我々ロシア界隈の人間にとっては、見逃せない映画がこのほど日本でも公開された。ロシアを中心にドイツ、リトアニア、ポーランドも加わって国際制作された作品『ヒトラーと戦った22日間』である。公式HPはこちら。作品の概要を引用させていただくと、

 第2次世界大戦下にナチスが建設したアウシュビッツと並ぶ絶滅収容所ソビボルで起こった脱出劇を、実話をベースに描いたドラマ。国籍、貧富などは関係なく、ユダヤ人たちがガス室で大量殺りくされていったソビボル絶滅収容所。からくも存命しているユダヤ人たちの間では、密かに脱走を計画するグループがあったが、彼らにはその計画を牽引するためのリーダーが存在しなかった。そんな中、1943年9月、ソ連の軍人アレクサンドル・ペチェルスキーが収容者としてソビボルに送り込まれる。ペチェルスキーの統率能力とカリスマ性によって、収容者全員脱出を目指す壮大な反乱計画が本格的に動き出す。ロシアの国民的俳優コンスタンチン・ハベンスキーが自らの脚本で初メガホンをとり、映画監督デビュー。同時にペチェルスキー役で主演も務めた。「ハイランダー」シリーズのクリストファー・ランバート、「ゆれる人魚」のミハリナ・オルシャンスカ、「バタリオン ロシア婦人決死隊VSドイツ軍」のマリア・コジェーブニコワらが顔をそろえる。

 というものである。私自身は、旧ソ連の中でもユダヤ人口の多かった西寄りの欧州ロシア、ウクライナ、ベラルーシのことを主に研究しており、また同地域出身で米国にわたり音楽業界で成功したユダヤ人のことを調べるのが趣味なので、個人的に非常に身近なテーマである。しかし、ロシアの映画でナチス・ドイツのユダヤ人収容所を描いた作品はほとんど前例がないそうで、私自身もこの作品から受けたインパクトは非常に大きかった。

 ところで、私は映画を観る時にはなるべくネタバレしないように、余計な予備知識を持たないまま作品と向き合うようにしている。しかし、この『ヒトラーと戦った22日間』に限っては、ある程度の予習をした方がいいのではないかと感じた。現に、映画を観た段階では、理解し切れないところがあり、後からパンフレットを読んで、「なるほど、そういうことだったのか」と合点が行った点が少なくなかったからだ。

 ちなみに、映画の原題は、ロシア語でも英語でも『ソビボル』である。個人的には、ヒトラー自身は一切登場しないわけだし、『ヒトラーと戦った22日間』という邦題よりも、素直に『ソビボル』または『ソビボル絶滅収容所』のままでよかったのではないかという気がする。


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