parohonskoe

 にわかには信じがたい話だが、旧ソ連諸国で最大の牛乳生産者は、実はベラルーシ大統領官房である。ベラルーシ大統領官房は以前から不動産などの商業活動を手掛けていたが、ルカシェンコ政権の黒幕的な存在であるヴィクトル・シェイマン氏が2013年1月に大統領官房長に就任して以来、従来にも増して商業活動への進出に熱心になった。その一環として、大統領官房は一連の酪農企業を傘下に収め、旧ソ連最大の牛乳生産者に躍り出た、というのが事の次第である。ロシアあたりでは黒い液体をめぐる権力闘争が激しいが、ベラルーシは同じ液体でも白い牛乳をめぐる利権の争奪をやっているわけだ。

 ところが、こちらのニュースによると、大統領官房による畜産利権に、異変が生じたようである。大統領官房が保有するアグロホールディング「マチュリシチ」から今般、3つの農場が剥奪され、ブレスト州およびヴィテプスク州の行政に所有権が移転された。3農場合わせて、10万tほどの牛乳生産規模を有していたようだ。その結果、今やマチュリシチに残っているのは3つの農場で、2016年のそれら3農場による牛乳生産量は9万tあまりだったそうだ。

 シェイマン氏がルカシェンコの不興を買ったのか、それとも何か別の事情があるのか、そのあたりは今のところ不明。

 (PS:本件についての続報はこちら


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