このブログは、それでなくても経済特区に関するエントリーが多いのだけど、今ちょっと、また特区についての文章をまとめているところで、手が離せないので、その過程で目にした情報を上げておく。

 私は2010年6月にゼレノグラード特区を訪問し、聞き取り調査を行ったことがある。当時は、2009年に特区法が改正され、新たなチームが株式会社「経済特区」支社の幹部として派遣され特区の経営に乗り出した直後だったので、幹部たちは意欲に満ち溢れていた。しかし、どうも、その後もゼレノグラード特区の進捗は捗々しくないようだ。今般、地元の情報ウェブサイトに掲載されたYu.ヴァシリエフ株式会社「経済特区」ゼレノグラード支社長のインタビューからも、そのことが確認できる。長いインタビューであり、様々な問題について語っているが、私なりに要点を整理すれば以下のとおりである。

 ヴァシリエフ支社長によると、直近の数字でゼレノグラード特区の公式的な入居企業数は、35となっている。しかし、そのうち15~20は、事業が進んでいない問題のある企業である。問題企業は、2種類に大別できる。第1のグループは、特区の評議会に再三にわたって招集しても出席しようとせず、活動実態がまったく不明な企業の一群である。特区法には投資家に不利な法改正は行わないとの規定があるし、企業は入居契約を特区管理会社ではなく経済発展省と結ぶので、我々としては苦慮するところだが、こうした企業については契約破棄を視野に対応を厳格化すべきで、我々は法的手段も辞さない。第2のグループは、評議会には出席しているが、事業が計画どおりに進んでおらず、スケジュールの修正を求めている企業たちである。こうした企業については、計画変更が理に適ったものであれば、我々としては経済発展省にスケジュールの修正を勧告する意向である。私が支社長に就任したのは2011年4月だったが、その時点で特区のインフラ建設作業は2~2.5年ほど遅延しており、その後はそれ以上の遅れを出さないことで精一杯で、特区の主要インフラが完成するのは2014年初めになる。なお、ゼレノグラード特区では、モスクワ・エレクトロニクス大学と、アラブシェヴォ区に次ぐ、特区の第3の区画をゼレノグラード地区内に設けることを申請してきたが、モスクワ市の了解が得られず、第3の区画は今般モスクワ市が南西に拡張することによって市の領域に入ったトロイツク区の近くに創設されることになった。ヴァシリエフ支社長は、概要以上のように語っている。

 なお、私が2010年6月に面談した際には、ヴァシリエフ氏はまだ入居企業担当部長だった。下の写真の一番右の人が当時の支社長さんであり、右から2番目の髭面の男がヴァシリエフ氏である。支社長を追い落としてしまったのだろうか?

20130326zelenograd

ブログ・ランキングに参加していますので、
よかったら1日1回クリックをお願いします。
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ