8月31日から9月9日までモスクワで開催されるモーターショーに関し、8月31日付の『ヴェードモスチ』紙が紹介記事を載せているので、それを抄訳しておく。

 8月31日から9月9日まで、クロックス・エクスポ見本市会場において、モスクワ国際自動車サロン(MMAS)が開催される。MMASは比較的歴史の新しいモーターショーで、2年に1度開かれているが(クロックスで開かれるようになったのは2006年から)、すでにパリ、ジュネーブ、デトロイト、フランクフルトといった歴史のあるモーターショーと同等のAカテゴリーを付与されている。これまで、夏の終わりというモスクワの開催時期は、不利と思われていた。というのも、多くのメーカーは8月のパリのモーターショーで目玉となる新モデルを発表するからである。しかし、ロシア市場は年々重要性を増し、それは大衆車だけでなくプレミアムクラスについても同様である。それゆえに、今回10以上のモデルのワールドプレミアがパリではなくここモスクワで行われるのも、驚くには値しない。ロシアの専門誌『ザ・ルリョーム』のA.チュイキン編集長は、「MMASはパリとますますしのぎを削るようになっている。というのも、ヨーロッパではドイツを除いて販売が振るわないのに対し、ロシアでは危機があろうと国民が自動車に投資しようとすることを、メーカー側が良く分かっているからだ」と指摘する。

 実際、今年のMMASには世界およびロシアの主要ブランド・メーカーがこぞって出展している。そのなかでモスクワでワールドプレミアを行うのは、アウディー、ベントレー、BMW、シトロエン、ジャガー、ランドローバー、マツダ、メルセデスベンツなどである。見本市の訪問者は、サンタフェ(ヒュンダイ)、ジューク(日産)、ソレント(起亜)、グランド・ヴィターラ(スズキ)といった大衆的なクロスオーバーSUVの新型車を体験できる。むろん、中価格帯のシトロエンC5、日産アルメーラ、オペル・アストラ・セダン、マツダ7などの新モデルに触れることもできる。

 専門家のP.メニシフ氏によれば、アルメーラはロシアできわめて人気の高いモデルだが、今回発表される新アルメーラに至ってはロシアの道路および気候条件を考慮してロシア向けに特別に開発されたモデルであり、今回のMMASの目玉になるという。同モデルはトリヤッチで生産され、ロシアの国民車の座をうかがう車であるという意味でも、興味を引きそうだ。本年末までに、我々はAvtoVAZ・ルノー・日産という強力な連合の成果を目撃することになり、そのことはロシアの自動車産業が代用的なものから完全なものへ、世界レベルへ移行する重要な一歩となるはずだと、メニシフは指摘する。

 クロックス・エクスポでは、シボレー、ヒュンダイ、起亜、レクサス、リファン、日産、ロールスロイス、双竜、スズキ、フォルクスワーゲンなどの新型車のヨーロッパ・プレミアも行われ、約20のモデルに上る。さらに、ロシア・プレミアは80以上に上り、MMAS2012の規模の大きさがうかがえる。展示面積は10万平米を超え、出展者は100社以上を数える。来場者は100万人を上回る見通しである。

 MMAS2012の唯一の難点は入場料が高いことで、最初の3日間は800ルーブル、9月3~9日は600ルーブルとなっている。また、会場には駐車スペースはかなりあるものの、道路が渋滞するので、主催者は地下鉄での来場を勧めている。


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