服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

カテゴリ: ロシア

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 これは先週明らかになった、かなり大きな経済ニュース。こちらなどが伝えるところによると、中国系のアリババ・ルグープはロシア資本と合弁企業AliExpress Russiaを創設し、ロシアにおけるネット通販AliExpressの事業を同合弁に委ねることになった。AliExpressだけでなく、B2CのTmallなどもその傘下に入る。AliExpress Russiaの株式比率は、アリババ・ルグープ48%、ロシア通信大手のMegaFonが24%、ロシア・ネットサービス大手のMail.Ru Groupが15%、ロシア直接投資基金が13%となる。

 なお、これに至るまでの背景については、しばらく前に書いた拙稿「ロシアにとって踏んだり蹴ったりな中国アリババのネット通販」を参照していただきたい。要するに、ロシア側が、「我が国で商売をするなら、応分の投資と利益配分をしろ」と迫り、アリババがそれに歩み寄ったということなのだと思う。


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 こちらの記事によると、ロシアのトルトネフ副首相・極東連邦管区大統領全権代表は、極東経済フォーラムの方式をリニューアルすることを提唱した。トルトネフがプーチン大統領にその旨を要請したところ、プーチン大統領も了承し、来年2019年から刷新されるということである。具体的には、行事の数を減らすこと、極東開発の重要問題にテーマを絞ること、セッションの結果についてモデレーターがプーチン大統領に報告すること、などが変更内容だという。


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 我々ロシア界隈の人間にとっては、見逃せない映画がこのほど日本でも公開された。ロシアを中心にドイツ、リトアニア、ポーランドも加わって国際制作された作品『ヒトラーと戦った22日間』である。公式HPはこちら。作品の概要を引用させていただくと、

 第2次世界大戦下にナチスが建設したアウシュビッツと並ぶ絶滅収容所ソビボルで起こった脱出劇を、実話をベースに描いたドラマ。国籍、貧富などは関係なく、ユダヤ人たちがガス室で大量殺りくされていったソビボル絶滅収容所。からくも存命しているユダヤ人たちの間では、密かに脱走を計画するグループがあったが、彼らにはその計画を牽引するためのリーダーが存在しなかった。そんな中、1943年9月、ソ連の軍人アレクサンドル・ペチェルスキーが収容者としてソビボルに送り込まれる。ペチェルスキーの統率能力とカリスマ性によって、収容者全員脱出を目指す壮大な反乱計画が本格的に動き出す。ロシアの国民的俳優コンスタンチン・ハベンスキーが自らの脚本で初メガホンをとり、映画監督デビュー。同時にペチェルスキー役で主演も務めた。「ハイランダー」シリーズのクリストファー・ランバート、「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャンスカ、「バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍」のマリア・コジェーブニコワらが顔をそろえる。

 というものである。私自身は、旧ソ連の中でもユダヤ人口の多かった西寄りの欧州ロシア、ウクライナ、ベラルーシのことを主に研究しており、また同地域出身で米国にわたり音楽業界で成功したユダヤ人のことを調べるのが趣味なので、個人的に非常に身近なテーマである。しかし、ロシアの映画でナチス・ドイツのユダヤ人収容所を描いた作品はほとんど前例がないそうで、私自身もこの作品から受けたインパクトは非常に大きかった。

 ところで、私は映画を観る時にはなるべくネタバレしないように、余計な予備知識を持たないまま作品と向き合うようにしている。しかし、この『ヒトラーと戦った22日間』に限っては、ある程度の予習をした方がいいのではないかと感じた。現に、映画を観た段階では、理解し切れないところがあり、後からパンフレットを読んで、「なるほど、そういうことだったのか」と合点が行った点が少なくなかったからだ。

 ちなみに、映画の原題は、ロシア語でも英語でも『ソビボル』である。個人的には、ヒトラー自身は一切登場しないわけだし、『ヒトラーと戦った22日間』という邦題よりも、素直に『ソビボル』または『ソビボル絶滅収容所』のままでよかったのではないかという気がする。


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 日ロ関係が終わったっぽいが、その話題に触れるのは面倒なので無視して別の話をすると、こちらおよびこちらの記事によれば、東方経済フォーラムの席でロシアのオレーシキン経済発展相は、ロシア・ルーブルの適正レートについて発言した。直近では1ドル=69ルーブル程度となっているが、財務省による外貨買入がなく、油価がバレル78ドルという条件では、1ドル=50ルーブル程度が均衡レートであろうと、オレーシキン大臣は述べた。オレーシキン大臣によると、足下のルーブル安はロシアからの資本の短期的な逃避によるものであり、それが収束すれば、為替も反転する。中期・長期的なレートの見通しは1ドル=63~64ドルとなっているが、それを修正する理由は一つも見当たらない。ロシアの経常収支は力強く、財政収支はGDPの1%のプラスで、対外債務も軽微だと、大臣は指摘した。


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 こちらの記事によると、このほどロシアでようやくポケモンGOが解禁された。主要国では2016年夏にローンチされていたが、ロシアでは2年遅れでようやくこのゲームにアクセスできるようになった。これまでもロシアのユーザーは非公式サイトでダウンロードして同ゲームを楽しんでいたが、9月11日朝からロシア版のAppStoreおよびGoogle Playで正式にポケモンGOのアプリをダウンロードできるようになった。ただし、本件につき開発元のNiantic Labsは公式な発表を行っておらず、RIAノーヴォスチの問い合わせにも応じていない。


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 こちらの記事などによると、現在、ロシア政府は「空間的発展戦略」という国土開発のコンセプトを策定中であるが、経済発展省の起草した案によれば、国土を14のマクロリージョンに区分するという方針が打ち出されている。これは、今日すでに存在する連邦管区のような行政区分とは異なり、実際に生じている経済・社会的繋がりを重視するもので、その枠内でのより緊密な関係構築を目指そうという方向性である。草案は9月に内閣に提出され、11月には採択の運びとなる予定。しかし、シベリア連邦管区大統領全権代表などは、シベリアを複数に分割するという草案に反対し、シベリアは一体の存在として残すべきだと主張するなど、原案どおり承認されるかはまだ不透明である。提案されている14のマクロリージョンは、以下のとおり。

  1. 中央
  2. 中央・黒土
  3. 北西
  4. 北カフカス
  5. ヴォルガ・カマ
  6. ヴォルガ・ウラル
  7. ウラル
  8. 西シベリア
  9. 南シベリア
  10. エニセイ
  11. バイカル
  12. 極東

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 当ブログではフォローが遅れてしまったが、先日ロシアのベロウソフ大統領補佐官が、冶金、化学部門の大企業は輸出で膨大な超過利潤を得ているので、それらに対する大掛かりな課税を行うべきだと提案する動きがあった。それに関し、『プロフィール』誌のこちらのページに解説・論評記事が掲載されているので、一部を抄訳しておく。

 先日、大統領補佐官のベロウソフが、プーチン大統領に提出した書簡の内容が明らかになった。この文書は、冶金、化学、肥料メーカーへの課税を引き上げる内容で、具体的にはノヴォリペツク冶金コンビナート、セヴェルスターリ、マグニトゴルスク冶金コンビナート、メチェル、メタロインヴェスト、エヴラズ、ノリリスクニッケル、SUEK、アルロサ、ポリュス、フォスアグロ、ウラルカリ、アクロン、シブールが対象とされている。

 ベロウソフは、これらの企業の税負担は石油ガス部門に比べ低く、追加的に5,000億ルーブル(75億ドル)支払っても痛みはない、と主張している。

 ロシア産業・企業家同盟では、製造業部門と鉱業部門の売上・納税を対比するのは不適切だと反論。たとえば、化学・石化部門であれば、5つかそれ以上の技術的工程があるのが普通で、それにより原料よりも数倍高い製品が生まれる。しかも、ベロウソフの使用している企業財務データは、会社自身の財務報告と合わないと、同同盟では指摘する。

 セヴェルスターリのモルダショフ社長は、マントゥロフ産業・商業相に対し次のように訴えた。くだんの追加課税がなされれば、同社は投資プログラムを一時停止するだけでなく、縮小せざるをえなくなる。同社では過去10年で3,000億ルーブルを投資に向けてきたが、巨額の投資減を迫られることになるだろう。鉄鋼業と石油採掘を同列に比較するのは無理であり、石油採掘が国民財産である石油資源に依拠しており、しかも石油採掘では付加価値の要因が小さく、だからこそ同部門では課税額が大きくなっている。一方、鉄鋼業の売上では付加価値の割合が大きく、それは労働生産性の向上とコスト削減のための技術近代化によって達成されるものだ。今回のベロウソフの提案は、生産近代化、労働生産性向上への意欲を殺ぐことになり、冶金産業だけでなくロシア経済全体が不利益を被る。モルダショフはこのように主張する。

 これに対し、アリパリ社のアナリストであるトカチュークによれば、冶金および化学部門の超過利潤に対する増税の問題は以前から議論されている。これら部門の税負担率が7~9%であるのに対し、石油ガス部門では20~30%に及ぶ。ロシアではこれまでの経緯で主に石油ガス部門が税負担を引き受けてきたが、現在のロシアは困難な情勢で、課税負担をより多くの企業・市民が担うべき時である。石油ガスに次ぐ規模を誇るのが冶金なので、次に負担を負うのが冶金部門になるのは理に適っている。これまで様々な案が検討され実現しなかったが、ベロウソフ案は選択肢の一つだ。しかも、提案の対象は大企業だけで、中小企業は影響を受けず、課税は財政歳入と5月大統領令の実施に充てられるわけで、理に適っている。ベロウソフの提案している課税規模は吸収可能であり、現にリストにある企業の2015年のEBITDAは1.5兆ルーブルと膨大な額に上っている。ただし、ベロウソフは売上、課税率、EBITDAという3つの指標のみで課税すべき規模を算出しており、それだと効率の良い会社ほど多く納税すべきだということになってしまい、矛盾をはらんでいることは事実である。冶金企業にとってみれば、欧米の制裁と増税のダブルパンチである。あるいは政権側はこの案をリークして、経済界や社会の反応を見ているのかもしれない。今後議論となるだろうが、課税するにしても最終的にはその規模が縮小する可能性はある。トカチュークはこのような見方を示した。


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cu

 国際的なブレント石油価格と、ロシア通貨ルーブルの対米ドル・レートを対比して示すこの図は、『調査月報』に掲載するため毎月更新しているものだが、前回が合併号だったので今月末のまとめ作業がなく、代わりにここに掲載する次第である。

 一目瞭然のように、2018年第1四半期くらいまでは、ルーブル・レートはほぼ油価に連動していた。それが、4月頃から乖離が激しくなり、石油が高くなってもルーブルが下がるという異変が生じた。まあ、これは、米国が出口戦略で利上げに転じ、新興国から米国への資金の還流が生じたことの一環と思われる。その後、米国を軸とした貿易戦争や、トランプ米政権による対ロシア追加制裁などが重なり、ロシア・リスクオフの動きからルーブルはさらに弱含んだ。さらに、8月に入ると、米国によるさらなるロシア制裁の動き、クレディスイスがロシア資産を凍結したとの報道、トルコ・リラ危機のあおりなどを受け、ルーブルは大きく下落した。

 ちなみに、私は本日からロシア・ジョージア・ウクライナに調査出張に出かける。いずれも直近で通貨が下落している国であり、旅行者はプチ王侯貴族気分を味わえるだろうか?


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 ロシアW杯では3万人を超えるボランティアが大会の運営を大いに盛り立てたが、こちらの記事によれば、大会終了後、一部でそのユニがネットなどで売りに出されるという現象が見られるということである。ボランティア自体は報酬なしの奉仕活動なので、この記事では、「せめて少しでもマネタイズしようとしたのか」といった調子で伝えている。

 今大会では、一般客と区別するために、市内、ファンゾーン、プレスセンターのボランティアには青系のコスチュームが、スタジアムおよびその周囲のボランティアには赤系のコスチュームが配布された。ボランティアになると、各人のサイズに合うズボン、Tシャツ、パーカー、雨合羽、キャップ、リュック、シューズ入れ、カバンのセットを無料でもらえ、それらは一生の思い出になるとうたわれていた。ところが、大会終了後に、それらのセットが、安いところでは4,000ルーブル、高いところでは4万ルーブルほどで売りに出されている。なお、ボランティアに関する規定には、グッズを販売してはいけないという項目は存在しない。


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kala

 こちらの記事で知ったのだが、自動小銃で有名なロシアの兵器メーカー「カラシニコフ」がこのほど、モスクワで開催されている武器展示会で、同社が開発した電気自動車を発表したということである。

 カラシニコフ社自身の発表は、こちらのサイトになるのかな。それで、このモデルで興味深いのは、電気自動車で想像する近未来的な姿ではなく、あえてレトロなデザインに訴求していることである。1973年から1997年にかけてイジェフスク自動車工場で生産されたIZh-2125というモデルがあり、翻ってそれはモスクヴィッチ-412をベースとしていたのだが、今回のカラシニコフの電気自動車は外観はIZh-2125を踏襲しているということのようだ。


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 こちらの記事によると、英国で起きたロシアの元スパイ親子への襲撃事件を理由とした米国による新たな対ロシア制裁措置は、当初は8月22日に公布され発効すると見られていたが、米国務省によれば、27日になる見通しになったということである。この措置は8月8日に米国が発表したもので、その第一弾として、汎用製品の対ロシア供給を禁止する。第二弾の措置はより厳しいもので、ロシア企業への信用供与、輸出入にかかわるものであり、また外交レベルを引き下げることも含み、こちらは11月に導入される見通しである。


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most

 ロシアが、ロシア本土とクリミア半島を結ぶために建設している橋を、これまで私は「ケルチ海峡大橋」と呼んでいたのだが、正式な名前は「クリミア橋」であることを、今般遅れ馳せながら知った。こちらに見るとおり、橋の公式HPがあり、そこでも「クリミア橋」となっている。それにしてもインターネットのドメインで「life」などというのは、個人的に初めて見た。ふざけたことに、公式HPにはお土産コーナーもあり、商品をネット注文できるようになっている。下に見るように、大して可愛くもない(というかむしろ気持ち悪い)ネコが、「ハッシー君」といった感じの橋のイメージキャラクターになっているようだ。

Tetrad_kot

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 こちらの記事が、米国による制裁がロシアの2人のオリガルヒ、デリパスカ、ヴェクセリベルグの資産にどのような打撃を与えたかということを伝えている。マンデルカー米財務次官が明らかにした数字である。これによれば、4月に米国の制裁リストに加えられたことにより、デリパスカの個人資産はほぼ半減した(注:具体的な金額については言及なし)。また、ヴェクセリベルグの個人資産は、4月5日時点の164億ドルから、7月26日時点の135億ドルへと、30億ドル近く低下している、ということである。


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 こちらの記事によると、ロシア・アルミ大手のルサール社は、これまで United Company Rusal Plc (UC Rusal)という社名でオフショアのジャージー島に登記されていたが、8月16日に開催された取締役会で、ロシアに登記を変更する方針を決めた。同社では、登記の変更が、会社自体だけでなく、株主にとっても利益になると判断した、と説明している。具体的なスキームについては今後詳細を詰め、必要に応じて独禁当局とも協議することになる。なおルサール社については、6月初めにロシア政府筋が、創設が計画されているカリーニングラード州オクチャブリスキー島、沿海地方ルースキー島のいずれかの特別行政区域に登記される可能性があるとの見通しを示していた。


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 ロシア・ウラル地方のスヴェルドロフスク州には「チタンバレー」という経済特区があるが、こちらの記事によると、スヴェルドロフスク州当局は州都エカテリンブルグの近郊のスィセルチ地区に同特区の新区画を設けることを希望しており、このほどロシア連邦政府がそれを支持したということである。新区画には、マイクロエレクトロニクス、機械、工作機械、航空機および同部品、医療機器関連の企業を誘致する方針。2027年までに100憶ルーブルの投資を誘致し、少なくとも1,268人分の雇用が創出され、生産高は1,400億ルーブル、納税額は70億ルーブルを超えることが想定されている。

 なお、スヴェルドロフスク州知事は、特区の新区画においてL-410航空機の生産を組織すると発言している。この飛行機のことを知らなかったので、調べたところ、チェコスロバキア製の旧型機ということらしい。こんな年代物の飛行機をわざわざこれから生産しようというのだろうか? 何らかのアップデートでもされたのか?

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 私は、ロシアの輸出促進政策のことを研究しており、今般「ロシアの非原料・非エネルギー輸出促進策」というレポートを発表したりしている。

 それで、こちらの記事で、ロシア輸出センターの総裁の発言を引用する形で、ロシアの輸出政策の最新の動向が伝えられているので、その要旨をまとめておく。記事によると、現在ロシアは一連の「ナショナルプロジェクト」の最終案を策定中で、それを8月15日までに取りまとめることになっている。その一つが、「国際協業と輸出」と題するナショナルプロジェクトである。同プロジェクトは連邦レベルの5本のプロジェクトから成り、具体的には、①鉱工業輸出、②農業・食品輸出、③サービス輸出、④貿易のロジスティクス、⑤国際協業と輸出の体系的な支援策、である。目標を達成するために、ロシア輸出センターは、産業・商業省、経済発展省、農業省、運輸省をはじめとする省庁と協力しながら、一連の措置を実施する。たとえば、貿易における行政手続き・障壁を軽減する、一例として輸出ライセンスや外貨管理に関連する過剰な必要事項を廃止することなどがある。また、2021年までに貿易参加者と国家機関の協業を組織し、ワンストップ窓口を作り、管理当局の介入を最小にする。また、ロジ・インフラを改善し、ロシア通商代表部を近代化し、ロシア製品を外国にプロモートする一体的な制度を構築し、輸出の金融・非金融の効果的な制度を作り上げる。

 以上が記事の中で総裁が述べている要旨だが、国際協調に努め、不毛な制裁合戦をやめることこそ、本当の輸出促進策ではないだろうか。


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 こちらの記事によると、ロシア天然資源・環境省はこのほど、小売りチェーンにおけるレジ袋の使用を廃止することに前向きな立場を示した。同省では、包装のかなりの部分をチェーン店のレジ袋が占めており、それらは使用後にすぐに捨てられてしまうので、同省としてはプラスチックごみの削減に向けた提案は歓迎する、レジ袋の削減は疑いなく前向きな一歩であり、しかも紙袋やトートバッグなど代わりのものはある、などと指摘した。これに先立っては、小売企業協会に加入する一連の大手企業が、レジ袋の廃止につき討議していた経緯があった(ただし現時点では消極的な企業も多い)。また、2017年10月には、自然保護・環境担当の大統領特使であるS.イヴァノフが、レジ袋に環境税を課し、紙袋の生産を支援すべきだとの考えを示していた。


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 こちらの記事が、クリミア発展プログラムの動向について伝えている。これによると、ロシア連邦政府は2014年8月、「2020年までのクリミア・セヴァストポリ社会経済発展連邦特定プログラム」を採択した。その総額は8,370億ルーブルであり、うち連邦財政が7,910億ルーブル、クリミアおよびセヴァストポリ財政が159億ルーブル、予算外の財源が301億ルーブルという内訳だった。プログラムでは663件の措置を盛り込み、うち220が社会分野、95がエンジニアリング、64が交通インフラ、14がエネルギー関連であった。2018年には750億ルーブルの予算が計上されている。1~7月の時点で、すでに284億ルーブルが消化されており、これは前年同期の消化額を2.7倍も上回る。

 なお、こちらの記事がプログラムの概要について伝えており、上の図はその記事からとったものである。


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 こちらのサイトに見るように、ロシアではプーチン大統領が8月3日に税制改正法に署名し、付加価値税の税率が現行の18%から2019年1月1日に20%へと引き上げられることが、正式に決定した。

 ただし、ロシアの付加価値税には、一部品目に軽減税率が設けられている。こちらの記事によると、教育・学術・文化にかかわる出版物(その生産・販売)の税率は、従来から10%の優遇税率であり、今回もそれが保持されることになったということである。これを受け、連邦出版・マスコミ庁のM.セスラヴィンスキー長官は、我が国の出版点数は米・中・英に次いで世界で4位である、こうした出版業の発展を可能にしているのは国の優遇策に他ならないと述べ、今回の軽減税率継続を歓迎した。


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 私は、自分のやっている雑誌に載せるために、上掲のようなグラフを毎月更新している。それで、今週になって、ルーブルは急落した。中銀の公定レートで跡付けるならば、8月9日が1ドル=63.6ルーブルだったものが、10日には66.3ルーブルに急落し、11日も66.9ルーブルとなっている。

 ロシア中銀は世界一保守的で素晴らしい中央銀行であり(常々、中央銀行だけは日本とロシアで交換したいと個人的に思っている)、現在は為替への人為的な介入は基本的に行っていない。しかし、こちらの記事によると、今回の急落に対しては、ロシアの通貨・金融当局も対応策をとる構えということである。9日にはシルアノフ第一副首相・蔵相が、中銀と財務省は市場を注視しており、金融市場の安定性に脅威が生じた際には対応策ととるつもりであると発言。10日には中銀が声明を発表し、今回のルーブル・レートの動揺は制裁についてのニュースに起因するものであり、通常こうした出来事は一過性のものにすぎず、市場には輸出企業の輸出収益のドルが供給されルーブルを支えている、などと指摘した。中銀は、国内市場における外貨の購入量を、予定よりも引き下げる措置をすでにとっており、単に方針の表明ではなく行動に着手している、ということである。


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 こちらおよびこちらの記事が伝えるところによると、ウクライナ鉄道はこのほど、もしも政府がその旨の決定を下せば、ロシアとの間の鉄道便を廃止する用意があるということをマスコミに表明した。もっとも、両国間の鉄道旅客輸送は年々低下しており、2017年の旅客数は90万人で(注:記事の書き振りからは両方向なのか、ウクライナ→ロシア方向だけなのかが判別できない)、これは2013年と比べると5分の1の水準である。2018年1~7月の実績も45.4万人であり、前年同期比16.4%減であった。現時点でロシア~ウクライナ間では13便の列車が運行されており、政変前と比べて数分の1の数である。うち8便をウクライナ鉄道が、3便をモルドバ鉄道が、1便をロシア鉄道が、1便をアゼルバイジャン鉄道が運行している。ウクライナ鉄道にとって2017年に最も収益が挙がったのはキエフ~モスクワ便で、600万ドルの収益をもたらした。


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