  • ニジニノヴゴロド
  • サマラ
  • エカテリンブルグ
  • ノヴォシビルスク
  • クラスノダル
  • ヴォルゴグラード
  • カザン
  • チェリャビンスク
  • ヴォロネジ
  • サラトフ
  • ウファ
  • ペルミ
  • オムスク
  • ノヴォクズネツク
  • クラスノヤルスク
  • イルクーツク
  • ハバロフスク
  • ウラジオストク

 こちらの記事によれば、単に20あまりの大都市圏が形成されるだけでなく、それらの間を結ぶ交通網を整備することが必須で、国家コーポレーションの対外経済銀行はそれらのプロジェクトに積極的に関与していく意向だという。


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gov

 ロシア連邦政府はこのほど、『2012~2018年のロシア政府の活動:枢要な決定、いくつかの重要な事実と指標』と題する報告書を発表した。こちらのURLでPDF版をダウンロードできる。

 内容はタイトルのとおりであり、第3期プーチン政権の下でのメドヴェージェフ内閣が、どのような仕事をしたかということを、事実関係を整理するとともに、数値指標で示したものである。6年間で525の枢要な決定がなされたとされている。PDFなのでキーワード検索もできるし(むろんロシア語だけだが)、この間ロシア政府が主要問題につきどのような取り組みをしてきたかを確認するのに便利そうである。


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 だいぶ遅れ気味のフォローだが、7月16日にヘルシンキで開催された米ロ首脳会談に関し、評論家のB.マカレンコ氏(上掲写真)がこちらで論評しているので、要旨を整理しておく。

 ヘルシンキでどちらが勝った、負けたといった論評は意味を失った。双方とも自分の側の利益を追求し、達成できたものもあれば、できなかったものもあった。

 サミットは、破談にならなかった。両大統領は共同記者会見を行い、お互いに対する友好的な姿勢を示し、会談は有益だったと述べた。不一致点もあったが、それを強調することはしなかった。

 会談の具体的中身につき、我々が知りうるのはごくわずかである。一対一の会談は、予定されていたよりも長く、130分続いた。これは一方では、重要なテーマはすべて討議されたことをうかがわせる。他方では、事前の専門家による準備や協議が不充分で、トランプが事前にすべての資料に目を通さなかったと思わせる。大幅な前進はなく(期待もされていなかったが)、共同声明も出なかった。立場の隔たりがあったことは明らかだが、核問題についての対話は行われたと考えることができる(ただし米マスコミが報じているように中短距離ロケットの問題は取り上げられなかった)。たとえばシリア問題など、具体的な成果があったかについては、追々明らかになるだろう。

 プーチン大統領の側は、サミットによって、国内での正統性を強化できた。対外関係での正統性はそこまで簡単ではないが、ロシアと西側の信頼関係悪化を多少なりとも埋め合わせるポジティブなきっかけとなるとしたら、対外関係の面でもプラスである。

 トランプ大統領の側は、今回も、反対の声を押して、外国の指導者との会談にこぎ着けたということが、成果である。米大統領選への介入疑惑に関しては、プーチン大統領はこれまでどおりきっぱりと介入を否定した。この点ではトランプはジレンマに陥り、自らの政権基盤や、11月の中間選挙での共和党の戦いに否定的影響が及びかねない。

 一言で言えば、会談は、とりあえず可能なことは成し遂げた。それは、対話を開始すること、米ロ関係に多少なりともポジティブな要素をもたらすことである。と同時に、会談は両国の立場の隔たりをすべて明るみに出すことにもなった。


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 ちょっと忙しいので、簡単なネタだけで。ロシアのサッカースタジアムは、食べ物にまったく期待できず、名物と言えるようなものも、ほとんど思い当たらない。唯一、もしかしたら、茹でとうもろこしだけは、ロシアのスタジアム名物と言えるかなと、以前から思っていた。上の写真は、まだ新スタが出来る前の時代のゼニト・サンクトペテルブルグのとうもろこし売りである。ただ、ひょっとしたら、ロシアだけでなく、ヨーロッパの他の国でも見られたりするのかなと、そのあたりが良く分からなかった。

 そうしたところ、W杯開幕前の情報だが、こちらのサイトに、主要国のサポーターのパラメーターを比較した特集記事が出ており、その中で、「スタジアムで何を食べるか?」という項目もあった。これを見ると、茹でとうもろこしというのが書いてあるのはロシアだけなので、茹でとうもろこしはロシアのサッカースタジアムの名物であると言ってよさそうである。


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 こちらの記事によると、米国財務省証券の大口保有国リストの最新版(2018年5月版)で、ロシアがリストから消えたということである。ロシアは4月の時点では米国財務省証券を487億ドル保有し、大口保有国ランキングで22位につけていた。それが、1ヵ月で少なくとも3分の1を手放した模様である。5月版ランキングでは、302億ドルのチリがリストの一番最後の33番目に掲載されており、ロシアの名がないということは、少なくともチリよりも少なくなったことを意味する。先日、本件について質問されたE.ナビウリナ中銀総裁は、ロシアは外貨準備を多角化する政策を進めており、金融・経済・地政学等のすべてのリスクを考慮して米債の半分近くを手放したと説明していた。

 なお、当該のリストは、こちらで閲覧可能。保有国の上位は、1.中国、2.日本、3.アイルランド、4.ブラジル、5.英国、などと続いている。


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 W杯決勝戦のプッシー・ライオット乱入事件、最初は良く事情が分からず、「なんか決勝に水を差す残念な出来事が起きちゃったな」くらいに感じただけだったが、事実関係が判明するにつれ、また時間が経過するにつれ、自分の中のモヤモヤがどんどん大きくなってきている。

 試合の翌日、プッシー・ライオットの仕業だということを知った時に、私が思ったのは、「今大会でロシアは、テロリストもフーリガンも封じ込めたのに、最後の最後に、あの連中に足元をすくわれちゃったな」といったことだった。

 しかし、そのあと、やや考えが変わってきた。プッシー・ライオットの今回の行為は、本質的にテロ行為なのではないかと思えてきた。むろん、テロというのは基本的に暴力で他人を殺傷することを指すのは承知している。しかし、たとえば「サイバーテロ」なんて言葉があるとおり、他人の価値を破壊的に毀損しようとする行為は、広い意味でテロと言えるはずである。プッシー・ライオットの連中が笑いながらグランドを走り回っている姿を改めて見て、これはテロに他ならないとの思いを強くした。自らの主義主張を唱えるために、ピッチ上で戦っている選手たちの思いも、全世界で固唾を飲んで見入っているサッカーファンの気持ちも、一切お構いなしと言うのであれば、程度の差こそあれ、その思考様式はテロリストのそれとまったく同じである。暴力に訴えていなくても、笑っていても、テロはテロであり、いわば「ゆるテロ」である。

 ロシアのニュースサイトなどを見ても、今回の事件に関する突っ込んだ分析や論評はまだそれほど見当たらない。そうした中、多少踏み込んだ論評を示していたのが、こちらの記事である。D.コレゼフ(コリョーゼフ? コレジョーフ?)という論者の個人的意見とされているが、今回のプッシー・ライオットの行為は従来と比べてそれほど過激ではなく、ロシアもプーチンも侮辱する内容ではなく、誰も傷付けないで世界に向けて自分たちの主張を伝える絶妙なやり方であった、これによりロシア国家は穏便化・人道化していくだろうなどと論じており、個人的にはきわめてナイーブな見方と感じる。

 ちなみに、こちらの記事では、プッシー・ライオットの連中がいかにして事を成し遂げたかということが書かれている。これによれば、彼らは1週間ほどかけて今回の行為を準備した、他人のファンIDを利用して会場に入った、トイレで持参した警察の制服に着替え、それを着てなるべくピッチの近くまで近付く手はずだった、などと伝えている。

 それにしても、腑に落ちないのは、ガチ中のガチであるロシアの情報機関が、プッシー・ライオットの動きを察知していないなどということがありえるのか?ということだ。これまでもスキャンダラスな行為を続けてきたプッシー・ライオットが、W杯に何かしでかすことは当然考えられ、それこそテロリスト予備軍並みにマークされていたと考えるのが普通だろう。他人のファンIDを使ってスタジアムに忍び込んだくらいで、当局の監視の目を逃れられるものだろうか? もしかしたら、当局はプッシー・ライオットの動きは知った上で、泳がせていたのではないかという疑問を抱きたくなる。連中があの舞台で騒ぎを起こせば、彼らを弾圧することをロシア国内および世界向けに正当化できる。。。むろん、今のところ何の証拠もないが、そんな風に勘繰りたくなるのも、モヤモヤが募る一因である。


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 今回のW杯ロシア大会で使用された12スタジアムの総工費を比較するグラフを作成してみた。数字は、今大会での無駄遣いに批判的な論陣を張っているこちらの記事からとった。ただ、ロシア・ルーブルのままでは分かりにくいと思うので、直近の為替レートで日本円に換算して示した。カッコ内に「改築費」と書かれているスタジアムに関しては、既存のスタジアムの建設費は除外し、改築費用だけを記している。他はすべて新規建設である(カザンとスパルタクは大会よりもしばらく前に完成していたが)。

 我々に身近な例で言うと、ガンバ大阪の吹田スタジアムの総工費は140億円程度と言われ、ロシアのW杯向け新スタはすべてそれを上回っている。ただし、問題は為替レートの要因だろう。ロシアでは2014年以降ルーブルが暴落し、他方で建設費用は資材・人件費等ルーブル建てのものが多いはずなので、ルーブル安によって外貨換算建設費が低く抑えられたはずである。2013年頃までの為替レートで計算すれば、日本円換算の建設費は、このグラフにあるよりも1.7倍くらい高かったはずである。


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