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 内陸の中央アジアおよびコーカサス諸国を、主にジョージアの黒海港湾を経由して、EUをはじめとする諸外国の市場と結び付けることを目標に据えたトラセカ(TRACECA: Transport Corridor Europe-Caucasus-Asia)という国際プログラムが存在する。ただ、現在までのところ大きな成果が挙がっているとは言えない。そうした中、中国主導の一帯一路(新シルクロード)構想が脚光を浴び、それが描くルートがTRACECAのそれとずれていることから、ここに来てTRACECAの位置付けがますます微妙になっているようである。

 ロシアのこちらのサイトに掲載された論考では、次のように論じられている。すなわち、かつてTRACECAを新シルクロードと吹聴していたEUだったが、最初から大規模建設投資には後ろ向きで、2009年には資金拠出を完全に打ち切った。一方、中国は、当初はロシアを迂回して中央アジア・コーカサス・トルコ経由で欧州との輸送路を構築することに関心を抱いていたので、TRACECAにも歩調を合わせていた。しかし、ルートに当たる国々のまちまちな政治・行政リスクに直面し、ロシアと協力した方が簡単だと、中国は判断した。EUは認めたがらないが、現在TRACECAは崩壊の手前まで来ており、EUが関心を高めなければ、コーカサス諸国や中央アジアはアジア開銀・中国・日本などとの協力にシフトするだろう、ということである。

 日本語版人民日報のこちらのコラムでは、「欧州のTRACECA(欧州-コーカサス-アジア輸送回廊)計画も同様に中央アジア諸国がロシアへの依存を脱するためのものだ。中国の『1ベルト1ロード』には排他性はなく、いかなる国と地域も希望さえすれば参加でき、発展成果を共有できる」として、後者の優位性が強調されている。


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