pishche

 ロシアで言うところの「産業クラスター」というものは、諸外国におけるのとはだいぶ意味合いが異なっており、単に行政が「我が州はこういう産業分野の企業を誘致・育成したい」という願望にすぎなかったりする。それはさておき、そういうロシア流のクラスターを一覧できる便利な資料がないかと思って探したところ、とりあえず高等経済院によるこちらの「ロシア・クラスター地図」というサイトが目に留まった。産業分野、発展段階、クラスター参加者数などでフィルターにかけ地図上に図示することができる。また、リスト形式に切り替えることもできる。

 しかし、現段階での情報の網羅性は、だいぶ限定的である。どうも、クラスター側が自ら登録してデータを入力するような仕組みになっているようだ。これでは、データが集まらず、プロジェクトが頓挫するのではないかと危惧する。サイト管理者側が能動的に情報を集めて集大成しない限り、満足なデータベースにはならないのではないか。

 たとえば、現在個人的に農業・食品産業のことを調べているので、その種のクラスターがどこにあるか地図に表示してみた。すると、農業はヴェリーキーノヴゴロド、ヴォログダ、アストラハン(ここは正確には漁業)に、食品産業はカザンにあるのみとなっている。農業、食品産業はあまねくすべての地域に立地している産業で、それがこのサイト上では4箇所しかないというのは、まったく不充分だ。ちなみに、ロシア語で食品産業の産業クラスターと検索すると、レニングラード州のことが多くヒットするのだが、このサイトでは当該の情報は入力されていないようだ。というわけで、このサイト、これから充実していくのか、はたまた立ち消えになるのか。


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