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 だいぶ遅れ気味のフォローになるが、ウクライナとドンバス占領地を結ぶ鉄道を封鎖している「有志」本部が、今度は3月5日から、ウクライナとロシアを結ぶ鉄道輸送を妨害し始めたということである。両国間の主たる鉄道路線が通るウクライナ・スムィ州のコノトプという街で、運行が遮断されているということらしい。しかし、その後、実際には貨物は問題なく通過できているような情報もあり、正確なところは未確認だ。ともあれ、本件とドンバス封鎖の問題につき、こちらのサイトに出ているロシアのアレクサンドル・グシチン氏のコメント要旨を以下のとおり紹介しておく。

 ウクライナがロシアとの通商を遮断しているのには、いくつかの側面がある。

 第1に、ウクライナ内政の要因である。自助党は、リヴィウでのごみスキャンダルと、クリヴィーリフでの選挙失敗で問題を抱えていたが、対ロシア通商封鎖で先頭に立ち、得点を稼いでいる。封鎖はオリガルヒのR.アフメトフ氏への打撃となるので、その背後にはオリガルヒのI.コロモイシキー氏がいるという説がある。本件はまたポロシェンコ大統領への痛手ともなる。ポロシェンコはミンスク和平は手詰まりだと語っており、封鎖にもかかわっているが、それによってウクライナの電力部門は苦境に陥っており、封鎖はウクライナ自体にボディーブローとなっているほか、グリブナ下落やその他の金融面での悪影響が生じかねない。こうして見ると、封鎖は大統領への圧迫であり、得点を稼ごうとする政治勢力の試みである。

 第2の要因として、ウクライナでは社会的な不満が非常に高まっており、その責任をロシアおよびドンバスになすりつけることによって国民の不満を逸らそうという思惑がある。

 第3の要因として、ドンバスを切り離して、ロシアに押し付けるための一環という面がある。一部の政治エリートはこの路線を志向し、ドンバス保全に努めようとはしていない。ウクライナの条件でドンバスを復帰させることは不可能だからであり、それゆえにドンバスとの経済関係を断ち切ろうとしている。ドンバスをモスクワに転嫁することは、沿ドニエストルでも生じていることであり、現実味がある。この見方によれば、ドンバスをより断固として取り込むよう、ロシア側に強いているということになる。

 ロシアとの通商封鎖に関しては、愛国的なPRという側面が強い。ドンバス封鎖が対ロシア通商封鎖とどのようにリンクしていくかというのが、注目点である。


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