服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 こちらの記事などが伝えているとおり、ロシアでエリヴィラ・ナビウリナ中央銀行総裁が続投する方向となった。今般ナビウリナ総裁がプーチン大統領と面談した際に、大統領がナビウリナ氏再任の意向を示し、その人事を審議する下院も問題なく承認する見通しとなっている。ナビウリナ氏は経済発展大臣を経て、2013年6月24日から中銀総裁を務めており、本年2017年6月に任期が切れる。再任されたあかつきには、さらに5年を務めることになる。ナビウリナ氏は堅実な手腕で金融危機に対処し、また銀行システムを整理して銀行数を3分の1ほど削減した。こうした実績から、再任は理に適ったものであるとの評価がロシアではもっぱらとなっている。

 世界で最も保守的なロシア中央銀行と、最もアバンギャルドな日本銀行。中央銀行だけ、とっかえたいなあ。


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 都合により、ウクライナの話題が続いて恐縮である。日本の通関統計によれば、ウクライナからのタバコ輸入が増えている。タバコは2015年にウクライナからの輸入品目として突如登場し、ざっくり言うと日本の対ウクライナ輸入の半分前後を占めるに至っている。2015年には55億本、2.9億ドルが、2016年には62億本、3.6億ドルが輸入された。ウクライナ・グリブナが下落したことで、ウクライナから調達するメリットが生じたのだろう。

 それで、どんな商品が輸入されているかを、ざっとネット情報で調べてみたところ、こちらのページに見るように、どうもフィリップモリスのマールボロ・ブラック・メンソール・エッジ1、エッジ8という商品がウクライナ産らしい。ウクライナには日系JTIの立派な工場もあるので、JTIウクライナ工場の商品が日本に供給されているのかな?などとも勘繰ったが、そうした事実は掴めなかった。


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 こちらのサイトに、ドンバス紛争とオリガルヒのリナト・アフメトフ氏のかかわりについて論じた論考が掲載されているので、その要旨を以下のとおりまとめておく。

 ドネツィク人民共和国、ルハンシク人民共和国は、ウクライナ側によるドンバス封鎖の解除を求めていたが、期限として設けていた2月27日までに解除されなかったので、3月1日に在ドンバス企業に対する外部管理に踏み切った。ドネツィク人民共和国のトップであるザハルチェンコによれば、これまで企業がウクライナ側に納税していたのか、人民共和国側に納税していたのかを精査し、前者の場合には人民共和国への登記変更を行い人民共和国に納税する必要があるという。

 ドンバスの占領地には、アフメトフ氏のSCM傘下のDTEK、メトインヴェストに属す企業が47社所在する。メトインヴェスト系で主なものには、カリミウシケ(旧コムソモリシケ)鉱山管理局(上掲写真)、ハルツィシク鋼管工場、エナキエヴェ冶金工場がある。DTEKはドンバスに火力発電所複数を抱えている。ドンバス占領地にあるメトインヴェストの鉱山冶金企業は、年間15億ドルの輸出収入をもたらしているほか、ウクライナ本土の企業もその供給に依存している。たとえば、クラスノドンヴヒーリャからの石炭供給が途絶えると、ウクライナのコークス化学工場におけるコークス生産が年間100万t低下する。また、カリミウシケからの石灰の供給が止まると、マリウポリとザポリージャの製鉄所も被害を被る。ドンバス企業の停止によるメトインヴェストの外貨収入喪失額は年間24億ドルに、雇用の喪失は4.5万人に達する恐れがあるという。アフメトフが保有するウクルテレコムのドネツィク事務所も3月1日に事業を停止し、通話やネットアクセスの停止で20万人が影響を被る。2014年以来人道支援の拠点として用いられていたドンバス・アレーナも、封鎖された状態にある。

 紛争が始まって以来、両人民共和国の指導部とアフメトフがこれほど大掛かりに対立するのは、初めてのことである。アフメトフは過去3年、人民共和国とウクライナ政府の間でバランスを取ろうとし、最低でも自分の資産を守り、あわよくば両者の仲介役として株を上げようとした。しかし、すぐに関係は悪化し、アフメトフ派の人材が両人民共和国の要職から排除された。アフメトフに近いヴォストーク大隊のホダコウシキー司令官は、ザハルチェンコに敵対する立場に転じ、ドンバスをロシアに編入すべきという立場に転じているが、ドネツィク人民共和国指導部には入っていない。

 かくしてドネツィク人民共和国は実質的に、アフメトフとの間に形成されていた非公式な関係の見直しに着手した。これまでアフメトフはドンバス住民を支援し、地域を資金的に回す役割を担わざるをえなかったが、ここに来ての情勢緊迫化で、アフメトフ系の企業が非公式な形で地域を支え続けることが難しくなっている。人民共和国当局が、国有化はせず、外部管理に留めていることは、アフメトフが当地の資産を保全するために、彼により厳しい条件を押し付けていることを意味する。妥協の余地がある反面、アフメトフが企業に対する管理を完全に失うリスクもある。ドネツィク人民共和国側もフリーハンドではなく、アフメトフの企業が供給する原料に依存しており、生産の全面的停止、社会破綻の脅威がある。ロシアから原料を調達する構えも見せているが、それには時間がかかりすぎ、制裁の対象になりかねないためロシア企業が供給に応じるとは思えず、これは脅しの試みだろう。ロシア市場を製品の販路にできるとも思えない。

 ロシア側では、両人民共和国の独立を承認する問題が取り沙汰されることが増えてきている。仮にそうなれば、2008年にアブハジアおよび南オセチアでやったのと同じシナリオになるが、実際にはロシアはドンバスについては最初から沿ドニエストル・シナリオを選んでいたように思われる。ロシアがドンバスの独立を認めると、ウクライナの対外政策の手足を縛る圧力のテコを失ってしまう。ドンバスが独立すれば、ウクライナは地政学的により一層西側一辺倒の国になってしまい、それはロシアの利益にそぐわないし、ミンスク合意が最終的に破綻し、西側がロシア包囲網をより一層強めることになりかねない。


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 ウクライナのキエフ国際社会学研究所は、定期的に実施している全国世論調査において、「貴方は社会的な抗議活動に参加する用意があるか?」ということを問うているようである。2016年12月に実施されたその最新結果が、こちらのページに出ている。今回の調査では、参加する用意があるという回答が48.5%、ないという回答が45.6%、回答困難が5.9%だった。参加する用意があるという回答者は、上図に見るとおり、今回の調査で過去最高レベルに達したようである。こうやって見ると腐敗していたヤヌコーヴィチ時代の方が民心は安定していたようであり、もとの濁りのヤヌコこいしきといったところだろうか。

 なお、今回の調査結果を地域別にみると、抗議活動参加の用意があるのは、西部で49.2%、中部で43.5%、南部で50.0%、東部で57.2%となっている。一方、こちらに見るとおり、ユーロマイダン革命直前の2013年11月に実施された世論調査の同様の設問では、抗議活動参加の用意があると回答した者は22.2%に留まっていた(上掲図と整合せず、どうも調査方法の技術的な変更があったような様子だが、正確なことは不明)。その際に、2013年の結果を地域別に見ると、西部では28.5%、中部では22.2%、南部では21.4%、東部では16.7%であった。不穏な空気は、かつては西部で強く、今日では東部で強くなった、ということになる。


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 こちらの記事が、ウクライナ与党の動向について伝えている。ウクライナでは、2014年11月に議会選挙が実施され、「欧州ウクライナ」という名称の連立与党が結成された。名を連ねた会派は、ポロシェンコ・ブロック、人民戦線、急進党、祖国、自助党で、302名からなる多数派だった(過半数は226議席)。しかし、2015年9月に急進党が離脱、2016年2月に祖国と自助党が離脱し、連立与党にはポロシェンコ・ブロックと人民戦線が残るのみとなった。どの会派も連立協定を破棄すると宣言はしていないので、法的には議会における与党多数派は存続しているが、残留している2会派では226議席に達していないので、実質的にはすでに多数派でなくなっている。そこでポロシェンコ・ブロックでは、元の5会派から成る連立を再興すべく、交渉を開始しているが、現在のところ進展はない。2月には急進党が連立に復帰するとの観測が伝えられたが、党首のリャシコは2月末にそれを否定している。

 下図は、少々古いが、こちらから拝借したもの。

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 ウクライナで、本土とドンバス占領地の鉄道輸送が遮断されていた問題は、こちらに見るとおり、3月15日のウクライナ国家安全保障・国防会議において、境界線の貨物通過を停止する旨の決定が正式に下された。こちらのサイトで、ドンバス封鎖問題につき、ロシアの有識者がコメントしているので、その要旨を以下のとおり紹介する。上級経済学校国民研究大学世界政治経済学部のアンドレイ・スズダリツェフ副学長(写真)のコメントである。

 ウクライナ政権がドンバスを経済・輸送面から封鎖することを決めてから、ドンバスは苦境に立たされるだろう。ドンバス経済の一部は、ウクライナとの関係を保っていた。たとえばエナキエヴェ冶金工場は、石炭はドンバス産、鉄鉱石はウクライナ本土のクリヴィーリフ産であり、こうした事例は数多い。占領地とウクライナ本土で境界線が引かれていても、砲撃を受けたり、オーナーが放棄したりした企業以外は、ドンバス企業は生産を停止しなかった。

 ドンバスの人々は、少ないながらも、賃金を受け取っていた、ルハンシク、ドネツィク当局も、企業が稼働し、住民が安定的な所得を得ることを重視し、税収を得るよりも賃金を優先していた。ウクライナ側も、ドンバス産の石炭、原料、半製品に対しては旺盛な需要があり、ウクライナ全土の冶金産業にとってドンバスが大きな役割を果たしていた。ウクライナは石炭供給の問題をドンバスなしでは解決できず、ロシアを含む他国から輸入せざるをえなくなる。

 ウクライナや、一部のロシアマスコミも誤って伝えているが、ドネツィクおよびルハンシクの両人民共和国は、企業を国有化したわけではなく、外部管理下に置いただけであり、ましてや企業が閉鎖されるわけではない。外部管理を敷いたのは、企業を稼働させたいからであり、すでに外部管理導入から数週間経っているが、一部の企業は完全にではないにせよ稼働を続けており、一部は停止した。

 ドネツィクおよびルハンシクの両人民共和国は、ロシア市場を当てにしている。客観的に言っても、ドンバス経済はロシアに対して競争力がある。ロシアにとってドンバスの産業の面倒を見るのは荷が重いが、これらの地域を支援しなければならないので、他に方法はない。

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 今日のロシアで経済政策の柱となっている輸入代替について、ロシア政府機関紙『ロシア新聞』の2016年12月15日号の別冊付録で特集が組まれた。こちらでPDF版を閲覧可能である。

 その中で、上図に見るように、ロシアの製造業部門ごとの輸入浸透率(ロシアの国内消費に占める輸入品への依存比率)を、2014年と2016年1~9月とで比較しまとめたグラフが掲載されていたので、これを紹介したい。なお、原典では棒グラフとデータラベルとの間に明らかに矛盾が散見されたので、そうした場合にはグラフの方を優先し、グラフを判読してデータラベルを修正した。

 図から一目瞭然のように、あらゆる製造業部門で、輸入浸透率が低下しており、すなわちそれだけ国産品の比率、輸入代替が進展したということになる。しかし、それがロシア政府の政策的取り組みの成果なのか、それとも単にルーブル安で輸入が抑制されただけなのかということに関しては、慎重な評価が必要だろう。


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 だいぶ遅れ気味のフォローになるが、ウクライナとドンバス占領地を結ぶ鉄道を封鎖している「有志」本部が、今度は3月5日から、ウクライナとロシアを結ぶ鉄道輸送を妨害し始めたということである。両国間の主たる鉄道路線が通るウクライナ・スムィ州のコノトプという街で、運行が遮断されているということらしい。しかし、その後、実際には貨物は問題なく通過できているような情報もあり、正確なところは未確認だ。ともあれ、本件とドンバス封鎖の問題につき、こちらのサイトに出ているロシアのアレクサンドル・グシチン氏のコメント要旨を以下のとおり紹介しておく。

 ウクライナがロシアとの通商を遮断しているのには、いくつかの側面がある。

 第1に、ウクライナ内政の要因である。自助党は、リヴィウでのごみスキャンダルと、クリヴィーリフでの選挙失敗で問題を抱えていたが、対ロシア通商封鎖で先頭に立ち、得点を稼いでいる。封鎖はオリガルヒのR.アフメトフ氏への打撃となるので、その背後にはオリガルヒのI.コロモイシキー氏がいるという説がある。本件はまたポロシェンコ大統領への痛手ともなる。ポロシェンコはミンスク和平は手詰まりだと語っており、封鎖にもかかわっているが、それによってウクライナの電力部門は苦境に陥っており、封鎖はウクライナ自体にボディーブローとなっているほか、グリブナ下落やその他の金融面での悪影響が生じかねない。こうして見ると、封鎖は大統領への圧迫であり、得点を稼ごうとする政治勢力の試みである。

 第2の要因として、ウクライナでは社会的な不満が非常に高まっており、その責任をロシアおよびドンバスになすりつけることによって国民の不満を逸らそうという思惑がある。

 第3の要因として、ドンバスを切り離して、ロシアに押し付けるための一環という面がある。一部の政治エリートはこの路線を志向し、ドンバス保全に努めようとはしていない。ウクライナの条件でドンバスを復帰させることは不可能だからであり、それゆえにドンバスとの経済関係を断ち切ろうとしている。ドンバスをモスクワに転嫁することは、沿ドニエストルでも生じていることであり、現実味がある。この見方によれば、ドンバスをより断固として取り込むよう、ロシア側に強いているということになる。

 ロシアとの通商封鎖に関しては、愛国的なPRという側面が強い。ドンバス封鎖が対ロシア通商封鎖とどのようにリンクしていくかというのが、注目点である。


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 趣味でよく読む(?)日本の財政破綻ものの一種だけど、これは経済書とかノンフィクションというのではなく、小説。幸田真音『大暴落 ガラ』(中央公論新社)である。その内容は、

 与党・明正党の総裁選で惜敗しながら、野党議員の投票により日本初の女性総理大臣となった三崎皓子。党の重鎮議員の反対で組閣もままならない。そんななか、危機管理官より、「秩父に大雨が降っており、このままでは荒川が決壊、都心が水に沈む可能性がある」との情報が入る。さらに追い打ちをかけるように、台風八号と九号が発生。皓子は日本では例がない「緊急事態宣言」を提案するが、経済の停滞を理由に閣内で反対の声が上がり――。

 あかね銀行のディーリングルームではその頃、「なんだこれは! 」絶叫が響いていた。一瞬でドル円相場が20円も飛び、159円をつけたのだ。「ガラだ! 大暴落だ! 」――。

 東京都心を直撃する大規模な自然災害、ゼロ金利政策を続ける日銀への信用不安。いつ現実のものとなってもおかしくない二つの危機に襲われた日本を、皓子はどのように救うのか?

 フィクションとはいえ、この手の作品を楽しめるかどうかは、ストーリーがいかにリアルかということにかかっているだろう。この作品では、複数の危機が同時並行的に発生するわけだが、本作品でそれぞれの危機がどれだけリアリティをもって描かれているかというと、

政治危機 > 自然災害危機 > 金融・財政危機

 であるように感じた。政治危機は、すでに日本で実際に起きていることと、大差ない。自然災害危機は、気象学的な設定にやや強引さがあるような印象もあるものの、一般論として言えば、いったん首都圏で大規模水害が起きたら、破局的な事態になりかねないというのは、その通りだろうと思った。問題は、金融・財政危機の描き方であり、これが著者の一番の得意分野だと思うのだが、正直言えばこの点に物足りなさを感じた。金融・財政危機は長期的・構造的な問題であり、本作ではそれをマーケットの動揺の問題として描くことに終始してしまっている。政治家のひらめきで相場危機を一山超えたら、それで終わりというわけではないはずなのに。

 まあ、小説が苦手な私が、400ページ以上ある本を一気に読んでしまったということは、面白かったことは間違いないが。

大暴落 ガラ
幸田 真音
中央公論新社
2017-03-08


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 ロシア『エクスペルト』誌2017年2月6-12日号(No.6)に、鉄鋼貿易をめぐるロシアとEUの対立に関する記事が掲載されている。これは、2015年5月14日から欧州委員会がロシア産および中国産の冷間圧延フラットロール製品に対する反ダンピング調査を開始し、2016年7月29日の欧州委員会決定により、同8月5日からロシア産品に18.7~36.1%の反ダンピング関税が課せられている問題である。ロシアはこれを不服として、2017年1月27日にWTOの紛争解決手続きの枠内でEUとの協議を求める照会を発出した。協議は紛争解決を目指す第1段階であり、そこにおいて解決策が見出されないと、ロシアは紛争審議のためのパネルの設置をWTOに求めることができる。

 記事によれば、ロシアの業界側はEU側のダンピング認定には根拠がないと指摘している。たとえば、ノヴォリペツク冶金コンビナートの幹部は、我が社はEU市場で公正な競争にしか関心がない、EUでは欧州企業が同様の製品を大量に生産している、ダンピングを非難されるのはまったく的外れだ、などとコメントしている。また、同社によれば、欧州委員会は生産コストを計算する際に、リペツクの実際のコストではなく、EUにおける同様のコストにもとづいており、その結果原料およびその他一般コストが人為的に引き上げられていて、こうした算定方式はWTOルールにもEUの法令にも違反しているということである。セヴェルスターリも、EUの調査はWTOルールに違反している、特にWTOルールによれば為替レートは売買日のそれを利用すべきなのに、EUは契約日のそれを用いている、その結果本来は1ユーロ=70~80ルーブルで換算されるべきであるところ、EUは40ルーブルというレートを用いている、とEU側を批判。また、実際にはセヴェルスターリが欧州委員会の調査に協力しているにもかかわらず、非協力を理由にコスト計算に不利な割り増しがなされたという。実際、EUがダンピング調査をする際に、外国メーカーの生産コストを、当該国の実際のコストではなく、EUの類似コストで算定しようするという点は、専門家の間ではよく知られた話である。そうした算定により、反ダンピング・マージンが、ひいては反ダンピング関税が拡大するわけである。ズベルバンクの専門家は、EUの冷間圧延フラットロール製品に対する差別的な措置によるロシアの被害額が、年間1,000万~2,000万ドルに上ると推計する。ただし、セヴェルスターリでは、販売先がEUから他の市場にシフトして稼働率が維持されているので、損害額を算出するのは困難だとしている。実際、後掲の図1に見るように、2016年にはロシアからの薄板の輸出が数量ベースで26%も伸びている。2016年には金額ベースで34億ドルの薄板が輸出され、うち8億ドルがEU向けだった。今回の反ダンピング関税の導入は、世界的な鉄鋼不況でEUの業界が苦しんでいることに原因があると思われ、現に図2に見るように、ロシアの粗鋼生産が過去10年ほど年間7,000万t前後で安定しているのに対し、EUはじり貧の状況にある。たった10年で、世界の鉄鋼生産に占めるEUの比率は、17%から10%に落ち込んだ。図3に見るように、EUは大口の鉄鋼輸入国に留まっており、ロシアからの冷間圧延フラットロール製品の輸入は規模的にそれほど大きくなくても、欧州メーカーの不満の種となっていることは理解できる。

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 ロシアはなぜゆえにベラルーシを重視するのか? かつて、その一つの要因として挙げられていたものに、飛び地である戦略的要衝=カリーニングラードへの輸送路確保というポイントがあった。ベラルーシとカリーニングラード州が直接地続きになっているわけではないのだが、ロシア本土とカリーニングラードとの鉄道輸送はベラルーシとリトアニアを通るので、カリーニングラードという飛び地を維持するためにも、輸送路としてのベラルーシを押さえておく必要があると、まあそんなような言説があった。ちょっと分かりにくいかもしれないけれど、上掲の図参照。

 しかし、そうした状況が変わりつつあるようである。こちらの記事によれば、ロシアは料金への不満ゆえにリトアニア~ベラルーシの鉄道輸送路を敬遠し、カリーニングラードとロシア本土を結ぶフェリー輸送(自動車だけでなく鉄道車両も運ぶ鉄道連絡船)を強化する方針のようだ。

 記事によると、カリーニングラード州バルチースク港と、本土のレニングラード州ウスチルガ港を結ぶ鉄道連絡船が、強化されることになる。新船の建造と運航のために、官民パートナーシップでプロジェクト会社が設立され、㈱ロシア鉄道が出資する。連絡線の価格競争力を維持するために、ロシア政府はカリーニングラード州とロシア本土を結ぶ鉄道輸送に適用している補助金を撤廃することを検討している。2月22日に当該の準備作業がD.コザク副首相から運輸省に命じられた。国は建設作業に51億ルーブルを支出する構え。当該の鉄道連絡船は2006年から存在し、現在2隻が運航しているが、近く退役予定。それに代わる3隻を新たに建造する方針が、2016年春に決まった。建造費用は総額110億ルーブル。


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 こちらのサイトこちらのニュースによれば、ウクライナはロシアの国営銀行系のウクライナ子会社5行に対する制裁を導入した。3月15日付の大統領令によるもので、ズベルバンク・ウクライナ、VTBウクライナ、BMバンク(VTB子会社)、プロムインヴェストバンク(対外経済銀行子会社)、VSバンク(ズベルバンク子会社)が対象。これらの銀行が関係者のために資本を国外に持ち出すことが禁止される。また、ウクライナ国営企業・組織がこれらの銀行に預金をすることも禁止される。ウクライナはEU、米国およびその他の諸外国にも制裁に参加するように呼びかけている。

 上掲写真は、ウクライナの過激派たちがロシア系銀行店舗を襲撃している様子。УВАГАとはロシア語のВНИМАНИЕの意味。


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 ベラルーシで反政府デモの動きが広がっているのだが、一体何について揉めているのか、一般の皆さんには分かりにくいと思う。実はベラルーシでは2015年に「穀潰し課税策」とでもいうべき制度が導入された。国民が失業をすれば、日本であれば失業手当を受けられたり、長期的な貧困に陥れば生活保護が受けられたりするところ、ベラルーシではそうした人は働かずに国民経済に貢献していない者だと位置付けられ、課税されることになったのだ。正直、なぜ今になって反対デモが起きているのか、個人的に分からないのだが、とにかくこの政策反対を掲げるデモがミンスク、モギリョフ、グロドノなどの大都市で発生し、逮捕者も多数出ているということのようである。

 こちらの記事によれば、多くのデモ参加者は特定の野党に属しているのではなく、あくまでもルカシェンコ政権がもたらした今日の経済難がデモ参加の理由だという。デモ隊のプラカードには、「国民にとっての主たる穀潰しは、官僚、政治家、警察だ」といったスローガンが見られる。一方でデモ隊には無政府主義者の一団も含まれており、警察が目を光らせている、という。


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 ロシア政府付属分析センターのこちらのレポートに目を通していて、初めて知ったのだが、ロシアは2013年に「ハイテク製品のリスト」と称するものを制定したということである。高度技術を外国に依存する傾向が強いロシアは、当然のことながら、輸出に占めるハイテク製品の比率は大きくなく、逆に輸入に占めるそれは大きいということになる。現に、上掲のレポートでは、上図に見るとおり、2015年1~9月の時点で、輸出に占めるハイテク製品比率が11.8%止まりであるのに、輸入では58.5%に上るとされている。なお、2013~2014年に比べて2015年の数字が若干改善しているのは、輸入代替の効果であるという。

 さて、問題は、大元のハイテク製品リストそのものにあるように思われる。くだんのリストは、2013年10月3日付のロシア連邦政府産業・商業省指令第1597によって承認されたもので、正式名称は「ロシア経済近代化の優先的な方向性を考慮したハイテク製品リスト」であり、こちらのサイトで閲覧が可能である。

 一般的にハイテク製品と言えば高度な機械類などをイメージするが、このロシア政府版のハイテク製品リストは機械類を全面的に対象としているだけでなく、それ以外のかなり雑多な製品も対象に加えられている。各種の化学品まではどうにか理解できるものの、衣類までがリスト入りしているのは、一体どうしたことだろうか? 靴下の類までハイテク製品に指定して、どうしようというのだろうか。まったく理解に苦しむ。


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 こちらの記事によれば、S&P Global Ratingsはこのほど、カザフスタンの不良債権問題についての報告を発表した。それによれば、カザフの銀行セクターは引き続き苦境下にある。カザフ中央銀行は最近、同国の銀行融資に占める問題融資の比率が、2016年初めの8%から、2017年2月1日には7.2%に低下したというデータを発表した。しかし、これは実態を反映しておらず、現実には全銀行融資の25~30%が問題融資に該当すると見られる。指標が表向き改善したのは、カザフ中銀の設定した10%という上限を達成するために、各銀行が問題融資をリスケしたか、または連結対象外の特別法人に飛ばしたからにすぎない。銀行部門は現在に至るも安定化しておらず、各銀行はバランスシートを改善できていない。S&P Global Ratingsはこのように指摘した。


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 ロシアがクリミア併合を既成事実化しようとしている中で、その最たるものは、ロシア本土のクラスノダル地方とクリミア半島を隔てるケルチ海峡に、橋をかけようとしていることであろう。こちらによれば、橋の総工費は2,279.2億ルーブルで、自動車道路としての開通は2018年12月が予定されている。

 非常に見応えがあるのが、橋の概略を説明したノーヴォスチ通信によるこちらの特設サイトである。私はロシア人が作りがちなこうした妙にインターアクティブで凝ったウェブサイトが嫌いなのだが、このサイトはまあまあ良くできているのではないかと思う。同サイトに記されている事実関係を以下のとおりまとめておく。

  • 橋の建設コースは、74もの案の中からえらられた。建設は海峡の両側から勧められている。
  • 橋の総延長は19kmであり、これはロシアだけでなく、ヨーロッパ全域でも最長となる。従来のヨーロッパ最長はポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマ橋の17.2kmだった。
  • 1日当たり両方向にそれぞれ47便の鉄道列車が運行される予定。
  • トゥズラ島は、かつてはトゥズラ砂州としてタマニ半島に繋がっていたが、20世紀初頭に侵食により分離した経緯がある。
  • 冬季には海は底まで氷結することがある。流氷が流れることもあるが、橋脚はその衝突にも耐えるように設計されている。
  • 海底からは古代や中世の文化財が見付かった。また、当地は第二次大戦の激戦地でもあったので、多くの爆弾も見付かった。
  • 船舶の航行のために、橋には、幅227メートル、高さ35メートルのアーチ部分が設けられる。その箇所は水深9.35メートルであり、喫水8メートルまでの船舶の航行が可能。
  • 自動車道路の最高速度は時速120km。自動車が橋の通過に要する時間は10分程度。

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 こちらの記事によると、ウクライナの社会経済変革研究所のI.ネスホドウシキー所長が現地のラジオ番組に出演し、ウクライナの対外債務問題につき発言したということである。

 所長によると、2017~2019年にウクライナ政府は125億ドルの対外および対内債務を支払う必要がある。ウクライナ国立銀行がその旨を公表しており、そのためにはIMFとの協力を継続して構造改革を堅持しなければならない。3月30日にIMFの新たなトランシュが受けられるが、我々をそれを、何らかの目的で消費できる融資というのではなく、本来であれば行わなければならない支払の猶予と捉えるべきである。もしもIMFの資金がなかったら、ウクライナ経済への悪影響は深刻である。もしも国内債務だったら、実質的に財務省証券をウクライナ中銀が買い上げている形なので、リスケなり、新たな証券の発行もある程度可能であるが、対外債務ではそれは不可能であり、リスケは即、テクニカルデフォルトを意味する。所長はこのように指摘した。


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 昨日の話の続き。ロシアは輸出のエネルギー・資源偏重を脱却し、付加価値の高い機械類の輸出比率を高めることを希望している。しかし、2014年に改定された国家プログラムでは、機械輸出の輸出比率は横這いとなることが予測されていた。皮肉なことに、その後エネルギー価格が下落したため、機械輸出自体は減少基調なのに、機械比率は上昇しているというのが、昨日お伝えした点だった。

 さて、ロシアにとって旧ソ連のCIS市場は、様々な要因から、機械産業の主要輸出市場となっている。前出の国家プログラムでは、対CIS輸出総額に占める機械類の輸出という指標の目標値も示されている。そこで、上掲の図では、ロシアの輸出に占める機械類の比率、うちCIS向け輸出というのを、実績・目標に分けて、数字を掲げてみた。

 これを見ると、たとえば2012年の時点で、ロシアの輸出に占める機械類の比率は5.1%にすぎないのに、CIS向け輸出に限ればその比率は13.7%に上っていたことが分かる。そして、2010年頃から2013年頃にかけて、対CIS輸出に占める機械類の比率が顕著に上昇していたことが見て取れる。仮説の域を出ないが、おそらくは、ベラルーシ向けのエネルギー価格の引き下げや、ユーラシア統合の枠組みを活用したロシアからカザフスタン・ベラルーシ等への自動車・家電輸出の伸びなどが重なり、機械比率が伸びたのではないかと推察される。したがって、2012~2016年のCIS向け機械輸出比率の実績は、目標を大きく上回っていた。いずれにしても、2014年の国家プログラムでは、ロシアの輸出全体では機械比率が横這いと見られていたのに対し(実際には油価下落で著増したわけだが)、CIS向け輸出では同比率が着実に高まっていくという数値目標が掲げられていたわけで、ロシアにとってCIS市場の価値は決して無視できないことがうかがえる。


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kikai

 昨日ご報告申し上げたように、ロシア政府は2013年3月18日にロシア連邦国家プログラム「対外経済活動の発展」を採択し、2014年4月15日付でそれを改定している。新旧のプログラムを見比べていて、奇妙なことに気付いた。ロシアはエネルギー・資源に偏重した輸出構造を是正し、付加価値の高い機械製品等を伸ばしていきたいという意向を有しているので、その目標値もプログラムに明記されている。ところが、上図に見るように、2013年3月の旧プログラムでは輸出に占める機械類の比率が右肩上がりで伸びていく図式が描かれていたのに、2014年4月の改定版プログラムではそれがほぼ横這いで推移するという図式に改められていたのである。

 これは私の推測だが、2014年に改定版のプログラムを発表した時点では、ロシア政府は「今後もエネルギー価格の上昇が続きそうだ」という見通しを強めていたということではないだろうか。機械輸出も増やしたいが、エネルギー輸出が価格上昇に伴って増えていくので、機械の比率は横ばいにならざるをえないと、そんな見通しだったのではないかと推測する。

 ところが、現実には2014年半ばから石油価格は下落に転じる。その結果、上図に見るように、結果的に輸出に占める機械類の比率は上昇し、現時点で新旧目標を上回って推移している。ロシアの機械類の輸出は、2013年288億ドル、2014年265億ドル、2015年254億ドル、2016年243億ドルと、むしろじり貧に近い状況なのだが、皮肉にも輸出に占めるシェアは拡大しているわけだ。


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apec

 ロシア政府が「東方シフト」を掲げ、従来の欧米中心の外交や貿易から、アジア・太平洋地域に重点を移そうとしていることは、ご存知の方も多いと思う。その政策は、単なるスローガンではなく、実は国家プログラムの中に数値目標が掲げられている。

 新プーチン政権が2012年に成立して、2013年3月18日にロシア連邦国家プログラム「対外経済活動の発展」が採択された。その付属文書1の中に、様々な数値目標が示されており、その一環として、「貿易総額に占めるAPEC諸国の比率」という指標も掲げられていたのだ。

 ただし、同国家プログラムは、こちらに見るように、2014年4月15日付のロシア連邦政府決定により、改定された。付属文書の数値目標も、修正がなされている。旧プログラムでは貿易総額に占めるAPECの比率という指標だったのに、なぜか新プログラムでは輸出に占めるAPECの比率へと、指標そのものが変わっている。

 ともあれ、新プログラムに掲げられたロシアの商品輸出に占めるAPEC諸国向けの比率の目標値と、2016年までの実績を比較すると、上図のようになる。図に見るように、実績が目標を上回っており、早くも2015年の時点で、2018年の目標値である22.5%を超えてしまったことが分かる。ロシアという国が目標を「超過達成」しているのは、稀有な出来事かもしれない。


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 ロシア・NISのニュースサイトによく見られる図解資料(ロシア語でインフォグラフィカという)は、ブログのネタに困った時や忙しい時に便利なので、時々取り上げさせてもらう。意外にも、苦労して書いた文章などより、こうしたいただきものの図解の方が反響が大きかったりする。

 さて、そうした図解シリーズだが、こちらに、ウクライナのオリガルヒがドネツィク人民共和国による「国有化」で、どういった企業を失うのかという情報が出ている。これは、ウクライナからの分離・独立を求めている占領地域、自称「ドネツィク人民共和国」および「ルハンシク人民共和国」当局が2月27日に、占領地に所在する企業に外部統治を適用する旨を表明し、3月2日にドネツィク人民共和国がその対象となる43社のリストを発表したもので、上図ではそれがオーナーのオリガルヒごとに整理されてまとめられているわけである。

 ドネツィク人民共和国による43社リストの原典は、こちらであろう。以下ではそれを箇条書きで整理しておく。

  1. Филиал «Металлургический комплекс» ПрАО «Донецксталь» — металлургический завод
  2. ЧАО «Макеевкокс»
  3. ПАО «Ясиновский коксохимический завод»
  4. ЧАО «Енакиевский металлургический завод»
  5. Макеевский филиал ЧАО «Енакиевский металлургический завод»
  6. ПАО «Харцызский трубный завод»
  7. ПАО «Ер Ликид»
  8. ЧАО «Комсомольское рудоуправление»
  9. ЧАО «Енакиевский коксохимпром»
  10. ПАО «Концерн Стирол»
  11. ПАО «Донецккос»
  12. ЧАО «ДОКУЧАЕВСКИЙ ФЛЮСО-ДОЛОМИТНЫЙ КОМБИНАТ»
  13. Донецкий электротехнический завод
  14. ПРАО «Донецксталь-Металлургический завод Донецк»
  15. ПАО «ДТЭК Шахта «Комсомолец Донбасса»
  16. ООО «Моспинское УПП»
  17. ЧАО «ЦОФ «Колосниковская»
  18. ООО «ДТЭК Сервис»
  19. ООО «Электроналадка»
  20. Арендное предприятие Шахта им. А.Ф. Засядько
  21. ОП «Зуевская ТЭС» (ООО «Востокэнерго»)
  22. ДТЭК Высоковольтные сети
  23. ДТЭК ПЭС-Энергоуголь
  24. ДТЭК Донецкоблэнерго
  25. ООО «Инвест–Транс»
  26. ООО «РОСУКРТРАНС»
  27. ООО «ТРИМОБ»
  28. ПАО «УКРТЕЛЕКОМ»
  29. ООО «Астелит» (ООО «Лайфселл»)
  30. ООО «ДОНЕЦКАЯ МЕЖДУНАРОДНАЯ ШКОЛА «ГРИГОРЬЕВСКАЯ»
  31. ООО «Редакция газеты «Донецкие новости»
  32. HarvEast Holding
  33. ООО «Метинвест-СМЦ»
  34. ООО «Комплекс Пушкинский»
  35. Корпорация «Межрегиональный промышленный союз»
  36. ПАО «Украинская акционерная страховая компания «АСКА»
  37. ПАО «ПУМБ»
  38. ООО «7 ЛИНИЯ»
  39. ООО «Донбасс Арена»
  40. ООО «Отель «Донбасс-Палас»
  41. ООО «Проект – 2012» (Отель Park Inn by Radisson Donetsk)
  42. ЧАО «Футбольный клуб «Шахтер» СТБ «Кирша»
  43. ЧАО «Люкс»

 一方、自称ルハンシク人民共和国行政府は、こちらに見るとおり、2月27日付の政府決定第75号で対象企業を制定している。対象は3社であり、すべてアフメトフ氏傘下の企業となっている。

  1. ПАО «Краснодонуголь»
  2. ООО «ДТЭК Ровенькиантрацит»
  3. ООО «ДТЭК Свердловантрацит»

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metallolom

 屑鉄(鉄スクラップ)というのは、むろん産業の花形というイメージはないが、電気炉で再び鉄を作る原料となり、鉄鋼業における重要性は意外に高い。ロシア・ウクライナ・ベラルーシの鉄鋼業のことを考える上でも、実はスクラップの貿易が無視できない要因となっている。

 こちらの記事が、ウクライナの鉄スクラップ供給・輸出事情について伝えている。これによれば、2014~2016年とウクライナではスクラップが不足する状況が続いており、2017年に入っても不足が解消されていない。2016年のウクライナのスクラップ輸出は27.3万tで、これは前年比77.5%減だった。金額ベースでは4,862万ドルで、83.3%減だった。しかし、2017年1~2月には1.8万tを輸出し、前年同期比77.9%増だった。金額ベースでは366万ドルで、70.7%増だった。他方で、1~2月には6,755tの輸入も行われた。輸出の最大の相手国はトルコで数量ベースで93.0%を占めるが、輸入の最大の相手国もトルコで79.9%を占めている。


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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2017年4月号の中身を、例によって編集長特権で、どこよりも早くご紹介。一般社団法人 ロシアNIS貿易会(ROTOBO)の前身に当たるソ連東欧貿易会が1967年1月16日に設立されてから、ちょうど50年の節目を迎えました。ロシアNIS貿易会ではこれを記念して、2017年2月2日(木)東京・如水会館において、創立50周年記念講演会および平成29年新春懇親パーティを開催いたしました。今号では、記念講演会における下斗米伸夫先生の講演記録を載録することを軸に、「激変する国際情勢の中のロシア」という特集をお届けしております。ビジネス誌である小誌としては珍しく、政治や地政学に重点を置いた号となりました。私自身は、「ロシア対外政策コンセプトに見る対欧米関係」、「ようやく上向いたウクライナの鉱工業生産」、「10年かかったサンクトペテルブルグのスタジアム」といった小文を執筆。3月20日発行予定。


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 こちらのサイトに、天然ガスをめぐるロシアとウクライナの関係を図示した便利な資料が出ていたので、取り上げさせていただく。上掲の上段のグラフが、ウクライナのガスの供給源であり、左から国内生産、ロシアからの供給、欧州からのリバース供給という具合に並んでいる(2016年にはロシアからの供給がゼロになったことが確認できる)。中段のグラフは、ロシアの対ウクライナ供給(緑)、対欧州供給(黄色)、そのうちウクライナ経由(ピンク)を示している。下段のグラフは、ロシア・ガスプロムのウクライナ向け価格(緑)と、欧州向け価格(黄色)の推移を跡付けている。図はクリックすると拡大する。


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kali

 こちらの記事によると、ベラルーシとロシアのカリ肥料産業が、関係を修復する可能性が出てきた。ベラルーシのベラルーシカリ社と、ロシアのウラルカリ社は、かつては共同販売会社を築いており、往時にはその連合が世界市場の40%を押さえていた。しかし、2013年にその協業関係が崩れ、以降はライバル同士となり、販売競争が世界的な価格下落に繋がった経緯がある。しかし今般ベラルーシのルカシェンコ大統領が、ロシア側と関係を修復して共同販売会社を再興する用意がある旨表明した由である。ルカシェンコ大統領は、「我が国の側が一方的に譲るつもりはないが、相互譲歩であれば応じる用意があり、それは互恵的なものでなければならない」と発言した。ベラルーシのカリ肥料の輸出量は2015年の920万tから2016年の900万tに落ち込み、価格も25%ほど下落している。2017年には1,000万tを輸出したいという意向を有している。


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 一部の勢力がウクライナ本土とドンバス占領地の輸送路を遮断している問題で、こちらの記事によれば、ウクライナのフロイスマン首相はそれによるウクライナの損害額を挙げた。首相によれば、本件によるウクライナの損害額は、毎月20億~40億グリブナ(7,380万~1億4,770万ドル)に上る。首相は、封鎖はウクライナの鉄鋼業にとっての脅威となり、国民経済を分断し、社会プログラムの履行を困難にする、ウクライナ経済がようやく上向こうとしているまさにその時に、誰かが我が国に困難を押し付けようとしているという印象を禁じえない、封鎖はウクライナ経済に深刻な悪影響を及ぼし、マイナス成長に陥ってしまう恐れもある、などと述べた。


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 なぜか同じような話題が続いているが、こちらのサイトによれば、ロシアでスズキ車がリコールされることになった。2008年9月30日から2015年3月3日にかけて販売されたグランド・ヴィターラというモデルが対象であり、台数は2万2,263台。後方シャフト(正確な用語が分からない)の安定性が不充分であることが原因で、現地販売会社が無償で部品の交換に応じる。


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kikai

 ロシアは、旧ソ連の独立国家共同体(CIS)諸国の中では先進的な存在と位置付けられるが、経済の先進度を測る初歩的な指標の機械貿易において意外にも、数年前まで域内の取引が赤字だった。しかし、ウクライナ危機以降は、黒字に転じている。

 その状況を、ロシア連邦関税局の貿易データにもとづいて図示したのが、上図である。HSコード84~90の機械類の貿易につき、対CIS取引の輸出入から収支を算出すると、2012年時点で56億ドルあまりの赤字であった。その際に、CIS諸国の中でも、ロシアにとっての入超の相手国は、ウクライナとベラルーシにほぼ限られた(厳密に言えば、ウズベキスタンとの関係でも2012~2013年は小幅な入超であり、これはウズベキスタンからの小型乗用車の輸出という個別的な事情によるものである)。ロシアとウクライナ・ベラルーシとの間では、技術レベルが概ね似通っており、機械貿易の水平分業が成り立っていたが、ただしロシア経済が石油・ガスなどに偏重している分、ウクライナ・ベラルーシの方が製造業に特化する度合いが強くなり、その結果、機械貿易ではロシア側の入超だった。おそらく、これが大まかな構図ではないかと思われる。

 しかし、2013~2014年からウクライナ危機が発生し、ロシアとウクライナの政治関係が悪化、ロシア・ルーブルが下落、ロシア政府が輸入代替政策を推進、といった大きな情勢変化が生じた。その結果、ロシアの対ウクライナ機械貿易赤字は、大幅に縮小した。それに伴い、ロシアの対CIS機械貿易の収支も、黒字に転換していった。一方、ベラルーシはユーラシア経済連合に加入しロシアの統合パートナーに留まっているものの、当ブログでも累次報告しているように、ロシアとの関係はぎくしゃくしており、ロシア市場の冷え込みもあって、思うように対ロシア輸出増を果たせていない。


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blackseaports

 ロシア『エクスペルト』誌の2016年10月31日~11月6日号(No.44)に、上掲のような、黒海・アゾフ海海域の港湾地図が出ていたので、チェックしておく。ロシアのノヴォロシースク港の貨物量が多いが、実はその大部分は石油の積み出しであることが確認できる。ウクライナはある意味で日本に似ていて、中規模港湾の分散型。ルーマニアはコンスタンツァ港の一点豪華主義。トルコは黒海沿岸が低開発なので、大規模な黒海港湾というのは実は有してしない(ただし、黒海の出入り口に当たるイスタンブール港のハブ港としての重要性が高い)。


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evhyouka

 以前も取り上げたことがあると思うが、ユーラシア開発銀行というところが『ユーラシア開発銀行統合バロメーター』と題する報告書を毎年発行しており、こちらに見るとおり、最新版は2016年10月に発行された。これは、ロシア・NIS諸国のユーラシア統合に関する意識を継続的に調査しているものであり、ここではその中から、ロシア・NIS各国の国民が、ユーラシア経済連合についてどのように評価しているかを時系列的に跡付けたグラフを、上掲のとおりお目にかける。2012~2016年の数字がまとめられているが、以前はユーラシア経済連合非加盟国の調査結果も漏れなく載っていたものの、最近は非加盟国の数字はほぼ得られなくなってしまった。

 グラフの中で、上の5ヵ国は、実際にユーラシア経済連合に加盟している国々であり、同連合を肯定的に評価する国民が多い。ただし、アルメニアではユーラシア経済連合についての支持が趨勢的に後退している。一方、下の3ヵ国は、EUとの連合協定を結んだ国々であり、ウクライナ・ジョージアではユーラシア経済連合を否定的に評価する向きが増えている(2016年の数字はなし)。ただ、モルドバではいまだに肯定論が根強く、このあたりがロシアにとっての「付け入る余地」となっている。中段付近にあるタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンは、ユーラシアにもEUにも明確に接近していない国々である(政治文化や地理的要因から、EUへの接近といったことはそもそも考えにくいが)。このうち、タジキスタンはその外交ベクトルからして、ユーラシア経済連合加盟の予備軍と考えられる。ウズベキスタン、トルクメニスタンでは、国民の価値観からすればユーラシア経済連合に加わってもおかしくないが、政治指導部の意向により独歩的な外交路線を歩んでいる。アゼルバイジャンでは、ジョージアなど以上に、ユーラシア統合への反感が強い。


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