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 ロシアでは、ガソリンの小売価格が値上がりしつつあり、それが国民の不満の種になっているということが、しばらく前から指摘されていた。その問題が気になっていたところ、ロシア統計局のこちらのサイトに、ガソリンの値上がり状況に関する統計数値が示されていた。

 これによると、ロシアの小売市場における2018年6月のガソリン価格は、年初から9.4%上昇した。前年同月比では、12.3%の上昇となる。このくらいであれば、許容範囲という気もしないでもないが、ロシアでは全般的にインフレが鎮静化しているので、ガソリンの値上がりが突出している感覚を受けるのだろう。値上がりの背景には、国際石油価格の上昇があり、その割にはここしばらくはルーブル安が続いているので、ある程度国際価格に連動する国内価格も上昇しているということなのだろう。

 ちなみに、上掲のグラフは、2016年末を起点にとり、その後、消費者物価(茶の太線)、ガソリン小売価格(オレンジの細線)、ガソリンの生産者価格(緑の細連)、原油の生産者価格(紺の細線)の水準がどのように推移してきたかを示したものである。この間、オレンジのガソリン小売価格は、20%近い上昇を示している。ただし、緑の卸売り価格はそれ以上に高騰しており、これはガソリンスタンドの販売マージンが低下していることを意味し、今後小売価格がさらに上昇する可能性を秘めている。

 なお、最近値上がりしていると言っても、ロシアは国際的に見れば依然としてガソリンが相当安い国である。こちらの記事によると、ロシアのガソリン小売価格は1リットル当たり0.72ドルであり、これは世界で10番目に安いという。ヨーロッパでは一番安い。


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