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 最近自動車産業のことを集中的に調べて、遅ればせながら認識するに至ったのは、ベラルーシ最大規模の企業であるミンスク自動車工場(MAZ、大型トラックおよびバスを生産)の経営状況が非常に深刻だということである。主力のロシア市場で景気が冷え込んでいる上に、ユーラシア経済連合発足で逆に輸出条件も悪化しており、このことがMAZの生産激減に繋がっている(先日のエントリーでトラック生産の減少参照)。普通の国なら、とうに倒産しているレベルである。問題は、MAZの従業員数が上図に見るとおり2万人近くに上ることで(図はベラルーシ財務省資料にもとづき服部作成)、当国最大の雇用がかかっているわけである。サプライヤーも含めれば、ざっと10万人ほどがMAZの関係で仕事をしていると言われている。

 それで、MAZは同じく大型トラックメーカーであるロシアのKamAZとの経営統合を模索していたが、条件が折り合わすに2015年に棚上げになった経緯がある。ようやく本題に入ると、こちらのニュースによれば、KamAZが所在するロシア・タタルスタン共和国のルスタム・ミンニハノフ首長はこのほど、KamAZとMAZは商品ラインナップを棲み分けるべきではないかと問題提起した。商品ラインナップがほとんど被っているので、お互いの言い分を聞きながらそれぞれの分担を決めるべきであり、その気になれば現実的だと、ミンニハノフは述べた。


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