bypro

 ベラルーシはロシアから輸入した原油を自国2箇所の製油所で精製して製品を主に欧州方面に売ることを、産業の柱としている。自前の石油資源は乏しいのに、エネルギー大国ロシアの「おこぼれ」にあずかるような形でしばらく前までは高成長を実現していた。しかし、ここ2~3年の石油価格の低迷でロシアが打撃を受け、ベラルーシもそれに連動して厳しい局面を過ごしてきた。

 それで、最近のこちらこちらの記事などを見ると、ベラルーシの石油精製業はまさに「三重苦」の状況にあるのだなとの思いを強くする。第1に、大前提として、油価の低迷が長引いていること。第2に、当ブログでも何度か取り上げたように、ロシアは現在、「税制マヌーバ」と称する石油部門の税制改革を推進しており、その結果ベラルーシがロシアから調達する原油の価格が(国際価格に反して)上昇傾向にあること。そして第3に、こうした厳しい環境下で、ベラルーシがロシアと天然ガス価格問題で揉め、その結果2016年下半期の原油供給をロシアに大幅カットされた。両国の事前の合意では、2016年に2,400万t供給されるはずであったものが、実際には1,816万tに終わった。

 以前お伝えしたように、本年4月に両国は和解し、2017年以降の供給量は元の2,400万tに戻すことが決まったもの、対立の火種が完全に消えたとは思えない。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ