ちょっとこんな本を読んでみた。遠藤友則(著)『一流の逆境力 ACミラン・トレーナーが教える「考える」習慣 (SB新書) [Kindle版]』。内容をコピーさせていただくと、
初めて明かされる!本田圭佑のレジリエンス
「超」一流の選手はなにが違うのか?
世界中から一流が集うセリエA。その中でもさらに選ばれたトップ集団である「ACミラン」。そんな超一流の選手たちは、失敗や挫折の「壁」をどうやって乗り越えているのだろうか。日本人でありながらミランのトップトレーナーとしてACミランの黄金期を支え、世界最高峰のクラブでシェフチェンコ、ガットゥーゾ、インザーギ・・などの超一流から絶大な信頼を集める著者が初めて明かす、壁を乗り越える考え方。
本田選手は昨年不遇のシーズンからどうやって復調のきっかけをつかんだか?
「やはり神様は平等だ・・・」 試練の中で漏らした言葉の真意とは?
超一流は、サッカー選手もビジネスマンも同じ思考で、試練を乗り越えている。
読んでみたところ、この本はサッカー本というよりは、典型的な自己啓発ものである。自分のサッカー界での体験を語った上で、「同じことはビジネスにも言えます」といった形で、ビジネスマンを中心とした一般読者に訴求しようとしている。まあ、ACミランでトレーナーをやったという稀有な日本人の体験談を活かし、一般人向けの自己啓発本に仕立てて一儲けしようというのは、編集側が考えたことだろうから、著者に罪はない。
内容的には、まあまあ面白く、私個人にとっては値段相応の価値はあった。ただ、ここで語られている教訓を私自身のキャリアで実践できるかと考えると、答えは否に近い。ACミランのような世界から選りすぐりのエリートが集まってくるような職場と、世間一般の職場とは、まるでありようが違う。
遠藤氏は、一時期ACミランに在籍したA.シェフチェンコにも信頼され、その関係で2006年のワールドカップでウクライナ代表のスタッフ入りもしたそうだ。そんな話は知らなかった。本書の中で、シェフチェンコにかかわる部分だけ、以下引用させてもらう。
ミラン時代に2度の得点王に輝き、03-04年シーズンのバロンドール(ヨーロッパ年間最優秀選手)にも選出されたアンドリー・シェフチェンコも年間を通じて練習の前後に 「遠藤! ストレッチをやるぞー!」 といって、必ず私を呼びに来ました。 たかがストレッチですが、毎回の練習、試合の前後に5分間のストレッチを欠かさずにやり通した選手は、シェフチェンコの他、後にも先にもいませんでした。 誰でもできる簡単なストレッチ。いくらでも続きそうなものですが、きちんと続けられる選手はいません。それこそ、シェフチェンコが超一流である由縁なのかもしれません。
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