地味な話題だが、こちらのニュースによれば、ロシアのタタルスタン共和国に設けられているエラブガ工業生産経済特区でこのほど、新工場がオープンしたということである。私の研究分野の一つなので、記事の骨子を以下のとおり整理しておく。

 このほどエラブガ工業生産経済特区で、フランス系の世界的な産業ガス会社「Air Liquide」の酸素および窒素生産工場が稼働した。プロジェクトへの投資総額は3,500万ユーロ。工場は日産200tの液体酸素および窒素を生産し、特区内および周辺地域の企業の需要に応える。同工場は世界に類例がないものであり、最先端の空気分離設備を備えている。公開型株式会社「経済特区」のO.コスチン社長は、工場の稼働により、産業ガスを利用する新たな投資家が特区に入居することにもつながり、エラブガ特区内における部門内および部門間の協業にとって新たな拠点となるだろうとの見解を示した。

 Air Liquide社では今後、エラブガ特区内の需要家に直接産業ガスを供給するパイプライン網の設置を予定している。工場の第1ラインは2010年に建設が完了しており、エラブガ特区の入居企業であるロシア・ドイツ合弁「プライス・ダイムラー・タトネフチ・アラブガ・スチェクロヴォロクノ」が最初の需要家となり、両者は専用に設置されたパイプラインで結ばれた。

 2006年から稼働しているエラブガ経済特区では、これまでFord-Sollers、Saint-Gobain、Air Liquide、Rockwool、Sisecam、Hayat Groupといった企業の誘致に成功している。エラブガ特区における全プロジェクトの投資総額は、25億ドル強となっている。特区のインフラ整備のために、連邦および地域予算から155億ルーブルが拠出されている。

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