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 当ブログでは3ヵ月ほど前に、「2030年までのロシアのサッカー発展戦略」というエントリーをお届けした。ロシアでは現在、「2030年までのロシア連邦全国民サッカー発展戦略」を新たに策定する作業が大詰めを迎えている。2015年12月8日に開催された関係会合後に大統領の指示を受けて作業が始まった。2017年4月8日にロシア・サッカー協会が戦略を採択し、それを受けスポーツ省も同戦略を承認、近くロシア連邦政府が承認して正式に採択されることになるというのが、その時お伝えした内容だった。ただ、その後政府がこれを正式に採択したという情報は、確認できていない。

 それで、今般その戦略のテキストを読み込んでみたところ、重要な点に気付いた。当たり前と言えば当たり前なのだが、ロシアは2018年のワールドカップに向けて整備したサッカー関連施設を、大会後にどう活用していくのかという点に、重大な関心を寄せているという事実である。世界各国でオリンピックやFIFAワールドカップといったスポーツの大イベントが終わった後に、施設が有効活用されず、酷い場合には廃墟と化したりする現象が問題になっているわけだが、ロシアは大会準備期間からすでにそれに関する問題意識をもって事に当たっているということのようである。

 実際、上掲の「戦略」を読んで知ったのだが、ロシア連邦政府のスポーツ省は2015年6月26日付省令第679号により、「ロシア連邦諸地域の需要を考慮に入れた大会終了後の有効活用に関するサッカー・ワールドカップのレガシー構想」と題する文書を採択していたということである(Утвержденная приказом Минспорта России от 26.06.2015 № 679 «Концепция наследия чемпионата мира по футболу по обеспечению эффективного использования в постсоревновательный период спортивных объектов с учетом потребностей субъектов Российской Федерации»)。個人的に、初耳であった。

 ところが、そこから先が、いただけない。私がリサーチを試みた限り、この「レガシー構想」は、非公開になっているようなのである。諸々ネット検索してみても、スポーツ省のウェブサイトを調べてみても、省令第679号は欠落した状態になっている。レガシーの活用は、地方・経済界・クラブ・市民など、多様な層の参画を得てこそ成果が期待できるはずなのに、肝心の「レガシー構想」を伏せたままにしておくというのは、信じがたい感覚である。


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