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 これは週刊エコノミストの先週号、「特集:ヘリコプターマネーの正体」。まあ、私の理解によれば、マイナス金利というのはミッドウェー海戦くらいで、ヘリコプターマネーはいよいよアベノミクスの本土決戦のようなものであり、そんなに遠くない将来に日本国民全員が本件に翻弄される可能性が高いので、問題意識を持っておいた方がいいと、個人的には思う。

 この特集を読んで、だいたい聞いたことのあるような話が多かった。そうした中、岩村充「ヘリコプターマネーはすでに現実:予期せぬ『出口』への備えが必要」は、日銀保有国債の永久債化プランという非常に具体的な危機打開方法が提示されており、新鮮ではあったが、正直この論考だけ極端に技術的で難しすぎ、私にはほとんど理解できなかった。

 ただ、直感的に思うことは、この岩村さんの提示している解決策は、とても頭の良い人が考えた、優れて工学的な対処法だということである。ということは、原発のように、すべてが遺漏なくきちんと機能すれば確かに有用かもしれないが、一つ想定外の出来事で歯車が狂えば、破局的な事態がもたらされるのではないかと、そんな予感を感じてしまうのである。それは、政治家の不用意な一言かもしれないし、S&Pの格下げかもしれないし、ヘッジファンドの攻撃かもしれないし、大地震かもしれない。こういうものは、プロ中のプロの高度なプランよりも、一般庶民の「国がいくら借金してもチャラなんて、絶対おかしい」という市井の感覚の方が、えてして本質を突いていたりするものだと思う。

 まあ、大多数の国民にとっては、「難しい話はさておき、では我々はどうすればいいの?」ということに尽きるだろう。エコノミストのこの特集号には、萩原博子「高インフレに備えるお金の動かし方」、深野康彦「インフレに備える投資術:不動産、金を買い、国債はショート」といった実践的な記事も掲載されているので、目を通しておいて損はないだろう。



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