20120802by_egypt

 C組の3ラウンド目、エジプトVSベラルーシはエジプトが3:1で勝利した。この試合、ベラルーシが勝つか引き分ければC組2位となり、準々決勝で(日本が有力視される)D組1と対戦するということで、本ブログでは一人キャンペーンを張ってきた。昨日などは、エジプトVSベラルーシ戦の前に、自分のHPに貼るための準備作業として、「祝!日本VSベラルーシの対戦実現」なんてバナーを作成したりしたんだけど、完全に徒労に終わった。我ながら、持っていない男である。

 昨晩は、試合結果以前の問題として、ネット生中継に関しイライラさせられた。昨日も本ブログで予告したとおり、こちらのサイトでネット中継を観ようと思ったのだけど、同サイトから進むことができたのはアラブ圏(エジプト?)の放送局の中継だったようで、むろん言葉は分からないし、画質も酷くて。しかも、映像・音声がすぐに止まってしまい、動画というよりも、汚い静止画のスライドショーを見せられているようだった。あまりに酷いので、ハーフタイムにどこか別の良いサイトはないかと思って探したところ、こちらの「FOOTBALL HD.ru」というのを見付けた。こちらの方は画質は多少マシだし、ロシア語のアナウンスというのも有難かったが、映像・音声が途切れがちなのは同じ。まあね、地球の裏側でやってる試合を、無料で、リアルタイムで観られるわけだから、考えてみれば画期的ではあるのだけれど、それにしても自分がこれだけ強く思い入れている試合は、有料でもいいから、もうちょっと良い環境で観たかった。

 なにせ視聴が静止画のスライドショーに近かったので、ちゃんとした戦評は書けないけれど、全体としてエジプトの圧勝であり、ベラルーシはほとんど歯が立たなかった。ゴールシーンだけ、こちらで動画を観ることができる。ベラルーシは引き分けでもよかったわけで、当ブログでは引き分け以上の確率は60%くらいかな、なんて呑気なことを言っていたわけだが、今となっては、不明を恥じる他ない。

 基本的に、ベラルーシ五輪代表チームの戦い方は、8人くらいで自陣にブロックを形成して守備を固めるというものである。前線には、ブレッサン(1.5列目)とコルニレンコ(トップ)が縦関係で並んでいて、ボールがとれたらまずブレッサンに渡してそこでタメを作り、彼から良い形で展開できた時だけ攻撃する、前の3~4人だけで少ない手数でシンプルに攻め切ると、そんなコンセプトのチームだった。で、昨晩のエジプト戦では、引き分けでもOKだったので、いつも以上に守備に重点を置き、前半はほとんど攻撃らしい攻撃は繰り出せなかった。ただし、その割には最終ラインは意外に高く、エジプトは前半から何度も最終ラインの裏へのパスを試みていた。特に、ベラルーシの左SBの後ろのスペースが狙われ、何度かピンチになりかけていた。

 結局、後半に入り、56分に案の定ベラルーシの左サイドが崩され、先制点を許してしまうのである。ベラルーシは、自陣にブロックを敷いている時には安定しているが、自分たちがボールを持って「いいこと」をしようとすると、無理なパス回しでボールを失い、大ピンチを招く傾向がある。前半は我慢して、後半から少しずつ攻撃の形を出して行こうというような考え方だったのだと思うが、そうしたとたんに失点してしまうのだから、皮肉なものである。はっきり言って、典型的なリアクション・サッカーのベラルーシにとって、先制点をとられるのはかなり致命的である。先制を許したあと、ようやく目が覚めたように反撃に転じ、枠内シュートも何本か放ったが、前がかりになったところをカウンターでやられるというお決まりのパターンで、73分、79分と立て続けにエジプトに追加点を許してしまう。ベラルーシはメンタルも見るからに弱く、87分にコーナーからようやく1点を返しても、ゴール前に転がるボールを掴みとってセンターサークルにダッシュしようとするプレーヤーは1人もいなかった。

 戦力が弱体な中で、コンドラチェフ監督の指導の下、守備に重点を置いた堅実な戦い振りで接戦をものにし、五輪の舞台までたどり着いたベラルーシだったが、やはりベスト8に名乗りを挙げる実力は持ち合わせていなかったと、言わざるをえない。まあ、世間一般の皆さんにとってはどうでもいいだろうが、サッカーの大きな国際大会で、日本とベラルーシが激突するなどというのは、30年に一度あるかないかの出来事だろう。個人的には、「あと一枚の壁を越えてさえくれれば」と嘆きたくなるのとともに、ベラルーシ代表の実力からするとその壁はとてつもなく厚かったという諦念も覚える。

 民衆パワーで革命を起こした国民と、独裁者の下で子羊のように暮らしている国民のパワーの違いが出たかと、捨てゼリフを吐いて締めくくっておく。

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