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 寂しいことに、ロシアW杯はもう終わってしまうけれど、私がこの大会について一番こだわっていたのは、いわゆる大会のレガシー(遺産)の問題だった。なので、地域研究者としての私のW杯ロシア大会研究は、むしろこれから始まるのである。

 その作業の一環として、上に見るような図を作成してみた。今回のW杯で会場となった12のスタジアムのうち、モスクワ・ルジニキとソチ・フィシトは、特定のクラブによる使用が想定されていない、ナショナルスタジアム的なところである。それ以外の10のスタジアムにつき、収容人数と、地元クラブが2017/18シーズンのリーグ戦の平均で実際にどれだけ集客していたかを対比したものだ。なお、一連の地方スタジアムには、W杯限定の増設分の席があり、W杯終了後にはそれを撤去してよりコンパクトにすることが決まっているので、その増設分をピンクで示してある。

 サッカーをお好きな方ならご存知のとおり、スタジアムの高揚感はどれだけびっしりと観客席が埋まっているかに左右される。5万人のスタジアムで2万人入っているよりも、1万人のスタジアムが満席になった方が、はるかに緊迫感が増す。そうした観点から、上のグラフを見ると、合格点と言えるのは、ゼニトのサンクトペテルブルグと、スパルタク・モスクワくらいであり、後の地方の状況は悲惨である。一番酷いのは我々にとっても思い出の地であるヴォルゴグラードで、45,000のキャパがあるところ、2017/18シーズンの実際の動員はわずかに3,621人だった(新スタは工事中だったので、別の小さい会場でやっていたという事情はあるにせよ)。まあ、2018/19シーズンの初めくらいは、W杯の高揚も残っており、新スタ見物感覚で多少お客さんが増えるかもしれないけど、代表選手もいない2部リーグの試合をリピートしてくれるかというと、だいぶ心許ない。


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