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 ベラルーシ産業省のこちらのページに、ベラルーシが2017年に株式を売却する予定の国営企業19社の一覧が掲載されている。この中に、ベラルーシとしては大企業に属す重要企業が3社含まれている。サッカーでも有名な「BATE(ボリソフ自動車電装品工場)」、ミンスクの家電メーカー「ゴリゾント」、ゴメリの農機メーカー「ゴムセリマシ」である。ただし、これらの3社については、支配株を売却する際に、投資契約を締結した上で、戦略的投資家に売却することが条件とされている。つまり、大掛かりなテコ入れを実施してくれるような、救世主的な投資家にのみ売却可能ということである。

 本件を伝えているこちらの記事によれば、BATEとゴリゾントについては、以前も同じような条件で株式の売却が表明されたことがあるが、その時は売却は実現しなかった。2016年末に国有資産委の委員長が、中国資本を受け入れるベラルーシ企業のリストを策定すると表明し、その中にBATE、ゴリゾント、ゴムセリマシも含まれていた経緯があった。これまでベラルーシと中国の経済協力は、中国から融資を受け、中国の設備を導入して中国人労働者を受け入れるという方式が主流であり、これはベラルーシが中国の輸出を支援しているに等しいとして、ベラルーシ側は不満を抱いていた。ゆえに、ベラルーシ企業に中国資本を受け入れるという方向に、転換することになった。ゴリゾントについては、LGに売却するという構想が以前からあったが、結局政権がそれに踏み切れなかった。BATEは、ロシアへの輸出が主力で、CIS市場への輸出拠点として西側メーカーにとっても価値があったが、現在ボリソフ近郊で中国系ベルジーの自動車工場が建設されており、同工場での現地化比率を高めなければならないので、BATEと中国企業の提携は充分考えられる。ゴムセリマシは、以前ロシアのロストセリマシが買収を検討したことがあり、ベラルーシ側は逆にロストセリマシを買収する構えを見せたことがあったが、ゴムセリマシは最近は中国との協業に傾斜し、コンバインの共同での組立を始めた。


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