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 3月末のやや古い情報だが、こちらの記事が、ウクライナのポロシェンコ大統領がトランプ米新大統領との会談実現を試みているが、なかなか実現しないということを伝えている。

 記事によると、ポロシェンコは何としても、プーチン・ロシア大統領に先んじてトランプ大統領に会いたいと願っている。米ロ首脳が7月のドイツでのG20サミットで顔を合わせることは確実なので、それよりも前ということになる。ポロシェンコのチームは今年に入って、2月および4月という会談候補日を挙げていた経緯があるが、現在ではウクライナ外交当局は、イタリアで開かれるG7か、またはブリュッセルでのNATOサミットで米ウ首脳会談が開催される可能性があるとしている。ただし、現在のところウクライナは正式な招待を受けているわけではない。

 2月5日にポロシェンコとトランプが電話会談を行い、その後、首脳会談の件も話し合われたことが明らかになったが、具体的なことは何ら発表されなかった。外交筋によれば、電話会談でポロシェンコは、ドンバス和平に関する「Great plan of peace」、通商および投資プロジェクトに関する「Great story of success」を提案、トランプ側はそれらの問題を首脳会談で話し合うことにしようと応じたという。電話会談後、ポロシェンコ政権側は2月末にも首脳会談の開催が可能と踏み、ポロシェンコが国連安保理に出席してその足でニューヨークからワシントンDCに向かうという青写真を描いたが、その時点では米側の同意が得られなかった。ポロシェンコは、2月末にミュンヘンで開催された安保会議でペンス米副大統領と面談するに留まった。

 現在ウクライナ側が最も有力視しているのは、5月25日のブリュッセルにおけるNATOサミットの場である。もう一つ、5月25~27日にイタリアで開催されるG7サミットがある。もっとも、両方の行事で、今のところウクライナが正式に招待されているわけではない。それでも大統領の側近によれば、「我々は希望を失っていない。米側は我々に、『会談の準備ができたら、24時間前に連絡するから、すぐに飛んでくるように』と言っていた」ということである。ウクライナ最高会議のアンナ・ホプコ外交委員長は、ウクライナにとってトランプにドンバス和平についての我々の立場、ロードマップを伝え、米国がそれを共有し和平プロセスに関与してくれることは、きわめて重要だと話す。

 2017年にウクライナのクリムキン外相はすでに2度訪米しており、ティラーソン国務長官、マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官と面談している。ウクライナ側はその最大の成果が、クリミアとドンバスはまったく別個の問題であること、それらに関し「取引」などは一切ありえないということを、ティラーソン長官がしっかり理解できた点だとしている。ウクライナ側はフリン氏に代わって国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任したマクマスター氏との会談にとりわけ手応えを得ており、ウクライナ問題についての理解を深めてくれたとしている。

 ポロシェンコ周辺の証言によれば、トランプは前任者のオバマとは異なり、米国がミンスク和平プロセスに参加することに反対ではない。一方、ロシアは現在、別の形式で交渉を行うことを含め、全力でミンスク和平を葬ろうとしており、それゆえに米の参加に反対していない。ドイツは米国の参加には難色を示している。ウクライナは、誰もミンスク合意を破棄しないのであれば、形式へのこだわりはない。その間にトランプはプーチン大統領との対話を試みており、4月半ばにはティラーソン国務長官が訪ロ、前任者のケリー長官はウクライナに立ち寄ってから訪ロしていたが、今回はウクライナを素通りであり、ウクライナ側は不満を抱いている。トランプ政権がノルマンディー4のすべての国との個別交渉を進める中、ノルマンディーフォーマットの交渉は実質ストップしている。ロシアは外務次官会合を欠席した。一方、ウクライナ代表のクチマ氏は、ノルマンディー4による迅速な首脳会談が必要だと主張している。


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