服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 先日、当ブログで、「コメルサント出版が2誌廃刊へ」というエントリーをお届けした。しかし、ウェブサイトで確認したところ、その後2017年に入ってからも、『ヴラースチ』誌『ジェーニギ』誌、両方出ているようである。ちょっと先走ったことをお伝えしてしまったので、ここに訂正させていただく。


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 Russia & CIS Metals and Mining Weekly(January 20 – January 26, 2017)が、2016年のウクライナのコークス産業の実績に関し伝えている。これによれば、2016年にウクライナのコークス工場には、1,760万tの原料炭が供給され、これは前年比11%増だった。その内訳は、輸入炭が1,180万t(19%増)、国産炭が580万t(2%減)だった。その結果、輸入炭の比率が67%となった。2017年初頭現在の原料炭のストックは、30万t程度となっている。2016年にはコークス工場から製鉄所に1,070万tのコークスが供給され、これは前年比11%増だった。他方、2016年には120万tの輸入コークスが供給され、これは前年比8%減だった。国産と輸入を合計して、計1,190万tのコークスが製鉄所に供給されたことになり、これは前年比8%増だった。


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 ロシアは貴金属や宝石の生産量は国家機密扱いしており、ロシア連邦国家統計局の公式統計でその生産実数が発表されることはない。しかし、不思議なことに、報道レベルでは金の採掘量といったデータは、ごく普通に伝えられている。それで、こちらの記事では、2016年のアルロサ社のダイヤモンド採掘実績の数字が出ている。極東のサハ共和国で採掘を行うアルロサ社は、ロシアのダイヤモンド採掘の大部分を独占しているので、同社の生産量がほぼロシアの生産量に等しいと理解していいはずである。

 記事によれば、2016年のアルロサのダイヤモンド採掘量は3,735.8万カラットだった。前年が3,826万カラットだったので、前年比2%減だった。2015年の需要減を受け、2016年2Q、3Qに砂金生産量を調整したことが、減産の原因だった。2016年4Qは鉱山での採掘の増加等により、前年同期比10%拡大した。2016年のアルロサ社のダイヤモンド販売は4,010万カラット、額にして43億ドルだった。


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 こちらこちらの記事が伝えているところの骨子をまとめておく。ロシアおよびその他のユーラシア関税同盟諸国は2013年6月、ユーラシア経済委員会の調査にもとづき、ドイツおよびイタリア製の一部の小型商用車の不当廉売がユーラシア側の産業に損害を与えているとして、アンチダンピング関税を導入した(ドイツ製については11.1~29.6%、イタリア製については23.0~29.6%)。それに対しEUは、アンチダンピング関税が不当であるとして、2014年5月にWTOに提訴した(DS479)。そして今般、WTOの紛争調停パネルが本件に関する判断を下し、ロシアは関税措置を1994年のGATT協定に沿ったものとすべきであるとの結論を示した。当事国は60日以内に上告できる。ただし、今回の判定につきユーラシア経済委員会のヴェロニカ・ニキシナ通商相は、これは我々の勝利である、AD関税を廃止すべきと明記されているわけではなく、現にAD関税は存続していると、強気のコメントを示した。


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 こちらのページに見るように、世界鉄鋼協会は先日、2016年の全世界の鉄鋼生産動向に関する主要指標を発表した。全世界の生産量は、2015年の減産から一転し、2016年には前年比0.8%拡大して、16億2,850万tとなった。全世界の生産の約半分を占める中国も、2016年には1.2%増を記録した。

 粗鋼生産量ベスト10の顔触れは、下表のとおりである。私の関係国では、ロシアが世界5位で前年比0.1%減。ウクライナはドンバス情勢が落ち着いたことで生産が5.5%上向き、世界十傑に復帰した。なお、この表にはないが、ベラルーシは223万t(前年比11.2%減)、カザフスタンは424万t(8.5%増)、モルドバは7.6万t(前年比82.8%減)であった。

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 こちらの記事が、サッカー・ワールドカップの主要会場の一つとしても使用される、サンクトペテルブルグの新スタジアム建設費について伝えている。それによると、2つの追加契約を含め、総工費は417億1,200万ルーブルとなるということである。サンクトペテルブルグ市行政府の建設委員会が明らかにした。スタジアム自体の工事費が359.8億ルーブルで、スタジアムの周囲の整備費が43億8,100万ルーブル、入場ゲート設置費用が13.5億ルーブルとなっている。

 417億1,200万ルーブルは、現時点の為替レートで換算すると、約7億ドル、783億円程度ということになる。ルーブル暴落前のレートで計算してたら、2倍近いドル換算値になるが。日本の新国立競技場の騒ぎを経た今となっては、逆に安い印象すら受けてしまう。


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 先日、「機関銃で有名なカラシニコフの直営店がモスクワの空港に」というエントリーをお届けしたところ、こちらの記事が、そのコンツェルン「カラシニコフ」が輸出景気で事業を拡張しているということを伝えているので、これを紹介しておく。これもルーブル安の恩恵か、輸出増で工場はフル稼働のようだ。2017年には人員を30%拡大し、1,700人を新規雇用、3交代制で旺盛な外需に応える予定だという。


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 こちらのニュースによると、ロシアはEUによるロシア産冷延鋼板に対するアンチダンピング(AD)関税導入を不服として、1月27日にWTOに提訴した。ロシア連邦経済発展省が明らかにした。EUは欧州の業界団体であるEurofer の要請にもとづいて2016年8月5日からロシア産の冷延鋼板にアンチダンピング関税を課しており、今回ロシアはその解決を求めたもの。AD関税の税率は対象企業ごとに異なっており、マグニトゴルスク冶金コンビナートでは18.7%、セヴェルスターリでは34.0%、ノヴォリペツク冶金コンビナートおよび残りのすべての会社では36.1%となっている。


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 こちらおよびこちらの情報によると、ベラルーシで医療ツーリズムの受入が盛んになっているらしい。2016年には5万人強の医療ツーリストがベラルーシを訪問した。ベラルーシが受け入れている外国人ツーリストは全体でも年間30万人足らずなので、この5万人という数字はとても大きい。周辺国に比べてコストが低く、それでいてベラルーシの医師が優秀であることが、利点となっている。ある関係者によると、医療ツーリストの60~70%はロシア国民で、ベラルーシでロシア語が通用することが大きい。2014年以降のロシア・ルーブル安で、ロシアとベラルーシの料金差は縮まっているものの、ベラルーシ医療の質を求めて来訪するロシア人は依然として多く、カザフスタンやウクライナの利用者も然りだという。また、英語に担当なベラルーシ人医師も多いので、欧米の顧客を受け入れる用意もある。


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 しばらく前の情報だが、こちらの記事によると、ロシアが輸出している主たる石油銘柄であるUralsの2016年平均価格は、41.9ドルだったということである。ロシア財務省が発表した。2015年平均が51.2ドルだったから、18.2%下落したことになる。ちなみに2014年平均は97.6ドルだった。


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 こちらの記事によると、コンサル会社Vygon Consultingのグリゴリー・ヴィゴン所長はこのほど、2017年のロシアの石油(ガスコンデンセートを含む)生産は5.6億tとなるだろうという予測を示した。なお、2016年の石油生産は5億4,900万tで、前年比2.6%増だった。一方、ロシア・エネルギー省による2017年の石油生産予測は5億4,800万~5億5,100万tとなっている。ヴィゴン所長は、生産量凍結方針にもかかわらず、2017年は5.6億tの見通しだ、2018年にはさらに若干伸びることになる、と述べた。


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 こちらによると、欧州委員会は、ウクライナ政府が起草した「2035年までのウクライナ・エネルギー戦略」の草案につき、批判的な見解を示した。欧州委の評価によれば、草案にはコンセプト上の不備が見られる。特に、2019年以降のロシア産ガスのトランジット、ドンバス紛争などに伴うリスク・不確実性を考慮しておらず、サイバーテロなどにも注意を払っていないことが問題である。市場価格への移行、交差補助の廃止などの課題にもしかるべく言及していない。ウクライナは国際公約で2020年までに再生可能エネルギー源を11%以上とする義務を負っているが、それに関しても草案は触れていないほか、大気汚染物質の排出削減目標の問題も扱っていない。さらに、今後19年間GDPが年率4.3%成長するという楽観シナリオしか想定していないことも問題である。


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 先日モスクワのシェレメチェヴォ空港を利用した時に気付いたのだが、機関銃で有名なカラシニコフ社の直営店が、空港にオープンしたようだ。調べてみたら、こちらの記事に見るように、できたのは2016年8月だったらしい。シェレメチェヴォ空港のDターミナルを出て、アエロエクスプレスの列車乗り場の方向に歩いていく通路に、土産物屋や飲食店が並んでいる一画があるが、そこに出店したものだ。冷やかしに中を覗いてみたところ、迷彩のアパレルやミリタリー風の小物が売られていたほか、小銃やピストルも展示されていたが、さすがにあれはモデルガンだろう。軍事マニアにはお勧めできるし、ネタとしても面白そうだが、モデルガンの類は日本に土産物として買って帰ることは可能なのだろうか?


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 こちらの記事が、米トランプ政権の発足がベラルーシに及ぼす影響について論じているので、骨子をまとめておく。

 トランプの就任演説は、若き日のルカシェンコのそれと似た面があった。ルカシェンコは1994年大統領選で、特権層を押さえ付けて庶民の真の体現者となるということを約束し、庶民の共感を勝ち取ったが、トランプもまた権力をワシントンから庶民の手に取り戻すのだと述べた。

 ちなみに、ルカシェンコは9月の時点でトランプの勝利を予想し、その際に「アメリカ社会はまだ、女性を大統領に選出するところまでは至っていない」と余計なことを述べた。ルカシェンコは、ポピュリストの本能で、米社会はポピュリズムへの大きな需要があるということを見抜いたのだろう。ルカシェンコはトランプに同類としてのものを感じ取り、彼とならばベラルーシと米国の関係改善を期待できると考えたのかもしれない。かつてウーゴ・チャヴェスと意気投合したのと同じである。

 しかし、米国のような民主国家は政策決定過程が透明なので、トランプに対ベラルーシ制裁解除などを個人的に働きかけようとしても、合意をするのは困難だろう。トランプはおそらくベラルーシという国の存在も知らないかもしれないし、彼が近いうちにベラルーシに関係した政策決定をするとは思えない。

 ベラルーシ戦略研究所のデニス・メリヤンツォフも、トランプはベラルーシの行く末にごくわずかな影響しか及ぼさないと指摘する。ベラルーシという国がどこにあり、その情勢を多少なりとも知っている人間は、米国務省には3人しかおらず、米国にとってベラルーシは優先事項ではなく、明確な対ベラルーシ政策もない。現在両国間では外交関係の改善が緩慢に進んでいるだけだというのが、メリヤンツェフの見方である。

 他方、アンドレイ・フョードロフのように、トランプとプーチンが接近すると、新たなヤルタ協定のような事態が生じ、ベラルーシがロシア国家に完全に取り込まれてしまう恐れがあると警鐘を鳴らす専門家もいる。


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 こちらの記事によれば、ベラルーシのONTというテレビ局のニュース番組が、トランプ米新大統領の演説は、ルカシェンコ・ベラルーシ大統領のそれに似ているということを伝えたそうである。上掲がそのテレビ番組の一部を切り取った動画。必ずしも、批判的に取り上げているわけではないようで、両大統領とも国益を守るためには大胆な言動も辞さない、といったニュアンスで伝えているように思われる。

 ベラルーシも、ロシアと同じく、トランプ歓迎、ということだろうか。


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 ベラルーシ統計委のこちらのページに掲載された速報値によれば、2016年のベラルーシのGDPは現行価格(デノミ後)で943億ベラルーシ・ルーブルとなり、前年比実質2.6%低下した。

 また、こちらのページによると、2016年のベラルーシの鉱工業生産は前年比0.4%減となった。鉱業が0.7%減、製造業が0.1%減、ガス・電力業が0.9%減だった。主要産業の一つである輸送手段(トラック等)が12.6%減となった。


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 2017年1月13~19日付けインターファクス『ロシア&CIS金属鉱山ウィークリー』によると、2016年のウクライナのフェロアロイの生産は前年比16%拡大し、102.8万tとなった。ウクライナ・フェロアロイ生産者協会が明らかにした。

 シリコンマンガンの生産が81.5万t(16.7%増)、フェロマンガンが10.4万t(19.1%増)、フェロシリコンが10.1万t(12.4%増)だった。ただ、マンガン鋼の生産は26.5%減の7,420tだった。

 企業別では、ニコポリ工場が74.6万t(24.1%)増、ザポリージャ工場が品目ごとにまだら模様だったのに対し、スタハーノフ工場はドンバス紛争地にあり操業しなかった。

 ウクライナの2大マンガン鉱石鉱山であるオルジョニキーゼとマルハネツィは、需要の落ち込みで2016年1~2月には操業を停止した。通年では、オルジョニキーゼが73.8万t(18.5%増)を採掘したのに対し、マルハネツィは51.2万t(12.3%減)にとどまった。両鉱山合計のマンガン精鉱の生産は125万tで3.6%増だった。


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 こちらに見るように、ロシア連邦国家統計局は1月23日、2016年のロシアの鉱工業生産統計の主要値を発表した。2016年の鉱工業生産は、前年比実質1.1%増であった。鉱業が2.5%増、製造業が0.1%増、電力・ガス・水道業が1.5%増だった。より細かい鉱工業部門別のデータはまだ明らかでない。主な鉱工業製品の生産量と前年比増減率は、以下のとおりである。前年から減ったところだけ赤い字で示す。

  • 石炭:3億8,500万t(3.4%増)
  • 原油(ガスコンデンセートを含む):5億4,900万t(2.6%増)
  • 天然ガス:5,550億立米(プラマイ0.0%)
  • 鉄鉱石精鉱:1億100万t(0.3%増)
  • 食肉・半製品:260万t(12.2%増)
  • チーズ:60万t(2.5%増)
  • ニット衣料:1億1,600万枚(1.4%増)
  • 製材:2,280万立米(4.2%増)
  • パルプ:820万t(4.2%増)
  • 紙:520万t(2.3%増)
  • 冶金用コークス:2,630万t(1.2%増)
  • 製油所の原油処理量:2億8,500万t(1.0%減)
  • 自動車ガソリン:4,000万t(1.9%増)
  • 軽油:7,620万t(0.2%増)
  • 重油:5,700万t(19.8%減)
  • 無水アンモニア:1,610万t(6.1%減)
  • 無機・化学肥料(100%成分換算):2,070万t(2.7%増)
  • プラスチック:770万t(5.0%増)
  • 合成ゴム:150万t(5.4%増)
  • 化学繊維:17.3万t(10.5%増)
  • タイヤ:6,120本(5.4%増)
  • セメント:5,500万t(11.4%減)
  • 銑鉄:5,190万t(1.1%減)
  • 粗鋼:6,960万t(0.3%増)
  • 完成鋼材:6,030万t(0.2%減)
  • 鋼管:1,010万t(11.5%減)
  • ガスタービン:140万KW(5.8%増)
  • トラクター:6,400台(16.1%増)
  • 金属切削機械:3,900台(11.2%増)
  • 家庭用冷蔵庫・冷凍庫:330万台(5.7%増)
  • 乗用車:110万台(7.4%減)
  • バス:4万3,200台(18.6%増)
  • 貨物自動車:13.7万台(6.9%減)
  • 鉄道用貨車:3万6,600台(28.8%増)
  • 発電:1兆870億kWh(2.0%増)

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 若干古い話になるが、ロシアでは2014年5月5日付の産業・商業省令第839号により「2014~2020年の、そして2030年までを視野に入れたロシア鉄鋼業の発展戦略」が採択された。ちなみに、同時に非鉄金属産業の戦略も採択されている。両戦略のテキストは、こちらのサイトで閲覧可能である。

 鉄鋼業戦略は様々な数値目標を掲げているが、その中でもメインと思われる鋼材の生産・輸出入の長期的見通しが、上掲の表のようになっている。なお、見通しは1.保守シナリオ、2.適度に楽観的なシナリオ、3.急進シナリオという3つのシナリオに沿って3パターンが示されており、上に掲げたのは2の中間的なシナリオである。

 戦略では、中国発の鉄余りの現実を直視してか、輸出は減退していくという見方が示され、外延的な成長路線は採られていない。内需拡大、輸入代替、生産の質的向上といった内包的な発展に軸足が置かれている。その結果、ロシアの鋼材消費に占める輸入品への依存度は、2030年までには4.8%に低下するという青写真である。3つのシナリオとも、数字は若干違えど、この方向性は同じである。

 なお、鉄鋼業戦略は、2016年末までに改定作業を行うという情報が伝えられていたが、今のところ、その作業が完了したという情報は確認できていない。


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 こちらの記事によると、2016年のウクライナの鉄鋼業の生産は、銑鉄2,350万t(前年比8%増)、粗鋼2,419.6万t(同6%増)、完成鋼材2,140万t(同6%増)であった。

 一方、こちらの記事によれば、ウクライナ冶金産業による2016年の天然ガス消費は、2016年に17.4億立米となり、これは前年比14%減であった。また、こちらの記事によれば、ウクライナ冶金産業による2016年の電力消費は前年比4%増の129億kWhであった。


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 こちらの記事によると、ヨーロッパの各国サッカーリーグ戦およびクラブ経営に関するUEFAの報告書が発表されたということである。記事にもとづいて、ロシアに関し目に留まった点だけメモしておく。

 ロシア・プレミアリーグは、選手の平均年齢が27.1歳で、これはトルコと並んで、欧州で最も高齢のリーグということになる。

 2014/15シーズンから2015/16シーズンにかけての観客数の伸びという指標で、ロシアは欧州の中で9位だった。ロシアの観客数は8%伸びた。なお、絶対数はまだ多くないものの、アゼルバイジャンの観客動員がほぼ倍増していることが注目される(リーグの拡大でもあったか? 未確認)。

 プレーヤーの報酬総額で、ロシア・プレミアリーグは5億6,300万ユーロで、これは欧州で6位。ロシアの伸び率は前年比31%と突出。

 クラブレベルの報酬総額では、ゼニト・サンクトペテルブルグがロシアのトップで、1億1,300万ユーロ、欧州全体の17位だった。ただし、同クラブは前年比11%減。

 欧州のサッカークラブを、当該国以外の外国人が保有しているパターンを見ると、中国人の12、米国人の11、に続き、ロシア人の4人などなっている。アブラモヴィチ氏のチェルシーは有名だが、このほか英ボーンマス、仏モナコ、蘭フィテッセをロシア人オーナーが所有している。他方、ロシア・プレミアリーグ16チームのうち、ロシア人オーナーであることが確認されているのは14チーム。

 欧州のクラブのうち、2015年末現在の純債務額が大きいクラブという指標で、CSKAモスクワが7位(2億2,400万ユーロ)、ディナモ・モスクワが14位(1億6,400万ユーロ)となっている。

 (2015/16シーズンの?)純利益のランキングで、ゼニト・サンクトペテルブルグが9位になった(2,600万ユーロ)。なお、同ランキングでは6位にドニプロ、8位にディナモ・キエフとウクライナ勢が入っている。逆に、純損失のランキングでは、5位にCSKAモスクワ、15位アンジ・マハチカラ、16位にディナモ・モスクワとロシアのクラブが目立つ。

 各国リーグの放映権収入の総額を見ると、やはりイングランドの21.6億ユーロという数字が突出し、イタリアの9.5億ユーロ、スペインの7.3億ユーロ、ドイツの6.5億ユーロなどと続き、ロシアは11位の3,900万ユーロに留まっている(ただし、前年比143%増)。

 


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 コメルサント紙のこちらの記事が、ロシアに設立されたタイヤ生産工場の生産・販売動向について報告している。これによると、ロシア国内のタイヤ販売市場は、2014年17.5%減、2015年20%減、2016年11%減と、落ち込みが続いている(2016年の国内市場規模は3,080万本)。しかし、ロシアに進出した外資系メーカーは、輸出増によって危機的な時期を耐え抜き、2016年には生産の拡大すら実現した。2017年については、ロシア国内販売の回復で、タイヤ生産量が引き続き拡大すると期待されている。コンチネンタルのカルーガ工場では2016年の生産が50%増となり、300万本に達したが、2017年はさらに10万本拡大すると見込んでいるほか、生産品目も300品目からさらに30増やす。同社では輸出比率が30%となっており、2016年には中国およびカナダ市場を新たに開拓した。ノキアンでは、2014年の危機前まではロシア国内販売の比率が40%だったのに対し、現在は15~20%となっている。ミシュランは、2017年に国内市場の回復により生産が増大すると見込んでいる。


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 これまで個人的に認識していなかったのだが、実はベラルーシには鉄鉱石の資源が埋蔵されているようである。ベラルーシと言えばとにかく(塩化カリウム以外は)天然資源のない国というのが一般的な位置付けであり、鉄鉱石の採掘もこれまでは行われてこなかったが、資源自体は賦存しているようだ。そのあたりの事情につき、A.ペシチェンコ・D.ムィチコが2009年に発表したこちらの論文が、論じている。

 論文によれば、ベラルーシでは1966~1970年にオコロフスコエ(Околовское)、ノヴォショルコフスコエ(Новосёлковское)という2つの鉄鉱石鉱床が発見された。オコロフスコエはミンスク州ストルプツィ地区、ノヴォショルコフスコエはグロドノ州コレリチ地区に所在している。これらのベラルーシの鉄鉱石資源は、それほど豊かなものとは言えないものの、鉄鋼業の自前の資源基盤を築く上では、有望である。第1に、オコロフスコエの鉄鉱石は選鉱が容易であり、その採掘は坑内掘りで行われる。第2に、これらの鉱石はペレット化が容易である。ベラルーシの鉄鉱石の埋蔵量は磁鉄鉱換算で5億tである。ベラルーシ国民経済の粗鋼需要は最盛期でも400万t以下だったので、ベラルーシは向こう100年の鉄を確保できたようなものである。毎年20~25%の鉄くずが利用されていることを考えれば、その期間はもっと長くなるし、さらに深く掘り進めば資源量はさらに増える。オコロフスコエ鉱床開発の目的で、鉱山・選鉱・ペレット生産の複合体の建設が計画されている。ペレット生産設備は、冶金工場の敷地内に配置され、そこで完成品が生産される。想定される年間生産規模は、鉱石の選鉱が400万t、精鉱の生産が79万t、ペレットが57万tなどとなっている。Midrex製法の第1案と、Corex製法の第2案がある。第1案の優位点はベラルーシ冶金工場(BMZ)およびベラルーシに所在するその他10ほどのメーカーの電炉を利用できることであり、投資費用を節約でき、環境負荷が低く、鉄の品質は高くなる。第2案では高炉を建設しなければならないが、銑鉄生産には天然ガスではなく石炭を利用するので、天然ガス依存度を低下させられる。想定では、ベラルーシでペレット1tを生産するコストは50ドルで、ロシアや米国でそれを購入したら100~120ドルを要するので、その差額によりベラルーシ金属加工産業の赤字を削減できる。かくして、オコロフスコエ鉱床を開発することにより、ベラルーシ国内の鉄鋼需要を満たせるようになるだけでなく、理想的には、原料の輸出も可能になるかもしれない。


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 こちらに出ているウクライナ石油精製業の動向をごく簡単に整理しておくと、ウクライナでは石油精製業が2000年代半ばから一貫して危機的状況にあり、現時点で実質的に稼働している製油所は2箇所しかない。具体的には、プリヴァト財閥系のウクルタトナフタ傘下のクレメンチューク製油所と、ハルキウ州にあるシェベリンカ・ガス精製工場である。

 2016年1~7月にはウクライナに30.1万t、9,160万ドル分の原油が輸入された。主な輸出国はカザフスタンとルーマニア。クリミアとドンバス占領地を除くウクライナ国内の原油採掘は2016年1~7月に11.9%低下し、95.8万tとなった。2016年1~6月のガスコンデンセートの採掘は5.5%減の31.5万tだった。2015年の原油採掘は11.8%減の180万t、ガスコンデンセートの採掘は6.8%減の65.6万tだった。

 2016年1~7月にはシェベリンカ・ガス精製工場で9.7万tのガソリン(13.2%増)、7.6万tの軽油(20.5%増)、3.2万tの重油(2.9%増)が生産された。2015年にはそれぞれ17.7万t(13.8%減)、10.9万t(8.3%減)、5.5万t(2.4%増)であった。同工場では低品質のユーロ2製品の生産を取りやめ、ユーロ4に移行する作業を進めている。2016年春にはガソリンで、8月には軽油でその転換が終わり、9月からは白油すべてがユーロ4に移行することになっている。

 クレメンチューク製油所では、2016年上半期に、29.7万tのガソリン(24%増)、25.6万tの軽油(10.7%増)、7.8万tのジェット燃料(?、27.6%増)、16.2万tの重油(0.8%減)が生産された。2014~2015年の生産実績は明らかでないが、2015年9月からカザフ原油の供給が始まり、生産増に転じたとされている。プリヴァト傘下の他の2つの製油所は操業を停止している。

 ロシアのロスネフチの傘下にあるルハンシク州のリシチャンシク製油所は、2012年から不採算を理由に操業を停止している。ドンバス紛争の破壊も被った。地元行政では、2016年7月からポリプロピレンの生産が始まるとしていたが、現時点ではまだ実現していない。

 ヘルソン製油所は、コンチニウム財閥の所有となっているが、かなり以前から、生産アセットとは見なされておらず、どちらかというと、ここを基盤に新たな製油所を建設する敷地と見なされている。ナサリク・エネルギー相もウクライナには1箇所か2箇所の新鋭製油所が必要だと発言している。ただし、ヘルソンに新たな精製設備を建設するにも、10億ドル程度が必要である。

 オデッサ製油所は、かつてはロシアのルクオイルに、その後はオリガルヒのクルチェンコに属していた。亡命したクルチェンコの資産は、現在、裁判所によって差し押さえられており、したがってオデッサ製油所で近い将来に石油製品が生産される見通しはない。


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 こちらの記事によると、ロシア最大手銀行のズベルバンクは、今後、職員数を半減していく予定だという。ゲルマン・グレフ社長が明らかにした。グレフによれば、現在33万人に上る職員を、2025年までに半分にする予定であり、将来的には10万人への削減も可能である。顧客数は1.3億人に上るものの、ATMなどを利用した遠隔サービスを拡大することにより、職員削減は可能であると、グレフは述べた。


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 いまや欧州最貧となったウクライナという国だが、ソ連時代の名残で、高度産業である航空機製造産業を抱えている。だが、同産業はロシアとの分業関係で成り立ち、なおかつロシアを主要市場としてきた経緯があり、ウクライナの政変後には産業としての存続が危ぶまれる事態となっているわけである。ウクライナの航空機産業につき、こちらの記事が報告しているので、ごく簡単に要点だけまとめておく。

 記事によれば、ユーロマイダン革命後、新たな方向性を模索するウクライナ航空機産業において、やはり焦点となっているのは、アントノフ社であり、同社が中核となって数十のウクライナ関連企業が結集できるかということが鍵となっている。アントノフは、定期的に話題には上るものの、それが実際の契約に結び付いたり、発注が実行されたりといったことは、必ずしも多くない。最近では、2015年6月にAn158をキューバの航空会社に引き渡した程度で、同機の納入は計6機になった。それ以降、何機かの受注が発表されたが、その多くは、サウジアラビアとの契約など、ウクライナ国外での組立を想定している。

 2016年夏、アントノフは、航空機エンジンの世界的大手である米ゼネラル・エレクトリック社と協力覚書に調印した。これに怒りを露わにしたのが、ウクライナの地場航空機エンジンメーカーであるモトル・シチ社のオーナーであり、最高会議議員も務めるヴャチェスラウ・ボフスラエフである。同氏は「ウクライナの声」に寄稿した文章の中で、本件はウクライナの国益、付加価値の高い科学集約産業に対する裏切りだと、アントノフと外資との提携を激しく非難した。

 当面、ウクライナの航空機産業には、2つの主要課題がある。生産および人員を市場条件に合わせて合理化すること、そしてロシア産の部材から国産または欧米産の部材に切り替えていくことである。ただ、輸入代替には時間と資金を要する。アントノフ社では、輸入代替プログラムはすでに80%完了したとしている。


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 上掲動画は、2015年9月にベラルーシ冶金工場(BMZ)で新たな圧延設備が稼働し、その際にルカシェンコ大統領が工場を訪問してセレモニーを行った際の様子である。

 こちらの記事などが伝えるところによると、この近代的な設備により付加価値の向上が可能になり、鉄鋼生産のバランスがとれるようになる。この設備の生産能力は年間70万tで、100万tまで拡張することも可能。すでに2015年3月から試験・調整運転が行われており、9月までに3.6万t、1,500万ドルが輸出された。生産の約75%が輸出されることが想定されており、また線材の完全な輸入代替、鉄筋の90%以上の国内自給が可能になる。輸出はブルガリア、イタリア、リトアニア、ポーランド、米国、フランス、チェコ、スロバキア、ドイツ、オーストリア、ベルギー向けに行われている。同プロジェクトの投資総額は3.3億ユーロであり、「2011~2015年のベラルーシ・イノベーション発展国家プログラム」に沿い、ベラルーシ政府の政府保証を得た上でユーラシア開発銀行およびベラルースバンクの融資により実施された。

 上掲の動画の中でルカシェンコ大統領は、この追加的な設備の建設は必須だった、なぜなら半製品をそのまま販売することは犯罪的ですらあり、付加価値の高い完成品にシフトしなければならないからだ、完成品こそより多くの利益をもたらし、ひいてはより高い賃金と税収に繋がる、今すぐにというわけにはいかないだろうが、将来的にはすべての半製品を加工して完成品を販売するようにしたい、などと発言している。これを見て、私は考え込んでしまった。半製品から完成品へのシフトという課題は、旧ソ連を代表する鉄鋼業立国のウクライナが取り組むべきなのに、独立後四半世紀も放ったらかしになっていた課題だからだ。ウクライナは鉄鉱石と石炭という資源と、ソ連から引き継いだ巨大設備がありながら、製鉄所を傘下に収めたオリガルヒたちは目先の利益を追い求め、延々と付加価値の低い半製品を生産・輸出し続けた。そして、付加価値が低くとも、それなりに利益は挙がったはずだが、そのお金はどこに消えてしまったのだろうか? それに対し、初期条件としては鉄鋼業の基盤が強いとは言えないベラルーシが、大統領の号令の下、設備投資を積み重ね、高付加価値化に取り組んでいる。。。私自身は、ルカシェンコ体制を肯定するつもりはまったくないのだが、こうした明暗を目の当たりにすると、「ウクライナよりもベラルーシの方がまし」と考える人々が少なくないのも、無理はないような気もしてしまう。


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 ウクライナのポータルサイトに掲載された情報にもとづき、同国の産業情報をお届けしているが、今回はこちらの化学工業。ウクライナの化学工業と言えば、窒素肥料産業が花形であり、この資料では窒素肥料メーカーの売上高・利潤指標(上掲)と、その他の化学メーカーの売上高・利潤指標(後掲)という具合に、区分されて掲載されている。ただ、解説文はほぼ窒素肥料に関する話だけとなっている。

 記事によれば、ウクライナの窒素肥料産業の利益率は、2015年にマイナス17~18%だった。もっとも、2014年がマイナス23.4%だったから、それよりは改善した。窒素肥料メーカーの税引き前損失総額は、2014年の360億グリブナに対し、2015年は200億グリブナだった。2016年に関しても、大きく改善する見通しはない。窒素肥料の生産量も連続で低下している。その原因は、2014年5月からドンバス地方に所在するホルリウカのスチロール社とセヴェロドネツィクのアゾト社が操業停止していることである。工場を保有するOstchemでは、国家が安全を保障することが再開の条件としており、特にホルリウカが占領地にあることを考えると、近い将来の再開は期待しにくい。Ostchemの他の2工場、リウネ工場とチェルカスィ工場も、原料となるガスの供給停止を受け、2015年に4ヵ月間操業を停止した。こうしたことから、2015年のOstchemのアンモニア生産は38%減、硝酸アンモニウムは25%減となった。国内需要が優先されたため、輸出はさらに大幅に落ち込んだ。

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 ロシアやウクライナでは、鉄道車両生産はかなり重要な産業である。ウクライナの鉄道車両産業の現況につき、こちらの記事が伝えている。

 記事によれば、ウクライナにおける貨車の生産は、2015年に前年比81.5%も縮小し、1,151台に留まった。企業別では、クリュキウ車両工場が489台、ポパスナ車両工場が350台、鉱山運輸会社が123台などであった。

 これに対し、2016年上半期の貨車生産は、前年同期比73%増の1,100台に達した。ただし、これはトルクメニスタンからの大型契約750台の賜物である。2016年通年の生産がどうなるかは、トルクメニスタンやウクライナ鉄道から大口の契約を取り付けられるかどうかにかかっている。

 ウクライナ鉄道は、従来も鉄道車両の修理は手掛けていたが、新社長の下、今後は自ら鉄道車両の生産にも乗り出す意欲を示している。

 ウクライナとロシアの関係悪化のため、ロシアへの輸出はまったく期待できない状況にある。しかも、ロシア自体の需要が縮小しており、2016年上半期のロシアの貨車生産は1万500台に留まり、これは2010年以降最悪の数字であった。


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 ロシアで、石油の輸出関税を段階的に撤廃し、その分、地下資源採掘税を引き上げて税収を確保しようとするいわゆる「税制マヌーバ」をめぐって、こちらの記事によれば、引き続き論争が続いているようだ。

 記事によれば、財務省が推進しようとしている税制マヌーバに関し、エネルギー省がそれに伴うリスクを指摘する書簡を、12月27日付で取りまとめた。エネルギー省のアナトリー・ヤノフスキー次官によれば、輸出関税の撤廃は、充分に練り上げられておらず、輸出関税面での優遇を受けている鉱床の利益率低下に繋がる恐れがある。さらに、ベラルーシとの関係悪化につながるリスクがある。ベラルーシ向け輸出は元々石油輸出税が免除されているため、マヌーバを実施すると、同国向けの価格が地下資源採掘税の値上げ分だけ上昇することになり、油価40ドルで為替が64.6ルーブルと仮定すると、ベラルーシの損失は960億ルーブルにも上る。ロシア国内の石油精製業にとっても事態は深刻で、1t当たりの石油精製のマージンが2,700ルーブルから1,000ルーブルに低下してしまう。石油会社にとっては、精製するよりも、原油のまま輸出した方が有利というケースが出てくる。ロシアの石油精製量の20%に相当する6,000万tの石油精製が、一気に失われる恐れがある。それは国内の石油製品不足をもたらし、製品の値上げにより社会問題も引き起こすだろう。したがって2017年の税制を2020年までは維持し、石油採掘および精製部門の投資魅力を維持するべきである。エネルギー省は以上のように主張している。

 ロシア政府は、2018年から、地下資源採掘税および輸出関税という石油の数量にもとづいた課税に代えて、「付加所得税」というキャッシュフローにもとづいた税制を導入し、税負担を軽減するとともに柔軟性をもたせようとしている。この点に関する財務省とエネルギー省の立場の隔たりも、輸出関税をめぐる論争の背景にある。


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