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 ロシア連邦チェリャビンスク州スネジンスク市(Снежинск)。ここも、ソ連の負の歴史を背負った街だ。この地にはスターリン時代に軍の療養所があったが、戦後に生物学研究施設が設立され、ドイツ人研究者に人体被曝の研究などに当たらせた。ソ連当局は1954年に、当時核開発の総本山だったアルザマス16(現サロフ)をバックアップすべく、それに次ぐ核兵器研究センターをこの地に創設することを決定し、「1011研究所」を設立した。産業の発達したウラル地方にあって、スヴェルドロフスクとチェリャビンスクという2大工業都市の中間に位置し、それでいて国境から遠いことが、この地に白羽の矢が立った理由だった。秘密都市ゆえに、街はコードネームで呼ばれ、1957~1959年は「カスリ2」、1959~1966年は「チェリャビンスク50」、1967~1993年は「チェリャビンスク70」だった。研究所は、核兵器開発のほか、核爆発による石油の出油促進など産業目的の核利用の研究にも従事した。新生ロシアの時代になって、1993年に市制が敷かれ、ようやく1994年に「スネジンスク」という固有の都市名を与えられた。これは「雪の街」という意味。2002年に制定された市の紋章は、原子力のマークを雪の結晶が取り囲むという、この地ならではの図柄となっている。


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