服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 こちらの記事によると、2016年のロシアから「近い外国」(近隣の旧ソ連諸国)への原油の輸出は1,814.8万tで、前年比20.3%減だった。その際に、原油が輸出された相手国は、ベラルーシだけだった。前年もほぼ九分九厘、ベラルーシ向けだったので、すなわち、ベラルーシ向けが約20%低下したということになる。

 一方、2016年のロシアから旧ソ連域外の「遠い外国」向けの原油輸出は、2億3,581.3万tで、前年比7.0%増大した。


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 こちらの記事によると、英『バンカー』誌が選出する毎年恒例のセントラルバンカーオブザイヤーの表彰で、ロシア中央銀行のエリヴィラ・ナビウリナ総裁(写真)が2016年の欧州で最も優秀な中銀総裁に選出されたということである。近年の通貨安、銀行システムの問題といった難局の中で、強力な手腕を発揮し、ロシアが2017年にプラスの経済成長に復帰することに貢献した点が評価されたという。

 まあ、確かに、中央銀行だけとったら、日本よりもロシアの方がはるかにまともな国だ。


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 ウクライナ=肥沃な黒土という図式があり、鉱工業の衰退が進む中で、農業が同国を支える度合いが強まっている。

 しかし、こちらに見るように、ウクライナの土壌・農業化学研究所のスヴャトスラウ・バリューク所長はこのほど、ウクライナの黒土が劣化していることを指摘し、警鐘を鳴らした。所長によれば、ウクライナ黒土の養分は、すでに西欧の農地の半分となっている(西欧では化学的な施肥の時代が150年以上続いているので)。過去130年間でウクライナの黒土は腐植質の30~40%を失い、もはやその肥沃さは平均的なレベルにすぎなくなっている。ウクライナ黒土2,600万haのうち、1,500haは劣化した状態にある。米国で行われているように、ウクライナでも土壌保護のための国家機関が必要である。研究所は、農業省と共同で、土壌保護のための法案を起草した。バリューク所長はこのように語った。

 このバリューク所長の指摘を踏まえたこちらの記事でも、ウクライナでヒマワリ、アブラナ、トウモロコシといった負荷の重い作物を無制限に栽培していることが、土壌の劣化に繋がっているとしている。

 正直言って、ウクライナの黒土が劣化し、その生産性が並みになってしまうなどということは、これまで個人的に考えたこともなかった。そんなことがあるのかと思い、情報を検索してみると、日本語では以下のような情報がヒットした(どこのどなたが書いたものなのかは不明)。

 植物の成長には日光や水以外に燐や窒素といったものが必要です。世界の穀倉地帯、ロシアやウクライナの黒土帯やアメリカのプレーリーバンクでは、草原に長年蓄積された燐や窒素があるので長年大きな収穫を続けることができたのです。しかし、こうした地域は長年の酷使で次第に養分が枯渇しつつあります。例えば、人工的に窒素肥料を作ろうとすると、原料は無尽蔵ですが高温高圧条件で反応させなければならないので莫大なエネルギーが必要です。しかし、昔ながらのやり方、ヨーロッパでよく見られるように畑を一定期間牧草地にすれば地力を回復させることができます。また、大豆を栽培することによっても窒素分を回復させることができます。ところが、残念なことに大豆の作付け面積は大幅に減少しています。(以下省略)


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 こちらのサイトに、ロシアを中心に5ヵ国から成るユーラシア経済連合の2016年の動向をまとめた記事が出ており、内容を紹介する余裕はないが、下に見るような便利な図が出ていたので、メモ代わりに転載させていただく。

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 こちらに、2016年のウクライナ経済、金融、財政を回顧する記事が出ているので、要旨を簡単に整理しておく。

 中央銀行がウクライナの銀行システムの健全化を推進し、過去3年間で85の銀行が閉鎖され、現在残っているのは99である。ただ、専門家によれば、これで銀行システムが健全化されたと考えるのは早計であり、まだ銀行システム浄化の第2段階に突入しただけであり、第3段階の浄化が生じることもありうる。2016年終盤には、最大銀行「プリバトバンク」がオーナーのコロモイシキーおよびボホリュボフの筋書きに沿って電撃的に国有化されるという大きな事件があった。本件はIMFの支援も得ていた。

 エコノミストのアンドリー・ノヴァクは、2016年に通貨グリブナの下落が続いたのは100%人為的なものであり、経済的な根拠は一切なかったと主張する。目的は2つあり、第1に国家財政の歳入をインフレ効果で満たすこと、第2に輸出を促進することだった。

 2016年のGDP成長率は1.3%程度となる見通しである。2012年第3四半期からマイナス成長を続けていたウクライナ経済が上昇に転じたことは、2016年の最大の出来事だった。

 金外貨準備高は、現在150億ドル程度であり、2年前の65億ドルに比べて正常なレベルにある。これはIMFをはじめとする融資の賜物である。しかし、本来であれば金外貨準備の残高というよりも、それを利用して適正な為替レートを維持することの方が重要なはずである。

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 こちらに、2016年のウクライナの産業動向をまとめた記事が出ているので、主要部分を以下のとおり抄訳しておく。

              ◆

 ウクライナで政変が起きて3年目にして、ようやくウクライナ産業が活気付く兆候が見え始めた。見て取れるのは3つのトレンドである。第1に、産業部門別のクラスターが復活したり、新たに形成されたりしている。第2に、各企業は活発に新たなパートナーや販売市場を模索している。第3に、ウクライナの生産・産業文化はますますグローバルな通商慣行に統合され、世界的な経営およびロジスティクスのスタンダードに移行し、資本市場のルールを受け入れている。

 かつて販売の70~80%をロシア市場に依存していた各企業も、新たな市場を開拓している。「ザポリージャ変圧器」社は、10年のブランクを経て、マレーシアに発電所用のリアクター5器を納入する入札に勝利した。また、同社として初めて、南アフリカに変圧器を輸出する契約を勝ち取った。

 ミコライウのゾリャー・マシプロエクトは、軍用船向けのガスタービン等を生産しているが、中国、イラン、インドなどアジアでの営業を強化しており、インド向けには4隻の軍用船用のタービンを供給した。ガス汲み上げおよびコンプレッサーステーション用のポンプ設備などを生産しているフルンゼ記念スムィ科学生産合同も、アジア市場に重点を置いているが、まだアジア市場でロシア市場の喪失を埋め合わせるには至っていないので、ウクライナ国内市場の復活に期待をかけている。

 他方、問題は、ウクライナでは現在に至るまで、産業政策の調整役となる国家機関が存在していないことであり、過去5年ほどその創設の試みが続けられているが、実を結んでいない。それゆえに、一つの部門が他部門の動きについて情報を持たず、活動に齟齬が生じることがある。ウクルトランスガスが南方面の一連のコンプレッサーステーションを近代化する入札を発表しているが、ロシアがトルコストリームを打ち出したことで、40億グリブナの資金は無駄になった。しかし、フルンゼ記念やゾリャーのような規模の企業には、特に現時点では、このような大型受注が必要である。

 ウクライナ政府はザポリージャ・アルミ・コンビナートを国営に戻したものの、デリパスカのルサールが原料供給に応じないため、その稼働は実現できないでいる。工場の接収後、状況はまったく変わっておらず、工場は再び払い下げられることになろう。

 鉄鋼業は、ウクライナの最大産業に留まっており、外貨収入の3分の1を占めている。2016年1~11月の粗鋼生産量は2,220万t(前年同期比5.6%増)で、世界第10位であった。

 他方でウクライナは鉄鉱石輸出市場を失いつつあり、特に中国市場ではオーストラリアとブラジル勢に駆逐されている。特に輸出を減らしているのは北鉱山、南鉱山、クリヴィーリフ鉱山であり、一方、生産および輸出量が最大なのは引き続きポルタヴァ鉱山である。中国への輸出減は、セルビア、日本、韓国への輸出増によって部分的にカバーされた。また国内供給も増加し、アルセロールミタル、アルチェウシク、エナキエヴェの各製鉄所が消費を拡大した。

 アルチェウシク、エナキエヴェの両工場は武装勢力の占領地域にあり、ドンバス紛争後はほぼ操業停止していた。2016年の前向きな動きとして、占領地域のほぼすべての冶金工場が生産を再開し、大幅な生産増を記録したことが挙げられる。ドネツィクスターリは、銑鉄生産を倍増させ、新製品の生産にも乗り出している。エナキエヴェ、マキイウカの両工場も新たなサイズのL字鋼2種類を生産し、輸出向けに出荷する。

 イリチ記念コンビナート、ザポリジスターリは、輸入代替の一環として、ボロナイジング鋼板の生産に着手した。農機向けに利用される鋼板であり、従来はフィンランドやポーランドから輸入されていた。

 鉄鋼業界は政府から国内市場の保護措置も取り付けた。9月には大統領が、屑鉄の関税率を1t当たり10ユーロから30ユーロに引き上げる法律に署名、割高な関税は1年有効となる。屑鉄の利用は、粗鋼の生産コストを大きく引き下げる。ウクライナでは過去3年間も屑鉄の不足が続いており、2016年初頭には20%に達した。たとえば屑鉄だけを原料としているインテルパイプ・スターリでは、2ヵ月の操業停止を余儀なくされた。しかも、ウクライナの鉄鋼各社はロシアからの海綿鉄の輸入を4倍も拡大することを余儀なくされた。11月には屑鉄に対する5%の関税を撤廃する法律が成立、これによって屑鉄輸入の拡大が可能になり、鉄鋼業は国から多大な支援を受けた形となった。(注:文意、事実関係など、やや不明瞭)

 化学工業は、オリガルヒに押され、ウクライナ政府にとって2016年に最も上手くいかない産業部門となった。フィルタシのOstchemグループは2006年~2011年に供給されたガス代金の未払いを起していたが、それを取り立てたことに対し、2016年3月に当時ヤツェニューク首相が率いていた内閣はナフトガスおよびガス・ウクライナの幹部に国家勲章を授与した。和平協定調印後、Ostchem傘下のチェルカスィ工場、リウネ工場はナフトガスおよびガス・ウクライナに30億グリブナのガス債務を償還した。セヴェロドネツィクおよびスチロールの債務は、ドンバス停戦後に24ヵ月かけて分割払いされることになった。フィルタシは自社の工場に再びガスを供給できるようになった。

 しかし、フィルタシは徴収された30億グリブナを許容することはなかった。彼は肥料市況を良く知っており、現在の価格動向では肥料を生産しても天然ガスの原価を賄えないので、リウネ工場とチェルカスィ工場は2016年中ほぼずっと操業を停止し、「本格改修」に入った。10月13日、Ostchemは、セヴェロドネツィク工場をロシアから運ばれたアンモニアを原料として稼働再開することを表明、またコジェネ設備を導入してエネルギー依存を解消すると発表した。しかし、12月7日にはセヴェロドネツィク工場が1,700人の従業員を解雇する計画であることを発表。Ostchemは2016年のウクライナの窒素肥料市場におけるロシア産のシェアが51%に達しており、早急にアンチダンピング関税の導入が必要と表明した。農業団体は、Ostchemがロシア産肥料に関する事実を歪めていると批判している。それでも経済発展省は、ウクライナが単一の供給者に依存していることから、ロシア産の窒素肥料に18.8~31.8%の関税を設定することを提案している。ただし、正式決定には議会での立法化が必要である。

 まさにこの時期、ウクライナ最大の肥料工場であるオデッサ臨港工場民営化の2回目の公開入札が失敗に終わったことが明らかになった。1回目の入札は2016年7月に失敗し、価格は5分の2の2億ドルにまで引き下げられた。専門家らによれば、入札が上手く行かなかった主原因は、ウクライナに自由なガス市場が存在していないこと、同社をめぐり腐敗が生じていることだという。その間に、ロシアのトリヤッチアゾトは、オデッサ臨港工場向けのアンモニアのパイプライン輸送の停止を表明した。2016年の輸送量が1t当たり8ドルに引き上げられていたことを無効とするよう裁判所に訴えていたが、敗訴したからである。料金の引き下げと過払い分の返還を提案しており、交渉が行われている。7月25日にストックホルム仲裁裁判所はオデッサ臨港工場がOstchemに2.5億ドルを支払うべきという判決を下しており(この金額は年初にフィルタシが徴収された額の2倍に当たる)、Ostchemは12月27日オデッサ州ユジネ市裁判所に対し同判決を承認し強制執行することを求める訴えを起こしている。


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 昨年秋にNHKのBSで放送され、個人的に録画はしてあったが、何となく気が重く未視聴でいたドキュメンタリー番組を、このほどようやく観た。「BS世界のドキュメンタリー」のシリーズで放映された「ベラルーシ自由劇場の闘い~“欧州最後の独裁国家”の中で~」である。米国制作の番組で、その内容は、

 “ヨーロッパ最後の独裁国家”とも呼ばれる旧ソビエトのベラルーシ共和国。その中で、弾圧を受けながらも現体制を批判し続けてきた「ベラルーシ自由劇団」の活動に密着する。

 ベラルーシ自由劇団は、元ジャーナリストや元国立劇場所属の俳優たちが作った小劇団。20年以上も続くルカシェンコ大統領の独裁政権下で、自由と解放を求めて活動してきた。しかし、2010年の大統領選挙で対立候補を応援したことが原因で政府に目をつけられ、身の危険にさらされたメンバーは亡命を余儀なくされるが、国外から「表現の自由」を訴え続ける。(2015年国際エミー賞受賞)

 というものである。上掲はその告知動画。原題は「Dangerous Acts:Starring the Unstable Elements of Belarus」となっており、「危険な演目:出演はベラルーシの不満分子たち」といったところだろう。

 事前には、もっと演劇が中心の内容で、「不自由な中でも頑張っています」みたいな奮闘記なのかなと想像していたのだけれど、実際には2010年大統領選を軸とした反体制活動記録に近く、むしろ反体制活動のはけ口として演劇があるような、そんな描かれ方だった。私は演劇に疎いので、この番組の中で断片的に取り上げられた演劇のシーンだけでは、純粋に演劇としてどれくらいの水準にあるのか、良く分からなかった。2010年大統領選後の弾圧で、劇団は半ば欧米への亡命を余儀なくされ、英国で「ミンスク2011」という公演を行ったりもしたのだけれど、劇中の言語はロシア語。これでは、英国に身を寄せているベラルーシ人くらいしか関心を集めないのではないか、などと思ってしまった。実際、番組の中でも、ベラルーシ反体制派の訴えが英国の一般の人達にまったく関心を持ってもらえない様子が描かれている。

 「ピオネール」と言えば、かつてソ連に存在した翼賛児童育成機関だが、ベラルーシには今日もなおピオネールが存在する。この番組の中で、シングルマザーの劇団員が登場するのだが、幼い女児が母親の意に反して、ピオネールに加入してしまったというシーンには、胸が締め付けられた。子供は「だって、私以外みんな入っているんだもの。宣誓の言葉? 忘れちゃった」と、無邪気そのものだ。(親の承諾なしに児童が宣誓するだけで入れるのだろうか?という疑問は覚えたが。)

 2010年の大統領選後、紆余曲折があって、現在は国際社会はそれほど激しくベラルーシに批判の矛先を向けていない。しかし、ルカシェンコ体制は本質的に何も変わっておらず、ベラルーシを取り巻く国際的な風向きが多少変わっただけなのだろう。そんなことを再認識させてくれるドキュメンタリーだった。


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 ベラルーシの鉄鋼業というのは、一般的にあまりイメージにないだろう(ていうか、ベラルーシという国自体が、日本人のイメージにないと言った方がいいか)。ロシアやウクライナと違い、ベラルーシでは鉄鉱石や石炭の採掘は行われていないので、高炉メーカーは所在していない。しかし、ジロビン市にベラルーシ冶金工場(BMZ)という有力メーカーがあって、そこが電炉による粗鋼の生産や、鉄鋼製品の生産を手掛けているのである。

 それで、年末の話になるが、こちらの記事などが伝えているように、EUはそのBMZ製の鉄筋にアンチダンピング関税を暫定的に適用することになった。欧州の業界団体であるEuroferが2016年2月15日に提出した申請にもとづき、欧州委員会が3月31日にBMZ製のEU向け輸出に関するアンチダンピング調査を開始。Eurofer側は、ベラルーシが鉄筋をEUに非市場価格で販売し、欧州の生産者に打撃を与えていると訴えていた。そして今般欧州委員会はBMZの鉄筋に12.5%のアンチダンピング関税を暫定的に適用することを決め、12月20日に公布したものである。正式決定は7月20日までになされ、通常は5年間課税が続く。

 これを受け、こちらに見るように、BMZのアナトリー・サヴェノク社長が現地紙のインタビューで、ダンピングの事実はない旨強調する発言をした。社長いわく、我々はEUの立場には同意しがたい。数量だけでなく、その他の要因をとってみても、BMZの輸出がEU産業の脅威になっていることはありえない。具体的に言えば、我が社の販売戦略にしても、EUの供給者を含め原料を外部に依存していることにしても、設備が過剰となっているわけではないことにしても、ダンピングはありえない。我が社の戦略は、市場を分散してリスクを最小化することにあり、輸出はCIS市場、欧州市場、その他の市場と約3分の1ずつになっている。ある市場が落ち込んだら、別の市場向けを増やすことができるわけだが、その場合でも決して急増するわけではない。EUの中の特定の国に輸出を集中するということもしておらず、多くの国に均等に供給することを心掛けている。EU28ヵ国のうち、24か国に輸出しており、2016年1~11月の金額ベースでは、ドイツ12.7%、オランダ8.5%、リトアニア7.9%、ポーランド6.2%、イタリア3.7%といった内訳だった。我が社にはそもそも遊休の製品や生産能力がなく、特定の市場に供給を急増させることはできない。もしかしたらEU側は2015年の状況を重視しすぎているのかもしれないが、同年にはラトビアおよびスロバキアで工場の閉鎖があったので、BMZからポーランドおよびバルト3国向けの輸出が一時的に増えただけである。同年にはロシア市場で利益が出なくなったので、EU市場に製品を振り向けたという側面もあった。現に2016年にはベラルーシからEUへの鉄筋輸出は低下し、ほぼ以前のレベルに戻った。ロシア・ルーブルが強含んだので、我が社は再びロシア市場に注力するようになった。サヴェノク社長は以上のように弁明した。なお、BMZの生産キャパシティは年産300万tで世界110位ほど、ベラルーシの2015年の粗鋼生産量は世界で41位となっている。

 2016年7月のこちらの記事では、ベラルーシ鉄鋼業の近況が簡単に触れられている。これによれば、機械産業および建設業の低迷が、ベラルーシ鉄鋼業にとっての打撃となっている。2016年第1四半期には、BMZがベラルーシの株式会社の中で最大の赤字を記録した。

 EU市場では、2015年に需要が2.3%増に留まりながら、輸入は27%も増大した。中国に加え、ロシアのメーカーが、EUの生産者を圧迫した。ベラルーシもその波に乗り、非合金鋼の半製品、鋼材のEU向け輸出を拡大した。

 業界団体の「ルースカヤ・スターリ」によれば、2015年にロシアでは鉄鋼の消費が9%減少した。ベラルーシでも、2015年にトラック生産は半減、トラクターの生産は35%減となり、それに伴い鉄鋼需要が低下した。

 2012~2014年にはベラルーシの鉄鋼輸出は年間23億~25億ドルで安定していた。しかし、2015年には価格および需要低迷で前年比26.4%減の17.4億ドルとなった。ただ、いくつかの品目の輸出数量は増大している。BMZの形鋼輸出量は5%伸びたが、価格低下で額は落ち込んだ。2013~2014年にBMZは純損失を記録したが、販売そのものの利益は挙げていた。しかし2015年には販売による利益も挙がらなくなり、活発な設備投資を実施した中で、巨額の純損失を計上した。

 2016~2017年にユーラシア経済連合諸国では経済成長は期待できず、鉄鋼需要が高まるとは思えない。ルースカヤ・スターリの予測によれば、2016年に鋼材需要はさらに6%落ち込むことになる。ベラルーシ国内需要の回復も期待できない。ただ、ベラルーシの鉄鋼メーカーにとって、事態はそれほど絶望的なものではない。ベラルーシの輸出先は充分に分散されており、2016年にEUおよびその他世界向けの輸出量は確保されるだろう。問題はその価格である。


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 新年あけましておめでとうございます。こちらのサイトに、2017年のロシア経済の見通しという記事が出ているので、新年のご挨拶代わりに、その要旨をご紹介いたします。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 ロシア政府は2016年に、油価のさらなる低迷というストレスシナリオを採用せざるをえなかった。実際、2016年初頭には油価が30ドルを割り込み、そのシナリオが現実のものとなったため、政府は歳出削減を迫られた。2016年終盤にかけて、ロシア経済に立ち直りの気配が生じ始めた。2017年は、ロシア経済が前年の低迷から脱却できるかどうかの試金石となろう。インフレ率が目標としている4%に近い水準まで下がりつつあること、ルーブルが均衡点を見出したように思われること、油価が主たるリスク要因ではなくなっていることなど、楽観論の根拠はある。

 2017年にロシア経済がプラス成長に転じるという点に関しては、政府も、専門家筋も、見解が一致している。問題は、その成長幅である。経済発展省では、油価40ドルという基礎シナリオでは、2017年の成長率は0.6%、油価が48ドルとなる基礎シナリオ+では成長率は1.1%という見通しを示している。慎重派のシルアノフ蔵相も、12月になると、1.5%というより高い成長率の可能性について語るようになった。

 ロシアは過去3年で、欧米による制裁の下で生きることを、宿命として受け入れるようになった。制裁によって、ユーロ債の起債、民営化などがまったく不可能になったわけではない。それでも、この間ロシアの大手企業は、発展のための原資となる長期資金へのアクセスを禁じられた状態にあった。ロシア政府は、欧米の制裁がさらに長期化することを前提とした上で、各種の見通しを立てている。しかし、制裁延長に関し欧州内部の足並みが乱れていること、またトランプが米大統領選で勝利したことにより、専門家たちは早期の制裁解除に期待している。12月にブルームバーグがエコノミストを対象に実施したアンケート調査によれば、米国が12ヵ月以内に対ロ制裁を緩和すると予想した向きが55%に上った。米大統領が延長にサインしなければ、制裁は自動的に解除されるわけで、その場合は制裁に関する判断のボールはEUおよびロシア側に渡ることになる。

 中国経済が失速するリスクはあるが、ロシアの中国への関心は衰えず、東方シフトは続くだろう。2017年にロシアはモスクワの取引所で中国元建ての国債を起債することを計画している。最初は10億ドルという小規模なものだが、その成果を見てその後同様な起債を進めていくことになる。

 現時点の見通しでは、ロシアは2017年に予備基金を使い切り、その後の財政赤字の補填には、国民福祉基金を利用することになる。国民福祉基金の資金4.7兆ルーブルのうち、自由に使えるのは3兆ルーブルであり、残りはヤマルLNG、BAM鉄道・シベリア鉄道・中央環状道路の近代化などの長期プロジェクトに投資されている。これらのプロジェクトはその収益により資金を返済することになっているが、それには長期間を要する。

 2017年には、「インフレターゲット」が現実味を帯びてくることになりそうである。2013年に中銀が、2017年までにインフレ率を4%に引き下げるという目標を掲げた時には、真に受ける向きは少なかった。しかし、インフレ率は2015年の12.9%から、2016年には約5.5%へと低下した。2017年の4%という目標を脅かしかねないリスクとして中銀が挙げているのは、財政政策、地政学的ショック、実業界および国民の高いインフレ期待である。それでも、中銀には充分な政策手段があり、4%という目標は実現可能という見方がもっぱらである。もっとも、仮に4%が実現しても、物価の安定という尺度で、世界189ヵ国中、126位にすぎないが。

 悲観的な専門家でさえも、2017年の対外経済環境は、ロシア政府の公式見通しよりは良好になるとの点で一致している。ブレント油価は、2016年平均の46ドル程度に対し、2017年は60ドル程度となろう。大手の産油国の減産調整が、価格に好影響を与えると期待されている。翻って、どのくらいの油価水準になったら、米国のシェールオイル採掘が再開するかという点も、注目点となっている。

 為替に関しては、大きな変動はなく、ルーブルレートは現状の1ドル62~65ルーブル程度のレンジで推移するだろうと予想されている。中銀の政策金利は正に保たれ、インフレ率よりも3.5~4.0%程度高い水準に設定され、2017年末時点で8%程度の水準になると予想される。

 為替が安定することで、ロシア国民の外国旅行熱が再び高まるだろう。2015年秋にロシアのチャーター機が撃墜される事件が起きて以降、エジプトとの航空便は停止されていたが、2017年にはそれも復活することになるはずである。

 ロシアが2013年にウクライナのユーロ債30億ドルを買い上げながら、ウクライナ側がその元本および利子7,500万ドルの支払を拒否している問題で、ロンドンの裁判所で1月17~20日に最初の審理が行われることになっており、注目を集めることになる。

 2017年には、ロシア財務省が新たな税体系の草案を起草し、それが2019年以降、6年間をかけて実施に移されることになる。


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 こちらによると、ウクライナの省庁間国際貿易委員会は、ロシア産の肥料にアンチダンピング関税を課す決定を下した。ウクライナは2014年にロシア産の硝酸アンモニウムに20.51~36.03%のアンチダンピング関税を課したものの、その時には対象品目が硝酸アンモニウムだけだったので、ウクライナのユーザーは尿素や尿素・アンモニア混合物をはじめとするその他の窒素肥料にシフトしたという経緯がある。そこで今回、より広範に、尿素および尿素・アンモニア混合物に対象を広げることになったわけである。従来はウクライナにロシア産の尿素および尿素・アンモニア混合物を輸入するには5.0~6.5%の関税支払が必要だったが、今後はアンチダンピング関税がそれに加算されることになる。

 もう一つ、肥料・化学関係の話題で、こちらの記事によれば、ウクライナ国営の化学品パイプライン輸送会社は、ロシアのトリヤッチアゾト社のアンモニアをオデッサまでパイプライン輸送する業務を、このほど停止したということである。


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 現在個人的に取り組んでいる研究課題の都合で、これからしばらく鉄鋼業関係の情報が多くなると思うけど、ご容赦を。

 12月初旬のこちらの記事によると、インドはこのほど熱間鋼板に対する保護関税を導入し、途上国からの輸入は例外的に無税となっているが、ウクライナ、中国、インドネシアはそれに含まれず、課税の対象になるということである。厚さ150mm未満、幅600mm以上の熱間鋼板に対し、10%の保護関税を課すというもの。HSコードで言うと7208および7225(72254013, 72254019, 72254020, 72254030, 72259900)が該当する。1t当たり504ドル以下の製品が対象となる。公布後直ちに発効し、1年間有効、1年後に8%に、2年後に6%に引き下げられ、その半年後に撤廃される。

 記事ではインドによるこれ以外の保護措置についても触れられているが、以下省略。


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 ウクライナとEUの連合協定により、EUはウクライナの農産物に「関税割当」を設定し、ウクライナは品目ごとに一定量までは無税でEUに農産物を輸出できるようになった。しかし、畜産品は衛生・検疫基準が厳しく、ウクライナの生産者はその基準をなかなか満たせていないので、せっかくの割当が活かされない状態が続いている。畜産品でEUへの本格的な輸出が実現しているのは、今のところ鳥肉だけに留まっていた。

 しかし、こちらこちらのニュースに見るように、12月の初めにウクライナ南部のヘルソン州で鳥インフルエンザが発生し、ウクライナは鳥肉の輸出を停止、EU側もウクライナからの輸入を禁止した。ウクライナで鳥インフルエンザが発生したのは2008年以来である。2016年1~9月のウクライナの鳥肉輸出は17.8万t(2.1億ドル)で、前年同期比26%増だった。うち、CIS市場向けが3.5万t、アジア市場向けが7.9万t、EU市場向けが2.9万tなどとなっている(EUの中ではオランダ1.3万t、ルーマニア0.3万t、ポーランド0.2万tなど)。

 なお、2016年のウクライナの農産物輸出動向を総括したこちらの記事によれば、目覚しかったのはアジアへの輸出増であり、とりわけ鳥肉がそれに貢献したと記されている。EUの設定している関税割当は過小だというのがウクライナ側の不満の種であり、実際、あれだけの大騒ぎをしてEUとの連合協定を結んだ割にはEU向け輸出は伸びず、特別な関係は何もないアジア向け輸出が拡大するというのは皮肉である。


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eastwest

 自分の研究テーマにかかわる便利な図がこちらに出ていたので、メモがてらお目にかける。2013~2015年のウクライナ各州の輸出相手地域を見たものである。帯グラフの青が欧州向け、赤(というかピンク)がロシア等のCIS向け、薄い茶色のような色がその他の世界向けということになる。そして、地図上では、欧州への輸出比率が高い地域ほど濃い青、CISへの輸出比率が高い地域ほど濃い赤で示されている。なお、ドンバス(ドネツィク州およびルハンシク州)の新しい数字も一応は示されているが、2014~2015年の数字には武装勢力占領地域の経済活動が含まれていないはずなので、むしろ「ドンバスも元々は赤だった」ということの方が重要であろう。

 このように、ウクライナという国はどうしても、経済面でも、西の地域は欧州寄り、東の地域はロシア寄りという股裂き状態になってしまい、これが対外経済路線のコンセンサスを得ることを難しくしている。


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 既報のとおり、12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで開かれたユーラシア経済連合の首脳会合に、ベラルーシのルカシェンコ大統領が出席しなかった。ユーラシア経済委員会のこちらのページにその時の様子が出ているが、上掲写真のように、ホストのロシアはベラルーシの国旗の掲出すら許さなかったのだろうか? これはかなり尾を引きそうな対立である。

 それで、上記のサイトにも記されているとおり、今回のサミットでは、ユーラシア経済連合の新たな関税法典の調印というのが、メインイベントだった。そして、私の理解する限り、関税法典はもっと以前に採択されるはずだったのだが、ベラルーシの反対、具体的にはベラルーシ領にある経済特区の取扱をめぐって調整が難航し、それで2016年の年末までずれ込んだということだったはずである。

 具体的には、こういうことである。従来、ユーラシア経済連合加盟国の経済特区での自動車アセンブリに従事するメーカーは、現地調達比率にかかわりなく、他の加盟国に関税なしで自動車を輸出できた。しかし、ベラルーシ特区からの中国ブランドGeely車の流入を問題視したロシアとカザフスタンがルール改正を主導し、今後は特区入居企業であっても、特区外の工業アセンブリ適用企業と同様に、現地調達比率30%(2018年7月からは50%)を達成しなければ、域内製品と認められない方向となった。断片的な情報を総合すると、今回の関税法典で、最後まで揉めたのは、この点だったようだ。

 こちらこちらに見るとおり、ユーラシア・サミットの翌日の12月27日、ベラルーシではルカシェンコ大統領直々に参加する経済特区に関する政権幹部会合が開かれた。記事によれば、ユーラシア経済連合の条件に合わせる結果、ベラルーシの特区では2017年1月1日から入居企業への優遇措置が大幅に縮小されることになる。そこでベラルーシ政府としては、入居企業に対する補償措置、新たな優遇策を準備しているということを、これらの記事は伝えている。

 前回エントリーでは、石油・ガスをめぐるロシアとの対立が、ルカシェンコがサミットを欠席する主原因とお伝えしたが、この関税法典および特区の問題も同様に大きかったのかもしれない。


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 ロシア・サンクトペテルブルグ市のゲオルギー・ポルタフチェンコ市長が、同市の自動車産業クラスターの動向につき記者団に語ったということである。

 こちらによれば、2016年1~11月(?)の時点で、自動車生産台数は前年同期比6%減となっている。しかし、11月には前年同月を1.9%上回った。しかも、1~11月の前年同期比でトヨタは13%増、日産は14%増であり、こうしたことから2016年通年ではほぼ前年並みの生産台数が期待できると、市長は語った。

 また、こちらによると、ポルタフチェンコ市長は撤退したGM工場の跡地についても言及した。GMのペテルブルグ工場は2008年11月に稼動したが、同社は2015年3月にロシア市場からの撤退を表明、工場は2015年半ばに保全措置が講じられた。しかし市長によると、一連の欧州の投資家が、跡地の利用に関心を示している。現在ボールはGM側にあり、彼らが譲渡先を決めるが、GM自身が帰ってくる可能性も残っていると、市長は認識を示した。


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 12月26日にロシアのサンクトペテルブルグで、ユーラシア経済連合と、CIS集団安保機構の首脳会合が開かれた。しかし、こちらこちらなどが伝えているように、経済・軍事両面でロシアの緊密な統合パートナーであるはずのベラルーシから、ルカシェンコ大統領が出席せず、物議を醸している。その背景には、石油ガス問題を筆頭とするベラルーシ・ロシア間の対立点があると推察されている。ルカシェンコ大統領の欠席に関し、ロシア側のペスコフ大統領領報道官は、それが討議の妨げになることはない、本日調印される文書はすでに完全にベラルーシ側の合意が得られているものだなどと発言し、影響がないことを強調した。


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 こちらに、RIAノーヴォスチによる2016年のNIS諸国の主要ニュースというものが出ている。基本的に各国1ネタという感じになっている。項目だけ箇条書きにすると、以下のとおり。

  • ウズベキスタンでカリモフ氏死去し新大統領選出。
  • モルドバで秋に政権交代、親ロシア路線に転換か。
  • ジョージア議会選、サアアシヴィリ元大統領の帰還には繋がらず。
  • ロシアで収監されていたサウチェンコ議員が5月にウクライナに帰国。
  • ナゴルノカラバフで4月に戦闘再燃。
  • カザフスタン、テロと首相交代に揺れる。
  • タジキスタン国民投票、ラフモン一族の「王朝化」に道開く。
  • アゼルバイジャン国民投票、副大統領制など導入する憲法改正を可決。
  • ベラルーシでデノミ実施、硬貨も導入。
  • キルギスで9月に世界遊牧民競技大会。

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 こちらのページに、2016年のロシアの港湾・海運部門の主な出来事というまとめの記事が出ており、その中でロシア南部・クラスノダル地方のタマニ新港の開発状況についての情報があるので、その部分だけ要旨をまとめておく。

 タマニ港の陸上の埠頭部分を建設するプロジェクトについては、ロシア政府がもう何年も検討しているが、政府には資金がない。同プロジェクトは、2010~2020年のロシア運輸システム発展連邦目的別プログラムの一部である。同プロジェクトには10社以上が参加する予定になっている。

 タマニ港は、ノヴォロシースク港のライバルになる可能性がある。だが、2016年のペテルブルグ経済フォーラムで、ノヴォロシースク港とロスモルポルトは、タマニ港建設プロジェクトへの参加条件を定めた協定に調印した。それによれば、ノヴォロシースク港がタマニ港の管理会社の50%+1株を取得し、残りを外資を含むその他の株主が取得することが想定された。

 プロジェクトは、年間処理能力9,140万tのタマニ港埠頭を、2段階に分けて建設・操業するという青写真である。2017~2020年の第1段階では、処理能力4,600万tまでのインフラを建設し、投資額600億ルーブルを見込む。ターミナルを建設するのは、オペレーターとなる民間投資家である。具体的には、メタロインヴェスト、エヴロヒム、クズバスラズレズウーゴリ、アストン、フォールムなどの企業が予定されている。ノヴォロシースク港は、タマニ港を傘下に収めることで、ノヴォロシースク市の環境を汚染しているような種類の貨物をタマニに移転することができる。

 しかし、協定調印から半年過ぎても、プロジェクトは最終決定していない。ノヴォロシースク港側によれば、ボールはロシア政府側にあるという。しかも、ノヴォロシースク港はロスモルポルト、ロスモルレチフロートと共同で、浚渫工事を行ってノヴォロシースク港でタマニ港と同様に大型船を受け入れられるようにする可能性を検討している。


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 こちらによれば、ミハイル・ミャスニコヴィチ・ベラルーシ上院議長(元首相)が同国唯一のタイヤメーカーであるベルシナ社を訪問した際に、ロシア・メーカーによるベラルーシへのタイヤ輸出攻勢に苦言を呈する場面があった。ミャスニコヴィチ議長いわく、ロシア・メーカーによる不公正な競争により、ベルシナが損失を被っている。ロシア・メーカーには、ベラルーシのそれに比べて、エネルギーおよび原料を安く供給する決定がなされており、結果ベラルーシ側が不利に立たされている。ロシア・ベラルーシの共同市場にもかかわらず、競争条件が不平等となっている。タイヤだけでなく、多くの項目において、両国は接近するというよりも、乖離していっている。困難な局面で、一国だけで生き残ろうとするのは、正しくない。ベラルーシ・ロシアの連合国家、またユーラシア経済連合の枠内で、いかにして協調経済政策を実施すべきか、我々は政府と共同で新しいアプローチを検討している。保護主義の措置はすべて、協調的なものであるべきである。保護主義は許容できるが、単一経済空間のパートナーの利益を損なうものであってはならない。競争はあって当然だが、公正なものであるべきだ。ミャスニコヴィチ議長は以上のように述べた。


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 こちらの記事の内容をまとめておくと、ロシア財務省が示して見通しによれば、ロシア「予備基金」の残高は、2016年末時点で9,850億ルーブルとなる。2016年に予定していた2.1兆ルーブルを使い切る形となる。9~11月の使用は見合わされていたが、12月に1兆450億ルーブルが使用される。2016年の連邦財政の赤字は、GDPの3.7%という見通しだったが、実際にはそれよりもやや小幅になる可能性がある。


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 またこんなシーズンがやって来た。こちらに、RIAノーヴォスチ通信の選んだ2016年のロシア経済の主要ニュースというのが出ているので、項目だけ箇条書きにして紹介する。10大ニュースと言いたいところだが、9つしか挙げられていないので、ままならない(ロシア人のそういうとこ嫌い)。

  • ウリュカエフ氏が収賄疑惑で拘束され経済相交代、民営化対立背景か。
  • アルロサ、バシネフチ、ロスネフチなどの株式売却焦点に。
  • インフレは沈静化も経済上向かず。
  • 石油減産に向けOPECと共同歩調。
  • 油価低迷で財政圧縮余儀なくされる。
  • ロシアが諸外国と金融情報交換する協定に参加、逃避資本の還流図る。
  • 3年ぶりにロシアがユーロ債市場に復帰。
  • トルコへの経済制裁とその後の関係修復。
  • 2016/17年度もロシアが世界最大の小麦輸出国に。

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 こちらの記事が、ベラルーシの主要輸出品であるカリ肥料の市場動向について伝えている。ベラルーシのミハイル・ルスィ副首相が、議会に出席してジャーナリストの質問に答えた。それによれば、カリ肥料の価格は安定に転じ、若干上昇する気配も見せている。現時点で、ベラルーシカリ社の稼働率は95%である。2015年のカリ肥料の輸出量は920万t(前年比3.1%減)、2016年は900万tになると見られる。2016年上半期は不振で、輸出量が前年同期比で22%減、金額ベースでは3分の1もの減であった。カリ肥料の輸出関税は当初1t当たり55ユーロに設定されていたが、市場低迷を背景に10月1日から12月31日までは45ユーロに引き下げられた経緯がある。2017年国家予算は同55ユーロで編成されており、カリ肥料業界側は市場低迷を理由にその引き下げを求めていた。こうしたこともあり、市況が改善し始めたことは喜ばしい。ルスィ副首相は以上のように発言した。


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 こちらのニュースが伝えているとおり、ウクライナ最高会議は12月21日、2017年の国家予算を可決した。過半数の226の賛成票が必要だったところ、賛成274で可決された。2017年の財政赤字はGDPの3.0%に設定されている。前提とされている2017年の経済指標は、GDP成長率3%、インフレ率8.1%、為替1ドル=27.2グリブナ、等である。ポロシェンコ大統領の意向を受け、国防費は(2015年の?)1,140億グリブナから1,360億グリブナに増額され、これはGDPの5%に相当する。


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 今年はまだ10日くらい残っているが、こちらのニュースによれば、ロシアのアレクサンドル・ノヴァク・エネルギー相が、2016年のロシアのエネルギー生産・輸出量について語ったということである。以下、それを箇条書きすると、

  • 原油生産:5億4,750万t(2.5%増)
  • 石油精製:2億7,700万t(2%減)
  • 原油輸出:2億5,350万t(5%増)
  • 天然ガス生産:6,370億立米(0.2%増)
  • 天然ガス輸出:2,023億立米(5%増)
  • 石炭採掘:3億8,540万t(3%増)
  • 石炭輸出:1億6,500万t(6%増)
  • 発電量:1兆660億kWh(1.6%増)

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 前のエントリーの補足。ロシアの連邦予算は原則3ヵ年で編成されるようになっており、成立目前の2017~2019年のロシア連邦予算の主要パラメーターは上図のようになっている(出所はこちら)。金額単位は兆ルーブルで、赤の縦棒が歳入、グレーの縦棒が歳出を示している。そして、財政赤字の対GDP比が、折線で示されており、単位はパーセント。なお、ロシアでは小数点が「.」ではなく「,」で表示されるのでご注意願いたい。


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 成立目前となっている2017年のロシア連邦予算案は、GDPの3.2%に相当する財政赤字を計上しており、それは「予備基金」と「国民福祉基金」で穴埋めされるのだが、それによって予備基金の方は2017年で払底することになるというのが、ロシア財務省が示している見通しである(こちらなど参照)。

 この問題に関し、こちらの記事によれば、かつて経済発展・商業省次官を務め、現在は対外経済銀行の主任エコノミストを務めるアンドレイ・クレパッチ氏(上掲写真)が、事態はそこまで深刻でないという見方を示した。クレパッチ氏によれば、予算案の基礎になっているのは1バレル40ドルという石油価格だが、現実には油価はそれよりも高く50~60ドルで推移すると考えられるので、予備基金が払底するようなことはない、ということである。厳格な財政規律が守られれば、2019年以降は再びこれらの基金の積み増しに転じることも可能というのが、クレパッチ氏の見立てである。


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 全然大した情報ではないけれど、2015年のベラルーシの貿易相手国の順位をまとめる用事があったので、せっかくだから作成した表をお目にかける。出所はベラルーシ統計局。言うまでもなく、ベラルーシにとって最大の貿易相手国はロシアであり、以下ウクライナ、中国、英国、ドイツなどと続く。日本は、自動車の輸出などは行われているが、はっきり言ってベラルーシから買うものがないので、ベラルーシ貿易ランキングにおける順位は43位止まりであり、シェアも0.2%にすぎない。

bytrade

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 やや突拍子のない話題だが、こちらの記事によれば、かつての地域党の流れをくむウクライナの「野党ブロック」が、EUとの連合協定の経済条項を執行することを少なくとも10年間凍結するよう、政府に対して求めているということである。野党ブロックの共同議長の一人であるボリス・コレスニコフが12月16日に表明した。コレスニコフによれば、CIS諸国およびBRICS諸国との経済関係の再開なしに、ウクライナの経済は成り立たず、すでにそれは成り立っていない。ゆえに、我々は政府に対し、連合協定の経済条項を少なくとも10年間凍結することを求める。我が党は1月に危機対策プランを発表する予定であり、この主張がそれに盛り込まれることになる。同プランは、ウクライナにおける和平の達成、経済発展、社会政策などの問題への回答を与えることになるだろう。コレスニコフは以上のように述べた。


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 こちらのサイトに見るように、ロシアの世論調査機関「VTsIOM」がロシア国民のCIS諸国についての意識を調査し、その結果が発表された。1.CIS諸国のうち、どの国が最も安定・成功していると思うか? 2.どの国がロシアの頼りになるパートナーか? 3.ロシア語話者の権利が守られている国はどこか? 4.それらの国の大統領のうち、最も信頼できるのは誰か? という、4つの設問が示されている。その結果、4つの設問とも、だいたい同じような回答傾向である。容易に想像できるように、ロシア国民はベラルーシ、カザフスタンというユーラシア経済連合のパートナー諸国を高く評価し、ウクライナに対しては厳しい評価を示している。

 「どの国がロシアの頼りになるパートナーか?」という設問では、3つまでの複数回答で、ベラルーシ66%、カザフスタン55%と続き、ウクライナは最下位の2%だった。

 「どの大統領を信頼するか?」という設問では、やはり3つまでの複数回答で、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領65%、ナザルバエフ・カザフスタン大統領54%と続き、ポロシェンコ・ウクライナ大統領が最下位の2%だった。

 今回の調査結果については、早速ベラルーシ大統領府機関紙のサイトが、慶事として伝えている。


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 ちょっとしたメモだけれど、こちらの記事に、2017年1月1日からロシアの原油および石油製品の輸出関税がどう変わるかという数字が出ている。財務省による計算値ということである。2016年12月と、2017年1月以降とで、1t当たりの従量税額が、以下のように変わるということだ。

  • 原油:90.4ドル → 79.1ドル
  • 白油:36.1ドル → 23.7ドル
  • 重油:74.1ドル → 79.1ドル

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