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 私は、ロシアのサッカー事情のことを研究テーマの一つとしているが、サッカーそのものについては素人なので、サッカーと政治・経済のかかわりといったことに着眼して情勢をフォローしている。そんな観点から、興味深い記事が出たので、それを紹介しておく。

 沿ヴォルガ地域のサマラ州サマラ市に、クルィリヤ・ソヴェトフというクラブがある。プレミアリーグを戦いの場とする大都市のチームながら、常に経営難に苦しんでいる印象がある。2008~2010年には国家コーポレーション「ロステフノロギー」がスポンサーを務めていた由だが、その支援が打ち切られると、実質的に経営破綻した。その後も安定したスポンサーが見つからず、リーグ戦でも下位をさまよっている。2012年の前半には、大手財閥のレノヴァがクルィリヤ・ソヴェトフの支援に乗り出したという報道が流れたが、どうも具体化している様子はなかった。

 そうしたなか、今般、こちらのニュースが流れた。これによると、従来民間資本に属していたクルィリヤ・ソヴェトフの株75%が、無償で、近くサマラ州行政府に譲渡されることになった。サマラ州行政府が発表した。N.メルクシキン知事は、以下のようにコメントしている。我々は最終的な決定を下した。同クラブではこれまでも法的なゴタゴタがあったので法律面をきちんと詰める必要がある。株の譲渡はクラブおよび州双方にとって利益となる。4月16日に株主総会が予定されているが監査が必要なので延期されるかもしれない。今後はクラブの運営にサポーターがより積極的に参加すべきで、取締役会にも入るべきであり、彼らの健全な意見を取り入れていきたい。トリヤッチ市にあるユーリー・コノプリョフ記念サッカーアカデミーも州行政府の所有となり、同アカデミーはロシア最良のサッカースクールの一つであり、今後はさらに発展させてクルィリヤ・ソヴェトフの選手を育てたい。サマラ市にもサッカースクールを作ってサマラ市、スィズラニ市、ノヴォクイブィシェフ市などの若者を育てたい。知事は以上のようにコメントした。

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