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 「持ちこたえられない」というのが結論である。このほど読了した河村小百合『中央銀行は持ちこたえられるか ─忍び寄る「経済敗戦」の足音 』(集英社新書、2016年)によれば、中央銀行(具体的には日銀のこと)は安倍政権のリフレ政策の皺寄せに耐え切れず、遠からず健全性を維持できなくなるとの見通しが示されている。やはり錬金術はインチキだったという、当たり前の話である。

 個人的に本書から学んだ点としては、米国やEUも日本と同様のリフレ政策を推進してきたようでいながら、やはり日本のそれは異次元であること、日本ではプライマリーバランスさえ改善すれば安心のような風潮があるが、あくまでも問われるべきは財政収支全体であること、米国の緩和政策では最初から「出口戦略」が意識されていたのに対し、日本のそれは出口戦略が決定的に欠けていること、一口でマイナス金利と言っても日欧でかなり内容に違いがあること、日銀は米欧の中銀に比べて説明責任をまったく果たしていないこと、などである。

 それにしても、本書でも最後の方で指摘されているとおり、これだけのリスクが日々肥大化しているにもかかわらず、日本のマスコミはほとんど警鐘を鳴らしていない(著者によれば、そもそも大新聞レベルでも問題を理解できていないそうだ)。まあいいや、自分だけでも自衛しよう。



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