服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 こちらの情報によると、4月6日に医療用品の輸入代替に関するロシア政府の会合が、D.メドヴェージェフ首相の主宰により開催されたということである。その席でのメドヴェージェフ首相の発言によると、医療用品の開発・生産のために、2011年以降、169のプロジェクトに対して、360億ルーブルの支援がなされ、うち185億ルーブルが国家財政からの資金であった。医療用品を臨床試験し生産を組織するための費用の一部を補助する制度があり、2016年には「産業発展基金」からそうしたプロジェクトのために30億ルーブルの融資が提供された。また、政府調達においては国産品を優先するルールがあり、ロシア企業から2社の応札があった場合には外国製品は排除されることになっており、すでに100以上の製品にそのルールが適用されている。これらの取組は一定の成果を挙げており、医療用品の生産は2016年に前年比で(実質? 名目?)15.5%拡大した。金額ベースで、過去6年間で倍増している。国の輸入代替支援により75の医療用品が市場に投入されており、うち36は従来ロシアで生産されていなかったものが2016年に登録されたものである。むろん、輸入代替が品質の低下に繋がらないことが肝心である。メドヴェージェフ首相は以上のように述べた。


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2020-3-638

 だいぶ古い情報になってしまうが、こちらに見るとおり、ロシア・コメルサント出版の『ジェーニギ』誌が2016年2月29日号において、「ロシアの輸入代替に関する10の神話」という記事を掲載している。執筆しているのは、「実業ロシア」の共同議長であるアントン・ダニロフ=ダニリヤンと、産業・商業省のグレブ・ニキチン第一次官。この両名はロシアの輸入代替政策に関する論客としてたびたび名前が登場し、この「10の神話」という話もあちこちで披露しているようである。両名が挙げている10の神話と、それぞれについての反論は、以下のとおりである。

  1. ロシアはありとあらゆる品目を輸入代替しようとしている。 → 現在ロシアが輸入している商品のうち、近い将来に国産化して経済的に成り立ちうるのは、せいぜい3分の1程度。
  2. ロシアから外国資本を締め出そうとしている。 → むしろ、外国資本を誘致してロシア国産化を進める。
  3. 輸入代替は不可避的に保護主義を伴う。 → どちらかと言えば自然発生的で、自由貿易の結果。保護主義はせいぜい政府発注で発揮されるだけ。
  4. 輸入代替と特別投資契約は競争を阻害する。 → むしろ新たな生産により競争が増大する。
  5. 輸入代替は、税金の無駄遣いだ。 → 輸入代替プロジェクトの投資総額に占める産業発展基金の比率は大きくなく、大部分が民間の自己資金。
  6. 輸入代替は、ロシアの消費者に質の悪い製品を押し付けることになる。 → 国産品の質が悪いというのはソ連時代のステレオタイプで、競争の激しい今日では性能の高い設備で生産されている。
  7. 輸入代替支援は、過去の技術への支援なのではないか。 → むしろ将来の技術への支援だ。
  8. 銀行から融資を断られたプロジェクトを支援しているのではないか。 → 現在のロシアの条件では、プロジェクトが有望でも銀行融資を受けるのが難しい現実があり、国の支援が必要。
  9. たとえ輸入代替が実現したプロジェクトでも、輸出に転じるのは無理。 → 実際には「輸出志向輸入代替」が活発化している。
  10. ルーブルが再び強くなったら、輸入代替の試みは水泡に帰す。 → 制裁と石油安は長く続きそうであり、輸入代替の余地は大きい。
2020-4-638

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by

 前のエントリーと同じような話で、今度はベラルーシの主要品目の生産量に占める輸出の比率というグラフがこちらに出ていたので、2011年とやや古いデータではあるが、取り上げさせていただく。小国なので、輸出依存度は全体的に非常に高い(しかも多くの品目でロシア市場に過度に依存)。整理すれば、品目ごとの輸出比率は以下のとおり。

  • トラック:83.7%
  • トラクター:96.8%
  • バス:70.8%
  • エレベーター:68.7%
  • カリ肥料:88.6%
  • タイヤ:71.9%
  • タイル:75.5%
  • 家庭用冷蔵庫・冷凍庫:78.7%
  • テレビ:67.0%
  • 洗濯機:51.8%

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hiritsu

 ロシア政府の作成した資料を眺めていると、「ロシアの主要品目の生産量に占める輸出の比率」という表が定番で掲載されている。ここではその新しい数字として、2016年1~5月の輸出比率をグラフにまとめてお目にかける。しかし、もっと多くの品目を取り上げてもらえるとありがたいのだが、扱われている品目はいつも同じで、数も多くなく、分野も偏っており、少々残念である。ロシアは一大石油・ガス輸出国だが、意外にもこのグラフを見るとそれらの輸出比率は半分以下であり、それだけ国内消費量も大きいことがうかがえる。


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 こちらこちらの記事によると、EUは4月7日から、テロ対策のために、シェンゲン協定加盟諸国に外国籍人が出入国する際の管理を厳格化した。しかるべきデータベースを用いて、外国籍人の特定と出入国手続きが厳格に行われるようになった。その結果、貨物を輸送するトラックがベラルーシからEU領に入国するにも従来以上に手間と時間を要するようになり、ベラルーシの対リトアニア、ラトビア、ポーランド国境では700台の大型トラックの行列ができている。一方、ベラルーシの対ウクライナ国境では何の問題も発生していない。


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 この4月から半年間、東京大学教養学部で非常勤講師を務めさせていただくことになりました。毎週金曜日に、「ユーラシア(旧ソ連)地域文化論」と題する講義を受け持ちます。昨日その第1回がありました。


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 当ブログでは先日、「メドヴェージェフ首相を見限るロシア国民」と題し、レヴァダ・センターが継続的に実施しているロシア全国調査で、国民がメドヴェージェフ首相に厳しい目を向けるようになっていることを報告した。ただ、その際は2月の調査結果までしか反映されておらず、3月のナヴァリヌィによる首相スキャンダル暴露、その後の反政府デモは数字に反映されていなかった。そして今般、レヴァダ・センターの当該コーナーにようやく3月の調査結果が出たので、今度は当ブログで独自にグラフも作り直して、再掲載することにする。

 3月の調査結果は、事前の予想どおりとなった。すなわち、蓄財スキャンダルで槍玉に挙がっているメドヴェージェフ首相は、国民の支持・不支持の内訳が42%:57%となり、2月の52%:47%から形勢が逆転した。メドヴェージェフ首相への国民の支持は曲折を経ながらも趨勢的に低下していたが、今回ついに不支持の方が上回った格好である。それに対しプーチンの3月の数字は82%:17%であり、2月の84%:15%から若干悪化したとはいえ、大きな揺らぎは見られない。ロシア国民の多数派は、クリミア・コンセンサスでプーチンを引き続き支持する一方、経済・社会の閉塞感から政府・首相にはますます厳しい目を向けるようになっているといったところだろうか。


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 大した情報ではないのだけれど、ロシア中銀のこちらのレポートに、上掲のような、ロシアの支出項目別GDP成長寄与度の推移を跡付けた図が出ているので、その部分だけ切り取って紹介する。

 ごく大掴みに言ってしまえば、2016年のロシアは、総固定資本形成も、民間および政府の最終消費も、いずれも振るわなかったが、純輸出がプラスだったから、ある程度マイナス幅が小さくて済んだ、ということになる。


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 ウズベキスタンのシャヴカト・ミルズィヤエフ大統領がロシアを訪問し、4月5日にプーチン・ロシア大統領との首脳会談が開催され、両国間で39本もの文書が調印されたということである。そのリストはこちらのサイトで閲覧できる。以前、「ロシアとウズベク、労働移民に関する協定締結へ」というエントリーをお届けしたが、その時に言及していた労働移民問題に関する政府間協定も結ばれた。

 中央アジアの低開発国からはロシアに大量の労働移民が出稼ぎに出ており、キルギスなどの国にとっては本件がロシアを盟主とするユーラシア経済連合に参加する最大の動機となっている。しかし、今回ウズベキスタンは二国間協定でその問題に決着をつけた形であり、逆説的な状況である。ロシアがベラルーシのようなユーラシア経済連合加盟国と対立を重ねている今となっては、逆にウズベキスタンのようなある程度距離を置いている国の方が、ロシアと友好的な関係を築けたりするのかもしれない。


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 以前、「ロシアの製造業部門ごとの輸入浸透率」という記事をお届けしたが、今回は別バージョン。こちらの資料に、産業・商業省のデータにもとづく、2013年の産業部門ごとの輸入浸透率と、2020年の目標という図が出ていたので、ロシア語のままで恐縮ながら、取り上げさせていただく。前回の資料と、今回の資料で、若干データの齟齬が見られる。


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 こちらなどが伝えているように、IMFはウクライナ向けの拡大信用供与175億ドルの支援を続けているが、このほど新たなトランシュ10億ドルの供与を決定した。近日中に入金され、ウクライナの外貨準備は161億ドルまで拡大する見通し。ウクライナでは本年さらに3回のトランシュ、45億ドルを受け取ることを見込んでおり、次回の供与は6月末頃を想定している。

 本件に関連し、IMFが4月4日に発表したレポートが、こちらにアップされている。

 なお、こちらの記事によれば、IMFはドンバス封鎖問題に関連し、2017年のウクライナの成長率見通しを2.8%から1.9%に下方修正した。


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 こちらの記事が、レヴァダ・センターの世論調査結果にもとづき、ロシア世論の雲行きが変わって来たことを伝えているので、要旨をまとめておく。

 記事によれば、最近レヴァダ・センターが実施した世論調査により、国に要求を突きつけたいと思っている国民が増えており、逆に国を助けたいと思っている者は減っていることが明らかになった。専門家は、「クリミア・コンセンサス」はもはや、社会の不満を埋め合わせることができなくなっていると指摘する。2016年3月には「国が与えてくれるものも少なくないが、もっと多くを要求してもいい」という者が25%だったのに対し、最新の調査では31%になっている。「国が与えてくれるものは少なく、国から何ら恩恵は受けていない」と答える者も、同じく25%から31%に増加した。国が国民の利益に奉仕するよう「強いる」べきだと考える過激な向きは19%で1年前と変わらなかったものの、「今日の状況では、国民は自己犠牲を払ってでも国を助けるべきだ」と考える者は17%から11%に減った。世論の空気の変化について、レヴァダ・センターのレフ・グトコフは次のように説明する。すなわち、現在のところ見られるのは、苛立ちに留まっている。政権幹部の汚職スキャンダルが明らかになる中で、国民は危機により消費を手控えざるをえない状況ゆえである。同センターの他の調査結果を見ると、人々はシリアへの介入を疑問視し始めており、大国のためには犠牲を払うという気分は低下し、将来への不満が高まっている。クリミア効果で社会が政権を中心に団結するということが薄れ、愛国主義の波が後退し、社会的緊張が高まっている。


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 こちらの記事によれば、ウクライナの主要製鉄所の一つであるジェルジンシキー記念ドニプロ冶金コンビナートが、操業を停止したということである。同工場はドンバス工業連合(ISD)財閥に属し、ドニプロペトロウシク州カミャンシケ市(旧ドニプロジェルジンシク市)に所在している。同社の発表によれば、財務面での問題および運転資金不足と、ドンバス占領地との貨物輸送の途絶によりコークス供給が途絶えたことが原因という。従業員に賃金は支払われる。


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2014

 こちらのサイトに、2014~2016年のウクライナ製菓市場のブランド別動向に関するデータが出ているので、紹介する。ポロシェンコ大統領は、2014年の選挙戦に際し、利益誘導の疑惑をかわすため、自らが保有する製菓大手「ロシェン」を身売りする構えを示していたが、現在のところ実現していない。上に示したのが2014年の市場シェア、下に示したのが2016年のそれなのだが(単位は菓子類の生産量、トン)、ポロシェンコ大統領在任中にロシェンの一強体制が強まるという、少々よろしくない現象が起きている。なお、ウクライナの製菓産業全体では2016年にわずかながら生産が回復し、前年比0.1%増の69.9万トンとなった。

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 この話、初めてというよりは、確か以前から出ていたと記憶するが、こちらの記事によれば、日本政府はウクライナのドンバス復興に向けて400万ドルを拠出するということである。このほど角駐ウクライナ大使がその旨を表明した。2017年4月から2018年3月にかけて、国連および赤十字を通じて400万ドルを拠出し、戦乱で被害を受けたドンバスのインフラ再整備、中小企業支援、被害住民への支援などに充てる。なお、2014年4月半ばから続くドンバス紛争では、少なくとも9,940人の犠牲者、23,455人の負傷者が出ている。


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Denis_Voronenkov

 少々古い話になってしまったが、ロシアの元下院議員であるデニス・ヴォロネンコフ氏(写真)が3月23日にキエフで暗殺された。私自身はきな臭い話が苦手で、当ブログは経済を中心とする人畜無害な情報が主だが、ヴォロネンコフ氏の事件については少々事情があって簡単に調べたので、要点だけ整理しておく。

 デニス・ヴォロネンコフ氏は1971年生まれで、司法、軍事、ネネツ自治管区行政などの仕事をしたあと、2011~2016年に共産党所属の連邦下院議員を務めた。2016年の下院選ではニジェゴロド州の小選挙区で落選、選挙運動の際に「自分はアフガン従軍帰りだ」といった偽りの主張をし(実際にはソ連がアフガンから撤退した時にはヴォロネンコフはまだ未成年だった)、どうも虚言癖のある人物だったようだ。奇矯な言動の一つとして、2016年には「ポケモンGoユーザーはスパイや、さらにはテロリストになりかねない」と唱え、ロシアにおけるその利用禁止を関係省庁に訴えたことが知られている。2014年12月に不動産乗っ取り(5億円程度の物件)疑惑に関連して議員不逮捕特権の剥奪が提起される。2016年9月の落選後、2016年10月にウクライナに逃れたことは(12月にウクライナ国籍取得)、訴追を逃れるのが目的だったか。2017年2月にロシアより国際指名手配を受けている。ウクライナに亡命してから政治的立場を一変させ、以前はロシアのクリミア併合を称賛していたが、ウクライナ亡命後は「自分は反対票を投じた」と立場を翻した。暗殺の数日前に、ロシアのウクライナ侵略を支援しているスポンサー、ウクライナ側の協力者を暴くとの名目で「ウクライナ・ロシア調査センター」の創設を提案、自らそのトップとなる構えを見せた。しかし、3月23日にキエフの街中で3~4発の凶弾を浴び、その場で息を引き取った。事件が起きたのは11:30で、現場はシェフチェンコ大通りのプレミア・パレス前であり、まさに白昼堂々の暗殺劇であった。実行犯のウクライナ人、オレクサンドル・パルショフ(1988年セヴァストポリ生まれ、ドニプロ在住)はその場でボディーガードから発砲を受け、病院で死亡が確認された。前科者で、近年は傭兵のようなことをしていたらしい。暗殺事件に関しポロシェンコ大統領は即座に「ロシアによる国家テロリズム」と非難した。


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 こちらの記事によると、過去1年ほど続いている石油・ガスの供給をめぐるロシア・ベラルーシ間の対立につき、解決策を探る両国政府間の交渉が3月30日に行われたものの、物別れに終わった。本件は、2016年初めから、ロシアの供給するガスの料金が不公正に高いと主張して、ベラルーシ側が一方的に引き下げた価格での支払を行い、その結果7億ドルの債務が累積、ロシア側はベラルーシへの原油供給を削減するという対抗策を示していたものである。不調に終わった今回の政府間交渉につき、ロシアのノヴァク・エネルギー相は、次のようにコメントした。いわく、残念ながら、紛争の調整につき、最終的な合意は得られなかった。最大のネックは、ベラルーシ側が、大幅な値下げと支払期限の延長がなされなければ、債務を償還しないとしていることである。我が国からすれば、ベラルーシの立場は充分に建設的とは言えないが、この紛争は我が方から始めたのではなく、交渉は続けていくつもりで、ベラルーシ側がより建設的になってくれることを願う。ノヴァク大臣は以上のように述べた。


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 こちらのサイトに、2015年の欧州各国の天然ガス消費量と、各国の消費量に占めるロシアの供給シェアを示した図解資料が掲載されているので、紹介させていただく。ウクライナは備蓄からの消費分を含むということである。ドイツの60%という数字が目を引き、このあたりが欧州国際関係の綾となっている。ベラルーシは98%で、がんじがらめだ。


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 最新の情報というわけでもないはずだが、個人的には初めて知ったので、メモしておく。こちらの記事によると、アルメニアは、大統領の権限が強い半大統領制から、首相・議会の権限が強い議院内閣制に移行しようとしているということである。大統領という役職は残るものの、名目的な国家元首となり、儀典的な役割を果たすだけとなる。それに伴い、たとえばユーラシア経済連合やCIS集団安保機構の首脳会合に出席するのも、大統領ではなく、首相になる予定だという。セルジ・サルキシャン現大統領の任期満了に伴い、新たな政治体制に移行する。上掲写真はカレン・カラペチャン首相。


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 ロシアで発生した反体制デモにつき、アレクサンドル・イヴァフニク氏によるこちらの論評の中から、興味深い箇所のみ大意を紹介する。

 3月26日の反体制デモは、2011~2012年の誠実な選挙を求めるデモとは、本質的な違いがあった。前回は、極左から民族主義者までの多様な政治勢力がデモの開催に尽力し、各指導者が登壇して具体的な政治的要求を打ち出した。それに対し今回は、「政権がメドヴェージェフ首相の汚職疑惑に沈黙していることに抗議の声を上げよう」というナヴァリヌィの呼びかけに呼応して、100近いロシアの都市で同時に抗議デモが発生した(うち当局の許可があったのは21だけ)。26日のデモで諸政党の関与は確認されておらず、多くの現場では登壇のためのステージも用意されなかった。唯一の組織者は、現在急速に構築されているナヴァリヌィの地方ネットワークであった。ただ、意識の高い市民の間でナヴァリヌィの権威と人気は大きいものの、重要なのはむしろ、ナヴァリヌィは単に引き金を引いただけだと思われることである。つまり、人々はナヴァリヌィを支持するために街頭に繰り出しているわけではなく、彼らは現政権の(具体的な事柄というよりも)振る舞い全般に不満が鬱積しており、それを表現するためにデモに参加しているのである。

 こうしたことから、無許可の集会であるにもかかわらず、モスクワには少なくとも1.5万人が、サンクトペテルブルグでも1万人が集まり、ロシア全土に予想外の広がりを見せた。「クリミア・コンセンサス」はいまだに世論に残存しているが、その役割はどんどん小さくなっている。そうした中で、ナヴァリヌィが絶妙な形で汚職の問題を取り上げ、デモ参加者たちの意識の中ではその点が結束要因となった。エリートたちは自分たちとはまったく異なる生活様式を送る人々だと捉えられ、その象徴であるメドヴェージェフが珍しく抗議運動の個人的な標的になった。

 今回のデモの特徴は、地方都市への広がりに加えて、年齢構成である。前回の2011~2012年は、クリエイティブクラス、30~40歳の人々、伝統的な民主派インテリ、中高年層など、多彩であった。それに対し今回は、学生が圧倒的に多く、高学年学童も見られる。もしもデモが許可を得ることができたら、より多彩な年齢構成になったかもしれないが、無許可となったことで、守るべきものがある大人たちは参加を回避した。それに対し、若者は向こう見ずで、ロシア伝統の年長者や権威の尊重といったものがなく、テレビ以外の情報源を利用している。ナヴァリヌィの汚職告発動画が最も刺さったのが、そうした社会層だった。むろん、今回の動画で彼らが開眼したというわけではなく、進んだ若者は以前から、過去ばかり見ている国、能力ではなくお上への忠誠やコネで社会的上昇が決まってしまうような国には将来性がないことを分かっていた。彼らの中に「我々と彼ら」という二分法が形成され、もはやメドヴェージェフやプーチン個人云々というよりも、国の発展ではなく自己保存にしか向いていない統治システムそのものを問題視するようになったのである。

 今後政権側は、広域的なデモを許さず、それが試みられた際には最初から弾圧をするかもしれない。インターネット、ソーシャルメディアの自由なやり取りを制限することも充分考えられるし、学校での教育的指導もあるだろう。しかし、閉鎖性と汚職が現体制の基本的な特徴である以上、政権が譲歩できる余地は乏しい。今後デモが広がりを見せるかどうかは不透明である。現在のところ怒れる若者たちには組織も、しかるべき地方リーダーも、具体的要求もなく、いかにナヴァリヌィが精力的でも、安定的な抗議運動を形成するのには不充分だろう。いずれにしても、様々な形で不満を表明する土壌は出来上がり、このことは大統領選や汚職追及に影響を及ぼしていくだろう。


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 ウクライナの銀行セクターは、かつてロシア資本の進出が盛んな部門の一つであった。しかし、過去3年のウクライナ危機、ウクライナ・ロシア関係の悪化により、その事業環境は厳しくなっており、先日も当ブログで「ウクライナがロシア系銀行に制裁」というエントリーをお届けしたところである。

 そうした中、こちらのサイトに、ウクライナにおけるロシア系銀行の状況をまとめた図解資料が載っており、便利なので、上掲のとおり転載させていただく。

 このうち、ズベルバンク・ウクライナについては、すでにロシアのズベルバンク本社がウクライナ法人身売りを決定している。こちらの記事などが伝えているとおり、サイド・グツェリエフ氏を筆頭とするコンソーシアムが100%の株式を買い上げることになり、このほかラトビアのノルヴィク銀行とベラルーシの民間企業がコンソーシアムに名を連ねている。なお、サイド・グツェリエフは、スラヴネフチ/ルスネフチのオーナーとして知られるミハイル・グツェリエフの息子である。


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 こちらの記事によると、ロシア最大の地場自動車メーカー(現在はルノー=日産アライアンス傘下)のAvtoVAZでは、今後5年間のうち(すなわち2022年まで)に、生産した完成車の20%を輸出に向けたい意向である。ニコリャ・モル社長がこのほど国際自動車フォーラムの席で表明した。同社では現在すでにコンポーネントの20%を輸出しており、完成車の輸出もそれと同じレベルに高めるという方針である。また、現地化比率の目標として80%を掲げており、それが達成されればイジェフスク、トリヤッチの両工場がフル稼働に移れる。輸出比率を高めていく政策の一環として、右ハンドル車の生産も検討していく。また、製品がコスト高となる一因の輸送費に関しては、ロシア政府がそれを補助する政策をとっていることが、助けとなる。


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 2017年3月2~6日にロシアのレヴァダ・センターが汚職問題に関する世論調査を行ったそうで、その結果概要がこちらのサイトに出ている。それを紹介した記事がこちらであり、上掲の図はその記事から拝借したもの(3月2日にナヴァリヌィがメドヴェージェフ汚職糾弾動画を発表し、その当日に調査が始まるとは、何とも手回しが良いというか)。

 日本人が「汚職」と聞くと、大臣などの権力者による悪事というイメージを抱くのではないだろうか。しかし、これはロシアでも、ウクライナでもそうだが、あちらの国でコラプションと言った場合には、政治家や役人だけでなく、医者や教育者への賄賂といったことも含んでおり、国民に非常に身近な現象なのである。ロシア国民は誰しも、自分が賄賂を贈ったり、受け取ったりする当事者になる可能性があるわけだ。したがって、今回のレヴァダ・センターの調査でも、まずは国民にとって身近なそうした汚職問題についての意識が問われている。

 その上で、政権幹部による汚職の問題も問われている。ただ、その際に最高指導者のプーチンは、汚職の大元、親玉というよりも、その権力を行使して汚職を根絶すべき存在といった位置付けをなされているように思われる。

 設問の中に、「野党は政権幹部の汚職、資金不正利用について常に批判しているが、プーチンはその蔓延にどの程度責任があるか?」というものがある。回答状況は以下のとおりで、それを図示したのが上図である。プーチンへの批判の声が趨勢的に高まっているというわけではなさそうだ。「プーチンがより一層強権を発動して悪事を取り締まってほしい」と考えるのが、ロシア国民の一般的なメンタリティなのではないだろうか。

  • 完全に責任がある:25%
  • かなり責任がある:42%
  • 一部責任がある:20%
  • 責任があるはずはない:9%
  • 回答困難:4%

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 ウクライナのUNIAN通信のスマホアプリは、以前は「共有」ができず、情報の後処理にとって不便という欠陥があったが、久し振りに利用してみたら、「共有」できるようになっていた。そこで、改善記念に、UNIANの記事を使って1本お届けしたい。

 こちらの記事によれば、ウクライナの化学産業業界団体である「化学同盟」は、化学肥料の輸入代替の必要性を唱えている。同団体によれば、2016年にウクライナは149.5万tの窒素肥料、139.9万tの硝酸ナトリウム、36.8万tのリン酸アンモニウムを輸入し、約305億グリブナの費用を費やした。このうち、窒素肥料の149.5万tは完全に自給して120億グリブナを節約することが可能だし、硝酸アンモニウムも90万tは国産化し90億グリブナの節約が可能である。つごう、210億グリブナをウクライナは節約できるのだ。しかも、輸入の70%はロシアからであり、それだけの資金が国外に流出する一方、ウクライナではリウネとチェルカスィの窒素肥料工場が停止を余儀なくされている。ウクルトランスガスはOstchemのガス3.5億立米を押さえており、それをOstchemに返却すれば、両工場の操業再開は可能である。オデッサ臨港工場はOstchemに2.5億ドル分のガス代未払いがあり、同工場が利益を上げて債務を返済できるような条件を整備すべきである。「化学同盟」の幹部はこのように主張した(業界団体と言いつつ、完全にOstchemの利益代表だな、これは)。


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 レヴァダ・センターのこちらのページにある、国民がプーチンの活動を支持している割合、同じくメドヴェージェフの活動を支持している割合というデータを、久し振りに見た。迂闊にも気付かなかったが、しばらく見ないうちに、国民のメドヴェージェフを見る目が、ずいぶん厳しくなっていた。上の図がプーチンで黒が支持する、青が支持しない、下の図がメドヴェージェフで同様である。なお、プーチンは1999年8月から始まっているのに対し、メドヴェージェフは2007年2月からで、上下の図が時系列的に対応しないので、ご注意いただきたい。

 メドヴェージェフへの国民の支持が低下し、2016年8~10月には不支持の方が上回ったこともあったのに対し、国民のプーチン支持はほとんど揺らいでいないことが分かる。なお、数字は2017年2月が最新であり、その後にメドヴェージェフの不正蓄財が暴露されたので、当然のことながら次のデータが発表されればさらに数字が悪くなることが予想される。

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 経済難にもかかわらず、政権への支持率は高く、国内情勢は安定しているかと思われたロシアとベラルーシで、それぞれ別のきっかけにより、かなり大規模な反政権デモが発生している。ロシアの方は、反体制ブロガーのアレクセイ・ナヴァリヌィ氏が、メドヴェージェフ首相の重大な汚職を暴露したことが発端になっている。詳しくフォローする余裕はないが、発端になった動画は上掲のもので、3月2日に公開されたようである。こちらのサイトで、そのテキストバージョンを閲覧することも可能。

 動画をざっと見てみたが、複雑なスキーム、親友・旧友の仲介、オフショア企業などを使い、またオリガルヒからの資金提供を受け、メドヴェージェフが超豪華な別荘、ヨット、ぶどう畑およびワインセラーなどの莫大な資産を実質的に手に入れているということが、非常に克明に検証されている。真に迫った内容であり、動画のプレゼンも良く出来ている。ただ、どういう経緯で、今こういうスキャンダルが暴露されたのは分からないし、おそらく政権幹部は皆似たような蓄財をしていると思われる中で(動画の最後でその旨の指摘はある)、なぜメドヴェージェフが狙い打ちされたのかとか、不可解な点は少なくない。

 それで、今回のロシアの反政府デモには、若年層が積極的に参加しているという話を聞いたので、その様子も動画で見てみようと考えた。下に見るのはあくまでもその一例であり、3月26日のモスクワのデモの様子ということである。プーチン政権が色々問題を抱えていることは明らかにもかかわらず、最近まで沈黙していた国民が、一部であるにせよ、なぜ今回はナヴァリヌィに積極的に呼応したのか、そのあたりも個人的に今一つ良く分からない。


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 こちらの記事に、分かりやすい図が出ていた。2010年12月を起点にとって、その後ウクライナの平均賃金(青の縦棒)と住宅・光熱費(赤の折線)とが、2016年7月までにどれだけ上昇したかを見たものである。この間、賃金も100%ほど上昇はしているが(つまり2倍になった)、住宅・光熱費は300%近く値上がりしており(つまり4倍近くになった)、まったく賃金が追い付いていないことが分かる。特に2015年春の公共料金値上げがどれだけラディカルなものであったかが、一目瞭然である。

 なお、この記事を書いているのはオレクサンドル・オフリメンコというエコノミストで、ウクライナの論壇では非常によく目にする名前であり、体制に批判的な論陣を張ることが多い。「ウクライナ分析センター」というシンクタンク(といっても個人商店だろう)を主宰しているようで、フェイスブックページに見るように、ウクライナ経済の困難を図解で解説するのを得意としている。


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 ベラルーシがロシアと石油・ガス供給で揉めて、ロシアの代替の原油供給源模索の動きに出ている。そうした流れで、こちらのニュースによれば、今般イラン産原油8万tを積んだタンカーがウクライナのオデッサ港に到着した。オデッサから鉄道でベラルーシのモズィリ製油所に輸送される。ウクライナ領の鉄道輸送は、オデッサ・ペレスィピ駅から、対ベラルーシ国境のベレジェスチ駅までで、輸送料は1t当たり11.88ドルとなる。


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CS

 『ベラルーシ実業新聞』のこちらのページに、CIS諸国の平均賃金を米ドルに換算してその推移を比較した図が掲載されていた。ありそうでない、便利な図なので、日本語を添えた上で転載させていただく。

 図は、2016年11月までの月別の推移を跡付けたもの。ちなみに、旧ソ連諸国では12月に賃金の未払い分などがまとめて支払われることが多いので、どの国も各年の12月の山が突出する形となっている(したがってインフレ率なども12月にピークを迎える)。2014年頃からロシア、カザフスタンといったCISの中では豊かな国でもドル換算賃金が低下しているのは、原油価格の低下とそれに起因する景気後退、為替下落によるものである。ウクライナは政変後に為替がドカンと落ち、かつて欧州最貧と呼ばれたモルドバを下回り、今や中央アジアの低開発国であるキルギスと肩を並べている。なお、最新の2016年11月の各国の平均賃金を、大きい順に並べると、以下のとおり。

  • ロシア:553ドル
  • カザフスタン:416ドル
  • アルメニア:378ドル
  • ベラルーシ:363ドル
  • アゼルバイジャン:302ドル
  • モルドバ:254ドル
  • キルギス:203ドル
  • ウクライナ:201ドル
  • タジキスタン:128ドル

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 こちらの記事などが伝えているとおり、ロシアでエリヴィラ・ナビウリナ中央銀行総裁が続投する方向となった。今般ナビウリナ総裁がプーチン大統領と面談した際に、大統領がナビウリナ氏再任の意向を示し、その人事を審議する下院も問題なく承認する見通しとなっている。ナビウリナ氏は経済発展大臣を経て、2013年6月24日から中銀総裁を務めており、本年2017年6月に任期が切れる。再任されたあかつきには、さらに5年を務めることになる。ナビウリナ氏は堅実な手腕で金融危機に対処し、また銀行システムを整理して銀行数を3分の1ほど削減した。こうした実績から、再任は理に適ったものであるとの評価がロシアではもっぱらとなっている。

 世界で最も保守的なロシア中央銀行と、最もアバンギャルドな日本銀行。中央銀行だけ、とっかえたいなあ。


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