服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 ロシア『エクスペルト』誌の2017年4月3~9日号(No.14)に、ロシアの輸出に関し様々な角度から考察した特集が掲載されている。その中に、上掲のようなグラフが掲載されている。縦棒の中の青は資源・エネルギー輸出の総額を、赤は非資源輸出の総額を示しており、折れ線は輸出に占める非資源輸出の割合を見たものである。非資源輸出の絶対額が増えているわけではないが、資源・エネルギー輸出が縮小した分、結果として非資源輸出の比率が顕著に増えているというのが、全体的な構図である。

 ただし、ここで注意すべきは、「非資源輸出」の中身である。記事によれば、「非資源輸出」の品目別ベスト20は、下表のとおりであるという。以下で日本語訳を当てるが、「資源」そのものではないにせよ、金属や食料などの原料・素材系の商品が大部分であり、加工度の高い高度製品は13、15などに限られる。乗用車の輸出は増えているものの、ロシアでの現地生産は輸入部品・コンポーネントに依存する部分が大きい。

  1. アルミニウム
  2. 鉄鋼半製品
  3. 小麦
  4. 木材
  5. 複合肥料
  6. 熱間圧延鋼板
  7. 白金族金属
  8. 窒素肥料
  9. 冷凍魚
  10. カリ肥料
  11. ニッケル
  12. ターボジェットエンジン、ガスタービン
  13. ひまわり油
  14. 核燃料集合体
  15. 合成ゴム
  16. フェロアロイ
  17. 銑鉄
  18. 乗用車
  19. タイヤ
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 こちらのサイトに、ウクライナ国民が住宅・光熱費をどれだけ支払っているか、それが家計支出に対しどれだけの割合を占めているかということを図解した資料が出ていたので、転載する。クリックすると拡大。


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 正直言うと、マスタード(洋カラシ)が何を原料に作られるのかも知らなかったが、こちらに見るように、シロガラシというアブラナ科の植物の種が原料らしい。

 そして、こちらの記事によると、そのシロガラシの生産・輸出国として、ウクライナが台頭しているようだ。シロガラシの生産量では(カッコ内は種の大まかな年産量)、カナダ(20万t)、ネパール(15万t)、ロシア(9万t)に次いで、ウクライナ(4万t)が世界4位となっている。2016年にウクライナは3.5万tの種を輸出、これは2013年からは倍増だが、過去最高だった2015年からは21.9%減だった。


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 ちょっと用事があり、上掲のようなグラフを作成した。各国の輸出および輸入(商品だけでなくサービスも含む)額が、各年のGDPに対してどれだけの比率を占めているかを比較したものである。ウクライナ危機が起きる前の平穏だった時期の2012年と、最新の2016年とを対比している。出所は、輸出入額が各国中央銀行発表の国際収支統計、GDPがIMF発表のドル換算経常価格データである。なお、輸出入の対GDP比は世銀のこちらのサイトからもデータを入手できるが、各国中銀の国際収支統計の方がより正確で最新のデータが得られるはずと考え、そのように対応した。

 ロシアは石油ガス輸出で膨大な収入を獲得している国だが、自国の市場規模がそれなりに大きいので、貿易の対GDP比という指標をとると、このようにそれほど大きなものではなくなる。2012年と2016年では経済環境が激変したが、結果的には輸出入の対GDP比はそれほど変わっていない。

 ウクライナは、国の経済規模に比べて、かなり旺盛に輸出を行っている国である。しかし、貿易の基調は赤字であり、これは石油ガスの輸入依存に起因するところが大きい。ただ、経済危機でガス消費量が低下していることもあり、結果的に輸入の対GDP比は低下、貿易赤字の対GDP比も縮小することとなった。

 ベラルーシは自国の経済規模が小さく、ゆえに貿易依存度がNIS諸国の中でトップクラスとなっている。その際に、近年はロシアから原油を輸入し加工した石油製品を欧州等に輸出するビジネスが貿易の柱となっていたが、2016年にはロシアとの関係悪化でそのスキームが縮小(むろん油価下落もある)、結果として輸出入の対GDP比も大幅な低下を示した。

 モルドバは、外貨獲得能力のあるような産業が乏しく、貿易は構造的に大幅な赤字である。その赤字を埋め合わせているものこそ、国外出稼ぎ収入に他ならない。


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 こちらの記事の中で、ロシア・ガスプロム社のミレル社長が、欧州向け天然ガス輸出におけるウクライナ・トランジットの利用方針に関し語っている。それによれば、ガスプロムは2019年以降もウクライナ・ルートを活用する可能性はあるが、量は従来よりもずっと少なくなり、年間150億立米止まりとなる。ガスプロムはバルト海と黒海を通る新パイプラインを建設する予定であり、2019年に契約が切れるウクライナと新協定を結ぶかは未定である。我々は交渉の用意はあるが、仕向け地はウクライナと隣接している諸国に限られ、せいぜい年間150億立米となろう。ロシアの天然ガス採掘の中心はヤマル半島にシフトしており、そこと輸送先のドイツを結ぶ最短距離はバルト海ルートであって、ウクライナ経由よりも2,000kmも短い。ミレル社長は以上のように述べた。


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 同じような話題が多く、なおかつ遅れ気味のフォローで恐縮だが、こちらに見るとおり、ロシアでは3月24日に産業・商業省の2016年の活動成果を総括し、2017年の課題を検討する拡大会議が開催され、メドヴェージェフ首相も出席した。その中で報告を行ったマントゥロフ産業・商業相は、これまでしかるべき取り組みがなされてこなかったが、2017年以降に重点的に輸入代替の推進に取り組むべき産業部門として、3つを挙げた。具体的には、以下の3つである。

  • 食品加工機械。現状では輸入依存度が87%にも上っている。
  • 福祉用具。車椅子や杖、補聴器といった製品。ロシアには利用者が6,000万人もいる。2020年までに国産品の比率を50%にまで高める。
  • 産業および生活廃棄物の高度な処理技術。高度なゴミ処理施設の整備が、重機械メーカーへの発注を拡大することにもなる。

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 こちらのサイトに、カザフスタンの債務の状況をまとめた記事と図解資料が出ていたので、取り上げてみたい。これによれば、カザフスタンの対外債務は2016年末時点で1,638億ドルであり、1年間で6.7%増大した。債権国の内訳は、オランダ473億ドル、英国246億ドル、米国129億ドル、中国126億ドル、フランス117億ドルなど。その際に、対外債務の55.7%は企業間の債務である。政府総債務は341億ドルで、対GDP比は25.1%。

 対外債務の多くは民間の債務で、債権国の顔触れからすると、石油ガス開発関連の投資と思われ、カザフスタン政府が重債務というわけではない。政府総債務の対GDP比が25.1%ということは、ちょうと日本の10分の1くらいだろう。

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 本日4月26日は、チェルノブイリ原発事故の記念日。1986年の事故から、31年が経過。こちらのサイトに、事故や被害の概要を図解したものが出ているので、転載させていただく。クリックすると拡大。

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 こちらの記事によると、米国のトランプ政権はウクライナへの支援を大幅に縮小しようとしている。トランプ政権は3月に、途上国への支援を3分の1カットする予算案を発表したが、その際には細目は明らかになっていなかった。このほどForeign Policyが入手した国務省の予算案によれば、米国の途上国支援は開発援助から、国家安全保障にかかわるプログラムへとシフトする。そして、2018年のウクライナ向けの支援としては5.7億ドルが計上されているものの、うち金融支援は1億7,700万ドルまでカットされ、これは68.8%減となることを意味する。


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 ロシア産業・商業省のこちらのサイトに、同国における石油ガス機器の国産化についての話題が出ている。欧米が一部の高度な石油ガス機器の対ロシア供給を制限していることもあり、同分野の国産化は優先事項の一つとなっている。記事によれば、石油ガス機器の輸入浸透率の2016年の目標値が56%であったのに対し、実績はそれをさらに下回り45.5%と、目標が超過達成された形となった。産業・商業省では、石油ガス会社に専門の部署を設け、技術・設備開発の専門家グループにその代表者を派遣するという方式が効果を発揮したので、この経験を電力機械など他の産業分野にも適用したいとしている。同省では、産業発展基金を含め、様々なメカニズムを通じ、石油ガス企業の約30の新設備開発・生産プロジェクトを支援しており、支援総額は35億ルーブルに上る。現在までに締結されている8件の特別投資契約のうち、2件が石油ガス分野に直接関連している。同省では、新たな支援方式を創設し、ハイテク製品の生産・販売費用の最大50%が補填される。また、大陸棚開発の機器開発に向けては、別枠で多大な努力が傾注されている。


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 こんな新刊をご恵贈いただきましたので、ご紹介します。仙石学(編)『脱新自由主義の時代?: 新しい政治経済秩序の模索(地域研究のフロンティア)』(京都大学学術出版会、2017年)。内容は以下のようなもの。

 経済システムの崩壊とハイパーインフレを緊急に克服するという意味では,ネオリベラリズムは一部の地域,特に南米と東欧で一定の成功を示した。しかし,その重篤な副作用としての格差の拡大固定,民主主義の形骸化や人間的な社会関係の喪失は,強く批判されている。ネオリベラリズムとは世界史にとって何だったのか。現場から検証する。

序章 「ネオリベラリズム」の後にくるもの[仙石 学]
第1章 「ポストネオリベラル」期の年金制度?—東欧諸国における多柱型年金制度の再改革[仙石 学]
第2章 危機意識に支えられるエストニアの「ネオリベラリズム」[小森宏美]
第3章 ネオリベラリズムと社会的投資 —チェコ共和国における家族政策,教育政策改革への影響とその限界[中田瑞穂]
第4章 スペイン・ポルトガルにおける新自由主義の「奇妙な不死」—民主化と欧州化の政策遺産とその変容[横田正顕]
第5章 ラテンアメリカ穏健左派支持における経済投票 —ウルグアイの拡大戦線の事例[出岡直也]
第6章 ポスト新自由主義期ラテンアメリカの「右旋回」—ペルーとホンジュラスの事例から[村上勇介]



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 今般発行された『ロシアNIS調査月報』(2017年5月号)で、私は「ロシアの『輸出志向輸入代替』は奏功するか」というレポートを執筆している。その中に、上掲のような図を掲載した。ロシア連邦国家統計局が、ロシアで小売販売されている消費財に占める輸入品の比率というデータを発表しているので、それを時系列的にグラフ化したものである。

 ただ、正直言うと、このデータには疑問点があった。一般的に「消費財」には食料品も含まれるが、ロシア統計局の資料は消費財と食料品を横並びのように示しており、もしかしたらこの「消費財」は食料品を含んでいない耐久消費財、衣料品、日用品等の非食品消費財なのではないかという疑問を抱いたのだ。

 そこで私は、ロシア統計局にメールで問い合わせをし、この統計の「消費財」には食料品が含まれているのか、いないのかということを照会した。統計についての疑問に加えて、ロシア統計局がこういう問い合わせに対してちゃんと対応してくれる組織なのかという関心もあった。残念ながら、回答は10日ほど経っても来なかったので、私はやむなく、本件がうやむやなままレポートを仕上げ、印刷に回さざるをえなかった。

 ところが、雑誌が発行された後になり、今般ようやく、ロシア統計局からのきちんとした回答がメールで返ってきた。結論を言えば、「消費財」には食料品も含まれるということだった。上掲図の中の「食料品」は、「消費財」の一部だったわけである。まあ、普通に考えれば、当然そうだろうとは思うが。というわけで、ロシア統計局は、時間はかなりかかるものの、一応は外国人のメールでの問い合わせにも対応してくれるような組織であることも確認できた。


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 ロシア政府では、様々な領域ごとに数値目標を明記した国家プログラムを策定し、経済発展省が各省庁によるそれらの履行状況を評価・比較するという形で、各種の政策が推進されている。それに関するポータルサイトが、こちらになる。

 それで、こちらおよびこちらの記事によれば、経済発展省はこのほど、「2013~2025年の航空機産業発展国家プログラム」(産業・商業省が管轄)の履行状況が最低ランクに近いとの評価を下した。2016年終了時点で、執行率は74%にすぎない。国庫から530億ルーブルの予算が割り当てられ、実際の歳出はそれよりも100億ルーブルも多かったものの、それでも目標指標の半分も達成されなかった。2016年には198機の航空機が出荷される計画であったが、実際には136機に留まった。プログラム履行のネックの一つとなっているのが、従来ウクライナから調達していたユニット、エンジンの輸入代替の難航である。ヘリコプターの分野でも状況は悪く、国家予算の削減により、政府調達が390機から190機に削られた。ヘリコプターのMi-38では、経済制裁によりカナダのPratt & Whitney社からエンジンを調達できなくなったことが、支障を生じさせた。経済発展省では、航空機発展プログラムの執行者としての産業・商業省の仕事の効率性を、33.3%ときわめて低く評価している。


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 ロシアのメドヴェージェフ首相は4月19日に連邦議会の下院で、2016年の政府の活動を総括する報告を行った。それに合わせて、ロシア政府のツイッターで、2016年の活動実績を図解したスライドが何枚か流れてきた。ここではその中から、個人的に気になったものをピックアップする。ただし、確かに経済・社会指標が改善されていても、政府の手柄かというと怪しいものも含まれている。各スライドはクリックで拡大。

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 これは人口動態に関するスライド。ロシアの平均寿命が、2015年の71.4歳から、2016年の71.9歳へと伸びたというのだが、平均寿命というのは1年でそんなに伸びるものだろうか?

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 これは保健問題についてのスライド。2010年から成人の喫煙率が10%ポイント低下したこと、アルコールの乱用による死亡が低下していることなどが報告されている。

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 これは鉱工業に関するスライド。重機械の生産および輸出、石油ガス機器の国内生産、工作機械の生産と輸出が伸びているとされている。

agri

 最後に、これは農業についてのスライド。2016年には食料品の生産が延び、輸入が減り、輸出が増え、結果として食糧安全保障が高まったとされている。


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 別に新しい情報ではないが、個人的なまとめ作業。2016年4月6日にオランダの国民投票でEU・ウクライナ連合協定の批准が否決され(拘束力はない)、同協定をめぐる状況が袋小路に陥り、EU側は対ウクライナ関係をトーンダウンさせることで、本件収拾を図った。すなわち、2016年12月15日に開催されたEU首脳会議で、連合協定に制限事項を明記することで合意したものである。その合意点は、こちらのサイトに見るように、同日付の欧州理事会決定の付属文書として発表された。以下ではその付属文書にある合意(Decision)を翻訳しておく。

欧州連合、欧州原子力共同体およびその加盟諸国とウクライナとの間の連合協定に関する、欧州連合加盟28ヵ国元首または政府長と、欧州理事会会合の決定

 欧州連合、欧州原子力共同体およびその加盟諸国とウクライナとの間の連合協定にその政府が署名した欧州連合加盟28ヵ国元首または政府長は、

 EU・ウクライナ連合協定批准法案に関する2016年4月6日のオランダ国民投票の結果と、オランダ王国首相によって国民投票に先立ち表明された懸念に留意し、

 EU・ウクライナ連合協定およびEUの諸条約を完全に遵守し、そしてウクライナとの関係を深めたいとのEUの目標に沿いつつ、これらの懸念に対応することを望み、

 2016年12月15日付の欧州理事会の結論を重んじ、

 共通理解として以下のことを決定した。それは、オランダ王国が連合協定を批准し、欧州連合が批准作業を完了したことをもって発効する。

 A.共通の価値にもとづいて連合協定の当事者間の緊密で持続的な関係を構築することを目標としつつ、連合協定はウクライナにEU加盟候補国としての資格を与えるものではなく、将来においてウクライナにそのような資格を与えるコミットメントを成すものでもない。

 B.連合協定は、安全保障、とりわけ紛争回避、危機管理、大量破壊兵器の不拡散といった分野でのウクライナとの協力関係を再確認するものである。それは、EUおよびその加盟諸国に、ウクライナに集団安全保障またはその他の軍事援助・支援を提供することを義務付けるものではない。

 C.連合協定は、市民の移動性を高めるという目標を掲げてはいるものの、ウクライナ市民とEU市民の相互に、互いの領土内で自由に居住・労働する権利を付与するものではない。連合協定は、被雇用か自己雇用であるかにかかわりなく、EU加盟諸国の領土で求職するウクライナ国民への許可割当を決定するEU加盟諸国の権利に影響を及ぼすものではない。

 D.連合協定は、ウクライナにおける改革プロセスを支援するEUのコミットメントを再確認するものである。連合協定は、EU加盟諸国のウクライナに対する追加的な金融支援を求めるものではなく、二国間の金融支援の性格と規模を決定するEU加盟各国の独占的な権利を変更するものでもない。

 E.腐敗との闘争は、連合協定の両当事者間の関係を高める上で、中心的である。連合協定の下で両当事者は、民間および公的の両セクターにおいて、腐敗と闘争しそれを防止する上で協力することになる。法の支配に関連した両当事者間の協力は、とりわけ、司法の強化、その効率の改善、その独立と公平性の確保、腐敗との闘争に向けられる。

 F.民主的諸原則、人権および基本的な自由の尊重、上記E項で言及されたものをはじめとする法の支配の尊重は、連合協定の本質的な要素である。両当事者はそれらの義務の完全な履行を要請され、その履行と執行はモニターされることになる。義務が不履行となった場合には、各当事者は連合協定第478条に則って適切な措置をとりうる。適切な措置の選択に当たっては、連合協定の機能を乱すことが最も少ないものが優先される。これらの措置は、やむをえない場合には、連合協定の条項で規定された権利・義務の停止を含みうる。


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 ウクライナでヴォロディーミル・フロイスマン(ロシア語ではウラジーミル・グロイスマン)首相が就任してから、4月14日で1年が経過した。これに関連し、こちらのサイトで、オレグ・グロモフという評論家が論評しているので、以下のとおり要旨をまとめておく。

 ウクライナと西側の関係という観点から言うと、IMFとの交渉において、様々な困難にもかかわらず、フロイスマンはIMFからトランシュを取り付けており、最近第4トランシュが供与され、近いうちに第5も続く見通しである。IMF側の評価によれば、フロイスマン内閣の最大の功績はマクロ経済を安定化させたことで、ロシアとの通商関係悪化による損失にもかかわらず、2016年の財政赤字を1年前の見通しの対GDP比3.7%から2.3%に引き下げてみせた。

 IMFではさらにウクライナ政府に対して2つの重要な措置を期待しており、それは国内で物議を醸す問題である。第1に年金改革(受給開始年齢の引き上げ)であり、第2に現在は一時見合わせとなっている土地売買の自由化である。

 これらの措置の実施は、連立与党の実質的な崩壊ゆえに、困難なものとなる。2016年にポロシェンコ・ブロックの何人かの議員は会派を離脱し、ヤツェニューク首相退陣後の「人民戦線」議員たちも煮え切らない姿勢を見せている。その幹部の一人であるアヴァコフ内相は、大統領選出馬の野心を持っており、フロイスマン首相およびポロシェンコ大統領を同盟相手というよりはライバルと見ている。それは、内相の支配下にある民族主義的な軍人集団の動きにも見て取れ、それが昨今のドンバス封鎖やロシア系銀行圧迫政策といった流れを主導しており、政府は不本意ながらそれを受け入れざるをえなくなっている。

 かくして、内閣は宙ぶらりんの状態となり、こうした状況では市民の生活水準を削るような法案を通すのはきわめて困難である。来たる大統領選のことを考えれば、なおさらだ。

 つまり、フロイスマン首相にとっては難問が増すばかりで、彼は前任者のヤツェニュークに劣らず政治的なカミカゼ特攻隊とならざるをえない(ちなみにヤツェニュークは退任後、政界から完全に消えた)。世論調査によれば、国民のフロイスマン支持率は2%以下なので、ヤツェニュークと同じ運命を辿る可能性が高い。

 マクロ経済安定化は、フロイスマン首相および政権の人気低下という代償を伴っている。公共料金は2015年から2017年3月までに2倍以上になっている。平均年金が1,000グリブナであることを考えると、高齢者の大部分は自動的に無産階級に転落した。こうした状況では、フロイスマンが首相から退いた後、第二の政治人生が待っているかというと、それは厳しい。

 フロイスマンはレームダックと化して現在に至っており、自立した政治的な展望を切り開く見通しはない。ヤツェニューク同様、西側からの支援が得られるにしても、部分的にすぎない。現に、欧米からは構造改革の遅れを批判されている。

 フロイスマンがテクニカルな首相であるがゆえに、今のところ解任を免れている。また、ティモシェンコも、他の野党勢力も、ポロシェンコ・チームも、不人気な政策を実施せざるをえない首相というポストを引き受ける用意は今はできていない。ヤツェニューク以来、ウクライナの首相という役回りは、そのように損なものとなっているのである。


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 コメルサントのこちらの記事が、少々奇抜な話題を伝えている。これによると、ロシアの産業・商業省と運輸省は、国産リージョナルジェット機「スホーイスーパージェット(SSJ)100」の販売を拡大すべく、新たな方策を模索している。その一環として今般、既存のレッドウイングス社を基盤に、新たな航空会社複数を創設し、SSJを100機納入するという案を発案した。2018年から2022年にかけて100機を納入し、それと並行して国内7~9箇所に整備場を設置する計画。ただし、レッドウイングスにはSSJ100運航失敗の経験があり、専門家らは本案が成功するのは国から補助金が供与された場合だけであろうと指摘している。

 普通は、旅客需要があり、それをターゲットとして航空会社が生まれ、それに向けて航空機メーカーが旅客機を開発・販売するというのが自然な姿であろう。ロシアの場合には、まず航空機生産ありきで、それに合わせて航空会社を設立しようということのようである。


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 3月末のやや古い情報だが、こちらの記事が、ウクライナのポロシェンコ大統領がトランプ米新大統領との会談実現を試みているが、なかなか実現しないということを伝えている。

 記事によると、ポロシェンコは何としても、プーチン・ロシア大統領に先んじてトランプ大統領に会いたいと願っている。米ロ首脳が7月のドイツでのG20サミットで顔を合わせることは確実なので、それよりも前ということになる。ポロシェンコのチームは今年に入って、2月および4月という会談候補日を挙げていた経緯があるが、現在ではウクライナ外交当局は、イタリアで開かれるG7か、またはブリュッセルでのNATOサミットで米ウ首脳会談が開催される可能性があるとしている。ただし、現在のところウクライナは正式な招待を受けているわけではない。

 2月5日にポロシェンコとトランプが電話会談を行い、その後、首脳会談の件も話し合われたことが明らかになったが、具体的なことは何ら発表されなかった。外交筋によれば、電話会談でポロシェンコは、ドンバス和平に関する「Great plan of peace」、通商および投資プロジェクトに関する「Great story of success」を提案、トランプ側はそれらの問題を首脳会談で話し合うことにしようと応じたという。電話会談後、ポロシェンコ政権側は2月末にも首脳会談の開催が可能と踏み、ポロシェンコが国連安保理に出席してその足でニューヨークからワシントンDCに向かうという青写真を描いたが、その時点では米側の同意が得られなかった。ポロシェンコは、2月末にミュンヘンで開催された安保会議でペンス米副大統領と面談するに留まった。

 現在ウクライナ側が最も有力視しているのは、5月25日のブリュッセルにおけるNATOサミットの場である。もう一つ、5月25~27日にイタリアで開催されるG7サミットがある。もっとも、両方の行事で、今のところウクライナが正式に招待されているわけではない。それでも大統領の側近によれば、「我々は希望を失っていない。米側は我々に、『会談の準備ができたら、24時間前に連絡するから、すぐに飛んでくるように』と言っていた」ということである。ウクライナ最高会議のアンナ・ホプコ外交委員長は、ウクライナにとってトランプにドンバス和平についての我々の立場、ロードマップを伝え、米国がそれを共有し和平プロセスに関与してくれることは、きわめて重要だと話す。

 2017年にウクライナのクリムキン外相はすでに2度訪米しており、ティラーソン国務長官、マクマスター国家安全保障問題担当大統領補佐官と面談している。ウクライナ側はその最大の成果が、クリミアとドンバスはまったく別個の問題であること、それらに関し「取引」などは一切ありえないということを、ティラーソン長官がしっかり理解できた点だとしている。ウクライナ側はフリン氏に代わって国家安全保障問題担当大統領補佐官に就任したマクマスター氏との会談にとりわけ手応えを得ており、ウクライナ問題についての理解を深めてくれたとしている。

 ポロシェンコ周辺の証言によれば、トランプは前任者のオバマとは異なり、米国がミンスク和平プロセスに参加することに反対ではない。一方、ロシアは現在、別の形式で交渉を行うことを含め、全力でミンスク和平を葬ろうとしており、それゆえに米の参加に反対していない。ドイツは米国の参加には難色を示している。ウクライナは、誰もミンスク合意を破棄しないのであれば、形式へのこだわりはない。その間にトランプはプーチン大統領との対話を試みており、4月半ばにはティラーソン国務長官が訪ロ、前任者のケリー長官はウクライナに立ち寄ってから訪ロしていたが、今回はウクライナを素通りであり、ウクライナ側は不満を抱いている。トランプ政権がノルマンディー4のすべての国との個別交渉を進める中、ノルマンディーフォーマットの交渉は実質ストップしている。ロシアは外務次官会合を欠席した。一方、ウクライナ代表のクチマ氏は、ノルマンディー4による迅速な首脳会談が必要だと主張している。


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 モルドバがドドン大統領の就任以来、大統領の主導でロシアおよびユーラシア経済連合へと舵を切りつつあることは、以前こちらでも報告したとおりである。その後の重要な動きとして、こちらのサイトに見るとおり、4月3日にドドン大統領とユーラシア経済委員会のサルキシャン理事長が「ユーラシア経済委員会とモルドバ共和国間の協力メモランダム」に調印するという動きがあった。メモランダムのテキストはこちらで閲覧することが可能。ただし、ウクライナについて指摘したのと同様で、今回のユーラシアとモルドバのメモランダム調印をもってモルドバがユーラシアのオブザーバーに正式になるわけではない。メモランダムにそのようなくだりは見当たらないし、またあくまでも覚書で国際条約ではないので、拘束力がないということも明記されている。ロシア/ユーラシア側は、ドドン大統領がどれだけモルドバをまとめて方向転換を果たせるのか、お手並み拝見ということなのだろう。なお、ユーラシア経済連合のオブザーバーとは何ぞやという説明を、こちらのサイトで見付けた。


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 こちらのサイトで、政治学者のアンドレイ・スズダリツェフ氏(写真)がロシア・ベラルーシ関係についてコメントしているので、要旨をまとめておく。

2015_12_25_andrey_suzdaltsev_3551 ロシアとベラルーシの対立は完全に解消したわけではない。対立は2015年末に始まり、2016年1月にガス問題をめぐって先鋭化、それが15ヵ月ほど続いた。そもそもの問題は、ベラルーシがロシアから享受する優遇、融資、ロシア市場へのアクセスが、ベラルーシが自国民を養うのに不充分なレベルだったということである。ベラルーシは、ロシア本国に劣らず、ロシアの財政によって生きており、それには安いエネルギーの供給も含まれる。ベラルーシは、自分たちはより多くを要求する権利があると考え、2016年1月から契約通りにガス代金を払うことを停止したのである。

 ロシア・ベラルーシ関係は、パラダイムが変わった。第1に、ロシア側はベラルーシに対する譲歩をやめた。ロシアはベラルーシに、法律にもとづいて契約を果たすよう求めた。第2に、ロシアは過去四半世紀、ベラルーシへの支援を前払いという形で支払ってきたが、それに対するしかるべき見返りをベラルーシから得られなかった。そこでロシアは支援水準を引き下げたが、ベラルーシ経済はカネを浪費するブラックホールのようなものであり、ベラルーシ指導部はその数倍もの支援を求めた。過去数年で様々な形により20億ドルをつぎ込んだにもかかわらず、その結果としてベラルーシに出現したのは崩壊した経済、より貧しい国民、出稼ぎの横行(3月時点で約50万人がロシアで働いている)、ベラルーシ版オリガルヒの輩出だった。こうした次第なので、今後も対立は続くが、今は一時的に収まったところである。


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 今さら昔話をしても仕方がないのだけれど、先日あるウクライナ関係者が、「2013年にウクライナはユーラシア関税同盟にオブザーバー加盟した」と発言していて、当方は「おや?」と思った。私の認識では、確かに当時のヤヌコーヴィチ政権は関税同盟にオブザーバー加盟をした上で「3+1」といった形の協力関係を築きたいと願ってはいたが、結局それが実現しないうちに2014年のユーロマイダン革命を迎えたと理解していたからである。

 そこで、事実関係を確認してみると、私の理解で正しかった。当該の動きは、当ブログでもこちらのエントリーで取り上げていた。それで、その当時は怠っていたのだけれど、今回はユーラシア側とウクライナとのメモランダムの原典テキストにも当たってみた。こちらのサイトに掲載されている「ユーラシア経済委員会とウクライナ間の連携強化に関するメモランダム」というのがそれで、2013年5月31日に調印されている。この中で、「関税同盟、単一経済空間諸国との連携を深化し、その後にユーラシア経済連合のオブザーバーになりたいというウクライナの希望に留意し」という文言がある。明らかに、ウクライナがオブザーバーになる希望を表明し、ユーラシア側は単にそれをテイクノートしただけである。しかも、ご丁寧にも、この文書の末尾には、本文書は国際条約ではなく、何らの権利も義務も発生しないということが明記されている。

 しかし、このメモランダムを読むと、内容が滑稽だ。ウクライナは、ユーラシア側から招待された場合には、ユーラシアのサミット等の会合の公開部分に出席できるとされている。公開部分というのは、マスコミのカメラが入っているセレモニー的な部分ということだろう。そんな形ばかりのパートに出席して意味があるとは思えない。また、ウクライナはユーラシアで採択された文書の写しを受け取る権利をもつ、ただし部外秘文書を除く、などとされている。ユーラシアで採択された文書は、秘密資料以外はすべてウェブサイトに公開されるはずであり、まったく無意味な「権利」だ。さらには、ウクライナはユーラシアの諸文書に示された原則を順守し、ユーラシアの利益に反する言動は差し控える、などという笑える文言もある。結局のところ、ロシアはウクライナに対し、ユーラシアかEUかの二者択一を厳しく迫り、いいとこ取りは許さなかったということだろう。


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 世銀のこちらのページに、世界各国の国民による国外出稼ぎ収入の各種統計が掲載されている。ここではその中から、2015年のロシア・NIS諸国の国外出稼ぎ収入が、各国のGDPに対してどれだけの比率を示しているのかという数字をピックアップし、上掲のようなグラフを作成してみた。特に新たな驚きはなく、既知の構図が再確認できる。タジキスタン、キルギス、モルドバといったNISの低開発な小国は、国外出稼ぎ収入への依存度が世界的に見てもかなり高いことが知られている。ウクライナやウズベキスタンも、大量の国外出稼ぎ労働者を送り出しているが、この両国の場合には自国の経済・人口規模がそれなりに大きいので、対GDP比ということでは若干数字が下がる。ロシアやカザフスタンは、むしろNIS諸国から労働移民を受け入れる側であり、この指標はごく小さい。ただし、ロシア人やカザフ人が出稼ぎとまったく無縁というわけではなく、たとえばロシアの地方の人たちがモスクワなどの自国の大都会に働きに出るような国内出稼ぎ現象は、広範に見られるはずだ。

 なお、ウクライナの国外出稼ぎ収入の推移は下図のとおり。最大の出稼ぎ先がロシアだったので、その景気悪化と両国関係の対立で、収入は低下を辿っている。

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 ロシア・タタルスタン共和国の石油会社「タトネフチ」は、かつてウクライナの製油所に出資したのだが、乗っ取りまがいの所有権簒奪に遭い撤退を余儀なくされ、その後法廷闘争が続いた。その事実関係についてこちらの記事が触れているので、要旨を整理しておく。

 ウクライナのクレメンチューフ製油所は、原油供給を確保するため、1994年に合弁企業「ウクルタトナフタ」を創設し、ウクライナ側の出資分として製油所が同社に移管され、タタルスタン側からは採掘企業(複数)の株式と現金による出資がなされた。タタルスタン共和国とタトネフチが、計55.7%の株式を握っていた。しかし、2007年にタタルスタン側は合弁企業に対するコントロールを失い、2009年にはウクライナ側の裁判所の判決によって所有権を完全に剥奪された。タトネフチはロシア・ウクライナ投資促進保護協定にもとづいてウクライナを相手取り2008年に調停手続きを開始した。2014年7月にハーグの国際仲裁裁判所はウクライナの協定違反を認定し、タトネフチに1億1,200万ドルの補償金を利子付きで支払うことをウクライナ側に言い渡した。ウクライナ側は後日、これを不服としてパリの裁判所に上告したが、2016年11月末に却下された。そして今般タトネフチは、ウクライナ側が1億4,400万ドル(これが利子付きの金額?)の補償金を支払うよう、強制執行を求める訴えをロンドンとモスクワの裁判所に提訴した。


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 昨日お伝えしたように、1年以上続いてきた石油ガス供給をめぐるベラルーシとロシアの対立が、このほどようやく解決した。そして、明らかにこの両国の歩み寄りを受けた動きになるが、こちらこちらの記事が伝えているとおり、ベラルーシのルカシェンコ大統領は4月11日、ユーラシア経済連合の関税法典に署名を行った。当ブログでも何度か報告してきたとおり、昨年12月に開催されたユーラシア経済連合の首脳会合をルカシェンコはボイコットし、同会合では目玉であったユーラシア経済連合関税法典への署名を、ベラルーシ抜きの4ヵ国首脳だけで行った経緯があった。ユーラシア経済委員会によれば、ルカシェンコの署名はすでに事務局に届いており、近く関税法典はウェブサイトに掲載されることになる、という。

 なお、ユーラシア経済連合の概要をまとめた便利な図がこちらに出ていたので、転載させていただく。

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 こちらなどが伝えているように、1年以上続いてきた石油ガスをめぐるベラルーシとロシアの対立が、このほどようやく解決した。ロシアからベラルーシへの天然ガスと石油の供給条件に関し、両国政府間で妥結し、4月13日に合意文書(複数)に署名したものである。今回の文書署名に先立っては、ガスプロムが、ベラルーシから2016~2017年のガス代金7億2,620万ドルを満額受け取ったと発表していた。

 今回の合意によれば、ロシアはベラルーシ向けのガス価格に、現行の価格決定方式から割引する係数を適用する。また、原油供給は、削減前の水準である年間2,400万tに戻すこととする。ただし、合意の細部は公表はされていない。

 ガス供給価格は、2017年は現行のままで、2018~2019年は13日にガスプロムのミレル社長とベラルーシのセマシコ副首相が調印した覚書に沿って決定される。ただし、詳細は明らかになっておらず、ガスプロムでは単に「従来通りヤマロ・ネネツ自治管区での価格にリンクして決められる」と説明している。ロシアのドヴォルコヴィチ副首相は、2018年からベラルーシ向けの単価は130ドル以下となると言明している。両国が加盟するユーラシア経済連合では、2025年に共同ガス市場を発足させることになっており、両国はそれに向けて2018年までにそれぞれの提案を示すことになった。

 原油供給に関しては、2017年から2024年まで、年間2,400万tをパイプラインで供給することになった。なお、2021年以降、供給を2,400万tよりもさらに拡大する可能性もあるとされている。


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kawase

 ちょっと用事があって、こんな図を作ってみた。2016年のロシア・NIS諸国の為替下落率とインフレ率を対比させつつ図示したものである。為替は、2016年末の各国通貨の対米ドル公定レートを、2015年末のそれと比較し、名目で何パーセント下落したかを見ている。なお、あくまでも下落率なので、棒が上を向いているプラスが下落(通貨安)ということであり、下を向いているマイナス値は逆に名目の通貨高を意味する。たとえば、2016年のロシアの場合には、マイナス16.8%だから、名目でそれだけルーブル高になったということである。一方、インフレ率は消費者物価上昇率であり、年末ベース(12月の前年同月比)のデータとなっている。言うまでもなく、名目の為替下落率よりもインフレ率の方が大きければ、それだけ実質の通貨高が生じていることになり、2016年にはそうしたパターンの国が多かったようである。


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pipe

 あからさまな手抜きで恐縮だが、こちらのサイトに、2015~2016年のウクライナのメーカー別鋼管生産量というデータが出ていたので、備忘録がてら紹介する。案外レアな情報ではないかと思う。

 一番上にあるハルツィシク鋼管工場は、アフメトフ氏のSCM/メトインヴェスト傘下であり、CISを代表する天然ガス輸送用大径管メーカーだったのだが、ドンバス占領地に所在し、その凋落が悲しい。


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1481350020 ウクライナの中銀総裁はヴァレリヤ・ホンタレヴァ(写真参照、ロシア語ではヴァレリヤ・ゴンタレヴァ)という女性が2014年6月19日から務めてきた。しかし、汚職容疑を追及されるなどして窮地に陥り、4月10日に辞意を表明した。最高会議の議決を経て、退任が正式に決定する運び。ただ、ウクライナではありがちなことに、本件は完全に政争の具となっており、様々な議論が飛び交っている。

 こちらに見るとおり、金融専門家のセルヒー・フルサ氏は、「我々はホンタレヴァに感謝しなければならない」と主張している。フルサによれば、ホンタレヴァは中銀そのものと銀行セクターの改革をかつてなく大胆に推し進めた功労者である。ただ、痛みを伴う改革ゆえに敵も作り、オリガルヒの保有するマスコミでバッシングを受けることになった。IMFや国際金融筋は、ホンタレヴァを賞賛していた。ホンタレヴァが、一時的なやむをえない行政措置から卒業でき、彼女本来の哲学である自由化に向かえればよかったのだが、改革がそこまで貫徹できなかったのは残念。ホンタレヴァの厳格な通貨政策のお陰でベネズエラのような泥沼に陥らなかったことに感謝したい。ゾンビ銀行を淘汰した政策も正しかった。フルサ氏は概略以上のように訴えている。

 一方、こちらでは、ウクライナの政治評論家のルスラン・ボルトニクが、ホンタレヴァについて批判的に論評している。いわく、ホンタレヴァの退任はだいぶ以前から取り沙汰されていた。彼女は政界での信用を完全に失っただけでなく、肝心なことには、ポロシェンコ大統領の支持も失っていた。彼女の腐敗疑惑が数多く噴出したのは、まさにそれに関連している。西側パートナーの影響下にある「国民腐敗対策局」だけでなく、大統領の影響下にあるウクライナ検察庁からも、批判にさらされていた。過去数ヵ月、政権中枢から、ホンタレヴァに辞任を仕向けようという働きかけが続いてきた。その際に、彼女は職務上、政権幹部の不都合な情報を握っているので、特定のスキャンダルを理由に解任するということは避けたかった。他方、もう一つの考えられるシナリオとして、現在ウクライナでは連立の組み替えに関する交渉が進んでおり、急進党あたりが連立に復帰する可能性があるが、その際に取引材料として中銀総裁ポストを使う可能性があり、そのためにホンタレヴァに退任を依頼したということも考えられる。

 こちらでは、経済評論家のオレクサンドル・オフリメンコが、ホンタレヴァの仕事について批判している。オフリメンコいわく、彼女の仕事の評価はとても簡単で、結果は銀行システムの焼け野原だ。彼女以前にはどうにかこうにか機能していた銀行システムが、現時点では完全に崩壊している。彼女の下で、外為市場は実質的に闇市場化し、融資は機能せず、国民は銀行を信用しなくなった。今後は、5年ほどで銀行システムを再興できるような優秀な専門家を総裁に据えるべきだ。人選は全面的にポロシェンコ大統領にかかっている。オフリメンコはこのようにコメントした。

 関連して、ウクライナの銀行数の減少を示した上掲の図は、こちらから拝借した。


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 こちらの情報によると、4月6日に医療用品の輸入代替に関するロシア政府の会合が、D.メドヴェージェフ首相の主宰により開催されたということである。その席でのメドヴェージェフ首相の発言によると、医療用品の開発・生産のために、2011年以降、169のプロジェクトに対して、360億ルーブルの支援がなされ、うち185億ルーブルが国家財政からの資金であった。医療用品を臨床試験し生産を組織するための費用の一部を補助する制度があり、2016年には「産業発展基金」からそうしたプロジェクトのために30億ルーブルの融資が提供された。また、政府調達においては国産品を優先するルールがあり、ロシア企業から2社の応札があった場合には外国製品は排除されることになっており、すでに100以上の製品にそのルールが適用されている。これらの取組は一定の成果を挙げており、医療用品の生産は2016年に前年比で(実質? 名目?)15.5%拡大した。金額ベースで、過去6年間で倍増している。国の輸入代替支援により75の医療用品が市場に投入されており、うち36は従来ロシアで生産されていなかったものが2016年に登録されたものである。むろん、輸入代替が品質の低下に繋がらないことが肝心である。メドヴェージェフ首相は以上のように述べた。


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