服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 ロシア連邦プスコフ州ベジャニツィ町。初めて知った集落だが、紋章ではヘラジカの体が金色で描かれることが多い中で、このベジャニツィだけは黒で描かれている。説明によれば、黒色は謙遜、従順を象徴するというのだが、黒にそんなイメージはあるものだろうか?


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 10月7日、サッカーのロシア代表と韓国代表の親善試合が行われ、ロシアが4:2で勝利した。会場は、新しくできたばかりだが、W杯の会場からは漏れているCSKAのスタジアム。得点力不足のロシアが4点もとったことは特筆されるが、上掲の動画に見るようにオウンゴールが2つも含まれているし、全体的に行ったり来たりのオープンな試合だったみたいなので、あまり過信しない方がいいだろう。動画からだけでは観客席の様子がよく分からないのだが、案外盛り上がっているような雰囲気を感じる。

 まあ、何よりも感じるのは、日本はマッチメイクで韓国に負けたのではないか?ということ。韓国は代表週間を使って欧州遠征し、W杯開催国でのアウェー戦も体験したということで、ニュージーランドおよびハイチという微妙な相手との試合を余儀なくされた日本よりも良い上積みができたと言えそうだ。

 追記:観客動員は24,183人だったようだ。ロシア代表の親善試合としては、良く入ったな。それにしてもCSKAのスタジアムって、なんでこんなに観客席と屋根の形がゆがんでるのかな。日照権の問題とかか?(笑)。

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 もう1年ほど古い情報になってしまったが、個人的に見落としていた重要な動きがあったので、取り急ぎ簡単にまとめておく。こちらのサイトに見るように、ロシアでは2016年11月30日に開催された大統領付属戦略発展・優先プロジェクト評議会の結果、同日付で優先プロジェクト「農産物・食品の輸出」の主要点が承認された。同プロジェクトの期間は2016年11月から2020年12月までで、様々な支援策を講じロシアの農産物・食品の輸出を拡大することを掲げている。具体的には、現状で169億ドルとなっている輸出を、2025年までに300億ドルに伸ばすことを見込んでいる。うち食肉は2億ドルから17.5億ドルに、穀物・同加工品は59億ドルから75億ドルに、油脂は21.5億ドルから35.0億ドルに、加工食品は30.8億ドルから100億ドルに拡大するという目標が掲げられている。

 なお、農産物・食品の輸出総額の目標は、2017年3月31日付の政府決定で採択された修正版の「2013~2020年の農業発展および農産物・原料・食品市場管理国家プログラム」にも追加で盛り込まれた。だいぶ重いが、テキストはこちらのサイトで閲覧可能。


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 サッカー・ワールドカップの各大陸予選が佳境を迎えているけれど、個人的に注視しているのはただ1つ、ウクライナが予選を勝ち上がれるかという一点である。もう日本は出場を決めたし、個人的な研究対象国では、ロシアは開催国につき予選免除、その他の旧ソ連諸国は軒並み敗退が決まる中で、唯一当落線上にあるのがウクライナなのである。そして、現地時間の昨晩、日本時間の本日未明、ウクライナの属すグループIの試合が行われ、ウクライナはアウェーでコソボに勝利した。上掲の表のとおり、第9節終了時点で3位につけている。首位を走っていたクロアチアがホームでフィンランドと戦い、試合終了間際に同点弾を食らってまさかのドローに終わるという波乱があったのだが、クロアチアが負けてくれたのならともかく、ドローではウクライナにとって意味はない。現時点でクロアチアとウクライナは勝ち点17で並んでいるが、得失点差がクロアチアの方が上なので、いずれにしても最終節にキエフで行われる試合で、ウクライナはクロアチアに勝たなければならないのである。今節、勝ち点19で首位に躍り出たアイスランドは、最終節はホームでコソボに勝つだろうから、1位でのストレート突破がかなり濃厚になってきた。大混戦となったグループIは、クロアチアとウクライナの2位争いに焦点がほぼ絞られたわけだ。ウクライナにとっては、グループIを2位で終えても、何度も煮え湯を飲まされているプレーオフの難関が待っているとはいえ、まずはプレーオフの資格を獲得しないと。まあ、裏番組を気にする必要がなく、「勝てばプレーオフ」(引き分け、負けなら敗退)という状況は、明快である点は、いいのではないか。まあ、それにしても、ヤバいキエフ決戦になりそうだ。

 ウクライナは、ロシアと違って、ワールドクラスの武器を持っている。コノプリャンカ、ヤルモレンコという左右のサイドアタッカーがそれであるが、ただ、それ以外はタレント力が落ち、せっかく外で崩しても中で決める選手がいないという感じ。シェフチェンコ監督も、特別な戦術を持ち合わせているという雰囲気はなく、単にカリスマ性で代表チームを率いているという印象だ。クロアチアも、最近は低空飛行のようだが、果たして、どうなるか。


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 一般の皆さんには関係ない話だろうが、個人的な研究分野の動きをメモしておくと、こちらのサイトに見るとおり、EUは今般、ウクライナ産のフェロシリコンに対するアンチダンピング(AD)調査を開始した。ウクライナ産およびエジプト産のフェロシリコンが不当に安くEU市場に輸出されているとの域内生産者の訴えを受けたもの。


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 地味な話題のメモだが、こちらの記事によると、2017年1~9月のウクライナの原油輸入は3.2億ドルとなり、金額ベースで前年同期比2.6倍拡大した。供給の82%がアゼルバイジャンから、10%がイランから、5.5%がカザフスタンからである。なお、2016年のウクライナの原油輸入は1.7億ドルで、前年比2.1倍だった。


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 ロシアの経済週刊誌『エクスペルト』は最新の10月2~8日号で農業特集を組んでいるが、その中でも目を引くのが上掲の温室野菜栽培の急増振りである。図の単位は1,000tだが、2016年には生産量が30%も増えたということである。その背景には、従来トルコがトマトやキュウリの主たる供給国であったところ、2015年に起きたトルコによるロシア軍機撃墜事件を受け、ロシアがトルコからの青果物の輸入を禁止したことがある。もっとも、ロシアがトマト、キュウリ、その他野菜の内需の90%を国産品で満たそうと思えば、さらに2,000haの温室の建設が必要で、それには2,000億ルーブルを要するということである。


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 ワールドカップ・ロシア大会の会場のうち、ソチは先のコンフェデでも使用されており、すでにスタジアム自体は完成しているわけだが、こちらによると、コンフェデ終了後にFIFAからいくつかの注文をつけられたらしい。今般、クラスノダル地方のV.コンドラチェフ知事は、それらのFIFAからの指摘事項をすべてクリアしたと表明した。また、クラスノダル地方では現在、W杯出場チームの利用に供するためのトレーニング施設8箇所を新設・改築中だが、それらの作業も2018年4月までには完了する。スタジアムの交通に関しては、大会期間中には1日100本のバス、70本の列車を運行すると、知事は述べた。


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 欧州復興開発銀行(EBRD)はEUが主要出資者となっているので、ウクライナ危機後、ロシア向けの新規融資を停止している。そうした中、こちらの記事によると、EBRDは現在ロシアに7箇所ある拠点のうち、5箇所を2018年中に閉鎖するということである。具体的には、エカテリンブルグ、クラスノヤルスク、ロストフナドヌー、ウラジオストク、サマラの事務所が閉鎖される。記事には明記されていないが、モスクワとサンクトペテルブルグの2拠点だけが残るということだろう。


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 ウクライナとEUは連合協定を結んで自由貿易関係が成立したのだが、EUはウクライナ産主要農産物・食品に対しては「関税割当」を設定し、それらの品目については一定量のみ無税で輸入する制度となっている。だが、その無税割当量があまりに少ないということで、ウクライナ側の不満が高まり、EUは協定とは別枠の独自の優遇措置として、追加的な無税枠をウクライナに与えることになった。具体的に言うと、ぶどうジュース(年間500tを追加、以下同様)、はちみつ(2,500t)、とうもろこし(625,000t)、大麦(325,000t)、オート(4,000t)、穀物のひき割り(7,800万t)、小麦(65,000t)、加工トマト(500t)という8品目に対して枠が追加された。そして、こちらのサイトに見るとおり、それを定めたEU規則が9月13日付で制定され、9月30日付のEU官報に掲載され、翌10月1日に発効した。なお、EU規則の条文を読んだだけでは分かりにくいが、こちらこちらのニュースが伝えるところによれば、適用は、小麦、大麦、とうもろこしは2018年1月1日から、それ以外は2017年10月1日から始まる。ただし、無税枠の追加は3年間の時限的な措置である。


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 来年開かれるサッカー・ワールドカップで、日本代表がロシア国内でキャンプを張る場所は、タタルスタン共和国のカザンに決まったという説が有力だ。聞くところによると、ハリルホジッチ監督がカザンの環境を気に入ったという。ルビン・カザンのトレーニング施設をそのまま使えるという点がメリットらしいが、もしかしたら、ワールドカップ史上初のイスラム開催都市であるカザンを、ボスニア出身のハリル監督が「居心地が良い」と感じたのかもしれない。

 ルビン・カザンのトレーニング施設は、先のコンフェデで、ポルトガル代表が滞在したらしいので、すでに代表チーム受け入れの実績もある。上の動画で紹介されているのが、たぶん、くだんのトレーニング施設ではないかと思う。ロシアの地方クラブとしては立派だと思うが、従来の日本代表のキャンプ地と比べると若干シャビーなような気がして、そのあたりどうなのだろうか。下にももう1個動画を貼っておく。


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 どこかの国の金融当局の目論見ではないが、こちらの記事によれば、ロシアのA.クドリン元副首相・蔵相がロシア国民に対し、銀行預金の金利が低下する中で、「貯蓄から投資へ」の転換を呼びかけているということである。クドリンいわく、現在多くの人々が、どのような株式に投資したらいいのか迷っている。しかし、より信頼感のあるものがある。それは債権であり、国債および民間債の両方だ。債権の利回りはより高く、現在ロシアではそれへの転換が生じていると見ている。銀行預金の金利が4~6%程度に低下しているところ、国債の利回りは8%程度だ。株式に関して言えば、まずはブルーチップや投資信託といった簡単なものに投資し、次により高度なセクター別の投資に、その次にデリバティブに移行すればよいと、クドリンは語った。


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 こちらのサイトに、2016年11月時点のウクライナの政治評論家ランキングというのが出ていたので、備忘録までにメモしておく。基本的にヤンデックスでの統計にもとづいているということである。

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 たまたまこちらのページを見ていたら、ロシアの「世論基金」が実施したロシア国民の北朝鮮に関する意識調査の結果が出ていた。むろん、プーチン政権の対北朝鮮政策は日本政府などとは方向性が異なっているわけだが、今回の調査結果を見ると、一般国民の意識も日本とロシアではだいぶ趣きが異なっている。

 上の図は、「貴方は北朝鮮を好きか嫌いか?」という質問の回答状況で、上段が2013年2月、下段が2017年9月。緑が好き、青が無関心、赤が嫌い、グレーが回答困難。これを見て分かるとおり、多数派は無関心だが、嫌いよりも好きの方が多く、しかも好きは17%から27%に増えている。こりゃ酷い。

 そして、「北朝鮮の核兵器が、ロシアにとっての脅威になると思うか?」という設問の回答推移をまとめたのが下図であり、赤が脅威になる、緑がならない、グレーが回答困難。奇妙なことに、北朝鮮が核開発と徴発をエスカレートされたことを受けた2017年9月の調査結果において、脅威にならないという回答が過去最高になっている。

 これは、たぶんこういうことだろう。2014年のウクライナ危機以降、ロシア国民は従来にも増して米国を敵視するようになり、世界情勢をそのプリズムを通して見る度合いが強まった。そして、北朝鮮はその米国と対峙している国であり、米国の覇権を脅かす限りにおいて、ロシアにとって有用な存在と位置付ける向きが増えたということではないか。敵の敵は味方という論理である。

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 サハ共和国ゴルヌィ地区。実はかつて「日めくり紋章」でサハ共和国のシリーズを手掛けたことがあるが、その時にはこのゴルヌィ地区の紋章は取り上げなかったと思う。たとえばこちらのチュリマン町のように、サハ共和国の紋章ではトナカイが頻出していたわけだが、今回のゴルヌィ地区のデザインはトナカイではなくヘラジカである。


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 当ブログでは何度か触れたことがあったかと思うが、内陸国のベラルーシは輸出貨物(特に同国の主要輸出品である肥料および石油製品)を海上輸送する上で外国の港から発送する必要があり、これまではEU圏のリトアニア、ラトビアの港を使うことが主流だった。これは、同盟国のベラルーシに有利な条件で原油等を供給しているロシアにとっては不満の種であり、ロシアはベラルーシに対して、ロシア北西部の港湾を利用することを求めていた。

 それで、こちらの記事によると、このほどベラルーシ石油会社のS.グリブ社長代行が、この問題についてコメントした。グリブ代行いわく、ベラルーシの石油製品をロシア港湾経由で輸出することは、一定の条件では経済的合理性を確保できるかもしれないが、バルトとロシアの料金を比較すれば、ロシア側には努力の余地がある。鉄道料金だけでなく、海上輸送運賃、港湾料金も考慮しなければならない。ナフタン製油所からリガまでは400kmだが、ロシアのウスチルガまでは800kmである。グリブ代行はこのように述べた。


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 ロシアにVIM航空という航空会社がある。面倒なのでウィキペディアをコピーさせていただくと、モスクワ=ドモジェドヴォ空港を発着する国際定期便・チャーター便や旅客・貨物便を運航したり、ウェット・リースを行ったりする。VIM航空は2000年に運航を開始し、2004年末にはチタアヴィアとアエロブラーツクを、続いて2005年にはロシアン・スカイ航空を買収した。また2004年には、新しい株主がボーイング757-200を12機購入しチャーター市場に参入したため市場を揺るがした(初めてこの機種を使用したロシアの航空会社であった)。

 こちらのサイトによれば、上表に見るとおり、2016年の旅客数×距離の指標で、VIM航空はロシア第11位の航空会社だった。

 そして、こちらのニュースなどで伝えられているとおり、このほどそのVIM航空の経営が行き詰まり、13億ルーブルの負債を抱えて資金繰りがつかずに、運航継続が困難となったということである。


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 10月15日(日)にワークショップ「サッカーとグローバル関係学」が開催され、それに登壇して「ロシアはワールドカップのレガシーを活かせるか?」という報告を行うことになりました。詳しい情報はこちら参照。参加自由で、事前登録も不要とのことですので、よかったらチェックしてみてください。


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 当ブログでは3ヵ月ほど前に、「2030年までのロシアのサッカー発展戦略」というエントリーをお届けした。ロシアでは現在、「2030年までのロシア連邦全国民サッカー発展戦略」を新たに策定する作業が大詰めを迎えている。2015年12月8日に開催された関係会合後に大統領の指示を受けて作業が始まった。2017年4月8日にロシア・サッカー協会が戦略を採択し、それを受けスポーツ省も同戦略を承認、近くロシア連邦政府が承認して正式に採択されることになるというのが、その時お伝えした内容だった。ただ、その後政府がこれを正式に採択したという情報は、確認できていない。

 それで、今般その戦略のテキストを読み込んでみたところ、重要な点に気付いた。当たり前と言えば当たり前なのだが、ロシアは2018年のワールドカップに向けて整備したサッカー関連施設を、大会後にどう活用していくのかという点に、重大な関心を寄せているという事実である。世界各国でオリンピックやFIFAワールドカップといったスポーツの大イベントが終わった後に、施設が有効活用されず、酷い場合には廃墟と化したりする現象が問題になっているわけだが、ロシアは大会準備期間からすでにそれに関する問題意識をもって事に当たっているということのようである。

 実際、上掲の「戦略」を読んで知ったのだが、ロシア連邦政府のスポーツ省は2015年6月26日付省令第679号により、「ロシア連邦諸地域の需要を考慮に入れた大会終了後の有効活用に関するサッカー・ワールドカップのレガシー構想」と題する文書を採択していたということである(Утвержденная приказом Минспорта России от 26.06.2015 № 679 «Концепция наследия чемпионата мира по футболу по обеспечению эффективного использования в постсоревновательный период спортивных объектов с учетом потребностей субъектов Российской Федерации»)。個人的に、初耳であった。

 ところが、そこから先が、いただけない。私がリサーチを試みた限り、この「レガシー構想」は、非公開になっているようなのである。諸々ネット検索してみても、スポーツ省のウェブサイトを調べてみても、省令第679号は欠落した状態になっている。レガシーの活用は、地方・経済界・クラブ・市民など、多様な層の参画を得てこそ成果が期待できるはずなのに、肝心の「レガシー構想」を伏せたままにしておくというのは、信じがたい感覚である。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「『ベラルーシを知るための50章』が刊行されました」です。当ブログでもすでに簡単に告知はしましたが、改めてエッセイで刊行に当たっての所感を述べました。


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 ベラルーシで企業活動自由化に向けた動きが進行しているようである。こちらの記事によると、9月26日にV.マチュシェフスキー第一副首相がA.ルカシェンコ大統領と面談した際に、「企業活動の発展について」と題する大統領指令案を大統領に提出したということである。経済自由化の鍵となる文書とされている。具体的には、消防・環境・衛生などの統一基準、予見可能な税制、国の経済活動への介入の最小化、起業をする際に届け出だけすればいいこと、行政的障壁の撤廃、ライセンス制の改善、事業活動の停止を決められるのは裁判所だけであること、事業ライセンスの電子交付、国と企業家層との対話、ITへのシフトなどが主な方向性ということである。


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 以前、「ウクライナとの領土交換で黒海への出口を得たモルドバ」と題する記事の中で、モルドバのジュルジュレシティ港についてお伝えしたことがある。内陸国であるモルドバは、元々は黒海への出口を持たなかったが、モルドバがウクライナと領土交換条約を結んだ結果、モルドバはドナウ川の河川港を手に入れ、これによりドナウ川経由ではあれ、自国の港を基盤に黒海海運にアクセスできるようになったという話題であった。

 それで、その後ジュルジュレシティ自由港は、まずまず順調に発展を続けているようである。2016年までの自由港の活動実績は、下に見る表のとおりである(出所はこちら)。そして、こちらの記事では、2017年上半期の自由港の活動実績が伝えられている。それによると、2017年上半期の取扱貨物量は35.9万tで、前年同期比4.6%拡大した。輸出では穀物が、輸入では石油製品が多い。これまでに、自由港には6,870万ドルが投資され、その大部分は同港のオペレーターであるDanube Logistics社による投資である。

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 先日、「ロシアが自動車輸出戦略を策定」というエントリーをお届けしたが、その姉妹編のような感じで、このほどロシア政府は航空機の輸出に関する戦略も策定した。こちらのサイトこちらのニュースが伝えているように、ロシア政府が9月18日付の政府指令により、「2025年までのロシア連邦民間航空機産業輸出発展戦略」を採択したものである。

 この文書によれば、2016年の時点で、ロシアの航空機産業のうち民間航空機部門は17%にすぎないということであり、つまり残りの大部分は軍需ということなのだろう。民間航空機産業の内訳は、エンジン生産24%、航空機生産22%、ヘリコプター12%、機器・ユニット生産6%など。2016年の場合、航空機生産136機のうち、民間機は28機だけ、同じくヘリコプターでは169機のうち22機だけだった。ロシアは金額ベースで世界の民間航空機・ヘリコプター生産の1%弱しか占めていない。2016年のロシアの民間航空機輸出は4.7億ドルで、スホーイスーパージェット11機、ヘリコプター6機が輸出されただけだった。こうした状況を、政府が様々な支援策を講じて打開していこうというのが、今回の戦略である。基礎シナリオでは、2025年の民間航空機産業の輸出が34.6億ドルに伸びると想定されている。


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 こちらの記事などによると、ウクライナ政府は9月半ばにユーロ債を発行し、2014年以来の国際起債市場復帰を果たした。期間15年、利回り7.375%で、30億ドルを借り入れたもの。ただし、今回のユーロ債発行につき国際的な格付け機関のフィッチは、借り換えのリスクを低下させ外貨準備を拡大するものであり、国際収支の柔軟性という点では評価すべきであるものの、ウクライナが借り手としての信用を完全に回復できない当面の間は、ウクライナにとっての主たる貸し手は今後も公的機関、とりわけIMFに留まるだろうと指摘した。


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 こちらのページに、ロシア国民の各種アルコール消費量の推移を図示したものが出ているので、紹介する。1人当たりの年間消費量をリットルで示している。一番上の黄色い線がビール、真ん中のグレーの線がウォッカ、下の紫の線がワインである。しばらく前まで、ウォッカの消費量が趨勢的に低下し、それに代わりビールやワインなどの軽めの酒が伸びるという構図があったが、ここ数年はビールやワインも低下している(ただ、2016年のワインの落ち方はあまりに急激であり、正確な統計値なのか、疑問も感じる)。その原因には、景気の低迷、広告や販売の規制などがあるだろうし、日本と同じで若者を中心とした酒離れもあるだろう。

 ちなみに、こちらのレポートによれば、日本の1人当たりビール消費量は発泡酒等も含め2015年時点で42.3リットルということらしい。外国人は日本人が居酒屋で「とりあえずビール」と、ビールを偏愛していることに驚くらしいが、実際に消費量を比べると日本人はそれほど多くなく、ロシアよりも下ということになるらしい。まあ、日本の場合は、なんとかサワーとかなんとかカクテルとか、軽いアルコール飲料の選択肢が多いからねえ。


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 ヘラジカをあしらった紋章のシリーズ。ベラルーシ共和国ヴィテプスク州ロソヌィ町。ロソノ湖のほとりに築かれた街で、対ロシア国境から程近い。1552年から知られる集落で、今日では製材、建材の生産などが主産業。


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 こちらの記事によると、ウクライナに「未来についての対話」というテレビ番組があるそうで、9月21日に出演したナフトガス社幹部のYu.ヴィトレンコ氏が、ロシアからの天然ガスおよび石油の輸入の可能性に言及したということである。同氏いわく、きわめて悪い傾向が生じている。結局、元の木阿弥となり、2030年までに、ウクライナが再びロシアの天然ガスおよび石油を買うようになるかもしれない。確固たる発展の体制がなければ、古く、より根強い体制に逆戻りしてしまう。ウクライナの場合、それはオリガルヒ体制だ。残念ながら、ウクライナではオリガルヒ体制への逆戻りが基礎シナリオである。このモデルの国で、そこから脱却できた国は少ない。ヴィトレンコ氏は以上のように述べた。

 ウクライナがオリガルヒ体質であるがゆえに、ウクライナのロシアからの天然ガス・石油輸入取引が歪曲されたのは事実だと思うが、ではロシアからの天然ガス・石油輸入をやめればウクライナのオリガルヒ体質が治るかというと、だいぶ疑わしい。


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 サッカーのスパルタク・モスクワと言えば、昨シーズン久し振りのリーグ優勝を遂げたばかりだが、同クラブの経営にとって問題が一つ発生したようである。これまでスパルタクのスポンサーの一つとなってきたのが、オトクルィチエ銀行であり、そう言えばスタジアムもオトクルィチエ・アリーナと言うのだが、同銀行が経営破綻してしまい、この8月に清算されたのである。

 こうした事態を受け、こちらの記事では、スパルタクのオーナーであるL.フェドゥン氏(ルクオイル副社長)のコメントを伝えている。フェドゥン氏いわく、クラブを維持するのは楽ではないが、絶対に売却はしない。買収を申し出ている投資家たちもいるものの、本気の提案は見られない。ロシア屈指の人気クラブを経営するのは精神的にきつく、昨シーズン優勝して2週間はヒーロー気分だったが、そのあと試合に負けるとすぐに非難され、こんな重圧下でもう16年もやっているのだ。サッカーの世界ではプレーヤーの値段が高騰しすぎ、最高レベルのプレーヤーを欧州のクラブと競争して獲得するのは不可能だ。フェドゥンは以上のようにコメントした。


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 しばらく前から伝えられていた動きだが、改めて、こちらの記事によると、ベラルーシ産業の代名詞とも言うべきトラックメーカーのミンスク自動車工場(MAZ)が、主力のロシア市場で大苦戦している。つい最近までロシアのトラック新車販売台数のランキングでベスト3に入っていたが、直近では7~8位程度に後退しているということである。

 そこで、原典に当たってみたところ、なるほど、そのとおりだった。上掲が2014~2015年の状況(出所はこちら)、後掲が2017年1~8月の状況である(出所はこちら)。MAZはベラルーシで最大の従業員数を誇る企業だけに(ただし、20万人の東芝さんに比べれば10分の1程度だが)、同社の販売不振はベラルーシ全体にとっての大問題である。

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 個人的に良く知らないところだったが、「アトン」というロシアのコンサルタント会社があるそうである。こちらの記事によると、そのアトン社がこのほど発表した冶金産業に関するレポートの中で、為替レートが各社の経営に及ぼす影響が分析されているということである。

 それによれば、為替が対ドルでルーブル高になった場合に、最も打撃を受けるのはルサール、エヴラズであり、打撃が小さいのはポリュス、ノリリスクニッケルである。一般論として言えば、金、非鉄金属、石油など、ロシア国内にアセットを持ちドル建ての輸出収益を得ている企業にとって、強いルーブルは不利である。ルーブルが5%強くなれば、冶金産業のEBITDAは平均でやはり5%ほと低下する。ただ、エヴラズでは8%、ルサールでは9%低下する。その原因は、業界平均のEBITDA利益率が34%であるのに対し、エヴラズでは20%、ルサールでは23%に留まること、またルーブル建ての費用の比率が70%と高いことである。逆に、5%ルーブル高になっても、ポリュスではEBITDAが2%ポイント減に、ノリリスクでは3%ポイント現に留まり、それはEBITDA利益率が50~60%と高いからである。他の条件が同じなら、利益率が低いほど、ルーブル高の打撃が大きいということになる。


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