20150510moldova

 最近、仕事で日本とNIS諸国(旧ソ連の新興独立諸国)の貿易データを整理したところ、日本が同諸国から衣料品を結構輸入していることに気付いた。2014年の輸入額は、

モルドバから:7.9億円
アルメニアから:7.1億円
ウクライナから:4.2億円

 といった具合である。なお、ベラルーシからの衣料の輸入は記録されていないが、同国からは糸や繊維がちょこっと輸入されている。

 中でも最も目を引くのが、モルドバからの衣料の輸入である。このアイテムのお陰で、最近日本のモルドバからの輸入総額が急増している(ただし、それでも2014年現在で14.5億円にすぎないが)。それを支えている最重要商品が、衣料品ということになる。

 はて? モルドバ製の衣料とは、一体いかなるものだろうかと思ってググってみると、欧州系(フランスで発祥し現在はミラノに本社)の「モンクレール」というブランドの結構高価なアパレルが、日本に出回っていることが分かった。スポーティーな商品を出しているところで、ダウンジャケットなどが有名らしい。同ブランドの公式HPはこちら、ウィキ記事はこちら、アマゾンで検索した結果がこちらである。ただし、ネット界隈では、モルドバ産は偽物といった風評も流布しているようだ。なお、モンクレールにはアルメニア製の商品もあり、同国からの衣料輸入額にはその数字が反映されているのかもしれない。

 推測するに、これまでルーマニアとかに下請けに出していた西欧のアパレルメーカーが、より賃金の安い旧ソ連の欧州系低所得国であるモルドバあたりに生産をシフトする動きが徐々に生じており、そうした商品が日本にも流入しているということではないだろうか。まだまだ小さい芽だとは思うが、国内製造業が壊滅状態のウクライナやモルドバの現状を思うと、期待したくなる。


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