まだ途中経過の話なので、軽く紹介するにとどめるが、こちらの記事によると、ウクライナ議会は3月20日、石油ガス産業の改革に関する法案を第1読会で可決した。この法案は、ウクライナの石油ガス産業の独占体である「ナフトガス」社の再編を可能とする一方、ガス輸送システムの賃貸や民営化は禁止する内容になっている。法案の起草者によれば、その狙いは、ロシアがウクライナのガス輸送システムを支配するのを防ぐ点にあるという。ただしこれに関しては、今回の法案は逆にロシア・ウクライナのガスコンソーシアム形成に向けた第一歩となると指摘する専門家もいる。

 記事によると、ウクライナは欧州エネルギー共同体の参加国となり、エネルギーの輸送・採掘・販売を分離することを義務付ける第3エネルギー・パッケージの規定を導入することを義務付けられている。だが、ナフトガスを再編しようと着手するたびに、その再編がロシアによるガスパイプライン支配につながるとする野党の反対に会ってきた。そこで政府は譲歩を行い、野党議員のYu.カルマジンの提案した代替法案を支持する姿勢を示した。この代替法案には、ナフトガスおよびその資産の民営化・賃貸・リース・コンセッションを禁止する旨が明記されている。それでも、専門家のV.ゼムリャンシキーは、確かに法案は国のガスパイプラインに対する支配権をうたっているものの、審議の過程でコンソーシアムの形成に道を開くような修正が加えられる可能性がきわめて高いと指摘している。