あまり一般的な話題ではないが、こちらの記事で取り上げられている問題は、私の個人的な研究分野にとって非常に重要な事柄である。ロシアの輸入代替政策と、ユーラシア経済連合の統合が、どう関わり合うかという問題である。
記事によると、ユーラシア経済委員会の鉱工業諮問委員会は、ロシアが提案した輸入代替プログラムをユーラシア空間で実施するとの提案を、検討した。すでに、ロシアの輸入代替プログラムに参加する意向を表明しているユーラシア経済連合加盟諸国の鉱工業企業の暫定リストが制定されている。17の鉱工業部門に及ぶ62品目の輸入代替プログラムが選定された。工作機械、軽工業、化学工業、電力機械等が対象になっている。飛行機の座席生産から、包帯に至るまで、多様である。実際にユーラシア諸国の企業がロシアの輸入代替プロジェクトにどのようなメカニズムで参加するかは、今後専門家が検討する。諮問委員会のS.シドルスキー委員長(元ベラルーシ首相)は、輸入代替、産業協業のアプローチはユーラシア統合のポテンシャルを考慮し足並みを揃えるべきである、ある加盟国で生産されている品目を別の加盟国が国庫を投じて輸入代替するのは無意味だ、一本化された政策手段を策定して既存のポテンシャルを活用すべきだ、などとコメントした。ロシアの輸入代替プロジェクトへの参加を希望しているユーラシア企業リストには、ベラルーシ企業が多い。今後ユーラシアの枠内での輸入代替の問題は、夏の終わりか秋の初めに開催される次回会合で継続審議する。なお、ロシアの輸入代替にユーラシア諸国企業が参加するという件に関しては、2016年5月31日にプーチン・ロシア大統領が提案し、ロシア産業・商業省とロシア・エネルギー省が他のユーラシア諸国の関係者と共同で25の産業部門に関する提案を策定したという経緯である。
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