10月17日、ロシアでO.ゴヴォルン地域発展相がその職を解かれ、後任の大臣にはI.スリュニャエフ前コストロマ州知事が任命された。5月にメドヴェージェフ内閣が成立して以降では、初の閣僚交代となった。

 こちらの記事などにもとづいてまとめると、事の発端は9月にV.プーチン大統領が2013年予算案を検討する会議において、政策ロードマップを示した5月の大統領令をしかるべく執行していないとして、ゴヴォルン地域発展相、D.リヴァノフ教育・科学相、M.トピリン労相を激しく批判したことであった。ゴヴォルン大臣は、省が取り組みを強化すると応じたものの、その後体調を崩して公務から外れ、マスコミでは解任説が流れていた。一方のスリュニャエフ新大臣は、コストロマ州知事在任時に行われた昨年暮れの連邦下院選挙、本年3月の大統領選挙で、与党「統一ロシア」およびプーチン候補の州内での得票率が悪かったことから、4月に知事から引責辞任したという経緯がある。今回大臣に起用されたのは、メドヴェージェフ首相との知己によるものと伝えられる。コストロマ州知事時代の働きぶりに関しては評価が分かれており、数多くの文化行事を開催したと評価する声がある一方、州財政の債務の増大や、州行政で汚職やスキャンダルが多発したという面もある。

 一連の専門家は、今回の閣僚交代につき、以下のように論評している。A.ムーヒンは、スリュニャエフの任命は今のところ技術的な性格を帯びているが、ゴヴォルンよりは期待が持てるかもしれないと述べた。V.スラチノフは、知事を務めたスリュニャエフの知識と経験は、門外漢だったゴヴォルンのそれよりは地域発展相によりふさわしいという見方を示した。M.レミゾフは、ゴヴォルンは自らに対する叱責を2つの理由から理不尽と受け止めており、それは第1に在任期間がまだ短すぎ、第2に地域発展省がいくつかの政策を実施できなかったのは財務省が厳格な立場をとったからであり、地域発展省のせいではないからだ、と指摘。D.アブザロフは、ゴヴォルンが辞任を申し出たのはあまりに感情的な対応であり、他にやりようがあった、ゴヴォルンの解任は具体的な成果を出さなければ首を切られるというシグナルをすべての政権幹部に送ることになる、という見方を示した。


ブログ・ランキングに参加していますので、
よかったら1日1回クリックをお願いします。
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ