ech

 こちらの記事が、ロシアの肥料大手エヴロヒム社のカリ肥料事業について伝えているので、要旨を整理しておく。今回、A.イリン・エヴロヒム社長が、ロイターのインタビューに応じたということであり、主に同社長の発言内容を伝える記事となっている。ちなみに、ロシアの肥料業界では、従来はカリ肥料はウラルカリ社の独壇場という感があったが、窒素およびリン酸肥料を主力としていたエヴロヒムがカリ肥料部門にも進出し、ウラルカリの独占体制に風穴をあけようとしているところである。

 記事によると、エヴロヒムは2018年にロシアのカリ肥料市場に進出しウラルカリの牙城を崩すことになる。ただし、世界的なプレーヤーになれるのは早くても2020年である。2018年に2箇所の新規生産プロジェクトを稼動させ、2018年には50万~60万tの塩化カリウムを生産する予定であるものの、世界的な大手生産者となるためには年産200万t以上を安定して生産することが必要である。2019年末頃に生産能力は年産200万tにまで高まるが、実際の生産量は100万~150万t程度になると見ている。生産が200万tレベルに達するまでは、会社のアライアンス戦略やマーケティング戦略を明らかにするつもりはない。カリ肥料の場合は、取引所では取引されておらず、生産者が毎年、中国やインドの主要需要家と供給契約を結んで、それが世界市場の基調となる。エヴロヒムのアセットでは、ペルミ地方のウソリエ・カリ・コンビナートではすでに生産が始まっており、ヴォルゴグラード州のユーロヒム・ヴォルガカリでは2018年夏の生産開始を予定している。本年の最初の生産分である10万~15万tは、複合肥料生産のために自社利用される。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ