P1030803

 ロシアの紋章でオオカミを描いたものは皆無に近いということを申し上げたが、ちょっと補足がある。ロシアの中央黒土地帯にあるタンボフという古都で、オオカミがシンボルになっているのである。私は本年2月にタンボフを仕事で訪れて、そのことを実感した。タンボフの紋章は下に見るようにミツバチを描いたものなのだが、どういうわけか街の至る所で目にするのはミツバチのデザインではなく、オオカミばかりである。たとえば、上の写真は鉄道駅の土産物売り場で、ちょっと見にくいかもしれないが、オオカミ・グッズづくしである。

 調べたところ、«Тамбовский волк тебе товарищ»、あるいは単に «Тамбовский волк» というロシア語表現があるそうだ。何でも、かつてそういう映画まで作られたらしい。私の乏しいロシア語力では正確なところは良く分からないが、昔タンボフの住民がモスクワに出稼ぎに出て、どんな仕事も安く引き受けてしまうため、賃金相場が下がり、地元モスクワ住民の不興を買ってしまったという故事があるらしく(諸説ある中の1つ)、「余計なことをする厄介者」といったニュアンスで使われるらしい。ただ、そういうネガティブな意味合いがありながらも、現代のタンボフ住民は、「タンボフのオオカミ」というものに郷土愛を感じる面もあるようだ。

 いずれにしても、ロシア人にとっては「タンボフ=オオカミ」という図式は根強いものの、否定的な意味合いだし、ミツバチのデザインは当地にとって伝統的な由緒正しいものなので、タンボフの市章がオオカミに変わるようなことはないのだろう。

Coat_of_Arms_of_Tambov_(2008).svg

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ