20120919pavlyatenko

 ロシア科学アカデミー極東研究所日本研究センターで主任研究員を務めているヴィクトル・パヴリャチェンコ氏という論客がおり、最近日本の領土問題に関し発言することが多いようである。

 日本の中国専門家の知り合いに教えてもらったのだが、今般中国の『人民日報』に、パヴリャチェンコ氏の次のようなコメントが出たそうである。「選挙のたびに、領土問題は往々にして日本の政党が政治的利益を求めるための道具となる。アジア太平洋地域において日本は戦後形成した国際秩序に対して一貫して挑戦しようと試み、頻繁に他国に対して領土要求を出してくる。釣魚問題で日本は争議を拡大しようと試みている。」

 我々から見ると、ずいぶん不穏当で一方的なコメントに思える。そこで、別途ネットを検索してみたところ、ロシアのサイトで、パヴリャチェンコ氏が17日に尖閣問題にコメントした、別のインタビュー記事がこちらにあった。これを読むと、氏は、歴史を遡ると尖閣の領有権の主張はどちらかと言うと中国の方に分があると指摘している。中国が古文書を根拠としているのに対し、日本はたかだか19世紀末、すなわち日清戦争に勝った後の1895年の文書を根拠にしているからにすぎないからだというのが、パヴリャチェンコ氏の指摘。というわけで、『人民日報』のコメントはかなり一面的に編集されているにせよ、このパヴリャチェンコ氏、日本研究センターに身を置く割には、日中関係に関し日本寄りでないことは間違いなさそうだ。

 ちなみに、そのパヴリャチェンコ氏(写真)のバイオはこちらに出ている。1947年カリーニングラード州生まれで、ソ連時代から一貫して日本研究に取り組んできた人物である。


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