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 EUが資金援助をして、ECORYSという機関が、東方パートナーシップ諸国の対EU世論を比較調査したということである。東方パートナーシップ諸国というのは、具体的には西NIS諸国(ウクライナ、ベラルーシ、モルドバ)および南コーカサス諸国(アゼルバイジャン、アルメニア、ジョージア)である。調査結果はこちらからダウンロードできるが、2.8MBほどあるので注意。ただ、どうせなら、ロシアも調査対象に加えてほしかった気もする。

 諸々ある設問の中で、代表的なものとして、上掲の図は、「貴方のEUに対するイメージは、肯定的(緑)、中立(黄)、否定的(赤)、EUについて知らない/聞いたことがない(灰)のどれか?」という設問の回答を整理したものである。アゼルバイジャン人の19%がそもそもEUを知らないという結果にはシビれるが、私のフィールドである西NISについて言えば、ベラルーシは中立の市民が多く、EUと連合協定を結んだウクライナ、モルドバでは賛否が分かれる傾向が出ている。これは、ウクライナ、モルドバではEUとの直接的な関係が太いことにより、良かれ悪しかれ、EUが大きな関心事になっているということだろう。

 下の表は、EUを知らないという回答者は除いて、各国市民に、上からEU、米国、NATO、ユーラシア経済連合につき、信頼しているかどうかを問うた結果である。ここで特徴的なのは、「ちゃっかり国民」ことアルメニア人が、EU、(ロシア主導の)ユーラシア経済連合の双方にかなり高い信頼を置いていることである。さすがは、ユーラシア経済連合に加入しながら、EUからはGSP+という関税優遇を取り付けている両天秤国家だけのことはある。ウクライナも少しは見習ったらどうか。

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