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 3月に朝倉書店から『世界地名大事典』のヨーロッパ・ロシア編(第4・5・6巻)が刊行された。私はこの事典で、ロシアのウラル地方の大部分、極東地方の一部、そしてベラルーシのすべての記事の執筆を担当している。1巻当たり43,000円+税と、なかなか個人でお買い求めになるのは難しい価格だけれど、ご興味のある方はぜひチェックしていただければ幸いである。この事典は実に10年越しのプロジェクトであり、この間、個人的にもエッセイなどで何度か言及してきたが、いよいよそれが日の目を見たというわけである。

 本ブログの「日めくり紋章」というシリーズも、実を言うと、この事典の仕事でロシア・ベラルーシの都市や紋章のことを調べたので、それを部分的に利用してコンテンツにしようという思惑が、一つにはあった。日めくり紋章を遡っていただくと、ロシアの地名ではなぜかウラルや極東の地名が多かったはずだが、それにはこのような事情があったのだ。

 さて、本日から、ロシア連邦沿ヴォルガ連邦管区のペルミ地方(Пермский край)の紋章シリーズをお届けしたい。込み入った話になるが、ペルミ地方は現在の連邦管区の枠組みでは沿ヴォルガということになっているが、かつての経済地域の枠組みではウラルに組み込まれていた経緯があり、今日でもむしろウラルという自意識の方が強く、なので地名大事典の仕事でも私がペルミ地方を担当することになったわけである。石油採掘および加工、肥料産業、機械工業などが盛んな重要な工業地域だ。そのペルミ地方の紋章は上掲のとおり、深紅の地に、金色の表紙の福音書を背に載せて歩く銀色の熊(白熊ではないのでご注意)、その上に浮かぶ十字を描き(ここまではペルミ市の紋章と共通)、さらにその上部に王冠を被せたデザインとなっている。

 ペルミ地方の紋章には、熊と馬がよく登場する。頑張れ、熊本。

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