最近の私は、一難去ってまた一難という感じで、息つく暇がない。『調査月報』の編集作業は無事完了したのだけれど、この3連休は新たな任務に追われている。2月21日に、「日・黒海地域協力の発展に向けて」という国際会議で基調報告をすることになり、その報告要旨を連休明けまでに英語で出さなければならないのだ。このところ、自宅にいる時間は結構あるものの、ほぼずっと何らかの仕事をしているような。まあ、好きな仕事をやらせてもらっているし、世間の皆さんと比べて忙しいかどうかは分からないが、さすがにちょっと煮詰まっており、2~3日何もしないでボーっとしたくなってきたなあ。

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 さて、そんな中でも、今般3週にわたってNHKの地上波で放送されたドラマ「メイドインジャパン」は面白そうだったので、観てみた。その感想を述べさせてもらう。ストーリーは、

 円高、欧州債務危機、中国・韓国等新興国の追い上げ。 製造業が軒並み危機を迎える中、巨大電機メーカーが、「余命三か月」の倒産の危機に追い込まれた! 会社の命運を握るのは、営業、財務、工場の現場で先頭に立ってきた3人の男。 かつて世界中でテレビを売りまくった営業マンが、会長の特命でリーダーとなり、 秘密裏に七人の「再建チーム」を結成。起死回生の倒産回避に奔走する。   だが彼らの前に、一人の日本人技術者が立ちはだかる。 男は営業マンの盟友だったが、会社をリストラされ壮絶な過去を経ていた。 今、男は己のリチウムイオン電池技術を武器に、自分を切り捨てた友へ宣戦布告する。 「技術は誰のものか」という争いの中、日中の巨大企業の激突が始まる・・・。   日本人にとって、会社とは、人とは何なのか? 「メイドインジャパン」は生き残ることができるのか? ―ドラマは戦後の日本を支えてきた物づくりの意義を問いつつ、逆境を乗り切ろうとする日本人の姿から、「メイドインジャパン」とは何かを正面から見据え、描いていく。

 というもの。まあ、このテーマ自体はアクチュアルで、私も大枠の物語は楽しめたが、個人的にはストーリーが甘く、若干破綻気味であるように感じた。たとえば、舞台となる日本のタクミ電気という会社は、リチウムイオン電池の日系自動車メーカーへの供給契約を中国メーカーに奪われたことから危機に陥っていくわけだが、そもそも物語ではタクミ電気は電池の開発を打ち切ったことになっており、だからこそ技術者が中国メーカーに転職するわけである。タクミ電気は中心的な技術者を失って、いったん開発を打ち切った電池を、どうやって完成させたのか? このストーリーの根幹にかかわる疑問について、ドラマは何の回答もヒントも与えていない。また、会長が秘密裏に社の中のはぐれ者的な人材を集めて匿名の再建チームを結成させ、会社再建のために極秘で奮闘するというのがドラマの主たる展開なのだが、あれだけ世界中の金融機関や会社に片っ端から支援・提携を打診したら、「極秘」も何もあったものではない。まあ、人間ドラマとしてはなかなかよくできてはいたが、企業ドラマとしては成功作とは言えないというのが、私の評価。

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