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 ロシア政治の歳時記上、5月の上旬というのはネタ枯れの季節であり、我々ロシア・ウォッチャーにとっては、束の間の休息のような時期である。日本と同様、ロシアも5月上旬が連休に当たるので、普通は目ぼしい政治ニュースなどは出てこないからだ(政治が動かないということもあるし、ロシア人記者が働かないということもある)。しかし、本年は5月7日にプーチン大統領の就任式があるので、水面下では人事などをめぐって綱引きが繰り広げられているはずで、その割にはメディアが休暇モードで出てくる情報が少ないという、何とも微妙な状況である。

 大きな焦点として、メドヴェージェフ首相が続投するのかという問題があるわけだが、ロシアの憲法上、新たな大統領が選出されると、首相および政府は自らの権限を返上し、大統領が首相を指名して政府が新たに編成されることになる。こちらの記事によると、4月26日にメドヴェージェフ首相率いる政府は最後の閣議を開いた。そして、本日5月3日にメドヴェージェフ首相はモスクワ市内のVDNKh展示会場に出向き、そこで農業問題に関する会合を開く。この会合が、メドヴェージェフ首相が現首相として公の場で行う最後の行事となる。それ以降、5月7日の大統領就任式までの期間は、7日の大イベントにしかるべき注目が集まるよう、連邦および各地域の公職者は、公式的な活動を自粛することが求められている(5月5日に再度閣議が開かれる可能性があるが、それは大統領就任式の準備作業のためのもので、開かれたとしても非公開になる)。就任式翌日の8日、連邦議会の下院が招集され、大統領の指名した首相を承認する運びとなるが、メドヴェージェフ首相は再任される見通しであると、この記事は伝えている。


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