服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ロシア

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 今般発行された『ロシアNIS調査月報』(2017年5月号)で、私は「ロシアの『輸出志向輸入代替』は奏功するか」というレポートを執筆している。その中に、上掲のような図を掲載した。ロシア連邦国家統計局が、ロシアで小売販売されている消費財に占める輸入品の比率というデータを発表しているので、それを時系列的にグラフ化したものである。

 ただ、正直言うと、このデータには疑問点があった。一般的に「消費財」には食料品も含まれるが、ロシア統計局の資料は消費財と食料品を横並びのように示しており、もしかしたらこの「消費財」は食料品を含んでいない耐久消費財、衣料品、日用品等の非食品消費財なのではないかという疑問を抱いたのだ。

 そこで私は、ロシア統計局にメールで問い合わせをし、この統計の「消費財」には食料品が含まれているのか、いないのかということを照会した。統計についての疑問に加えて、ロシア統計局がこういう問い合わせに対してちゃんと対応してくれる組織なのかという関心もあった。残念ながら、回答は10日ほど経っても来なかったので、私はやむなく、本件がうやむやなままレポートを仕上げ、印刷に回さざるをえなかった。

 ところが、雑誌が発行された後になり、今般ようやく、ロシア統計局からのきちんとした回答がメールで返ってきた。結論を言えば、「消費財」には食料品も含まれるということだった。上掲図の中の「食料品」は、「消費財」の一部だったわけである。まあ、普通に考えれば、当然そうだろうとは思うが。というわけで、ロシア統計局は、時間はかなりかかるものの、一応は外国人のメールでの問い合わせにも対応してくれるような組織であることも確認できた。


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 ロシア政府では、様々な領域ごとに数値目標を明記した国家プログラムを策定し、経済発展省が各省庁によるそれらの履行状況を評価・比較するという形で、各種の政策が推進されている。それに関するポータルサイトが、こちらになる。

 それで、こちらおよびこちらの記事によれば、経済発展省はこのほど、「2013~2025年の航空機産業発展国家プログラム」(産業・商業省が管轄)の履行状況が最低ランクに近いとの評価を下した。2016年終了時点で、執行率は74%にすぎない。国庫から530億ルーブルの予算が割り当てられ、実際の歳出はそれよりも100億ルーブルも多かったものの、それでも目標指標の半分も達成されなかった。2016年には198機の航空機が出荷される計画であったが、実際には136機に留まった。プログラム履行のネックの一つとなっているのが、従来ウクライナから調達していたユニット、エンジンの輸入代替の難航である。ヘリコプターの分野でも状況は悪く、国家予算の削減により、政府調達が390機から190機に削られた。ヘリコプターのMi-38では、経済制裁によりカナダのPratt & Whitney社からエンジンを調達できなくなったことが、支障を生じさせた。経済発展省では、航空機発展プログラムの執行者としての産業・商業省の仕事の効率性を、33.3%ときわめて低く評価している。


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 ロシアのメドヴェージェフ首相は4月19日に連邦議会の下院で、2016年の政府の活動を総括する報告を行った。それに合わせて、ロシア政府のツイッターで、2016年の活動実績を図解したスライドが何枚か流れてきた。ここではその中から、個人的に気になったものをピックアップする。ただし、確かに経済・社会指標が改善されていても、政府の手柄かというと怪しいものも含まれている。各スライドはクリックで拡大。

population

 これは人口動態に関するスライド。ロシアの平均寿命が、2015年の71.4歳から、2016年の71.9歳へと伸びたというのだが、平均寿命というのは1年でそんなに伸びるものだろうか?

health

 これは保健問題についてのスライド。2010年から成人の喫煙率が10%ポイント低下したこと、アルコールの乱用による死亡が低下していることなどが報告されている。

prom

 これは鉱工業に関するスライド。重機械の生産および輸出、石油ガス機器の国内生産、工作機械の生産と輸出が伸びているとされている。

agri

 最後に、これは農業についてのスライド。2016年には食料品の生産が延び、輸入が減り、輸出が増え、結果として食糧安全保障が高まったとされている。


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 コメルサントのこちらの記事が、少々奇抜な話題を伝えている。これによると、ロシアの産業・商業省と運輸省は、国産リージョナルジェット機「スホーイスーパージェット(SSJ)100」の販売を拡大すべく、新たな方策を模索している。その一環として今般、既存のレッドウイングス社を基盤に、新たな航空会社複数を創設し、SSJを100機納入するという案を発案した。2018年から2022年にかけて100機を納入し、それと並行して国内7~9箇所に整備場を設置する計画。ただし、レッドウイングスにはSSJ100運航失敗の経験があり、専門家らは本案が成功するのは国から補助金が供与された場合だけであろうと指摘している。

 普通は、旅客需要があり、それをターゲットとして航空会社が生まれ、それに向けて航空機メーカーが旅客機を開発・販売するというのが自然な姿であろう。ロシアの場合には、まず航空機生産ありきで、それに合わせて航空会社を設立しようということのようである。


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 こちらのサイトで、政治学者のアンドレイ・スズダリツェフ氏(写真)がロシア・ベラルーシ関係についてコメントしているので、要旨をまとめておく。

2015_12_25_andrey_suzdaltsev_3551 ロシアとベラルーシの対立は完全に解消したわけではない。対立は2015年末に始まり、2016年1月にガス問題をめぐって先鋭化、それが15ヵ月ほど続いた。そもそもの問題は、ベラルーシがロシアから享受する優遇、融資、ロシア市場へのアクセスが、ベラルーシが自国民を養うのに不充分なレベルだったということである。ベラルーシは、ロシア本国に劣らず、ロシアの財政によって生きており、それには安いエネルギーの供給も含まれる。ベラルーシは、自分たちはより多くを要求する権利があると考え、2016年1月から契約通りにガス代金を払うことを停止したのである。

 ロシア・ベラルーシ関係は、パラダイムが変わった。第1に、ロシア側はベラルーシに対する譲歩をやめた。ロシアはベラルーシに、法律にもとづいて契約を果たすよう求めた。第2に、ロシアは過去四半世紀、ベラルーシへの支援を前払いという形で支払ってきたが、それに対するしかるべき見返りをベラルーシから得られなかった。そこでロシアは支援水準を引き下げたが、ベラルーシ経済はカネを浪費するブラックホールのようなものであり、ベラルーシ指導部はその数倍もの支援を求めた。過去数年で様々な形により20億ドルをつぎ込んだにもかかわらず、その結果としてベラルーシに出現したのは崩壊した経済、より貧しい国民、出稼ぎの横行(3月時点で約50万人がロシアで働いている)、ベラルーシ版オリガルヒの輩出だった。こうした次第なので、今後も対立は続くが、今は一時的に収まったところである。


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 ロシア・タタルスタン共和国の石油会社「タトネフチ」は、かつてウクライナの製油所に出資したのだが、乗っ取りまがいの所有権簒奪に遭い撤退を余儀なくされ、その後法廷闘争が続いた。その事実関係についてこちらの記事が触れているので、要旨を整理しておく。

 ウクライナのクレメンチューフ製油所は、原油供給を確保するため、1994年に合弁企業「ウクルタトナフタ」を創設し、ウクライナ側の出資分として製油所が同社に移管され、タタルスタン側からは採掘企業(複数)の株式と現金による出資がなされた。タタルスタン共和国とタトネフチが、計55.7%の株式を握っていた。しかし、2007年にタタルスタン側は合弁企業に対するコントロールを失い、2009年にはウクライナ側の裁判所の判決によって所有権を完全に剥奪された。タトネフチはロシア・ウクライナ投資促進保護協定にもとづいてウクライナを相手取り2008年に調停手続きを開始した。2014年7月にハーグの国際仲裁裁判所はウクライナの協定違反を認定し、タトネフチに1億1,200万ドルの補償金を利子付きで支払うことをウクライナ側に言い渡した。ウクライナ側は後日、これを不服としてパリの裁判所に上告したが、2016年11月末に却下された。そして今般タトネフチは、ウクライナ側が1億4,400万ドル(これが利子付きの金額?)の補償金を支払うよう、強制執行を求める訴えをロンドンとモスクワの裁判所に提訴した。


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 こちらなどが伝えているように、1年以上続いてきた石油ガスをめぐるベラルーシとロシアの対立が、このほどようやく解決した。ロシアからベラルーシへの天然ガスと石油の供給条件に関し、両国政府間で妥結し、4月13日に合意文書(複数)に署名したものである。今回の文書署名に先立っては、ガスプロムが、ベラルーシから2016~2017年のガス代金7億2,620万ドルを満額受け取ったと発表していた。

 今回の合意によれば、ロシアはベラルーシ向けのガス価格に、現行の価格決定方式から割引する係数を適用する。また、原油供給は、削減前の水準である年間2,400万tに戻すこととする。ただし、合意の細部は公表はされていない。

 ガス供給価格は、2017年は現行のままで、2018~2019年は13日にガスプロムのミレル社長とベラルーシのセマシコ副首相が調印した覚書に沿って決定される。ただし、詳細は明らかになっておらず、ガスプロムでは単に「従来通りヤマロ・ネネツ自治管区での価格にリンクして決められる」と説明している。ロシアのドヴォルコヴィチ副首相は、2018年からベラルーシ向けの単価は130ドル以下となると言明している。両国が加盟するユーラシア経済連合では、2025年に共同ガス市場を発足させることになっており、両国はそれに向けて2018年までにそれぞれの提案を示すことになった。

 原油供給に関しては、2017年から2024年まで、年間2,400万tをパイプラインで供給することになった。なお、2021年以降、供給を2,400万tよりもさらに拡大する可能性もあるとされている。


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 ちょっと用事があって、こんな図を作ってみた。2016年のロシア・NIS諸国の為替下落率とインフレ率を対比させつつ図示したものである。為替は、2016年末の各国通貨の対米ドル公定レートを、2015年末のそれと比較し、名目で何パーセント下落したかを見ている。なお、あくまでも下落率なので、棒が上を向いているプラスが下落(通貨安)ということであり、下を向いているマイナス値は逆に名目の通貨高を意味する。たとえば、2016年のロシアの場合には、マイナス16.8%だから、名目でそれだけルーブル高になったということである。一方、インフレ率は消費者物価上昇率であり、年末ベース(12月の前年同月比)のデータとなっている。言うまでもなく、名目の為替下落率よりもインフレ率の方が大きければ、それだけ実質の通貨高が生じていることになり、2016年にはそうしたパターンの国が多かったようである。


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 こちらの情報によると、4月6日に医療用品の輸入代替に関するロシア政府の会合が、D.メドヴェージェフ首相の主宰により開催されたということである。その席でのメドヴェージェフ首相の発言によると、医療用品の開発・生産のために、2011年以降、169のプロジェクトに対して、360億ルーブルの支援がなされ、うち185億ルーブルが国家財政からの資金であった。医療用品を臨床試験し生産を組織するための費用の一部を補助する制度があり、2016年には「産業発展基金」からそうしたプロジェクトのために30億ルーブルの融資が提供された。また、政府調達においては国産品を優先するルールがあり、ロシア企業から2社の応札があった場合には外国製品は排除されることになっており、すでに100以上の製品にそのルールが適用されている。これらの取組は一定の成果を挙げており、医療用品の生産は2016年に前年比で(実質? 名目?)15.5%拡大した。金額ベースで、過去6年間で倍増している。国の輸入代替支援により75の医療用品が市場に投入されており、うち36は従来ロシアで生産されていなかったものが2016年に登録されたものである。むろん、輸入代替が品質の低下に繋がらないことが肝心である。メドヴェージェフ首相は以上のように述べた。


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2020-3-638

 だいぶ古い情報になってしまうが、こちらに見るとおり、ロシア・コメルサント出版の『ジェーニギ』誌が2016年2月29日号において、「ロシアの輸入代替に関する10の神話」という記事を掲載している。執筆しているのは、「実業ロシア」の共同議長であるアントン・ダニロフ=ダニリヤンと、産業・商業省のグレブ・ニキチン第一次官。この両名はロシアの輸入代替政策に関する論客としてたびたび名前が登場し、この「10の神話」という話もあちこちで披露しているようである。両名が挙げている10の神話と、それぞれについての反論は、以下のとおりである。

  1. ロシアはありとあらゆる品目を輸入代替しようとしている。 → 現在ロシアが輸入している商品のうち、近い将来に国産化して経済的に成り立ちうるのは、せいぜい3分の1程度。
  2. ロシアから外国資本を締め出そうとしている。 → むしろ、外国資本を誘致してロシア国産化を進める。
  3. 輸入代替は不可避的に保護主義を伴う。 → どちらかと言えば自然発生的で、自由貿易の結果。保護主義はせいぜい政府発注で発揮されるだけ。
  4. 輸入代替と特別投資契約は競争を阻害する。 → むしろ新たな生産により競争が増大する。
  5. 輸入代替は、税金の無駄遣いだ。 → 輸入代替プロジェクトの投資総額に占める産業発展基金の比率は大きくなく、大部分が民間の自己資金。
  6. 輸入代替は、ロシアの消費者に質の悪い製品を押し付けることになる。 → 国産品の質が悪いというのはソ連時代のステレオタイプで、競争の激しい今日では性能の高い設備で生産されている。
  7. 輸入代替支援は、過去の技術への支援なのではないか。 → むしろ将来の技術への支援だ。
  8. 銀行から融資を断られたプロジェクトを支援しているのではないか。 → 現在のロシアの条件では、プロジェクトが有望でも銀行融資を受けるのが難しい現実があり、国の支援が必要。
  9. たとえ輸入代替が実現したプロジェクトでも、輸出に転じるのは無理。 → 実際には「輸出志向輸入代替」が活発化している。
  10. ルーブルが再び強くなったら、輸入代替の試みは水泡に帰す。 → 制裁と石油安は長く続きそうであり、輸入代替の余地は大きい。
2020-4-638

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hiritsu

 ロシア政府の作成した資料を眺めていると、「ロシアの主要品目の生産量に占める輸出の比率」という表が定番で掲載されている。ここではその新しい数字として、2016年1~5月の輸出比率をグラフにまとめてお目にかける。しかし、もっと多くの品目を取り上げてもらえるとありがたいのだが、扱われている品目はいつも同じで、数も多くなく、分野も偏っており、少々残念である。ロシアは一大石油・ガス輸出国だが、意外にもこのグラフを見るとそれらの輸出比率は半分以下であり、それだけ国内消費量も大きいことがうかがえる。


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 当ブログでは先日、「メドヴェージェフ首相を見限るロシア国民」と題し、レヴァダ・センターが継続的に実施しているロシア全国調査で、国民がメドヴェージェフ首相に厳しい目を向けるようになっていることを報告した。ただ、その際は2月の調査結果までしか反映されておらず、3月のナヴァリヌィによる首相スキャンダル暴露、その後の反政府デモは数字に反映されていなかった。そして今般、レヴァダ・センターの当該コーナーにようやく3月の調査結果が出たので、今度は当ブログで独自にグラフも作り直して、再掲載することにする。

 3月の調査結果は、事前の予想どおりとなった。すなわち、蓄財スキャンダルで槍玉に挙がっているメドヴェージェフ首相は、国民の支持・不支持の内訳が42%:57%となり、2月の52%:47%から形勢が逆転した。メドヴェージェフ首相への国民の支持は曲折を経ながらも趨勢的に低下していたが、今回ついに不支持の方が上回った格好である。それに対しプーチンの3月の数字は82%:17%であり、2月の84%:15%から若干悪化したとはいえ、大きな揺らぎは見られない。ロシア国民の多数派は、クリミア・コンセンサスでプーチンを引き続き支持する一方、経済・社会の閉塞感から政府・首相にはますます厳しい目を向けるようになっているといったところだろうか。


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 大した情報ではないのだけれど、ロシア中銀のこちらのレポートに、上掲のような、ロシアの支出項目別GDP成長寄与度の推移を跡付けた図が出ているので、その部分だけ切り取って紹介する。

 ごく大掴みに言ってしまえば、2016年のロシアは、総固定資本形成も、民間および政府の最終消費も、いずれも振るわなかったが、純輸出がプラスだったから、ある程度マイナス幅が小さくて済んだ、ということになる。


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 ウズベキスタンのシャヴカト・ミルズィヤエフ大統領がロシアを訪問し、4月5日にプーチン・ロシア大統領との首脳会談が開催され、両国間で39本もの文書が調印されたということである。そのリストはこちらのサイトで閲覧できる。以前、「ロシアとウズベク、労働移民に関する協定締結へ」というエントリーをお届けしたが、その時に言及していた労働移民問題に関する政府間協定も結ばれた。

 中央アジアの低開発国からはロシアに大量の労働移民が出稼ぎに出ており、キルギスなどの国にとっては本件がロシアを盟主とするユーラシア経済連合に参加する最大の動機となっている。しかし、今回ウズベキスタンは二国間協定でその問題に決着をつけた形であり、逆説的な状況である。ロシアがベラルーシのようなユーラシア経済連合加盟国と対立を重ねている今となっては、逆にウズベキスタンのようなある程度距離を置いている国の方が、ロシアと友好的な関係を築けたりするのかもしれない。


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 以前、「ロシアの製造業部門ごとの輸入浸透率」という記事をお届けしたが、今回は別バージョン。こちらの資料に、産業・商業省のデータにもとづく、2013年の産業部門ごとの輸入浸透率と、2020年の目標という図が出ていたので、ロシア語のままで恐縮ながら、取り上げさせていただく。前回の資料と、今回の資料で、若干データの齟齬が見られる。


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 こちらの記事が、レヴァダ・センターの世論調査結果にもとづき、ロシア世論の雲行きが変わって来たことを伝えているので、要旨をまとめておく。

 記事によれば、最近レヴァダ・センターが実施した世論調査により、国に要求を突きつけたいと思っている国民が増えており、逆に国を助けたいと思っている者は減っていることが明らかになった。専門家は、「クリミア・コンセンサス」はもはや、社会の不満を埋め合わせることができなくなっていると指摘する。2016年3月には「国が与えてくれるものも少なくないが、もっと多くを要求してもいい」という者が25%だったのに対し、最新の調査では31%になっている。「国が与えてくれるものは少なく、国から何ら恩恵は受けていない」と答える者も、同じく25%から31%に増加した。国が国民の利益に奉仕するよう「強いる」べきだと考える過激な向きは19%で1年前と変わらなかったものの、「今日の状況では、国民は自己犠牲を払ってでも国を助けるべきだ」と考える者は17%から11%に減った。世論の空気の変化について、レヴァダ・センターのレフ・グトコフは次のように説明する。すなわち、現在のところ見られるのは、苛立ちに留まっている。政権幹部の汚職スキャンダルが明らかになる中で、国民は危機により消費を手控えざるをえない状況ゆえである。同センターの他の調査結果を見ると、人々はシリアへの介入を疑問視し始めており、大国のためには犠牲を払うという気分は低下し、将来への不満が高まっている。クリミア効果で社会が政権を中心に団結するということが薄れ、愛国主義の波が後退し、社会的緊張が高まっている。


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 少々古い話になってしまったが、ロシアの元下院議員であるデニス・ヴォロネンコフ氏(写真)が3月23日にキエフで暗殺された。私自身はきな臭い話が苦手で、当ブログは経済を中心とする人畜無害な情報が主だが、ヴォロネンコフ氏の事件については少々事情があって簡単に調べたので、要点だけ整理しておく。

 デニス・ヴォロネンコフ氏は1971年生まれで、司法、軍事、ネネツ自治管区行政などの仕事をしたあと、2011~2016年に共産党所属の連邦下院議員を務めた。2016年の下院選ではニジェゴロド州の小選挙区で落選、選挙運動の際に「自分はアフガン従軍帰りだ」といった偽りの主張をし(実際にはソ連がアフガンから撤退した時にはヴォロネンコフはまだ未成年だった)、どうも虚言癖のある人物だったようだ。奇矯な言動の一つとして、2016年には「ポケモンGoユーザーはスパイや、さらにはテロリストになりかねない」と唱え、ロシアにおけるその利用禁止を関係省庁に訴えたことが知られている。2014年12月に不動産乗っ取り(5億円程度の物件)疑惑に関連して議員不逮捕特権の剥奪が提起される。2016年9月の落選後、2016年10月にウクライナに逃れたことは(12月にウクライナ国籍取得)、訴追を逃れるのが目的だったか。2017年2月にロシアより国際指名手配を受けている。ウクライナに亡命してから政治的立場を一変させ、以前はロシアのクリミア併合を称賛していたが、ウクライナ亡命後は「自分は反対票を投じた」と立場を翻した。暗殺の数日前に、ロシアのウクライナ侵略を支援しているスポンサー、ウクライナ側の協力者を暴くとの名目で「ウクライナ・ロシア調査センター」の創設を提案、自らそのトップとなる構えを見せた。しかし、3月23日にキエフの街中で3~4発の凶弾を浴び、その場で息を引き取った。事件が起きたのは11:30で、現場はシェフチェンコ大通りのプレミア・パレス前であり、まさに白昼堂々の暗殺劇であった。実行犯のウクライナ人、オレクサンドル・パルショフ(1988年セヴァストポリ生まれ、ドニプロ在住)はその場でボディーガードから発砲を受け、病院で死亡が確認された。前科者で、近年は傭兵のようなことをしていたらしい。暗殺事件に関しポロシェンコ大統領は即座に「ロシアによる国家テロリズム」と非難した。


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 こちらの記事によると、過去1年ほど続いている石油・ガスの供給をめぐるロシア・ベラルーシ間の対立につき、解決策を探る両国政府間の交渉が3月30日に行われたものの、物別れに終わった。本件は、2016年初めから、ロシアの供給するガスの料金が不公正に高いと主張して、ベラルーシ側が一方的に引き下げた価格での支払を行い、その結果7億ドルの債務が累積、ロシア側はベラルーシへの原油供給を削減するという対抗策を示していたものである。不調に終わった今回の政府間交渉につき、ロシアのノヴァク・エネルギー相は、次のようにコメントした。いわく、残念ながら、紛争の調整につき、最終的な合意は得られなかった。最大のネックは、ベラルーシ側が、大幅な値下げと支払期限の延長がなされなければ、債務を償還しないとしていることである。我が国からすれば、ベラルーシの立場は充分に建設的とは言えないが、この紛争は我が方から始めたのではなく、交渉は続けていくつもりで、ベラルーシ側がより建設的になってくれることを願う。ノヴァク大臣は以上のように述べた。


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 こちらのサイトに、2015年の欧州各国の天然ガス消費量と、各国の消費量に占めるロシアの供給シェアを示した図解資料が掲載されているので、紹介させていただく。ウクライナは備蓄からの消費分を含むということである。ドイツの60%という数字が目を引き、このあたりが欧州国際関係の綾となっている。ベラルーシは98%で、がんじがらめだ。


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 ロシアで発生した反体制デモにつき、アレクサンドル・イヴァフニク氏によるこちらの論評の中から、興味深い箇所のみ大意を紹介する。

 3月26日の反体制デモは、2011~2012年の誠実な選挙を求めるデモとは、本質的な違いがあった。前回は、極左から民族主義者までの多様な政治勢力がデモの開催に尽力し、各指導者が登壇して具体的な政治的要求を打ち出した。それに対し今回は、「政権がメドヴェージェフ首相の汚職疑惑に沈黙していることに抗議の声を上げよう」というナヴァリヌィの呼びかけに呼応して、100近いロシアの都市で同時に抗議デモが発生した(うち当局の許可があったのは21だけ)。26日のデモで諸政党の関与は確認されておらず、多くの現場では登壇のためのステージも用意されなかった。唯一の組織者は、現在急速に構築されているナヴァリヌィの地方ネットワークであった。ただ、意識の高い市民の間でナヴァリヌィの権威と人気は大きいものの、重要なのはむしろ、ナヴァリヌィは単に引き金を引いただけだと思われることである。つまり、人々はナヴァリヌィを支持するために街頭に繰り出しているわけではなく、彼らは現政権の(具体的な事柄というよりも)振る舞い全般に不満が鬱積しており、それを表現するためにデモに参加しているのである。

 こうしたことから、無許可の集会であるにもかかわらず、モスクワには少なくとも1.5万人が、サンクトペテルブルグでも1万人が集まり、ロシア全土に予想外の広がりを見せた。「クリミア・コンセンサス」はいまだに世論に残存しているが、その役割はどんどん小さくなっている。そうした中で、ナヴァリヌィが絶妙な形で汚職の問題を取り上げ、デモ参加者たちの意識の中ではその点が結束要因となった。エリートたちは自分たちとはまったく異なる生活様式を送る人々だと捉えられ、その象徴であるメドヴェージェフが珍しく抗議運動の個人的な標的になった。

 今回のデモの特徴は、地方都市への広がりに加えて、年齢構成である。前回の2011~2012年は、クリエイティブクラス、30~40歳の人々、伝統的な民主派インテリ、中高年層など、多彩であった。それに対し今回は、学生が圧倒的に多く、高学年学童も見られる。もしもデモが許可を得ることができたら、より多彩な年齢構成になったかもしれないが、無許可となったことで、守るべきものがある大人たちは参加を回避した。それに対し、若者は向こう見ずで、ロシア伝統の年長者や権威の尊重といったものがなく、テレビ以外の情報源を利用している。ナヴァリヌィの汚職告発動画が最も刺さったのが、そうした社会層だった。むろん、今回の動画で彼らが開眼したというわけではなく、進んだ若者は以前から、過去ばかり見ている国、能力ではなくお上への忠誠やコネで社会的上昇が決まってしまうような国には将来性がないことを分かっていた。彼らの中に「我々と彼ら」という二分法が形成され、もはやメドヴェージェフやプーチン個人云々というよりも、国の発展ではなく自己保存にしか向いていない統治システムそのものを問題視するようになったのである。

 今後政権側は、広域的なデモを許さず、それが試みられた際には最初から弾圧をするかもしれない。インターネット、ソーシャルメディアの自由なやり取りを制限することも充分考えられるし、学校での教育的指導もあるだろう。しかし、閉鎖性と汚職が現体制の基本的な特徴である以上、政権が譲歩できる余地は乏しい。今後デモが広がりを見せるかどうかは不透明である。現在のところ怒れる若者たちには組織も、しかるべき地方リーダーも、具体的要求もなく、いかにナヴァリヌィが精力的でも、安定的な抗議運動を形成するのには不充分だろう。いずれにしても、様々な形で不満を表明する土壌は出来上がり、このことは大統領選や汚職追及に影響を及ぼしていくだろう。


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 ウクライナの銀行セクターは、かつてロシア資本の進出が盛んな部門の一つであった。しかし、過去3年のウクライナ危機、ウクライナ・ロシア関係の悪化により、その事業環境は厳しくなっており、先日も当ブログで「ウクライナがロシア系銀行に制裁」というエントリーをお届けしたところである。

 そうした中、こちらのサイトに、ウクライナにおけるロシア系銀行の状況をまとめた図解資料が載っており、便利なので、上掲のとおり転載させていただく。

 このうち、ズベルバンク・ウクライナについては、すでにロシアのズベルバンク本社がウクライナ法人身売りを決定している。こちらの記事などが伝えているとおり、サイド・グツェリエフ氏を筆頭とするコンソーシアムが100%の株式を買い上げることになり、このほかラトビアのノルヴィク銀行とベラルーシの民間企業がコンソーシアムに名を連ねている。なお、サイド・グツェリエフは、スラヴネフチ/ルスネフチのオーナーとして知られるミハイル・グツェリエフの息子である。


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 こちらの記事によると、ロシア最大の地場自動車メーカー(現在はルノー=日産アライアンス傘下)のAvtoVAZでは、今後5年間のうち(すなわち2022年まで)に、生産した完成車の20%を輸出に向けたい意向である。ニコリャ・モル社長がこのほど国際自動車フォーラムの席で表明した。同社では現在すでにコンポーネントの20%を輸出しており、完成車の輸出もそれと同じレベルに高めるという方針である。また、現地化比率の目標として80%を掲げており、それが達成されればイジェフスク、トリヤッチの両工場がフル稼働に移れる。輸出比率を高めていく政策の一環として、右ハンドル車の生産も検討していく。また、製品がコスト高となる一因の輸送費に関しては、ロシア政府がそれを補助する政策をとっていることが、助けとなる。


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 2017年3月2~6日にロシアのレヴァダ・センターが汚職問題に関する世論調査を行ったそうで、その結果概要がこちらのサイトに出ている。それを紹介した記事がこちらであり、上掲の図はその記事から拝借したもの(3月2日にナヴァリヌィがメドヴェージェフ汚職糾弾動画を発表し、その当日に調査が始まるとは、何とも手回しが良いというか)。

 日本人が「汚職」と聞くと、大臣などの権力者による悪事というイメージを抱くのではないだろうか。しかし、これはロシアでも、ウクライナでもそうだが、あちらの国でコラプションと言った場合には、政治家や役人だけでなく、医者や教育者への賄賂といったことも含んでおり、国民に非常に身近な現象なのである。ロシア国民は誰しも、自分が賄賂を贈ったり、受け取ったりする当事者になる可能性があるわけだ。したがって、今回のレヴァダ・センターの調査でも、まずは国民にとって身近なそうした汚職問題についての意識が問われている。

 その上で、政権幹部による汚職の問題も問われている。ただ、その際に最高指導者のプーチンは、汚職の大元、親玉というよりも、その権力を行使して汚職を根絶すべき存在といった位置付けをなされているように思われる。

 設問の中に、「野党は政権幹部の汚職、資金不正利用について常に批判しているが、プーチンはその蔓延にどの程度責任があるか?」というものがある。回答状況は以下のとおりで、それを図示したのが上図である。プーチンへの批判の声が趨勢的に高まっているというわけではなさそうだ。「プーチンがより一層強権を発動して悪事を取り締まってほしい」と考えるのが、ロシア国民の一般的なメンタリティなのではないだろうか。

  • 完全に責任がある:25%
  • かなり責任がある:42%
  • 一部責任がある:20%
  • 責任があるはずはない:9%
  • 回答困難:4%

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 レヴァダ・センターのこちらのページにある、国民がプーチンの活動を支持している割合、同じくメドヴェージェフの活動を支持している割合というデータを、久し振りに見た。迂闊にも気付かなかったが、しばらく見ないうちに、国民のメドヴェージェフを見る目が、ずいぶん厳しくなっていた。上の図がプーチンで黒が支持する、青が支持しない、下の図がメドヴェージェフで同様である。なお、プーチンは1999年8月から始まっているのに対し、メドヴェージェフは2007年2月からで、上下の図が時系列的に対応しないので、ご注意いただきたい。

 メドヴェージェフへの国民の支持が低下し、2016年8~10月には不支持の方が上回ったこともあったのに対し、国民のプーチン支持はほとんど揺らいでいないことが分かる。なお、数字は2017年2月が最新であり、その後にメドヴェージェフの不正蓄財が暴露されたので、当然のことながら次のデータが発表されればさらに数字が悪くなることが予想される。

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 経済難にもかかわらず、政権への支持率は高く、国内情勢は安定しているかと思われたロシアとベラルーシで、それぞれ別のきっかけにより、かなり大規模な反政権デモが発生している。ロシアの方は、反体制ブロガーのアレクセイ・ナヴァリヌィ氏が、メドヴェージェフ首相の重大な汚職を暴露したことが発端になっている。詳しくフォローする余裕はないが、発端になった動画は上掲のもので、3月2日に公開されたようである。こちらのサイトで、そのテキストバージョンを閲覧することも可能。

 動画をざっと見てみたが、複雑なスキーム、親友・旧友の仲介、オフショア企業などを使い、またオリガルヒからの資金提供を受け、メドヴェージェフが超豪華な別荘、ヨット、ぶどう畑およびワインセラーなどの莫大な資産を実質的に手に入れているということが、非常に克明に検証されている。真に迫った内容であり、動画のプレゼンも良く出来ている。ただ、どういう経緯で、今こういうスキャンダルが暴露されたのは分からないし、おそらく政権幹部は皆似たような蓄財をしていると思われる中で(動画の最後でその旨の指摘はある)、なぜメドヴェージェフが狙い打ちされたのかとか、不可解な点は少なくない。

 それで、今回のロシアの反政府デモには、若年層が積極的に参加しているという話を聞いたので、その様子も動画で見てみようと考えた。下に見るのはあくまでもその一例であり、3月26日のモスクワのデモの様子ということである。プーチン政権が色々問題を抱えていることは明らかにもかかわらず、最近まで沈黙していた国民が、一部であるにせよ、なぜ今回はナヴァリヌィに積極的に呼応したのか、そのあたりも個人的に今一つ良く分からない。


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 『ベラルーシ実業新聞』のこちらのページに、CIS諸国の平均賃金を米ドルに換算してその推移を比較した図が掲載されていた。ありそうでない、便利な図なので、日本語を添えた上で転載させていただく。

 図は、2016年11月までの月別の推移を跡付けたもの。ちなみに、旧ソ連諸国では12月に賃金の未払い分などがまとめて支払われることが多いので、どの国も各年の12月の山が突出する形となっている(したがってインフレ率なども12月にピークを迎える)。2014年頃からロシア、カザフスタンといったCISの中では豊かな国でもドル換算賃金が低下しているのは、原油価格の低下とそれに起因する景気後退、為替下落によるものである。ウクライナは政変後に為替がドカンと落ち、かつて欧州最貧と呼ばれたモルドバを下回り、今や中央アジアの低開発国であるキルギスと肩を並べている。なお、最新の2016年11月の各国の平均賃金を、大きい順に並べると、以下のとおり。

  • ロシア:553ドル
  • カザフスタン:416ドル
  • アルメニア:378ドル
  • ベラルーシ:363ドル
  • アゼルバイジャン:302ドル
  • モルドバ:254ドル
  • キルギス:203ドル
  • ウクライナ:201ドル
  • タジキスタン:128ドル

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 こちらの記事などが伝えているとおり、ロシアでエリヴィラ・ナビウリナ中央銀行総裁が続投する方向となった。今般ナビウリナ総裁がプーチン大統領と面談した際に、大統領がナビウリナ氏再任の意向を示し、その人事を審議する下院も問題なく承認する見通しとなっている。ナビウリナ氏は経済発展大臣を経て、2013年6月24日から中銀総裁を務めており、本年2017年6月に任期が切れる。再任されたあかつきには、さらに5年を務めることになる。ナビウリナ氏は堅実な手腕で金融危機に対処し、また銀行システムを整理して銀行数を3分の1ほど削減した。こうした実績から、再任は理に適ったものであるとの評価がロシアではもっぱらとなっている。

 世界で最も保守的なロシア中央銀行と、最もアバンギャルドな日本銀行。中央銀行だけ、とっかえたいなあ。


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 こちらのサイトに、ドンバス紛争とオリガルヒのリナト・アフメトフ氏のかかわりについて論じた論考が掲載されているので、その要旨を以下のとおりまとめておく。

 ドネツィク人民共和国、ルハンシク人民共和国は、ウクライナ側によるドンバス封鎖の解除を求めていたが、期限として設けていた2月27日までに解除されなかったので、3月1日に在ドンバス企業に対する外部管理に踏み切った。ドネツィク人民共和国のトップであるザハルチェンコによれば、これまで企業がウクライナ側に納税していたのか、人民共和国側に納税していたのかを精査し、前者の場合には人民共和国への登記変更を行い人民共和国に納税する必要があるという。

 ドンバスの占領地には、アフメトフ氏のSCM傘下のDTEK、メトインヴェストに属す企業が47社所在する。メトインヴェスト系で主なものには、カリミウシケ(旧コムソモリシケ)鉱山管理局(上掲写真)、ハルツィシク鋼管工場、エナキエヴェ冶金工場がある。DTEKはドンバスに火力発電所複数を抱えている。ドンバス占領地にあるメトインヴェストの鉱山冶金企業は、年間15億ドルの輸出収入をもたらしているほか、ウクライナ本土の企業もその供給に依存している。たとえば、クラスノドンヴヒーリャからの石炭供給が途絶えると、ウクライナのコークス化学工場におけるコークス生産が年間100万t低下する。また、カリミウシケからの石灰の供給が止まると、マリウポリとザポリージャの製鉄所も被害を被る。ドンバス企業の停止によるメトインヴェストの外貨収入喪失額は年間24億ドルに、雇用の喪失は4.5万人に達する恐れがあるという。アフメトフが保有するウクルテレコムのドネツィク事務所も3月1日に事業を停止し、通話やネットアクセスの停止で20万人が影響を被る。2014年以来人道支援の拠点として用いられていたドンバス・アレーナも、封鎖された状態にある。

 紛争が始まって以来、両人民共和国の指導部とアフメトフがこれほど大掛かりに対立するのは、初めてのことである。アフメトフは過去3年、人民共和国とウクライナ政府の間でバランスを取ろうとし、最低でも自分の資産を守り、あわよくば両者の仲介役として株を上げようとした。しかし、すぐに関係は悪化し、アフメトフ派の人材が両人民共和国の要職から排除された。アフメトフに近いヴォストーク大隊のホダコウシキー司令官は、ザハルチェンコに敵対する立場に転じ、ドンバスをロシアに編入すべきという立場に転じているが、ドネツィク人民共和国指導部には入っていない。

 かくしてドネツィク人民共和国は実質的に、アフメトフとの間に形成されていた非公式な関係の見直しに着手した。これまでアフメトフはドンバス住民を支援し、地域を資金的に回す役割を担わざるをえなかったが、ここに来ての情勢緊迫化で、アフメトフ系の企業が非公式な形で地域を支え続けることが難しくなっている。人民共和国当局が、国有化はせず、外部管理に留めていることは、アフメトフが当地の資産を保全するために、彼により厳しい条件を押し付けていることを意味する。妥協の余地がある反面、アフメトフが企業に対する管理を完全に失うリスクもある。ドネツィク人民共和国側もフリーハンドではなく、アフメトフの企業が供給する原料に依存しており、生産の全面的停止、社会破綻の脅威がある。ロシアから原料を調達する構えも見せているが、それには時間がかかりすぎ、制裁の対象になりかねないためロシア企業が供給に応じるとは思えず、これは脅しの試みだろう。ロシア市場を製品の販路にできるとも思えない。

 ロシア側では、両人民共和国の独立を承認する問題が取り沙汰されることが増えてきている。仮にそうなれば、2008年にアブハジアおよび南オセチアでやったのと同じシナリオになるが、実際にはロシアはドンバスについては最初から沿ドニエストル・シナリオを選んでいたように思われる。ロシアがドンバスの独立を認めると、ウクライナの対外政策の手足を縛る圧力のテコを失ってしまう。ドンバスが独立すれば、ウクライナは地政学的により一層西側一辺倒の国になってしまい、それはロシアの利益にそぐわないし、ミンスク合意が最終的に破綻し、西側がロシア包囲網をより一層強めることになりかねない。


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 ウクライナで、本土とドンバス占領地の鉄道輸送が遮断されていた問題は、こちらに見るとおり、3月15日のウクライナ国家安全保障・国防会議において、境界線の貨物通過を停止する旨の決定が正式に下された。こちらのサイトで、ドンバス封鎖問題につき、ロシアの有識者がコメントしているので、その要旨を以下のとおり紹介する。上級経済学校国民研究大学世界政治経済学部のアンドレイ・スズダリツェフ副学長(写真)のコメントである。

 ウクライナ政権がドンバスを経済・輸送面から封鎖することを決めてから、ドンバスは苦境に立たされるだろう。ドンバス経済の一部は、ウクライナとの関係を保っていた。たとえばエナキエヴェ冶金工場は、石炭はドンバス産、鉄鉱石はウクライナ本土のクリヴィーリフ産であり、こうした事例は数多い。占領地とウクライナ本土で境界線が引かれていても、砲撃を受けたり、オーナーが放棄したりした企業以外は、ドンバス企業は生産を停止しなかった。

 ドンバスの人々は、少ないながらも、賃金を受け取っていた、ルハンシク、ドネツィク当局も、企業が稼働し、住民が安定的な所得を得ることを重視し、税収を得るよりも賃金を優先していた。ウクライナ側も、ドンバス産の石炭、原料、半製品に対しては旺盛な需要があり、ウクライナ全土の冶金産業にとってドンバスが大きな役割を果たしていた。ウクライナは石炭供給の問題をドンバスなしでは解決できず、ロシアを含む他国から輸入せざるをえなくなる。

 ウクライナや、一部のロシアマスコミも誤って伝えているが、ドネツィクおよびルハンシクの両人民共和国は、企業を国有化したわけではなく、外部管理下に置いただけであり、ましてや企業が閉鎖されるわけではない。外部管理を敷いたのは、企業を稼働させたいからであり、すでに外部管理導入から数週間経っているが、一部の企業は完全にではないにせよ稼働を続けており、一部は停止した。

 ドネツィクおよびルハンシクの両人民共和国は、ロシア市場を当てにしている。客観的に言っても、ドンバス経済はロシアに対して競争力がある。ロシアにとってドンバスの産業の面倒を見るのは荷が重いが、これらの地域を支援しなければならないので、他に方法はない。

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 今日のロシアで経済政策の柱となっている輸入代替について、ロシア政府機関紙『ロシア新聞』の2016年12月15日号の別冊付録で特集が組まれた。こちらでPDF版を閲覧可能である。

 その中で、上図に見るように、ロシアの製造業部門ごとの輸入浸透率(ロシアの国内消費に占める輸入品への依存比率)を、2014年と2016年1~9月とで比較しまとめたグラフが掲載されていたので、これを紹介したい。なお、原典では棒グラフとデータラベルとの間に明らかに矛盾が散見されたので、そうした場合にはグラフの方を優先し、グラフを判読してデータラベルを修正した。

 図から一目瞭然のように、あらゆる製造業部門で、輸入浸透率が低下しており、すなわちそれだけ国産品の比率、輸入代替が進展したということになる。しかし、それがロシア政府の政策的取り組みの成果なのか、それとも単にルーブル安で輸入が抑制されただけなのかということに関しては、慎重な評価が必要だろう。


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