ちょっと用事があって、ロシア中央銀行のデータにもとづき、ロシアの四半期別の輸出入のデータをグラフにまとめてみた。時期的に微妙で、四半期データだとまだ2015年第2四半期までの数字しか出ていない。やや変則的だが、輸出を縦棒で、輸入を折線で示した。ロシアでは元々、石油価格の低下、経済低迷で、2015年に輸出入とも大幅に落ち込むことは、不可避と見られていた。2015年2月に発表されたロシア政府の予測によれば、2015年に輸出はドル・ベースで32.4%減、輸入は36.1%減となるとされていた。それが実際にどうなったかと言うと、月ベースではすでに8月までの輸出入額が発表されているので、2015年1~8月の輸出入実績を前年同期と比べると、輸出は31.9%減、輸入は38.8%減となっている。概ね、ロシア政府のシナリオどおりに進んでいると言えそうである。それで、ロシアの場合は何と言っても石油・ガスの輸出が主力なので、上図では輸出を石油・ガス(原油+石油製品+天然ガス+LNG)を示した赤部分と、その他を示した青の斜線部分に区分する試みをしている。油価が下落しているので、2015年に入って石油・ガスの輸出額が縮小しているのは当然である。問題は、大幅なルーブル安にもかかわらず、「その他輸出」が伸びておらず、2015年第2四半期には前年同期比縮小していることである。実際のところは、ロシアでは石油・ガス以外の輸出も、金属や穀物などの単純なコモディティが主力で、これらは石油価格と同様に現在は相場が軟調なので、思うように輸出額が伸びないということなのだろう。いずれにしても、通貨安→輸出競争力の強化という恩恵が見て取れないのが、痛いところだ。
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