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 論文執筆の参考とするために、既存の文献をいくつか読み返しているところなのだけど、そのうちの一つ、今井雅和『新興大国ロシアの国際ビジネス ―ビジネス立地と企業活動の進化』(中央経済社、2011年)。本書の中で、現在の私の関心に直接関係するのが、第1章第3節の「参入企業とロシア市場」という部分。ここでの分析では、外国企業のロシア市場への参入動機を、「ソーシング」(外国への輸出のための供給基地)、「マーケティング」(ロシア市場での販売)、「(ロシアでの)国内生産・マーケティング」、「リサーチ」と分類しており、この分類法は非常に有用である。そして、著者はロシアに進出した主要外国企業につき、どのカテゴリーに当てはまるかを示して一覧表にしており、非常に参考になった。

 本書執筆時点では、ロシアはエネルギー・資源のソーシング国とは位置付けられても、製造業のソーシング国となるのは非常に考えにくい、という図式だった。当時は、外資企業のロシア工場はもっぱらロシア国内市場向けだった。ロシア工場で現地生産して外国に輸出するようなことは、フィンランド系タイヤメーカーのノキアンなど、ごく一部に限られた。ただ、その後の情勢変化で、最近では日系を含む外国自動車メーカーのロシア工場から諸外国向けに自動車が輸出するようなケースも増えており、現時点でこの分析を行えばかなり違った図式が浮かび上がりそうである。今井さんには、ぜひ本研究のアップデートをお願いしたいところであり、特に今井さんのお詳しいタイヤ市場についての再論を期待したい(タイヤはロシアに所在する外国メーカー工場からの輸出が盛んになっている分野の一つなので)。



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