服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

1513996146

 プーチン大統領の教書演説は予定どおり行われたが、昨日の今日なのですぐに消化できず、また一般の報道等で取り上げられると思うので、当ブログでは差し当たり見送り、他の話題をお伝えする。

 さて、ロシア大統領選挙は、政策論争の類がまったく聞こえてこず、面白みがないが、その点ちょっとだけ興味深く感じたのは、こちらに見るとおり、ロシア共産党を代表して選挙を戦っているP.グルジニン候補(上掲写真)が、ロシアはWTOから脱退すべきであると述べた点である。OTRテレビで開催された候補者らの討論会(プーチン氏は出席していないが)で、グルジニン氏がそのように述べた由だ。この中で司会者が、ロシアは欧州評議会、WTOなど、ロシアに友好的でない国際機構に加盟し続けるべきかと問うたところ、グルジニン氏は、そうした問題は国民の関心事ではないが、WTOに関して言えば、我が党の綱領に明記されているとおり、ロシアは脱退すべきだ、WTOでは米国が都合の良いようにルールを決めてしまっている、ロシア現政権がWTOに加盟したのがそもそも間違いだった、加盟の際に保護されたのは銀行セクターだけでその他の部門は無防備になった、などと発言した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1514998606

 ロシアでは、プーチン大統領による年次教書演説が延期されていたが、本日3月1日に実施されるということである。近年は、12月が教書の季節だったが、昨年12月の教書は先送りされ、本年に入ってからもなかなか日程が決まらず、大統領選直前になってようやく実施が決まったという次第だ。そのあたりについては、NHKの石川さんがこちらで解説しておられる

 それで、プーチン大統領は今のところ、3月18日投票の大統領選に向け選挙綱領らしきものも発表していないので、本日の教書演説が、実質的にプーチン候補の選挙マニフェストと位置付けられることが考えられる。したがって、その中身が注目されるところだが、リア・ノーヴォスチのこちらの記事では、専門家らが経済政策の注目点について見解を述べている。

 現代発展研究所のN.マスレンニコフは、ロシア経済は現在1.5~2.0%程度の成長に甘んじているが、少なくとも3.5%以上の成長が必要だ、潜在成長力はあるので、そのギャップを埋めるための方策が提示されることを教書には期待したい、特に投資環境、税制、年金改革、貯蓄システムの回復を通じた長期資金の形成などの道筋を示してほしい、2018年に税負担モラトリアムが完了するので2019年以降の税制の方針には特に注目している、などと述べた。

 産業家・企業家同盟のA.ショーヒンは、扱われる問題は多岐にわたるだろうが、我々経済界としては企業活動の発展や経済的自由に重点が置かれることを期待している、司法・行政機関によるビジネスへの圧迫軽減が重要課題だ、などと述べた。

 高等経済院のミロノフは、前回の教書でプーチンは政府に対し2025年までの発展計画を策定するように命じ、その作業にはB.チトフのストルィピン・クラブやA.クドリンの戦略策定センターの専門家らも参加しており、今回の教書でその方向性が明らかになるかもしれない、と指摘した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

b_NEG_google660_030716123233

 ロシアでは、ロシア国民を相手にネットサービスを提供している外国企業を対象に、いわゆる「グーグル税」が導入された。こちらによれば、検索、ドメイン登録、電子書籍販売、教材提供、音楽サービス、グラフィック利用などのサービスに対し、18%の付加価値税を課すというもので、2017年1月1日の施行となった。

 そして、こちらの記事によると、外国企業が2017年に納税した「グーグル税」は、94億ルーブルに上ったということである。143社の外国大企業が納税を行った。ただし、課税を受け、グーグルはロシアのグーグル・ドライブ、グーグル・プレイ・ミュージックの料金に付加価値税を上乗せすることを発表した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

slide_1

 ロシアでは、こちらに見る2017年3月24日付連邦政府指令により、「工業団地およびテクノパーク創設プロジェクト・リスト」と称するものが制定されていた。私の理解によれば、これらの工業団地およびテクノパークは既存のものだと思うのだが、いわば連邦政府がお墨付きを与え、地域行政府を通じて補助金を交付し各工業団地・テクノパークの一層の発展を後押しするという意味合いの政策措置と思われる。2017年3月の時点では、以下の15箇所が選ばれていた。

  1. ヴォルシノ工業団地(カルーガ州)
  2. ロスヴァ工業団地(カルーガ州)
  3. テクノパーク「テクノポリス・モスクワ」(モスクワ市)
  4. ザヴォルジエ工業団地(ウリヤノフスク州)
  5. ウフィムスキー工業団地(バシコルトスタン共和国)
  6. マステル・カマ工業団地(タタルスタン共和国)
  7. プレオブラジェンカ工業団地(サマラ州)
  8. マスロフスキー工業団地(ヴォロネジ州)
  9. クズネツカヤ・スロボダ工業団地(リペツク州)
  10. ブジョンノフスク地域工業団地(スタヴロポリ地方)
  11. ウズロヴァヤ工業団地(トゥーラ州)
  12. ラスロヴォ工業団地(トヴェリ州)
  13. セーヴェルヌィ工業団地(ベルゴロド州)
  14. バイオテクノロジー工業団地(ノヴォシビルスク州)
  15. ノヴォシビルスク州工業ロジスティックパーク(ノヴォシビルスク州)

 そして今般、こちらのサイトに見るように、2018年2月23日付の連邦政府指令により、タタルスタン共和国のアラブガ工業生産経済特区が、上掲リストに加えられた。つまり、合計で16箇所になったということか。ただ、アラブガはすでに一本立ちした感のある特区なのに、そこに連邦予算から2018~2019年に新たに25億ルーブルほどを突っ込むというのは、なかなかの大盤振る舞いという気がする。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 日曜日に行われた五輪アイスホッケー男子決勝は、ロシアが伏兵ドイツ相手に大苦戦しながらも、試合終了間際に同点に追い付き、延長でドイツを振り切り、見事優勝を遂げた。関連して、ちょこまかと情報を収集したので、メモしておく。

 下に見るのは、こちらのロシアのサイトに出ていた、今回の五輪アイスホッケーの事前の戦力分析である。北米のNHLが不参加を決めたので、今大会の最大勢力はロシアを中心に回っているKHLとなり、KHLに所属する選手数が各国の力に直結するような構図になった。この戦力分析によれば、1番目がロシア、2番目がスウェーデン、3番目がフィンランド、4番目がチェコ、同じく4番目がカナダ、6番目が米国という評価だった。ドイツはノーマークだった。

large

 一方、下に見るのは、同じサイトに出ていた、優勝予想の事前のネット投票結果である。結果は、ロシア44.2%、カナダ23.9%、スウェーデン8.6%、フィンランド3.8%、チェコ1.4%、米国1.3%などとなっていた。ここでもやはりドイツはファンの眼中になかった。

opros

 ちなみに、こちらに見るとおり、ピョンチャン五輪開幕直前の2月初頭に行われたロシア世論調査によれば、「どの競技でロシアはメダルを期待できるか?」という設問で(5つまでの複数回答可能)、フィギュア42%、バイアスロン26%、アイスホッケー24%、クロスカントリー24%などが上位に挙がった。「貴方はどんな競技をフォローするか?」という設問の回答もだいたい同じで(5つまでの複数回答可能)、バイアスロン50%、フィギュア46%、アイスホッケー37%、クロスカントリー34%と続いた。ロシア国民にとってアイスホッケーは3番人気くらいだったことになる(それにしてもロシア圏でのバイアスロン人気の高さよ)。

 ところで、同じ全ロシア世論調査センターのこちらのページを見ていて、遅れ馳せながら、奇妙な話題を知るに至った。私は知らなかったのだが、ロシア人ホッケー選手でA.オヴェチキンというスーパースターがいるそうで、その選手が昨年秋に、「プーチン・チーム」というプーチン大統領を支援する社会団体の結成を提唱したということである。こちらのウェブサイトに見るように、すでにそういう団体が立ち上げられている模様である。ただし、広大なロシア地図にまばらにアイコンがプロットされており、会員が爆発的に増えている雰囲気はないが。いずれにしても、ロシアで最大の人気を誇るホッケーのスター選手が、プーチン支持運動の先頭に立っているというのは、注目すべき現象であろう。

 ちなみに、オヴェチキンはロシア代表の常連であるものの、北米NHLでプレーしているので、今回のオリンピックには出場できなかった。上掲の全ロシア世論調査センターの調査には、好きなホッケー選手についての設問も含まれていたので(最大5人までを挙げることが可能)、以下のように主な顔ぶれだけまとめておく。カッコ内は現所属。こうやって見ると、ロシア人選手でも、トップ中のトップは、今でもKHLではなくNHLでプレーするということなのだろう。

  1. A.オヴェチキン(NHL:ワシントン・キャピタルズ):16%
  2. Ye.マルキン(NHL:ピッツバーグ・ペンギンズ):5%
  3. I.コヴァリチューク(KHL:SKAサンクトペテルブルグ):5%
  4. P.ダツューク(KHL:SKAサンクトペテルブルグ):2%

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

)

 こちらのページに、ロシアで記録されたテロ事件の件数の推移というグラフが出ており、こういう統計があるというのは知らなかったので、メモしておく。ロシア統計局が出している犯罪統計の中に、そのような項目があるらしい。

 ただし、こちらのページに出ているテロリズム、過激主義に関する統計は、ロシア内務省および検察発表のデータだが、だいぶ趣きを異にする。ここには、重犯罪のうち、「テロリズム的な性格を有する犯罪」、「過激主義的な性格を有する犯罪」の件数が出ており、2016年に前者は2,227件、後者は1,450件となっている。前者と後者の違いも分からないし、「テロリズム的な性格を有する犯罪」というのは上掲グラフにあるようないわゆるテロ事件とは違うのか、良く分からない。いわゆるテロの件数と言った場合には、上掲グラフの統計局の数字の方が、しっくり来る気がする。

 若干古い情報だが、こちらのサイトには下に見るように、1999~2013年のロシアにおける犠牲者を伴ったテロ事件の件数と犠牲者数が出ている。偏見を持ってはいけないものの、この資料によれば、犠牲者を出した59件のテロのうち、58件がイスラム教徒によるものだったとされている。そのほか、メモしておくと、ロシアで多くの犠牲者が出たテロ事件の概要はこちら、ロシアにおけるISの脅威についてはこちら

terror2

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 私は「オリンピックは基本的に観ない」という変なポリシーをもっているのだが、今回はたまたま冬季五輪期間中にロシア出張があり、ロシア時間朝の出かける前の時間帯にテレビをつけるとちょうど面白そうな五輪中継をやっていたので、ついポリシーに反してちらほらと観てしまった。羽生君が優勝した時にタラソワおばさんが、「痛みに耐えてよく頑張った。感動した(大意)」とコメントしてくれた時には、妙に嬉しかったものだ。

 さて、五輪は基本的に観ないのだが、それには例外があり、まず夏季五輪はサッカーだけは積極的に観る。言い換えれば、サッカーをみっちり観たいので、他の競技は絶たないと、時間がやりくりできなくなってしまうとも言える。冬季に関しては、アイスホッケーのロシアの試合だけは観ようと思っている。ロシアのサッカー事情のことを地域研究の一環として調べているので、それとの比較という意味もあり、ホッケー事情にもできる限り触れたいからである。ソチ五輪の時は、「ロシアのホッケーチームが準決勝くらいになったら、観始めることにしようか」などと思っていたのだが、あろうことか地元ロシアは準決勝に進めず、当方は完全にずっこけ、その結果としてソチ五輪は文字通り一秒も観ずに終わったのだった。

 それで、ピョンチャン五輪では、ロシアは金曜日の準決勝に勝利し、本日25日の決勝でドイツと対戦することになっている。なお、NHKの実況はかたくなに「OAR」と言っていたが、個人種目ならともかく、ホッケーのようなチームスポーツでは、誰がどう見てもロシア代表であり、当ブログでも便宜上ロシア代表とさせていただく。

 さて、当ブログでは先日のエントリーで、今回のロシア代表の25人のうち、15人までもがSKAサンクトペテルブルグの選手であることをお伝えした。それで、その時点では個人的に認識していなかったのだが、ロシア代表のヘッドコーチであるオレグ・ズナローク氏自身も、SKAサンクトペテルブルグのヘッドコーチとの掛け持ちであるということを、その後知るに至った。

Oleg_Znarok

 O.ズナローク氏(上掲写真)は1963年チェリャビンスク州生まれの55歳。それで、私は最初、「SKAサンクトペテルブルグでの業績が認められ、それで代表HCも掛け持ちすることになったのかな?」と思ったのだが、ウィキペディアの経歴を読む限り、どうも順序が逆のようだ。つまり、ズナローク氏は当初、ディナモ・モスクワのHCを務めていた。しかし、Z.ビリャレジノフHC率いるロシア代表は、2014年のソチ五輪で5位と失態を演じる。結果ビリャレジノフHCは解任され、それを受けズナローク氏は同年3月にディナモ・モスクワHCから退き、すぐにロシア代表のHCになった。新生ズナローク・ロシアは、同年の世界選手権で優勝と、早速結果を出す。その後の世界選手権も、2位、3位、3位と栄冠には届かなかったが、安定した成績を残した。そこで、今回のピョンチャン五輪も、引き続きズナローク体制で臨んでいる、ということらしい。そして、2016年6月から、SKAサンクトペテルブルグのHCも兼務することとなり、SKAもそのシーズンで見事ガガーリン杯を戴冠となったわけである。

 サッカーと違ってホッケーでは、代表とクラブの指揮官兼任の敷居は低いのだろうか?


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

P1040054

 そんなわけで、ロシア出張から無事に帰ってきた。ロシアは3月18日投票の大統領選挙に向けてもう1ヵ月を切ったわけだけど、ロシア滞在中、その雰囲気をほとんど感じなかった。米大統領選のように候補者同士の討論会があるわけではなし(あったとしても本命プーチンは参加せず、その他のザコだけになるらしい)、日本の総選挙のように街頭演説やら選挙カーやら候補者のポスターがあるわけでもなし、とにかく選挙らしいイベントが乏しいのである。プーチン以外の候補のテレビCMは多少やっていたが、とても本気で勝ちに行くようなものではなく、政界における自分のニッチを確保しようというだけの宣伝なので、甚だ迫力には欠ける。街頭のビルボード広告はチラホラと見られ、一番多いのはロシア自由民主党のジリノフスキー氏のそれだった(それにしても、あの人の資金源はどこにあるのだろうか? 政権側が飼い慣らしてる?)。プーチン氏のビルボード広告は、私の今回のロシア滞在中には、3回くらいしか目にしなかった。見かけたとしても車での移動中で、写真を撮れずに残念に思っていたのだが、一番最後、サラトフの空港から帰途に就く時に、運良く空港の駐車場のすぐ目の前にプーチン広告があったので、ようやく写真に収めることができた。

 まあ、プーチン氏の場合は、国内を行脚して様々な企業やイベントを訪問したりすることが実質的な選挙キャンペーンであり、他のザコ候補のようないかにも選挙運動的なことをあえてしないことで、逆に差別化を図っているのだろう。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

P1030768

 今回のロシア出張で最も新鮮な驚きは、経済の調査そのものとはあまり関係ないが、タンボフが作曲家S.ラフマニノフゆかりの地だったということである。タンボフは、今はしょぼくれた街だが、歴史と文化は侮れないなと実感した。

 今回聞いた話によると、ラフマニノフは、当地出身でこそないものの、嫁の父親の所領がタンボフ近郊にあったとのことで、好んでそこに滞在し、重要な作品もその地で生まれたということだ。その館を復元した博物館があるそうなのだが、残念なことにタンボフ市そのものからは少々離れているそうで、訪れたりすることはできなかった。タンボフ市内には、1903年創設で、1909年にはラフマニノフも訪れたことがあるというロシア帝国音楽協会タンボフ支部音楽学校(現在はタンボフ国立大音楽教育学部)の建物が残っている(上掲写真)。ラフマニノフ通り、ラフマニノフの銅像もあった(下掲写真)。

P1030773

 ただ、タンボフがラフマニノフゆかりの地であることは、実は当ブログで以前触れたこともあり、自分で書いたことを自分で忘れてりゃ世話ないなと思った。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

nl

 こちらに、ロシアの大手製鉄メーカーであるノヴォリペツク冶金コンビナートの近況を同社幹部が語った記事が出ていたので、要旨を以下のとおりまとめておく。

 ロシア国内市場の伸びは緩慢で、ノヴォリペツクにとっては狭隘である。世界的に保護主義が強まる中で、外国の主要市場で、少なくとも踏み止まるよう努力する。インドでの事業を有望視している。

 2014年に採択された発展戦略はすでに効果を発揮し、EBITDAに10億ドルの効果をもたらし、2018年にはさらに1.6億ドル拡大する見通し。2017年のEBITDAは37%拡大し27億ドルとなり、2009年以来の最高値となった。利益率は25%から26%に伸びた。戦略2017は2012~2013年に利益率が落ち込み債務負担が重くなった苦境への対応策で、利益率を上げ長期的な成長の道筋をつけるのが主目的だった。目標の大部分は達成され、粗鋼は200万t増産し、鉄鉱石の完全自給を成し遂げ、利益率は倍増し、債務負担は急減した。2018年半ばには次の五ヵ年の戦略を出す予定だが、EBITDAの12億ドル分の効果を見込んでいる。

 中国の生産能力削減を受け、世界の市況は2016~2017年に徐々に回復した。ロシア国内市場は、3年間の低迷を経て、2017年にようやく需要が5%増えた。ノヴォリペツクでは今後10年間のロシアの需要を、年率1~2%増と控え目に見積もっている。鋼管や建設が低下し、自動車の回復も持続するかは不明。ライバルのセヴェルスターリは2018年のロシアの需要を3~4%増と見ているが、ノヴォリペツクではせいぜい1.5~2.0%増と見ている。国内市場が狭隘であることを考えれば、それに依拠していては経営課題の達成は困難である。ノヴォリペツクでは、2019年に生産能力を100万t拡大し1,400万tに、2022年までには1,520万tにまで拡張することを計画しており、他社の資産の買収も視野に入れている。ノヴォリペツクは、すでに欧米にアセットを有しているが、成長市場での効率的な圧延工場の買収、既存工場および流通市場への半製品供給拡大を検討している。ノヴォリペツクとしては、既存市場に定着し、顧客とともにある決意である。保護主義と通商戦争の環境下で、ノヴォリペツクの戦略は優位を発揮している。需要家の市場にいることが大事であり、現地化すればするほど上手く行く。ノヴォリペツクは主要販売市場に拠点を有するグローバル企業であり続ける。単にロシアから輸出するだけではあまりにもリスクが高い。有望市場としては、すでに20%を販売している中近東・北アフリカ市場に加え、インドが挙げられる。インドにはすでに変圧器用鋼材加工のサービスセンターを有しているが、1億から最大で3億~4億ドルを投資して電解生産を手掛ける可能性がある。

 米国は2017年に3,600万tの鉄鋼を輸入した世界最大の鉄鋼輸入国だが、先日、米商務省はトランプ政権に市場保護措置を提案し、鉄鋼に関しては4月11日までに結論が下される見通し。提案の中には、すべての鉄鋼に対し24%の最低関税を導入すること、ロシア等の12ヵ国からの輸入には53%または輸入割り当てを導入すること、というものが含まれている。輸入禁止的な関税が導入され、全面的な通商戦争が始まる恐れもある。ノヴォリペツクはいずれにしても米市場から撤退することはないが、トランプ政権の決定に備えて、米国における圧延設備拡張1億ドルのプロジェクトはいったん凍結した。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 実は、製糖産業はベラルーシにとって重要産業の一つである。ベラルーシ国内には4箇所の精糖工場があり、国内で生産されるテンサイ(サトウダイコン)を原料に利用するだけでなく、サトウキビ由来の原料糖も輸入し、白糖への加工が行われている。ベラルーシの白糖の輸出余力はユーラシア経済連合で最も大きく、ロシアを中心としたユーラシア域内市場に輸出することで高い稼働率を維持している。

 それで、こちらのサイトに、下に見るように、ベラルーシ砂糖産業の近況を図解で示した資料が掲載されていたので、これをお目にかける。図は上から、テンサイの州別収穫高、砂糖生産高、そして砂糖の輸出相手国を示している。

000048_1518773477_big

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

 



P1030812

 タンボフからサラトフへの移動は、今回の出張で唯一、鉄道での移動。両都市間は直線距離で340kmにすぎないのだが、それを8時間もかけて走った。昼飯はスニッカーズで我慢だなと思っていたのだが、不意に無料の弁当が配られた。運賃に含まれているのだそうだ。そんなのあったっけ?

P1030825

 そして、サラトフのホテルにチェックインしたら、なぜか無料のビールが2本、部屋に届けられた。「無料ミニバーです」とか言っていた。何だか良く分からないが、色々タダで飲み食いできた一日だった。

P1030848

ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

28055730_2034033520147009_1262408281268916796_n

 「ロシア輸出センター」のフェイスブックページによれば、2017年にロシアの「非資源・非エネルギー輸出」は1,337億ドルに上り、前年比22.5%増大した。同年、非資源・非エネルギー輸出は、輸出全体の37.5%を占めた、ということである。

 もっと掘り下げた情報を知りたいところだが、ロシア輸出センターのHPを眺めても該当するリリースが見当たらず、いかんともしがたい。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

pro

 世の中には、世界の国を様々な角度から番付する多様なランキングというものがあるが、今般初めて知ったものをちょっと取り上げておく。Legatum Instituteというシンクタンクがあるそうで、そこが定期的に出しているThe Legatum Prosperity Indexというランキング資料があり、先日その2017年版が発表された。こちらからダウンロードできるようになっている。 この資料の特徴は、「繁栄」というものを、単に物質的な豊かさだけでなく、多様な質的指標を総合して順位付けようとしていることだろう。評価項目は、経済の質、ビジネス環境、ガバナンス、個人の自由、社会関係、セキュリティ、教育、医療、自然環境という9の柱からなっている。私の関係するロシア・NIS諸国の順位を以下に示すが、総じて厳しい評価になっている。なお、ウズベキスタンとトルクメニスタンはデータ不足につきランキングの対象外。

72.カザフスタン
82.キルギス
84.ジョージア
95.ベラルーシ
96.アルメニア
98.モルドバ
101.ロシア
102.タジキスタン
106.アゼルバイジャン
112.ウクライナ

 この手のランキングで、キルギスやモルドバといった国がロシアの上を行くのは、なかなかレアなことである。ロシアの順位が低いのは、個人の自由、社会関係、ガバナンスといった項目が劣悪に評価されているからであるが、ロシア人、結構自由に生きてると思うけどね。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

P1030707

 そう言えば月曜日なので、週替わり紋章の、ちょっと番外編を。

 今回、ヴォロネジを振り出しに中央黒土地帯を周る現地調査を実施しており、リペツクを経てタンボフまで来たところである。それで実感したのが、リペツクとタンボフの位置付けが真逆のようだなということである。タンボフはまだ昨日街の中を軽く散策した程度だが、それでもリペツクとの違いを実感した。リペツクは、20世紀に工業都市として発展し、今日も経済特区を抱え成長に余念がないが、元々街の「格」自体は低く、ゆえに今日街の中を歩いてもまったく面白味はない。それに対し、タンボフは今日でこそ影が薄く、ロシア人に訊いても「タンボフ、何もないで」といった反応だが、元々は帝政ロシア時代以来、タンボフ県の県都として地域の中心だった。

 前置きが長くなったが、昨日博物館で見た上掲の展示は、それを象徴するものである。以前「日めくり紋章」でも取り上げたとおり、タンボフの紋章と言えばミツバチが特徴である。養蜂箱の上に3匹のミツバチが舞うという図柄は、18世紀から続いている大変歴史のあるものだ(ロシアの都市の紋章の中でも、最も古いものの一つという)。かつて、この地では養蜂業が盛んで、そのハチミツは全ロシアに知れ渡っていたという。そして、上掲写真に見るとおり(ちょっと見づらいか)、かつてのタンボフ県内の各都市も、ほぼ例外なく、そのミツバチ印を取り入れていたのである。その中には、リペツクの紋章もある(一番左下)。リペツクという地名はリンデンの木(ロシア語でリパ)に由来し、今日でもリンデンの木をデザインした市章を用いているのだけれど、元々はこのようにその上にミツバチが描かれ、タンボフへの従属を象徴していたんだなあ。まあ、こんなことで感動する人間は私くらいかもしれないが(笑)。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

IMG_20180218_194531836

 現地調査の進捗状況についてあまりお伝えしていないが、その後ヴォロネジからリペツクを経由してタンボフまで来たところだ。しかし、旧式のホテルでWiFiが故障中であり、ネットに繋がっているのがスマホだけで、ブログの更新がピンチである。疲れたので、ワインでも飲んで寝ることにする。近所のスーパーで買ってきた、ロシア南部タマニ半島のカベルネ。400円ぐらいなので、若いだけの味。つまみはプスコフ州のチーズと、なぜかモスクワ市のハム。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

DWO35lQXcAEkkPr

 個人的にアイスホッケーという競技はさっぱり分からないものの、サッカーとの対比という観点もあり、ロシア事情を理解するための手がかりとして、なるべく知りたいとは思っている。

 さて、今回のオリンピックに向け、世界最高峰のリーグである北米のNHLは、選手の派遣を認めなかったそうである。一方、ロシアを中心に旧ソ連・東欧諸国なども参加するKHLでは、2017年11月初めごろ、やはり選手派遣を認めないという方針をちらつかせたものの、結局はそれを認めた。

 今回のロシア代表(正確にはロシアから来たアスリートのチーム)の顔触れは、こちらなどに出ているとおりであり、当然のことながら、全員がKHL所属選手のはずである。これを見ると、完全にSKAサンクトペテルブルグがチームの中核になっており、実に25人中15人が同クラブ所属である。あとは、CSKAモスクワが8人、メタルルグ・マグニトゴルスクが2人となっており、オールスター的というよりは、ずいぶんと特定クラブに偏った選出である。ホッケーは、サッカー以上に、ユニットとして機能するようになっており、寄せ集めでは駄目なのだろう。

 何しろ、KHLはNHLに次ぐレベルを誇る国際リーグだから、ロシア以外のチームも、KHL所属選手が少なくない。こちらのページなどにもとづいて、各国のKHL所属選手数をまとめると、以下のとおりである。

フィンランド:16人
チェコ:15人
カナダ:13人
スウェーデン:10人
米国:5人
スロヴェニア:3人
スロバキア:2人

 ドイツ、ノルウェー、スイス、韓国は0人だと思う、たぶん。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

230

 先日のエントリーで、上掲のような表をお目にかけた。これは2017年のロシアのGDPにつき各支出項目の前年比伸び率を見たものであり、これによれば輸出は前年比5.4%増、輸入は前年比17.0%増となっている。

 一方、ロシア中央銀行が2月9日に発表した貿易データを眺めてみたところ、だいぶニュアンスの異なる数字を目にした。これは商品に限った貿易であるが(サービスを除く)、中銀によれば、2017年のロシアの輸出は3,531億ドルで前年比25.3%増、輸入は2,378億ドルで前年比24.1%増であった。輸出の伸びの方が輸入のそれをわずかながら上回っている。

 これが意味することは、1つしかない。それは、2017年の輸出増は、主として石油・ガスの輸出価格の上昇によって達成された、ということだろう。GDP統計では、輸出価格が上昇してもデフレートして実質の伸びが弾き出されるので、その結果、上表のように輸出の伸びは5.4%とわずかになっているのだろう。一方、輸入に関しては、実際に輸入の数量もかなり増えた、ということだったと解釈できる。

 この間、プーチン政権は輸入代替、非資源輸出の拡大を推進し、むろん個々の事例では成功例もあるだろう。しかし、2017年の輸出入の数字を見ていると、「結局は元の木阿弥で石油・ガス頼りなのか」という諦念をつい抱いてしまいたくなる。いやまあ、経済的には別にそれでいいんだけれど、少なくともロシア当局は経済および貿易の多角化・高度化を目指しているわけで、その目標に近付いているのかというと心許ない。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1482

 墜落事故を起こしたAN-148につき、すでにこちらで概要を報告したが、以下、いくつか補足情報をまとめておく。

 こちらによると、VASO社の2017年第4四半期の財務報告では、同社が今後もAN-148を生産継続する意向と明記されていた。今回の事故を受け、インターファクスが同社広報に問い合わせたところ、「今後も発注があればAN-148を生産する」との回答だった。なお、VASOの今後の生産計画には、AN-148以外では、旅客機IL-96の生産、輸送機IL-112Vの生産、SSJ-100およびMS-21等向けの下請けユニット生産が含まれている。

 2017年12月のこちらの記事によると、VASOはロシア国防省と2013年5月にAN-148の軍用輸送機15機を納入する契約を結んでおり、2017年には2機が引き渡された。2018年にも2機が予定されている。

 2017年11月のこちらの記事によると、ロシアのサプライヤーによる納入停止にもかかわらず、ウクライナのアントノフ社はAN-148/158の生産プロジェクトを継続する意向であり、ロシア以外のサプライヤーによる供給は2020年以降になる見通しである。キエフの組み立て工場では、様々な作業段階のAN-148/158が10機ほど控えている。AN-148/158では部品・コンポーネントの30%近くがロシア企業の供給によるもので、それが直近の生産停止の主因だったが、今後はロシア製を全面的に排除して生産が行われる。また、単にロシア以外のサプライヤーを探すだけでなく、AN-148/158の改良バージョンの開発にも乗り出し、それによりEmbraer E-Jet E2や三菱重工のMRJとの競争に備える。

 一方、こちらによると、ウクライナのアントノフ社は今般、ロシアのVASO社に対し100万ドル以上のロイヤリティと罰金の支払を求める民事訴訟をヴォロネジ州の裁判所に訴えた。AN-148は当初ウクライナ側のアヴィアント工場だけで生産されていたが、VASOは2005年にAN-148の生産ライセンスを取得し、契約によれば1機販売されるごとにウクライナ側に対しロイヤリティを支払うことになっていた。しかし、生産開始後の8年間で、VASOはこれまでも5回以上、ロイヤリティの支払を滞らせたことがあった。VASO側では、未払いがあること自体は認めているものの、やむをえない事情で送金が遅延しているだけだと説明している。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

P1030124

 今回のロシア出張に備えて、デュアルSIM、デュアルスタンバイのスマホを購入したということを先日書いたが、結果的に何の問題もなく使用できている。試しに、日本から、自分の日本国内の番号あてに電話をしてもらったところ、ちゃんと繋がり、ロシアの現地SIMだけじゃなく日本のSIMも同時に待ち受け状態でスタンバイしていることが確認できた。なお、通話やモバイルデータの通信で、どちらのSIMを優先するかは、「設定」で決められるようになっている。これまで、ロシア出張に来ると出先ではデータ通信が使えず(むろんローミングでデータ通信を有効にすればいいのだが、料金が高そうで敬遠していた)、手足をもがれたような感覚だったが、出張時の通信にまつわる長年の課題が、ようやくクリアできた感じだ。

 欲を言えば、2枚のSIMを入れるスロットルが、別々になっていると、もっといいんだけどね。豆粒のようなSIMを出し入れするのには不安が付きまとい、できれば日本のSIMはずっと入れっぱなしで、ノータッチにできるとありがたいのに。それから、できればロシアの電話番号がずっと固定だと、もっと便利だと思うのだけど、ロシアに来るたびに、その都度プリペイドSIMを買い替える形になるだろうから、毎回電話番号が変わってしまう(事前に面談相手に通知したりもできない)不便さがある。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

255

 こちらの記事によると、本年のサッカーW杯で日本の初戦が行われるサランスクでは、空港ターミナルの改修工事が完了し、このほど定期便の第一便を受け入れた。第一便は、モスクワのヴヌコヴォ空港から飛来したLCC「パベーダ」だった。現時点では国内線ターミナルだけが稼働しているが、国際線ターミナルの建設も3月には完了し、5月に稼働する予定である。パベーダに加え、この2月からはモスクワ・ドモジェドヴォ空港からS7も就航し、さらにアエロフロート、サランスク航空、コミアヴィアトランスも加わる予定である。

 今般の改修工事は、W杯開催に備え決定された。連邦目的別プログラム「ロシアの運輸システムの発展」の枠内で実施され、総額は36億ルーブルだった。2017年1月に定期便の受入を停止し、工事に入っていた。滑走路も3,221mに拡張され、 Bombardier CRJ200、Sukhoi Superjet 100、Boeing 737、Airbus A320の受入が可能になった。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

148

 乗客・乗員71名が亡くなったサラトフ航空機の墜落事件。事故原因は現時点では不明であり、機体の技術的な問題なのかは明らかでないが、いずれにしても問題の機種AN-148について確認しておけば、これはソ連時代以来の伝統を誇るウクライナのアントノフ設計局が設計したリージョナルジェット機である。ロシア・ウクライナ両国間の分業関係にもとづきつつ、最終的な組立も両国それぞれで行われていたが、ほとんどがヴォロネジ航空機製造株式会社(VASO)による組立だった。

 AN-148機の開発・生産の経緯についてこちらの記事が良くまとまっていたので、以下抄訳して紹介する。

 ヴォロネジのAn-148生産ラインは、2018年に凍結される可能性がある。その原因は、ロシア・ウクライナ関係の悪化で、必要な部品やユニットを調達するのが困難になっていることである。

 ウクライナからの部品の納入の遅れは、AN-148の生産開始当初から見られたが、2014年の政変後、決定的となった。禁輸対象となった部品の一部は、ロシア国内での生産に置き換え、それにより、当初の計画よりも縮小したとはいえ、今日までAN-148の生産を維持してきた。しかし、今日のような対ウクライナ関係では、ロシアはロシア独自の開発機か、または国際プロジェクトのうち制裁に影響を受けないものに集中すべきだという意見が強まっている。一方、AN-148の将来性が高かったにもかかわらず、ウクライナ側はもうかなり前にその生産に見切りをつけてしまっていたように思える。

 2010年の時点では、AN-148の生産計画に14ヵ国の240以上の企業が参加していた。のちにAN-148をベースとした輸送機AN-178もラインナップに加わり、その時点では作業比率はロシア53%、ウクライナ41%となった。ウクライナにはソ連崩壊時点でキエフ、ハルキウと2つの大規模な航空機工場が残されており、AN-148のプロジェクトはそれらを結集して現代的な生産合同に再編する起爆剤になると期待された。

 2009年にAN-148が稼働を開始した時、アントノフのD.キヴァ社長は、本プロジェクトにおいてロシアは最大の戦略的パートナーだと発言していた。2020年までの販売規模は590機と見積もられ、それとは別に軍用輸送機AN-178の需要も400機と見積もられた。

 現在、ロシアの航空会社が使用しているAN-148は10機ほどで、さらに国家航空隊、軍、非常事態省が18機を保有する。その他は、ウクライナと北朝鮮に1機ずつが飛んでいるだけである。また、航続距離を伸ばしたAN-158が6機キューバ航空に納入されている。

 専門家は、AN-148が時代を先取りした素晴らしい飛行機であると指摘する。旧ソ連圏で初めてデジタルテクノロジーの環境で開発された機体で、世界でもボーイング777に次いで2例目である。

 なお、こちらの記事によれば、ウクライナのポロシェンコ大統領は2月14日、プーチン・ロシア大統領と電話会談を行い、今回の墜落事件の原因究明への協力を申し出たということである。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

P1030133

 今回のロシア現地調査では、ヨーロッパ・ロシアの南寄りの地域、ヴォロネジ、リペツク、タンボフ、サラトフを駆け足で回ることになる。モスクワを経て、まずヴォロネジに到着し、ひとまずホテルにチェックインしたところである。

 最後のサラトフ州は別として、ヴォロネジ州、リペツク州、タンボフ州の3地域は、ソ連時代は「中央黒土経済地区」と総称されていたところである。大消費地のモスクワとは近いようで遠く、リペツク州の経済特区が成功していることを除けば、ロシア全体の経済発展の中で、やや埋没気味のエリアである。

 それで、私が今回の出張に出かける直前に、サラトフ航空のAN-148機がモスクワ・ドモジェドヴォ空港を離陸した直後に墜落するという大参事が起きた。実は、私が今回来たヴォロネジは航空機産業の集積地であり、空港の前には上に見るような旧型機がオブジェとして置かれたりもしていた。そして、ヴォロネジ航空機生産株式会社(VASO)は、AN-148の生産で中核的な役割を果たしていたようである。今日はもう時間がないのでこれくらいにするが、このあたりの情報を整理した上で、追ってお伝えできればと思う。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

P1030124

 1月にロシア出張に出かけた際に、せっかく現地のSIMを購入したのに、それを自分のスマホに挿したところ、古いSIMを無効化するためのPINコードを入力せよとかいう表示が出てそれをクリアできず、結局現地SIMを利用できなかったという話を、先日当ブログに書いた

 それで、実は本日からまたロシア出張なのである。前回の現地SIM空振りが悔しかったので、今回リベンジを果たすべく、最初からSIMフリー機として売られている安い端末を日本で買っていき、それを旅行専用機として使おうかと思い立った。ただ、商品を物色していると、デュアルSIMといって、SIMカードを2枚入れてそれらを使い分けられる端末もあるらしいということを知った。さらに、その中には、デュアルスタンバイと称して、その両方のSIMで同時に待ち受けられる(らしい)端末もあるという情報を得た。実際、我が本拠地であるヨドバシカメラ・マルチメディアAkibaの店頭に出向くと、いくつかそのような機種があった。その中で、一番シンプルで値段も2万ちょっとと許容範囲だったのが、モトローラのmotog 5Sという商品であり、これを購入して今回のロシア出張に備えることにした。

 すでにセットアップは完了し、自分が使っている日本のキャリアのSIMでは問題なく使用できたので、あとはロシアのSIMを入れてみて、デュアルSIM・デュアルスタンバイの使い勝手を試してみたい。上手く行くといいのだけど。では行ってきます。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1499759907-4798

 こちらの記事が、ウクライナのEU向け農産物・食品輸出につき伝えている。これによると、2017年にEU向け食品輸出は37%拡大し、58億ドルに達した。農業政策・食品省のO.トロフィムツエヴァ次官はこれに関し、EUとのFTAが我が国農業部門にとって効果的に機能し成果を挙げている証左だ、我が国の生産者の大多数は失われたロシア市場の代わりに成功裏にEU市場にシフトしつつある、と語った。2017年の主な品目のEU向け輸出は、穀物17億ドル、油脂14億ドル、採油用作物11億ドルなどだった。EUの中で主な相手国の内訳は、オランダ18.0%、スペイン14.3%、ポーランド13.2%、イタリア12.0%、ドイツ10.5%などとなっている。なお、ウクライナの全世界向けの2017年食品輸出は179億ドルで、前年比16.3%増大した。

 以上が記事の伝えるところだが、EU向けに主に輸出しているのが穀物および油で、それらの品目は元々ロシアに輸出していなかったわけだから、生産者がロシアからEUに成功裏にシフトしているという次官の説明は不正確であると私は考える。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

ad54222b

 昨年10月に当ブログで、「ウクライナ投資評議会、日本からの入閣はなし」というエントリーをお届けしたことがある。ウクライナで「国家投資評議会」のメンバーが制定され、そこには主な外国勢が名を連ねていたが、残念ながら日系企業は見当たらないということをお伝えした。しかし、その後、ウクライナに駐在する日系企業の方から教えていただいたところによると、日系企業は単に調整に若干時間を要しただけだったということである。そして、今般こちらに見る2月7日付の大統領令により、日本企業トップ2名が評議会のメンバー入りした。具体的には、朝田照男丸紅会長、中村邦晴住友商事代表取締役・社長執行役員CEOのお2人である。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

1

 このほど編集作業が終わった『ロシアNIS調査月報』2018年3月号です。小誌としては新たな分野へのチャレンジとして、今号では「北極開発に向かうロシア」という特集をお届けしております。個人的には、本格的な論考は書いていませんが、ページ穴埋め的な必要もあり、特集の枠外で「若者と向き合うプーチン大統領」、「ベラルーシ国民車は大統領の夢」、「ロシア・ガスとの決別を誇示するウクライナ」、「最果ての希望の街マガダン」、「W杯開催都市のサッカー熱は?」と小文を多数執筆したので、かえって難儀でした。2月20日発行。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

aec9c117a6d6ca239141dc3817d81ac7-small

 こちらのページに、カザフスタンにおける外資系企業の納税額(2016年の額)ランキングという資料が出ていたので、それをチェックしておきたい。タイトルではベスト25となっているが、このページで閲覧できるのは上位17位までである。その企業名、産業分野、投資国は以下のとおりである。

  1. テンギスシェヴルオイル:石油・ガス:米・露
  2. カラチャガナク・ペトロリアム・オペレイティング:石油・ガス:英・伊・米・露
  3. BGカラチャガナク:石油・ガス:英
  4. JTIカザフスタン:タバコ:日
  5. Kセル:テレコム:スウェーデン・フィンランド・トルコ
  6. フィリップモリス・カザフスタン:タバコ:米
  7. アジップ・カラチャガナク:石油・ガス:伊
  8. シェヴロン:石油・ガス:米
  9. ルクオイル・オーバーシーズ・カラチャガナク:石油・ガス:露
  10. カズツィンク:鉱山・冶金:スイス
  11. カトコ:鉱山・冶金:仏
  12. サイペム・カザフスタン:石油サービス:伊
  13. シュルンベルジェ:石油サービス:米
  14. エフェス・カザフスタン:食品:トルコ
  15. コッパー・テクノロジー:鉱山・冶金:露
  16. コカコーラ・アルマティ:食品:トルコ
  17. シチム・カザフスタン:石油サービス:伊

 それにしても、カザフスタンというと、「中国資本に飲み込まれつつある国」といったイメージもあるものの、17位までを見る限り、中国勢は皆無となっている。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

inside

 今回の『ロシアNIS調査月報』の編集はいつも以上に手こずり、本日午前中の時点でまだ作業を積み残してしまっている。

 それで、月報はしばらく前にプチリニューアルし、その一環として、レヴァダ・センターというところが発表している国民のプーチン、メドヴェージェフ信認度というデータを継続的に掲載することにした。ところが、まったく当てが外れてしまったのだが、2ヵ月前にこのデータを掲載し始めてから、レヴァダ・センターによるデータの更新が滞っている。1ヵ月前に更新がなされていなかったことについては、「ロシア人だから長い正月休みをとって、まだ働いていないんだろうな」なんて思ったんだけど、今回グラフをアップデートしようと1ヵ月振りにサイトを閲覧したところ、やはり2ヵ月前のままでデータが止まっているのだ。これはもしかしたら、大統領選を控えて、政権側に気を使い、機微なデータは発表しなくなったということなのだろうか? ただ、その割には、各機関は大統領選に関する世論調査結果などは普通に発表しているので、釈然としないところである。


ブログランキングに参加しています
1日1回クリックをお願いします
にほんブログ村 海外生活ブログ ロシア情報へ

↑このページのトップヘ