ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け。

カテゴリ: その他の国

201906

 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2019年6月号の中身を、どこよりも早くご紹介。令和最初の号ですが、毎年6月号は、ロシア以外のNIS諸国をまとめて詳しく取り上げることが恒例となっており、今回もNIS総論特集となっております。その際に、ここ1年あまりの間に、NIS諸国は重要な選挙があったり、大統領・首相が代わったりしているところが多いので、その点に着目して「特集◆転換点に差し掛かるNIS諸国」と題してお届けしております。それにしても、3月にナザルバエフ・カザフスタン大統領が突然「終活」を始めたのには驚きましたが、今回、宇山智彦先生にご寄稿いただいた論考は、この問題に関する決定版とも言うべき考察になっております。

 私自身は、「2019ウクライナ大統領選挙の顛末 ―異例の政権交代はなぜ起きたのか」、「第4期プーチン政権下の政策進捗状況」というレポートを書いたほか、2018年のロシア・NIS諸国全般、ウクライナ、ジョージアの経済パフォーマンスについてのレビューを執筆。

 本来の発行日は5月20日ですが、今号は大型連休のしわ寄せで、4~5日ほど遅れることになりそうです。ご容赦ください。


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 こちらのサイトで、アゼルバイジャンの非石油部門の実質経済成長率というグラフが目に留まった。一般に産油国というのは、石油以外の産業も育てて経済を多角化しようとするものだが、アゼルバイジャンはすでに石油の生産がピークを過ぎたと見られるだけに、他の産油国以上に他産業の育成が急務である。しかし、現実には非石油部門の成長率は上図・下記のように推移しており、力強い成長とは言えない。

2014年:6.5%
2015年:1.0%
2016年:▲5.0%
2017年:2.8%
2018年:2.1%
2019年予測:2.8%

 これを見て浮き彫りとなるのは、アゼルバイジャンでは非石油部門が自律的に発展を遂げるというよりは、同部門もまた石油部門の好不調に左右されて浮き沈みしているということである。石油価格が底だった2016年には、非石油部門も5.0%のマイナスを記録した。これはつまり、アゼルバイジャンにおいては、石油部門がドナーとなって、同部門の収益が他部門に(主に政治的な裁量によって)投資されるという構図があるからだと考えられる。むろん、石油部門が他部門にとっての需要を創出するという側面もあるだろう。石油部門が衰退しても大丈夫なように他部門を育成したいのに、実際には石油がコケると他部門もコケるという、悩ましい状況にある。


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20180417

 深い意味はないのだけれど、IMFのデータにもとづき、最新の2018年のロシア・NIS諸国の国民1人当たりGDPを比較したグラフを作ってみたので、お目にかける。

 気付きの点としては、一時ロシアがカザフスタンを下回るような局面があったのだけれど、ロシアがだいぶ盛り返し、カザフスタンを抜いて再びこのエリアのトップに立った。ロシア・ルーブルがある程度持ち直したことが大きいだろう。

 アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージアの南コーカサス3国は、国としての方向性がかなり異なっているが、結果的にだいたい同じくらいの経済水準だというのが面白い。

 ウクライナが、モルドバをも下回り、欧州最貧という位置付けとなっている。実際にウクライナに行ってみると、そんなに身なりは悪くなく、高級自動車なども走っているわけだが、今や国外出稼ぎ労働が外貨の稼ぎ頭のようになっており、出稼ぎ収入はGDPには計上されないので(GNPにはされる)、それほど極貧ではないのに統計上の国民所得は伸びないということになる。

 今回最も目を引いたのは、ウズベキスタンであり、何とキルギスを下回ってしまった。ウズベキスタンは直近の経済パフォーマンスが悪いわけではないのだが、為替の自由化が通貨安に繋がり、ドル換算のGDPが急激に低下してしまったものだろう。


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 大丸東京店の「世界の酒とチーズフェスティバル」で、モルドバ、ジョージア、アルメニアのワインが展示されていたので、見に行ってきました。動画でレポートします。


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 このほど世銀は、2018年の世界各国のレミッタンス、すなわち国外での出稼ぎ等による外国からの個人送金額の推計値を発表した。データはこちらのページからダウンロードできる。概況に関する解説はこちらのページに出ている。

 この統計を使って、上表のとおり、私の関心地域であるロシア・NIS諸国のデータをまとめてみた。ロシア・NIS圏において、国外出稼ぎ労働は、エネルギー等の資源を持たざる国の現象と言える。世銀の解説では、2018年にウクライナのレミッタンス受入が特に大きく伸びたことを強調している。労働移民を受け入れる側のロシアの経済が一定の回復を果たしたことが、周辺諸国のレミッタンス受入額を拡大させる結果となったが、ウクライナの場合には、統計の方法論を変更したことも額が拡大した一因だという。

 下の図には、2018年のレミッタンス受入額がGDPの10%を超えている国を整理した。NIS諸国の部分を濃い赤で塗っており、特にキルギスやタジキスタンは世界屈指の出稼ぎ依存国であることが分かる。

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 必ずしも私の主たる研究エリアではないが、こちらの記事が、中国~キルギス~ウズベキスタンというルートの鉄道路線プロジェクトについて、キルギスの視点から伝えている。記事の大意はざっと以下のとおり。

 キルギス領を通過して中国とウズベキスタンを鉄道で結ぶという構想は1990年代半ばからあり、いくつかのルート案が検討された結果、上掲の地図のようなルートが選択され、2006年にキルギス政府も承認した。新たな路線は全長268kmで、山岳地帯ゆえに難工事が予想される。問題は、このルートにはキルギス自身にとってのメリットがなく、キルギスの貨物は輸送容量の5%程度にしかならず、どちらかというと中国とウズベキスタンの利益に奉仕する格好になることである。現在、キルギスにある鉄道路線は、カザフスタンおよびウズベキスタンと繋がる行き止まりの路線しかなく、国全体を結ぶような鉄道網が存在していない。キルギスにとっては、欧州化された北部と、伝統的でウズベク系住民が多く急速にイスラム化している南部との相克があり、国家的統合のためには国土を南北に繋ぐ鉄道の敷設が喫緊なのだが、そうした鉄道には逆に中国やウズベキスタンは興味を示さない。他方、中国は中国~キルギス~ウズベキスタン鉄道の敷設につき、中国と同じ狭軌を用いることを主張しており、それでは旧ソ連の広軌と併存し、新たな車両の導入などの負担が発生するので、キルギス、ウズベキスタン側は難色を示している。こうしたことから、キルギスはプロジェクトにロシアが参加してくれることを希望している。このほど開かれたキルギス・ロシアの政府間会合で、キルギス側がロシアに提案し、ロシアも前向きな姿勢を示した。ロシアにとっても、中国とウズベキスタンの主導するこのルートの建設は、ロシアの地政学的、軍事戦略的、経済的利益に反する。以上が記事の大意である。


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 オーストラリアが豊かな国だということについて、異論はないだろう。1人当たりのGDPの数字を見ると、だいたい世界で10位前後に位置付けられることが多く、日本をはじめとする下手なG7国よりも所得が高い。

 ただ、個人的には、素朴な疑問をずっと抱えていた。オーストラリアの輸出産業で有名なのは、穀物、石炭、鉄鉱石など。つまり、一般論としては付加価値が高いとは言えない一次産品が主力であり、産業構造としてはウクライナあたりとそっくりに思える。それなのに、ウクライナは欧州最貧レベルで、オーストラリアが豊かなのは、一体なぜなのか? そのような疑問を覚えていたのだ。

 それで、先日ある会合で、駐日オーストラリア大使館で商務官を務めている日本人の方と同席する機会があった。そこで、年来の質問をぶつけてみた。その方いわく、確かにオーストラリアは地理的・気候的な条件から一次産品に恵まれた「幸運な国」である。他方、製造業などはほとんど存立していない。ただ、オーストラリアの場合には、一次産品の上にあぐらをかくのではなく、経済を高度化させている。実はGDPの9割はサービス産業になっている。それゆえに、たとえば一次産品の価格が変動しても、それに左右される度合いは相対的に小さい、ということだった。


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 11月28日にジョージア大統領選の決選投票が行われ、女性候補のズラビシヴィリが59.5%を得票、40.5%に留まったヴァシャーゼに勝利して当選を果たした。投票率は56.2%だった。昨日のアゾフ海をめぐる問題と同様に、本件についても1ヵ月ほど前に講演で取り上げたので、その際にまとめたことをここにリサイクルさせていただく。

 そもそも、理解しておくべき重要な点がある。ジョージアでは2017年に憲法改正があり、新大統領が就任した時点でそれが発効する。大統領は実質的な権限がなくなり、完全な議院内閣制になる(大統領に残される権限で重要なのは恩赦程度)。大統領が国民の直接選挙で選出されるのは今回が最後で、2024年からは間接選挙に移行する。

 10月28日の第1回投票の結果、投票率は46.7%で、①ズラビシヴィリ:38.7%、②ヴァシャーゼ:37.7%、③バクラーゼ:11.0%などとなった。上位2名による決選投票にもつれ込んだ。

 今日のジョージアの政治体制は、2013年11月にサーカシヴィリ大統領が下野し、イヴァニシヴィリ氏率いる「ジョージアの夢」が「民主ジョージア」とともに権力を掌握して成立したもの。急進的すぎるサーカシヴィリ政権の手法への反発が強まった結果だった。イヴァニシヴィリはロシアの銀行業や冶金産業で財を成したジョージア随一の富豪。

 今回の大統領選で、与党の「ジョージアの夢」および「民主ジョージア」は、自前の候補は出さず、「無所属候補のズラビシヴィリを支援する」というスタンス。ただ、ズラビシヴィリは2016年の議会選でも与党の支援を受け小選挙区で勝利した経緯があり、「無所属」とは名ばかり。与党の狙いは、野党「国民運動」の大統領候補を勝たせないという点にある。野党候補(サーカシヴィリ時代の2008~2012年に外相を務めたヴァシャーゼ)が勝ち、2020年の議会選に影響したり、サーカシヴィリ元大統領に恩赦が与えられ同氏がジョージアに帰還したりすることを恐れている。

 新大統領に当選したのは、ズラビシヴィリ女史。1952年生まれの66歳。ジョージアからフランスに移住した移民の2世だったが、駐ジョージア・フランス大使を務めていた2004年、当時のサーカシヴィリ大統領に乞われ、シラク仏大統領の了解を得た上で、ジョージア外相に就任。しかし、サーカシヴィリ大統領と袂を分かち、わずか1年半ほどで解任され、以降は反政府側に回った。2013年の大統領選も出馬の可能性を探ったが、フランスとの二重国籍がネックとなり断念、今回の大統領選にはフランス国籍を放棄して臨んだ。

 ジョージアの主要政治勢力は、いずれも、EUとの連携を軸とした改革を志向している。その意味では、選挙結果によって、国の方向が大きく変わることはない。ただ、ズラビシヴィリが勝利した場合には、「ジョージアの夢」を中心とする権力構造が続いて安定し、ロシアとの一層の関係修復も期待できるのに対し、ヴァシャーゼが勝つと権力闘争が激化し、対ロ関係の改善という期待が遠のく、といった指摘があった。


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 昨日に引き続き、報告会「ウクライナとジョージアの最新情勢」用に準備した資料の中から、一部をお目にかけることにする。これまで個人的にジョージアの貿易データを分析したことなどなかったが、今回初めてそのデータを整理してみて、色々と認識を新たにさせられるところがあった。特に、ジョージアと言えばワインが名産ということで、ワインの輸出先を示した上掲のようなグラフを作成してみた。

 かつては、ロシアをはじめとする旧ソ連が、ジョージア・ワインの輸出先のほとんどを占めていた。ところが、ジョージアがロシアから離れEUへの接近を見せたことを受け、2000年代にロシアはジョージアのワインが衛生・品質基準を満たしていないとして輸入禁止措置を採り、ついには2008年のジョージア・ロシアの戦争が勃発し、ロシアへのワイン輸出は完全に途絶えていた。

 しかし、上掲のグラフに見るとおり、2013年にロシアがジョージア・ワインの輸入を解禁して復活、それ以降は再びロシアがジョージア・ワインの輸出先として圧倒的に大きな存在となっている。特に、2014年にロシアと欧米が制裁合戦を開始し、その一環としてロシアはワインを含む欧米産食品の輸入を禁止した状態にあるので、その要因もジョージア・ワインがロシアに再浸透することに繋がっていることだろう。

 一方、2014年のジョージア・EUの連合協定/FTA成立に伴い、ジョージアはEUに無税でワインを輸出できるようになったが、幾多の生産国がひしめくEU市場への浸透はそう簡単ではない。このグラフだけを見ると、ジョージアはEUよりもロシア・CIS諸国との関係を深めた方が経済的には得ではないかなどと、ついおせっかいなことを言いたくなる。

 上掲のグラフで、白い部分は、CISでもEUでもないその他世界である。ここ数年、ジョージア・ワインの輸出先で、その他世界も伸びつつある。特に中国向けが大きく伸びており、2018年1月にジョージア・中国のFTAが発効したことから、さらに伸びが期待できそうだ。今のところ、日本向けの輸出はそれほど大規模というわけではないが、日本でもジョージア・ワインの販路は広がっている模様。


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uage

 昨日は、所属先のロシアNIS貿易会で、「ウクライナとジョージアの最新情勢」という報告会をやった。私は昨年11月にベルギーのブリュッセルを訪問し、EU側の視点から見たウクライナとジョージアの実情につき調べる機会があった。また、本年9月にはウクライナとジョージアを相次いで訪問し、現地調査を行った。そこで、似ているようで違う、両国の最新の国情を比較しながら論じてみようという、そんな趣旨の報告だった。

 その報告に向け、色んな素材を用意したが、我ながら出来の良いグラフが1つあったので、それをブログでもお目にかけたい。ウクライナとジョージアの経常収支の構造を比較した図である。あまり見かけないタイプの図だが、こういう図にしてみたら分かりやすいのではないかと私自身が考え作ったものだ。

 ウクライナやジョージアのように、エネルギーを輸入に依存している旧ソ連の「持たざる国」は、どうしても商品(モノ)の貿易は赤字になりがちである。それをどうやって埋めるかが課題となる。ジョージアの場合は、サービス輸出の比率が大きい(商品輸出よりも大きくなっている)。そして、39億7,600万ドルのサービス輸出のうち、実に27億400万ドルをインバウンドの観光(旅行サービス輸出)で稼いでいる。一般論として言えば、観光だけで国民経済を賄うというのはそんなに簡単ではないが、ジョージアくらい観光資源が豊かで国の規模が小さければ、ある程度は「観光で食う」ということも可能になるのだろう。一方、ウクライナの場合には、現状で「雇用者報酬」で埋めている部分がかなり大きいが、これは要するに海外出稼ぎ収入である。

 2017年現在、経常赤字の相対的な規模はジョージアの方が大きく、経常赤字の対GDP比はジョージアが8.9%、ウクライナが1.9%である。


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ruuz

 これは、ここ1~2年ほど顕著になっている傾向だが、中央アジアのウズベキスタンは、ロシア主導の「ユーラシア経済連合」に加入していないにもかかわらず、ベラルーシなどと比べてもはるかにロシアとの経済協力の実を挙げており、ユーラシア経済連合加盟国=ロシアとの経済協力に前向きな国、という線引きが怪しくなってきた印象がある。

 そして、こちらの記事によれば、今般ロシアとウズベキスタンの経済協力が、さらに加速することになったようである。ウズベキスタンのタシケントで、第1回ロシア・ウズベキスタン地域協力フォーラムが開催された。フォーラムはプーチン・ロシア大統領が10月18~19日にウズベキスタンを訪問したのに合わせて開催された。同フォーラムの枠内で、両国間で800以上の契約・MOUが結ばれ、その総額は270億ドルに上る。具体的には、通商・経済協力の合意が609(62億ドル)、投資協力が202(208億ドル)となっている。新たに79の合弁企業、23の商社、20の卸売・物流センターが創設されることになった。金融・銀行分野では6の合意(8.6億ドル)が成立した。

 まあ、こういうイベントの成果は、盛大に盛られるものではあるが、それにしても両国の経済協力機運が高まっていることは事実なのであろう。


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 ジョージアの夕食のひととき。ミックス・シャシリクの中央に炎の演出を施すという、インスタ症候群の皆さんが狂喜しそうな映える絵柄。観光客にとっては本当に魅力的な国だ。


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 9月3日のジョージア・トビリシでの調査は、主にジョージア外務省にて、アジア局長、対外経済関係副局長、欧州統合局長にそれぞれ1時間ほどお話しを伺うことに費やした。非常に実り多い聞き取り調査となり、実り多すぎて、ちょっとすぐには消化しきれないくらいだった。日本大使館にお邪魔し大使にもお話を伺ったが、4日から日本の河野外相が日本の外務大臣として初めてジョージアを訪問するということで、大変お忙しい中、大使にご対応いただけたのは恐縮でした。


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 というわけで、ロシアでの調査を終え、昨日の飛行機でロシアのモスクワからジョージアのトビリシに移動。本日から本格的な調査に入ります。写真は昨日の夕食。にしてもロシアと違いライブドアブログに接続できるのが有難い。モスクワのホテルにコンセントのアダプターを忘れてきたっぽい。


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 こちらの記事によると、ウズベキスタンは本年中にソブリン格付けを取得し、同国初となるユーロ債を起債する意向である。T.イシメトフ中銀第一副総裁が発表した。財務省が格付け取得に当たってのコンサルタントを選定しているところである。イシメトフは起債予定額を明らかにしなかったが、以前の情報では2億~10億ドルといった額が取り沙汰されていた。なお、2018年第1四半期終了時点で、ウズベキスタンの金外貨準備は285億ドル、対外債務は147億ドルとなっている。


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 日本でも報道されているように、アルメニアのセルジ・サルキシャン首相が4月23日に辞任した。サルキシャンは2008年から本年まで2期10年間大統領を務めたが、大統領権限の多くを首相に移す憲法改正を経て、4月17日に自らその首相に就任したばかりだった。これは事実上の政権長期化を意味し、それに抗議する大規模なデモが続いていた。ラルキシャン首相の辞任を受け、当面の首相代行にはカレン・カラペチャン氏が就任した。

 さて、個人的に気になるのは、今回の政変により、アルメニアの政策路線、とりわけ対ロシア/EU関係をはじめとする対外政策が変わるのかどうかである。その関連で注目されるのが、反政府デモを主導したとされるニコル・パシニャン氏(後掲写真)の動きである。同氏はYelkというリベラル政党の党首。こちらの記事によると、パシニャンは2017年10月、「アルメニアは(ロシア主導の)ユーラシア経済連合に、自発的にではなく、強要されて加入した」という見解を示した由である。

 私の知る限りでも、アルメニアがユーラシア入りをロシアに強要されたというのは、限りなく真実に近い。議会では体制側が多数派のようで、Yelkは少数勢力にすぎないようではあるが、いずれにしても、長期政権のサルキシャン氏が権力の座を追われ、ロシアと距離を置こうとする野党勢力が勢い付いたとしたら、ロシアにとっては不利な状況となろう。

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 9月末と少々古い情報になってしまったが、こちらによれば、ウズベキスタンは現在、ソブリン債の信用格付けを取得する準備を進めている。クチカロフ副首相が9月27日に明らかにした。クチカロフ副首相は、現在は格付け取得に向けた作業の初期段階にある、Citibankをコンサルタントに起用する意向、本件に関しては大統領の最終的な承認を待っている状況、目的は外国から資金を調達する調達先を多様化する点にある、ソブリン債を取得するといっても市場で資金を借り入れるわけではなく、格付けが一種のベンチマークとなり、外国からの直接投資が促されることを期待している、ソブリンに続き大企業や銀行も格付けを取得する可能性がある、などと説明した。


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 こちらのサイトに、S.リャザンツェフという人が書いた中央アジアからロシアへの労働移民の問題に関する論文が出ており、上のような図も出ていて便利だったので、忘れないようにメモしておく次第である。ウズベキスタンは総人口が多いので、国外に出稼ぎ労働に出かける国民の数も120万~250万人と最も多い。ただし、経済活動人口に占める国外出稼ぎ労働者の比率という指標では、25.4~46.6%のタジキスタンが最も出稼ぎ依存度が高い国ということになる。


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 世銀のこちらのページに、世界各国の国民による国外出稼ぎ収入の各種統計が掲載されている。ここではその中から、2015年のロシア・NIS諸国の国外出稼ぎ収入が、各国のGDPに対してどれだけの比率を示しているのかという数字をピックアップし、上掲のようなグラフを作成してみた。特に新たな驚きはなく、既知の構図が再確認できる。タジキスタン、キルギス、モルドバといったNISの低開発な小国は、国外出稼ぎ収入への依存度が世界的に見てもかなり高いことが知られている。ウクライナやウズベキスタンも、大量の国外出稼ぎ労働者を送り出しているが、この両国の場合には自国の経済・人口規模がそれなりに大きいので、対GDP比ということでは若干数字が下がる。ロシアやカザフスタンは、むしろNIS諸国から労働移民を受け入れる側であり、この指標はごく小さい。ただし、ロシア人やカザフ人が出稼ぎとまったく無縁というわけではなく、たとえばロシアの地方の人たちがモスクワなどの自国の大都会に働きに出るような国内出稼ぎ現象は、広範に見られるはずだ。

 なお、ウクライナの国外出稼ぎ収入の推移は下図のとおり。最大の出稼ぎ先がロシアだったので、その景気悪化と両国関係の対立で、収入は低下を辿っている。

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 ウズベキスタンのシャヴカト・ミルズィヤエフ大統領がロシアを訪問し、4月5日にプーチン・ロシア大統領との首脳会談が開催され、両国間で39本もの文書が調印されたということである。そのリストはこちらのサイトで閲覧できる。以前、「ロシアとウズベク、労働移民に関する協定締結へ」というエントリーをお届けしたが、その時に言及していた労働移民問題に関する政府間協定も結ばれた。

 中央アジアの低開発国からはロシアに大量の労働移民が出稼ぎに出ており、キルギスなどの国にとっては本件がロシアを盟主とするユーラシア経済連合に参加する最大の動機となっている。しかし、今回ウズベキスタンは二国間協定でその問題に決着をつけた形であり、逆説的な状況である。ロシアがベラルーシのようなユーラシア経済連合加盟国と対立を重ねている今となっては、逆にウズベキスタンのようなある程度距離を置いている国の方が、ロシアと友好的な関係を築けたりするのかもしれない。


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 最新の情報というわけでもないはずだが、個人的には初めて知ったので、メモしておく。こちらの記事によると、アルメニアは、大統領の権限が強い半大統領制から、首相・議会の権限が強い議院内閣制に移行しようとしているということである。大統領という役職は残るものの、名目的な国家元首となり、儀典的な役割を果たすだけとなる。それに伴い、たとえばユーラシア経済連合やCIS集団安保機構の首脳会合に出席するのも、大統領ではなく、首相になる予定だという。セルジ・サルキシャン現大統領の任期満了に伴い、新たな政治体制に移行する。上掲写真はカレン・カラペチャン首相。


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 先日NHKのBSで「激動の世界をゆく:バルト三国ロシアとヨーロッパのはざま」が放送された。某筋からの圧力でメインニュースの司会を降ろされてヒマになったのか(?)、大越健介キャスターがバルト三国を実際に訪れて丹念に取材し制作されたドキュメンタリー番組で、時宜にかなった内容だった。

 ただ、番組は前後半に分かれていたのだが、一般向けなのでやむをえないとはいえ、前半はちょっと陳腐すぎたかな。大国に翻弄されてきた苦難の歴史、とりわけ20世紀にはソ連・ロシアの苛烈な支配に苦しみましたという、まあ確かにその通りではあるのだが、あまりにも一面的な描き方のような気がした。バルト三国の歴史の本質を知る上では、以前当ブログで紹介した書籍の方が、ずっと複眼的で優れている。

 今回のドキュメンタリーで面白かったのはむしろ後半で、今日のバルト三国の直面している様々な問題が描かれていた。特に、人口減に苦しむエストニアがITに活路を見出し、優秀なIT開発関係の人材を輩出しているだけでなく、国としても「電子市民」という取り組みをしているという話は面白かった。外国人が簡単にエストニアの電子市民権を取得でき、そうすることによって同国で起業や銀行口座開設などもエストニア市民と同等にできるようになるというのだ。いわば、バーチャル・オフショアみたいな存在になりつつあるらしい。まあ、当然、そうなるとマネーロンダリングなどに悪用される可能性も出てくるわけで、ゆえに、実際に銀行口座を開設するためには意外と面倒な手続きが必要という情報もあり、実際のところは良く分からない。ともあれ、現実に近年エストニアが好調な経済成長を遂げていることも事実のようで、ひょっとしたら欧州のシンガポール的な存在として化けるような可能性もあるのかなと感じた。


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 こちらの記事によると、ロシアとウズベキスタンの両国政府は来たる4月に、労働移民問題に関する2本の協定を結ぶことを予定しており、現在条文の調整作業が進んでいる。ウズベキスタン労働省の高官が明らかにした。特にそのうちの1本は、ロシアでの一時的な労働に従事するためにウズベク市民を組織的にリクルート・雇用する旨の内容である。もう1本は、労働移民に関連した業務を実施する代表部を相互に開設するとの内容である。4月にミルズィヤエフ・ウズベキスタン大統領が訪ロする際に調印予定である。なお、推計によれば、ロシアを中心に、現在一時的に国外で働いているウズベク市民は、300万人に上る。


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 今般編集作業が終わった『ロシアNIS調査月報』2017年1月号では、「ソ連解体から四半世紀を経たロシア・NIS」という特集を組んでいる。ロシア・NISのすべての国を個別のレポートで詳しく論じるという意欲的な号になっているので、楽しみにしていただきたい。12月20日発行予定。

 さて、エストニア、ラトヴィア(私は通常は「ラトビア」と表記しているが)、リトアニアのバルト三国は、両大戦間期に独立国だった実績があるので、旧ソ連のいわゆる「新興独立諸国(NIS)」の範疇には含まれない。2004年にEU加盟を果たしたことを受け、2006年に私どもロシアNIS貿易会の事業対象からも外れてしまった。しかし、今回の月報の特集テーマであるソ連解体とその後の歳月、若き独立諸国の歩みを考える上で、バルト三国は避けて通れない。そこで今回の特集号では、せめて書評コーナーでこれら三国を取り上げることにした。明石書店の世界歴史叢書のシリーズから出たアンドレス・カセカンプ著、小森宏美・重松尚訳『バルト三国の歴史 ―エストニア・ラトヴィア・リトアニア 石器時代から現代まで』を紐解いてみた。以下、その書評を当ブログでもお目にかける。

 実は、バルト三国の歴史を総合的に論じた書籍というのは、あまり多くないらしい。というのも、エストニアとラトヴィアが歴史的に共通のコースを辿ってきたのに対し、リトアニアの歴史はだいぶ異なっており、三国を網羅した通史を描くのは至難の業だからだ。その点、本書はバランスが良く、翻訳も丁寧で大変に読みやすい。バルト三国について本邦で得られる最良の入門書と断言できる。

 バルト三国がソ連体制下で苦難を味わい、ソ連解体の際に急先鋒の役割を果たしたことは、良く知られている。したがって、これらの民族は終始一貫して反ソ連的、反ロシア的なのではないかというイメージを、つい抱いてしまう。しかし、歴史的には必ずしもそうではなく、エストニア人・ラトヴィア人にとっては、中世から20世紀初めに至るまで、現地の支配層であるバルト・ドイツ人こそが、克服すべき存在であった。また、中世にリトアニア大公国で栄華を極めながら、16世紀にポーランド王国に取り込まれたリトアニア人にとっては、ポーランドと一線を画し自己確立することが鍵であった。エストニア人・ラトヴィア人・リトアニア人がこれらの課題を解決し、国民国家として自己形成していく上で、ロシアは意外と肯定的な役割を果たしたことが、本書からは伝わってくる。

 むろん、ロシアは善意からバルト三国の民族・国家形成に協力したわけではない。私が本書で最も強い印象を受けたのは、ロマノフ王朝時代、「バルト・ドイツ人もロシア人官僚も、エストニア人およびラトヴィア人に民族としての未来や可能性はなく、間違いなく同化されると信じていた。唯一の問題は、エストニア人およびラトヴィア人がロシア化するのか、ドイツ化するのかという点にあったのである」(143頁)というくだりだった。別のシナリオを辿れば、エストニア人やラトヴィア人は、モルドヴィア人あたりと同じように、ロシア語を話してロシア正教を信仰する、ロシアの中の小民族といった存在になっていたかもしれない。そのような歴史の「イフ」や大いなる逆説を、小さき民族たちが語りかけてくれるのが、本書『バルト三国の歴史』である。

 いずれにしても、生れ落ちるに至ったバルト三民族が、ソ連解体のドラマにおいて主役級の役割を果たしたわけである。当時話題になったキーワードや事件名を挙げるだけでも、歌う革命、人間の鎖、人民戦線、血の日曜日事件、主権宣言など、枚挙に暇がない。本書では、「ソ連解体の結果としてバルト三国の独立が達成されたと言われることが多い。だが、その逆の方が真実に近い。バルト三国の民衆運動がソ連国内の民主化を加速し、ソヴィエト帝国の屋台骨を揺るがしたのである」(279頁)と指摘されており、まさにその通りだろう。



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