服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ロシア

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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2018年11月号「特集◆極東で交錯する日・ロ・中の国益」をいち早くご紹介。ロシア極東のウラジオストクで9月に第4回東方経済フォーラムが開催されたので、今号では同イベントを軸とした特集をお届け。その際に、今回の最大のトピックは、我が国の安倍晋三首相、プーチン・ロシア大統領、中国の習近平国家主席と3つの地域大国の最高指導者が集結したことなので、特集は「極東で交錯する日・ロ・中の国益」と題してお送りすることにしました。私自身は、短いものばかりですが、「『三橋一島』のロ中国境協力」、「年金改革はロシア政治の転換点となるか」、「2035年までのウクライナ・エネルギー戦略」、「ワールドカップの宴のあと」といった記事を執筆。10月20日発行予定。

 なお、当方、本日よりロシア調査出張です。


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 こちらに見るとおり、このほどIMFのWorld Economic Outlookの最新版となる2018年10月版が発表されたので、ロシア・NIS諸国の一覧表の部分だけ上掲のとおり抜き出してお目にかけることにする(クリックすると拡大)。

 IMFは今回、2019年のロシアの経済見通しを0.3%ポイント引き上げ、1.8%とした(2018年については1.7%で据え置き)。油価の上昇を受け、ナイジェリア、カザフスタン、ロシア、サウジアラビアといった産油国の成長見通しを上方修正したと、IMFでは説明している。


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 編集を担当している『調査月報』の締め切りにつき、ブログには大した記事も書けずに、申し訳ない。先のワールドカップに向け、ロシアでは各地方に不相応に大きなスタジアムが完成し、大会後、国内リーグ戦が始まって、それらのスタジアムにちゃんとお客さんが入っているか、気になっていた。そこで、新たに新スタを手に入れたプレミアリーグ所属の各地方クラブのホームゲーム6試合分の観客動員数を、グラフにまとめてみた。クルィリヤ・ソヴェトフ・サマラ、FCウラル、FCロストフの3チームの数字である(厳密に言えばFCウラルは新築ではなく改築だが)。で、こうやって数字をまとめてみると、W杯の余熱や、新スタ効果ゆえか、観客動員は今のところ大健闘と言えそうである。ただ、サマラなどは右肩下がりになりつつあるのが気になる。それに、ロシアはこれから冬を迎え、冬季中断があるとはいえ、12月初旬くらいまでは試合をしなければならないから、これからが本当の真価が問われる。


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 こちらの記事によると、ロシアからのソーラーパネルの輸出が始まったということである。「ロシア・エネルギー週間」というイベントの席で、A.テクスレル・エネルギー省第一次官が記者団に明らかにした。第一次官によると、輸出はチュヴァシ共和国ノヴォチェボクサルスクの工場から、欧州向けに開始された。現在のところそれは少量である。ロシアは現在、年間200MW以上のソーラーパネルを生産しており、最新技術の導入でさらに拡大していくことになる。もっとも、生産能力は主として内需に向けられているので、現時点では輸出余力がそれほど大きいわけではない。第一次官は以上のように語った。なお、これに先立ってはA.ノヴァク・エネルギー相が、サウジアラビア向けのソーラーパネル供給を交渉中と発言していた。

 なお、記事には明記されていないが、第一次官の言っているノヴォチェボクサルスクの工場というのは、こちらに見るHEVEL社の工場のことであろう。


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 個人的に不案内な分野だったが、ロシアの光学系機器の企業グループ「Shvabe」というところがあるそうである。傘下の生産企業には、ズヴェレフ記念クラスノゴルスク工場、ルィトカリノ光学ガラス工場、ザゴルスク光学機械工場(いずれもモスクワ州)がある。

 そして、9月下旬に、同社に関連した興味深い動きが伝えられた。こちらこちら、そして日本語のこちらなどによると、クラスノゴルスク工場と独ライカの共同開発により、レンジファインダーカメラ「ゼニトM」が生産されることになり、それがケルンの見本市でお披露目された。レンジファインダーカメラというのは個人的に知らなかったが、ウィキペディアによると、光学視差式距離計が組み込まれており、距離測定に連動して撮影用レンズの焦点を合わせられるカメラのことであり、レンズの繰り出し量などを測定することで合焦装置と光学距離計を連動させ、スプリットイメージや二重像の重ね合わせによりピント合わせを行うもので、一眼レフカメラよりコンパクトでありながらきちんとピント合わせができるため、未だに愛用者が多い、ということである。

 ゼニトMは、ヨーロッパでは2018年12月から、ロシアでは2019年1月から販売される。気になる値段だが、何と4,000~5,000ユーロだという。レンズの枠に刻印された「MADE IN RUSSIA」という文字にマニア心がくすぐられることは事実だが、う~む。


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 ロシアの北カフカス(コーカサス)圏は、山岳リゾートとして魅力があり、多様な民族がひしめき合う、私のようなロシア地域マニアには興味尽きないエリアなのだが、アクセスや治安が悪かったりで、なかなか訪れる機会がない。そうした中、今回モスクワから飛行機でジョージアのトビリシに移動した際に、窓から大カフカス山脈の雄大な景観がバッチリ見えたのは、個人的に嬉しかった。いつか地上からも見てみたいものである。


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 モスクワ地下鉄のプロスペクト・ミーラ駅と言えば、かつては日本食品店「ジャプロ」の最寄り駅だった。私なども、ベラルーシ駐在当時はモスクワ出張時に、日本の3倍くらいの値段のするカップラーメンなどを有難く買って帰ったものである。

 さて、日本語で言うと駄洒落のようになってしまい恥ずかしいのだが、今やプロスペクト・ミーラ駅はモスクワ大モスクの最寄り駅として知られるようになった。2015年に完成した時には確かプーチン大統領も式典に駆け付けており、なるほどムスリムにも相当気を遣っているのだなと感じた。今回のモスクワ出張時に、途中下車して、とりあえずモスクの外観だけ眺めてきた。見学コースなどもあるようだが、時間がなくて参加はできなかった。大きな行事のある時などはムスリムでごった返すらしいものの、私が立ち寄った日には割と閑散としてた。


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 ロシアのゴミ処理と言えば、何でもごちゃ混ぜに捨てて、広い国土にものをいわせ、それを適当に埋め立てる(というか野ざらしにする)というワイルドなやり方が伝統だった。

 さすがに、最近になって、分別、リサイクル、焼却処理といったことが課題となっている。それに関連して、今回のモスクワ出張では、個人的に初めてと言っていいくらい、分別回収のゴミ箱を目にした。新たに開設されたモスクワ中央環状線のホームに置かれていた。ロシアも変わっていくのかなと、ちょっとそんなことを感じた一コマだった。


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 今回のロシア出張時に、同国随一のモーターショーとして知られる「モスクワ・オートサロン」を見学したところ、上掲の写真のような高級車が展示されていた。本年5月のプーチン大統領就任式の際に、新たな大統領専用車がお披露目されたという話題をお伝えしたが、要するにその純ロシア国産高級リムジン「アウルス」が一般向けにも売られようとしているということのようである。


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 昨日に続き、モスクワの展示会場「VDNKh」の話題。

 以前、NHK-BSプレミアムの「コズミック・フロント」という番組で、「旧ソ連幻の宇宙船ブラン スペースシャトル計画」という回があった。番組の内容は以下のとおり。

 約30年前の1988年に旧ソ連が一度だけ打ち上げた幻の宇宙船“ブラン”があった。東西冷戦の最中、アメリカに対抗して作られたもう一つのスペースシャトルだ。開発の指揮をとったのは、知られざる天才技術者ヴァレンティン・グルシュコ。彼はブランを宇宙に運ぶため史上最強のエンジンを開発するなど手腕を発揮するが、時代の波に翻弄される。幻の巨大宇宙船に託された秘密と開発の舞台裏に当時の貴重な映像で迫る。

 それで、ブランは2機製作され、実際に宇宙に飛んだ機体はソ連崩壊後に建屋が潰れて下敷きとなって瓦礫と化し、サブ機の方は新生ロシアの資金難で売却して現在はドイツの博物館に展示されているそうである。ところが、今回VDNKhに出向いたところ、「ブランが展示されている」という案内が目に留まったので、「何だそれは? ドイツの博物館から買い戻したのか?」と興味を抱き、機体が展示されているとされる一画に行ってみたのである。すると、確かにブランの機体はあったが、これはブラン開発段階に作られた実寸模型であることが判明した。ソ連崩壊後にはゴーリキー公園に置かれていたのだが、2014年にVDNKhに移設されということのようだ。内部も公開されているようだが、時間がなかったので見学はできなかった。内部も本物っぽく作られているのだろうか?


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 実は当方、本日から遅い夏休みである。この間、ロシア情勢のフォローなども休業させていただくので、当ブログでは、8月末から9月上旬にかけて出かけたロシア・ジョージア・ウクライナ調査出張のお土産フォトギャラリーをお届けする。

 さて、ロシアに出張に行った時に、夕食をどうするかというと、立派なレストランは高くて時間がかかるし、ファストフードなどは体に悪そうだしということで、結局ホテルの部屋で日本から持参したカップラーメンを食べたりすることが多かった。しかし、今回のモスクワ滞在時に、定宿の近くにカジュアルなウズベク料理店を見付けたので、そこを利用してみた。ウズベク・プロフと、ウズベクうどん「ラグマン」の組み合わせ。安いし、すぐに料理が出てくるし、味も当然日本人の舌に合うので、気に入った。今後ちょくちょく寄らせてもらおうと思う。


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 ネタがなく、なおかつ多忙なので、以前取り上げたデータを更新するだけでご容赦いただきたい。「全ロシア世論調査センター」では、毎日1000人のロシア国民に電話アンケートを実施し、その中で「貴方の信頼する政治家を挙げてください」ということを問い(複数回答可能)、それを週ごとに集計して発表している。その調査によるロシア国民のプーチンおよびメドヴェージェフへの信頼率のグラフを更新したので、上掲のとおりお目にかける。年金受給年齢引き上げに起因する国民のプーチン政権への反発は続いており、9月9日にはロシア各地で反政府デモが発生し治安当局が多数の参加者を拘束する事態となった。そうした中、上掲の図に見るとおり、年金改革発表後のプーチン信頼率は、30%後半で推移しており、下げ止まっていはいるものの、上向く気配も見られない。プーチンの数字は、8月5日集計分で過去最低の35.9%に落ち込み、最新の9月9日集計分で再び35.9%の過去最低タイを記録した。こりゃ領土問題で外国に譲...(モゴモゴ)


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 これは先週明らかになった、かなり大きな経済ニュース。こちらなどが伝えるところによると、中国系のアリババ・ルグープはロシア資本と合弁企業AliExpress Russiaを創設し、ロシアにおけるネット通販AliExpressの事業を同合弁に委ねることになった。AliExpressだけでなく、B2CのTmallなどもその傘下に入る。AliExpress Russiaの株式比率は、アリババ・ルグープ48%、ロシア通信大手のMegaFonが24%、ロシア・ネットサービス大手のMail.Ru Groupが15%、ロシア直接投資基金が13%となる。

 なお、これに至るまでの背景については、しばらく前に書いた拙稿「ロシアにとって踏んだり蹴ったりな中国アリババのネット通販」を参照していただきたい。要するに、ロシア側が、「我が国で商売をするなら、応分の投資と利益配分をしろ」と迫り、アリババがそれに歩み寄ったということなのだと思う。


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 こちらの記事によると、ロシアのトルトネフ副首相・極東連邦管区大統領全権代表は、極東経済フォーラムの方式をリニューアルすることを提唱した。トルトネフがプーチン大統領にその旨を要請したところ、プーチン大統領も了承し、来年2019年から刷新されるということである。具体的には、行事の数を減らすこと、極東開発の重要問題にテーマを絞ること、セッションの結果についてモデレーターがプーチン大統領に報告すること、などが変更内容だという。


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 我々ロシア界隈の人間にとっては、見逃せない映画がこのほど日本でも公開された。ロシアを中心にドイツ、リトアニア、ポーランドも加わって国際制作された作品『ヒトラーと戦った22日間』である。公式HPはこちら。作品の概要を引用させていただくと、

 第2次世界大戦下にナチスが建設したアウシュビッツと並ぶ絶滅収容所ソビボルで起こった脱出劇を、実話をベースに描いたドラマ。国籍、貧富などは関係なく、ユダヤ人たちがガス室で大量殺りくされていったソビボル絶滅収容所。からくも存命しているユダヤ人たちの間では、密かに脱走を計画するグループがあったが、彼らにはその計画を牽引するためのリーダーが存在しなかった。そんな中、1943年9月、ソ連の軍人アレクサンドル・ペチェルスキーが収容者としてソビボルに送り込まれる。ペチェルスキーの統率能力とカリスマ性によって、収容者全員脱出を目指す壮大な反乱計画が本格的に動き出す。ロシアの国民的俳優コンスタンチン・ハベンスキーが自らの脚本で初メガホンをとり、映画監督デビュー。同時にペチェルスキー役で主演も務めた。「ハイランダー」シリーズのクリストファー・ランバート、「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャンスカ、「バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍」のマリア・コジェーブニコワらが顔をそろえる。

 というものである。私自身は、旧ソ連の中でもユダヤ人口の多かった西寄りの欧州ロシア、ウクライナ、ベラルーシのことを主に研究しており、また同地域出身で米国にわたり音楽業界で成功したユダヤ人のことを調べるのが趣味なので、個人的に非常に身近なテーマである。しかし、ロシアの映画でナチス・ドイツのユダヤ人収容所を描いた作品はほとんど前例がないそうで、私自身もこの作品から受けたインパクトは非常に大きかった。

 ところで、私は映画を観る時にはなるべくネタバレしないように、余計な予備知識を持たないまま作品と向き合うようにしている。しかし、この『ヒトラーと戦った22日間』に限っては、ある程度の予習をした方がいいのではないかと感じた。現に、映画を観た段階では、理解し切れないところがあり、後からパンフレットを読んで、「なるほど、そういうことだったのか」と合点が行った点が少なくなかったからだ。

 ちなみに、映画の原題は、ロシア語でも英語でも『ソビボル』である。個人的には、ヒトラー自身は一切登場しないわけだし、『ヒトラーと戦った22日間』という邦題よりも、素直に『ソビボル』または『ソビボル絶滅収容所』のままでよかったのではないかという気がする。


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 日ロ関係が終わったっぽいが、その話題に触れるのは面倒なので無視して別の話をすると、こちらおよびこちらの記事によれば、東方経済フォーラムの席でロシアのオレーシキン経済発展相は、ロシア・ルーブルの適正レートについて発言した。直近では1ドル=69ルーブル程度となっているが、財務省による外貨買入がなく、油価がバレル78ドルという条件では、1ドル=50ルーブル程度が均衡レートであろうと、オレーシキン大臣は述べた。オレーシキン大臣によると、足下のルーブル安はロシアからの資本の短期的な逃避によるものであり、それが収束すれば、為替も反転する。中期・長期的なレートの見通しは1ドル=63~64ドルとなっているが、それを修正する理由は一つも見当たらない。ロシアの経常収支は力強く、財政収支はGDPの1%のプラスで、対外債務も軽微だと、大臣は指摘した。


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 こちらの記事によると、このほどロシアでようやくポケモンGOが解禁された。主要国では2016年夏にローンチされていたが、ロシアでは2年遅れでようやくこのゲームにアクセスできるようになった。これまでもロシアのユーザーは非公式サイトでダウンロードして同ゲームを楽しんでいたが、9月11日朝からロシア版のAppStoreおよびGoogle Playで正式にポケモンGOのアプリをダウンロードできるようになった。ただし、本件につき開発元のNiantic Labsは公式な発表を行っておらず、RIAノーヴォスチの問い合わせにも応じていない。


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 こちらの記事などによると、現在、ロシア政府は「空間的発展戦略」という国土開発のコンセプトを策定中であるが、経済発展省の起草した案によれば、国土を14のマクロリージョンに区分するという方針が打ち出されている。これは、今日すでに存在する連邦管区のような行政区分とは異なり、実際に生じている経済・社会的繋がりを重視するもので、その枠内でのより緊密な関係構築を目指そうという方向性である。草案は9月に内閣に提出され、11月には採択の運びとなる予定。しかし、シベリア連邦管区大統領全権代表などは、シベリアを複数に分割するという草案に反対し、シベリアは一体の存在として残すべきだと主張するなど、原案どおり承認されるかはまだ不透明である。提案されている14のマクロリージョンは、以下のとおり。

  1. 中央
  2. 中央・黒土
  3. 北西
  4. 北カフカス
  5. ヴォルガ・カマ
  6. ヴォルガ・ウラル
  7. ウラル
  8. 西シベリア
  9. 南シベリア
  10. エニセイ
  11. バイカル
  12. 極東

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 当ブログではフォローが遅れてしまったが、先日ロシアのベロウソフ大統領補佐官が、冶金、化学部門の大企業は輸出で膨大な超過利潤を得ているので、それらに対する大掛かりな課税を行うべきだと提案する動きがあった。それに関し、『プロフィール』誌のこちらのページに解説・論評記事が掲載されているので、一部を抄訳しておく。

 先日、大統領補佐官のベロウソフが、プーチン大統領に提出した書簡の内容が明らかになった。この文書は、冶金、化学、肥料メーカーへの課税を引き上げる内容で、具体的にはノヴォリペツク冶金コンビナート、セヴェルスターリ、マグニトゴルスク冶金コンビナート、メチェル、メタロインヴェスト、エヴラズ、ノリリスクニッケル、SUEK、アルロサ、ポリュス、フォスアグロ、ウラルカリ、アクロン、シブールが対象とされている。

 ベロウソフは、これらの企業の税負担は石油ガス部門に比べ低く、追加的に5,000億ルーブル(75億ドル)支払っても痛みはない、と主張している。

 ロシア産業・企業家同盟では、製造業部門と鉱業部門の売上・納税を対比するのは不適切だと反論。たとえば、化学・石化部門であれば、5つかそれ以上の技術的工程があるのが普通で、それにより原料よりも数倍高い製品が生まれる。しかも、ベロウソフの使用している企業財務データは、会社自身の財務報告と合わないと、同同盟では指摘する。

 セヴェルスターリのモルダショフ社長は、マントゥロフ産業・商業相に対し次のように訴えた。くだんの追加課税がなされれば、同社は投資プログラムを一時停止するだけでなく、縮小せざるをえなくなる。同社では過去10年で3,000億ルーブルを投資に向けてきたが、巨額の投資減を迫られることになるだろう。鉄鋼業と石油採掘を同列に比較するのは無理であり、石油採掘が国民財産である石油資源に依拠しており、しかも石油採掘では付加価値の要因が小さく、だからこそ同部門では課税額が大きくなっている。一方、鉄鋼業の売上では付加価値の割合が大きく、それは労働生産性の向上とコスト削減のための技術近代化によって達成されるものだ。今回のベロウソフの提案は、生産近代化、労働生産性向上への意欲を殺ぐことになり、冶金産業だけでなくロシア経済全体が不利益を被る。モルダショフはこのように主張する。

 これに対し、アリパリ社のアナリストであるトカチュークによれば、冶金および化学部門の超過利潤に対する増税の問題は以前から議論されている。これら部門の税負担率が7~9%であるのに対し、石油ガス部門では20~30%に及ぶ。ロシアではこれまでの経緯で主に石油ガス部門が税負担を引き受けてきたが、現在のロシアは困難な情勢で、課税負担をより多くの企業・市民が担うべき時である。石油ガスに次ぐ規模を誇るのが冶金なので、次に負担を負うのが冶金部門になるのは理に適っている。これまで様々な案が検討され実現しなかったが、ベロウソフ案は選択肢の一つだ。しかも、提案の対象は大企業だけで、中小企業は影響を受けず、課税は財政歳入と5月大統領令の実施に充てられるわけで、理に適っている。ベロウソフの提案している課税規模は吸収可能であり、現にリストにある企業の2015年のEBITDAは1.5兆ルーブルと膨大な額に上っている。ただし、ベロウソフは売上、課税率、EBITDAという3つの指標のみで課税すべき規模を算出しており、それだと効率の良い会社ほど多く納税すべきだということになってしまい、矛盾をはらんでいることは事実である。冶金企業にとってみれば、欧米の制裁と増税のダブルパンチである。あるいは政権側はこの案をリークして、経済界や社会の反応を見ているのかもしれない。今後議論となるだろうが、課税するにしても最終的にはその規模が縮小する可能性はある。トカチュークはこのような見方を示した。


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 国際的なブレント石油価格と、ロシア通貨ルーブルの対米ドル・レートを対比して示すこの図は、『調査月報』に掲載するため毎月更新しているものだが、前回が合併号だったので今月末のまとめ作業がなく、代わりにここに掲載する次第である。

 一目瞭然のように、2018年第1四半期くらいまでは、ルーブル・レートはほぼ油価に連動していた。それが、4月頃から乖離が激しくなり、石油が高くなってもルーブルが下がるという異変が生じた。まあ、これは、米国が出口戦略で利上げに転じ、新興国から米国への資金の還流が生じたことの一環と思われる。その後、米国を軸とした貿易戦争や、トランプ米政権による対ロシア追加制裁などが重なり、ロシア・リスクオフの動きからルーブルはさらに弱含んだ。さらに、8月に入ると、米国によるさらなるロシア制裁の動き、クレディスイスがロシア資産を凍結したとの報道、トルコ・リラ危機のあおりなどを受け、ルーブルは大きく下落した。

 ちなみに、私は本日からロシア・ジョージア・ウクライナに調査出張に出かける。いずれも直近で通貨が下落している国であり、旅行者はプチ王侯貴族気分を味わえるだろうか?


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 ロシアW杯では3万人を超えるボランティアが大会の運営を大いに盛り立てたが、こちらの記事によれば、大会終了後、一部でそのユニがネットなどで売りに出されるという現象が見られるということである。ボランティア自体は報酬なしの奉仕活動なので、この記事では、「せめて少しでもマネタイズしようとしたのか」といった調子で伝えている。

 今大会では、一般客と区別するために、市内、ファンゾーン、プレスセンターのボランティアには青系のコスチュームが、スタジアムおよびその周囲のボランティアには赤系のコスチュームが配布された。ボランティアになると、各人のサイズに合うズボン、Tシャツ、パーカー、雨合羽、キャップ、リュック、シューズ入れ、カバンのセットを無料でもらえ、それらは一生の思い出になるとうたわれていた。ところが、大会終了後に、それらのセットが、安いところでは4,000ルーブル、高いところでは4万ルーブルほどで売りに出されている。なお、ボランティアに関する規定には、グッズを販売してはいけないという項目は存在しない。


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 こちらの記事で知ったのだが、自動小銃で有名なロシアの兵器メーカー「カラシニコフ」がこのほど、モスクワで開催されている武器展示会で、同社が開発した電気自動車を発表したということである。

 カラシニコフ社自身の発表は、こちらのサイトになるのかな。それで、このモデルで興味深いのは、電気自動車で想像する近未来的な姿ではなく、あえてレトロなデザインに訴求していることである。1973年から1997年にかけてイジェフスク自動車工場で生産されたIZh-2125というモデルがあり、翻ってそれはモスクヴィッチ-412をベースとしていたのだが、今回のカラシニコフの電気自動車は外観はIZh-2125を踏襲しているということのようだ。


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