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 昨日の深夜になって、超弩級のニュースが飛び込んできた。カザフスタンのナザルバエフ大統領が辞任を表明したというのである。まあ、超弩級のニュースといっても、ヤフーのトピックスにも、朝日新聞の号外にもなっていなかったので、あくまでも狭い業界での大事件ということになるが。

 「こんな、平成の終わりに合わせるかのように、辞めなくてもいいのに」と最初は思ったが、良く考えてみたら、ナザルバエフがカザフスタン共産党の第一書記(当時の共和国最高権力者)になったのは1989年6月であり、つまり彼がカザフのトップに君臨していた時期は平成の30年間とほぼ完全に重なるということになる。

 それで、私自身はカザフスタン内部のことはそれほど詳しくないので、個人的にまず気になることは、ナザルバエフの退任がユーラシア統合にどう影響するかという問題である。ユーラシア統合を最初に提唱したのはナザルバエフであり、彼がプーチンのユーラシア統合構想に呼応したからこそ、2015年にユーラシア経済連合が成立したという経緯があるからだ。

 当然、同じようなことはロシアの政策担当者も考えるわけで、こちらの記事には、ロシアのI.モロゾフ上院議員(リャザン州選出)のコメントが載っている。いわく、ナザルバエフ大統領の退任は、それでなくても困難なカザフ国内の情勢を錯綜させ、対ロシア関係、ユーラシア経済連合の将来にも否定的な影響を及ぼすかもしれない。ナザルバエフこそが、ユーラシア経済連合の提唱者で、旧ソ連空間の統合の牽引者だった。今日、政府にも、議会にも、彼に取って代われる人物はいない。したがって我々はナザルバエフ退任がユーラシア経済連合、CIS集団安保、上海協力機構の今後の発展に及ぼす影響を良く考えてみなければならない。モロゾフ議員はこのように指摘した。


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