Denis_Voronenkov

 少々古い話になってしまったが、ロシアの元下院議員であるデニス・ヴォロネンコフ氏(写真)が3月23日にキエフで暗殺された。私自身はきな臭い話が苦手で、当ブログは経済を中心とする人畜無害な情報が主だが、ヴォロネンコフ氏の事件については少々事情があって簡単に調べたので、要点だけ整理しておく。

 デニス・ヴォロネンコフ氏は1971年生まれで、司法、軍事、ネネツ自治管区行政などの仕事をしたあと、2011~2016年に共産党所属の連邦下院議員を務めた。2016年の下院選ではニジェゴロド州の小選挙区で落選、選挙運動の際に「自分はアフガン従軍帰りだ」といった偽りの主張をし(実際にはソ連がアフガンから撤退した時にはヴォロネンコフはまだ未成年だった)、どうも虚言癖のある人物だったようだ。奇矯な言動の一つとして、2016年には「ポケモンGoユーザーはスパイや、さらにはテロリストになりかねない」と唱え、ロシアにおけるその利用禁止を関係省庁に訴えたことが知られている。2014年12月に不動産乗っ取り(5億円程度の物件)疑惑に関連して議員不逮捕特権の剥奪が提起される。2016年9月の落選後、2016年10月にウクライナに逃れたことは(12月にウクライナ国籍取得)、訴追を逃れるのが目的だったか。2017年2月にロシアより国際指名手配を受けている。ウクライナに亡命してから政治的立場を一変させ、以前はロシアのクリミア併合を称賛していたが、ウクライナ亡命後は「自分は反対票を投じた」と立場を翻した。暗殺の数日前に、ロシアのウクライナ侵略を支援しているスポンサー、ウクライナ側の協力者を暴くとの名目で「ウクライナ・ロシア調査センター」の創設を提案、自らそのトップとなる構えを見せた。しかし、3月23日にキエフの街中で3~4発の凶弾を浴び、その場で息を引き取った。事件が起きたのは11:30で、現場はシェフチェンコ大通りのプレミア・パレス前であり、まさに白昼堂々の暗殺劇であった。実行犯のウクライナ人、オレクサンドル・パルショフ(1988年セヴァストポリ生まれ、ドニプロ在住)はその場でボディーガードから発砲を受け、病院で死亡が確認された。前科者で、近年は傭兵のようなことをしていたらしい。暗殺事件に関しポロシェンコ大統領は即座に「ロシアによる国家テロリズム」と非難した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ