服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 サハ共和国ゴルヌィ地区。実はかつて「日めくり紋章」でサハ共和国のシリーズを手掛けたことがあるが、その時にはこのゴルヌィ地区の紋章は取り上げなかったと思う。たとえばこちらのチュリマン町のように、サハ共和国の紋章ではトナカイが頻出していたわけだが、今回のゴルヌィ地区のデザインはトナカイではなくヘラジカである。


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 当ブログでは何度か触れたことがあったかと思うが、内陸国のベラルーシは輸出貨物(特に同国の主要輸出品である肥料および石油製品)を海上輸送する上で外国の港から発送する必要があり、これまではEU圏のリトアニア、ラトビアの港を使うことが主流だった。これは、同盟国のベラルーシに有利な条件で原油等を供給しているロシアにとっては不満の種であり、ロシアはベラルーシに対して、ロシア北西部の港湾を利用することを求めていた。

 それで、こちらの記事によると、このほどベラルーシ石油会社のS.グリブ社長代行が、この問題についてコメントした。グリブ代行いわく、ベラルーシの石油製品をロシア港湾経由で輸出することは、一定の条件では経済的合理性を確保できるかもしれないが、バルトとロシアの料金を比較すれば、ロシア側には努力の余地がある。鉄道料金だけでなく、海上輸送運賃、港湾料金も考慮しなければならない。ナフタン製油所からリガまでは400kmだが、ロシアのウスチルガまでは800kmである。グリブ代行はこのように述べた。


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 ロシアにVIM航空という航空会社がある。面倒なのでウィキペディアをコピーさせていただくと、モスクワ=ドモジェドヴォ空港を発着する国際定期便・チャーター便や旅客・貨物便を運航したり、ウェット・リースを行ったりする。VIM航空は2000年に運航を開始し、2004年末にはチタアヴィアとアエロブラーツクを、続いて2005年にはロシアン・スカイ航空を買収した。また2004年には、新しい株主がボーイング757-200を12機購入しチャーター市場に参入したため市場を揺るがした(初めてこの機種を使用したロシアの航空会社であった)。

 こちらのサイトによれば、上表に見るとおり、2016年の旅客数×距離の指標で、VIM航空はロシア第11位の航空会社だった。

 そして、こちらのニュースなどで伝えられているとおり、このほどそのVIM航空の経営が行き詰まり、13億ルーブルの負債を抱えて資金繰りがつかずに、運航継続が困難となったということである。


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 10月15日(日)にワークショップ「サッカーとグローバル関係学」が開催され、それに登壇して「ロシアはワールドカップのレガシーを活かせるか?」という報告を行うことになりました。詳しい情報はこちら参照。参加自由で、事前登録も不要とのことですので、よかったらチェックしてみてください。


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 当ブログでは3ヵ月ほど前に、「2030年までのロシアのサッカー発展戦略」というエントリーをお届けした。ロシアでは現在、「2030年までのロシア連邦全国民サッカー発展戦略」を新たに策定する作業が大詰めを迎えている。2015年12月8日に開催された関係会合後に大統領の指示を受けて作業が始まった。2017年4月8日にロシア・サッカー協会が戦略を採択し、それを受けスポーツ省も同戦略を承認、近くロシア連邦政府が承認して正式に採択されることになるというのが、その時お伝えした内容だった。ただ、その後政府がこれを正式に採択したという情報は、確認できていない。

 それで、今般その戦略のテキストを読み込んでみたところ、重要な点に気付いた。当たり前と言えば当たり前なのだが、ロシアは2018年のワールドカップに向けて整備したサッカー関連施設を、大会後にどう活用していくのかという点に、重大な関心を寄せているという事実である。世界各国でオリンピックやFIFAワールドカップといったスポーツの大イベントが終わった後に、施設が有効活用されず、酷い場合には廃墟と化したりする現象が問題になっているわけだが、ロシアは大会準備期間からすでにそれに関する問題意識をもって事に当たっているということのようである。

 実際、上掲の「戦略」を読んで知ったのだが、ロシア連邦政府のスポーツ省は2015年6月26日付省令第679号により、「ロシア連邦諸地域の需要を考慮に入れた大会終了後の有効活用に関するサッカー・ワールドカップのレガシー構想」と題する文書を採択していたということである(Утвержденная приказом Минспорта России от 26.06.2015 № 679 «Концепция наследия чемпионата мира по футболу по обеспечению эффективного использования в постсоревновательный период спортивных объектов с учетом потребностей субъектов Российской Федерации»)。個人的に、初耳であった。

 ところが、そこから先が、いただけない。私がリサーチを試みた限り、この「レガシー構想」は、非公開になっているようなのである。諸々ネット検索してみても、スポーツ省のウェブサイトを調べてみても、省令第679号は欠落した状態になっている。レガシーの活用は、地方・経済界・クラブ・市民など、多様な層の参画を得てこそ成果が期待できるはずなのに、肝心の「レガシー構想」を伏せたままにしておくというのは、信じがたい感覚である。


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 HP更新しました。マンスリーエッセイ「『ベラルーシを知るための50章』が刊行されました」です。当ブログでもすでに簡単に告知はしましたが、改めてエッセイで刊行に当たっての所感を述べました。


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 ベラルーシで企業活動自由化に向けた動きが進行しているようである。こちらの記事によると、9月26日にV.マチュシェフスキー第一副首相がA.ルカシェンコ大統領と面談した際に、「企業活動の発展について」と題する大統領指令案を大統領に提出したということである。経済自由化の鍵となる文書とされている。具体的には、消防・環境・衛生などの統一基準、予見可能な税制、国の経済活動への介入の最小化、起業をする際に届け出だけすればいいこと、行政的障壁の撤廃、ライセンス制の改善、事業活動の停止を決められるのは裁判所だけであること、事業ライセンスの電子交付、国と企業家層との対話、ITへのシフトなどが主な方向性ということである。


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 以前、「ウクライナとの領土交換で黒海への出口を得たモルドバ」と題する記事の中で、モルドバのジュルジュレシティ港についてお伝えしたことがある。内陸国であるモルドバは、元々は黒海への出口を持たなかったが、モルドバがウクライナと領土交換条約を結んだ結果、モルドバはドナウ川の河川港を手に入れ、これによりドナウ川経由ではあれ、自国の港を基盤に黒海海運にアクセスできるようになったという話題であった。

 それで、その後ジュルジュレシティ自由港は、まずまず順調に発展を続けているようである。2016年までの自由港の活動実績は、下に見る表のとおりである(出所はこちら)。そして、こちらの記事では、2017年上半期の自由港の活動実績が伝えられている。それによると、2017年上半期の取扱貨物量は35.9万tで、前年同期比4.6%拡大した。輸出では穀物が、輸入では石油製品が多い。これまでに、自由港には6,870万ドルが投資され、その大部分は同港のオペレーターであるDanube Logistics社による投資である。

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 先日、「ロシアが自動車輸出戦略を策定」というエントリーをお届けしたが、その姉妹編のような感じで、このほどロシア政府は航空機の輸出に関する戦略も策定した。こちらのサイトこちらのニュースが伝えているように、ロシア政府が9月18日付の政府指令により、「2025年までのロシア連邦民間航空機産業輸出発展戦略」を採択したものである。

 この文書によれば、2016年の時点で、ロシアの航空機産業のうち民間航空機部門は17%にすぎないということであり、つまり残りの大部分は軍需ということなのだろう。民間航空機産業の内訳は、エンジン生産24%、航空機生産22%、ヘリコプター12%、機器・ユニット生産6%など。2016年の場合、航空機生産136機のうち、民間機は28機だけ、同じくヘリコプターでは169機のうち22機だけだった。ロシアは金額ベースで世界の民間航空機・ヘリコプター生産の1%弱しか占めていない。2016年のロシアの民間航空機輸出は4.7億ドルで、スホーイスーパージェット11機、ヘリコプター6機が輸出されただけだった。こうした状況を、政府が様々な支援策を講じて打開していこうというのが、今回の戦略である。基礎シナリオでは、2025年の民間航空機産業の輸出が34.6億ドルに伸びると想定されている。


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 こちらの記事などによると、ウクライナ政府は9月半ばにユーロ債を発行し、2014年以来の国際起債市場復帰を果たした。期間15年、利回り7.375%で、30億ドルを借り入れたもの。ただし、今回のユーロ債発行につき国際的な格付け機関のフィッチは、借り換えのリスクを低下させ外貨準備を拡大するものであり、国際収支の柔軟性という点では評価すべきであるものの、ウクライナが借り手としての信用を完全に回復できない当面の間は、ウクライナにとっての主たる貸し手は今後も公的機関、とりわけIMFに留まるだろうと指摘した。


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 こちらのページに、ロシア国民の各種アルコール消費量の推移を図示したものが出ているので、紹介する。1人当たりの年間消費量をリットルで示している。一番上の黄色い線がビール、真ん中のグレーの線がウォッカ、下の紫の線がワインである。しばらく前まで、ウォッカの消費量が趨勢的に低下し、それに代わりビールやワインなどの軽めの酒が伸びるという構図があったが、ここ数年はビールやワインも低下している(ただ、2016年のワインの落ち方はあまりに急激であり、正確な統計値なのか、疑問も感じる)。その原因には、景気の低迷、広告や販売の規制などがあるだろうし、日本と同じで若者を中心とした酒離れもあるだろう。

 ちなみに、こちらのレポートによれば、日本の1人当たりビール消費量は発泡酒等も含め2015年時点で42.3リットルということらしい。外国人は日本人が居酒屋で「とりあえずビール」と、ビールを偏愛していることに驚くらしいが、実際に消費量を比べると日本人はそれほど多くなく、ロシアよりも下ということになるらしい。まあ、日本の場合は、なんとかサワーとかなんとかカクテルとか、軽いアルコール飲料の選択肢が多いからねえ。


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 ヘラジカをあしらった紋章のシリーズ。ベラルーシ共和国ヴィテプスク州ロソヌィ町。ロソノ湖のほとりに築かれた街で、対ロシア国境から程近い。1552年から知られる集落で、今日では製材、建材の生産などが主産業。


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 こちらの記事によると、ウクライナに「未来についての対話」というテレビ番組があるそうで、9月21日に出演したナフトガス社幹部のYu.ヴィトレンコ氏が、ロシアからの天然ガスおよび石油の輸入の可能性に言及したということである。同氏いわく、きわめて悪い傾向が生じている。結局、元の木阿弥となり、2030年までに、ウクライナが再びロシアの天然ガスおよび石油を買うようになるかもしれない。確固たる発展の体制がなければ、古く、より根強い体制に逆戻りしてしまう。ウクライナの場合、それはオリガルヒ体制だ。残念ながら、ウクライナではオリガルヒ体制への逆戻りが基礎シナリオである。このモデルの国で、そこから脱却できた国は少ない。ヴィトレンコ氏は以上のように述べた。

 ウクライナがオリガルヒ体質であるがゆえに、ウクライナのロシアからの天然ガス・石油輸入取引が歪曲されたのは事実だと思うが、ではロシアからの天然ガス・石油輸入をやめればウクライナのオリガルヒ体質が治るかというと、だいぶ疑わしい。


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 サッカーのスパルタク・モスクワと言えば、昨シーズン久し振りのリーグ優勝を遂げたばかりだが、同クラブの経営にとって問題が一つ発生したようである。これまでスパルタクのスポンサーの一つとなってきたのが、オトクルィチエ銀行であり、そう言えばスタジアムもオトクルィチエ・アリーナと言うのだが、同銀行が経営破綻してしまい、この8月に清算されたのである。

 こうした事態を受け、こちらの記事では、スパルタクのオーナーであるL.フェドゥン氏(ルクオイル副社長)のコメントを伝えている。フェドゥン氏いわく、クラブを維持するのは楽ではないが、絶対に売却はしない。買収を申し出ている投資家たちもいるものの、本気の提案は見られない。ロシア屈指の人気クラブを経営するのは精神的にきつく、昨シーズン優勝して2週間はヒーロー気分だったが、そのあと試合に負けるとすぐに非難され、こんな重圧下でもう16年もやっているのだ。サッカーの世界ではプレーヤーの値段が高騰しすぎ、最高レベルのプレーヤーを欧州のクラブと競争して獲得するのは不可能だ。フェドゥンは以上のようにコメントした。


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 しばらく前から伝えられていた動きだが、改めて、こちらの記事によると、ベラルーシ産業の代名詞とも言うべきトラックメーカーのミンスク自動車工場(MAZ)が、主力のロシア市場で大苦戦している。つい最近までロシアのトラック新車販売台数のランキングでベスト3に入っていたが、直近では7~8位程度に後退しているということである。

 そこで、原典に当たってみたところ、なるほど、そのとおりだった。上掲が2014~2015年の状況(出所はこちら)、後掲が2017年1~8月の状況である(出所はこちら)。MAZはベラルーシで最大の従業員数を誇る企業だけに(ただし、20万人の東芝さんに比べれば10分の1程度だが)、同社の販売不振はベラルーシ全体にとっての大問題である。

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 個人的に良く知らないところだったが、「アトン」というロシアのコンサルタント会社があるそうである。こちらの記事によると、そのアトン社がこのほど発表した冶金産業に関するレポートの中で、為替レートが各社の経営に及ぼす影響が分析されているということである。

 それによれば、為替が対ドルでルーブル高になった場合に、最も打撃を受けるのはルサール、エヴラズであり、打撃が小さいのはポリュス、ノリリスクニッケルである。一般論として言えば、金、非鉄金属、石油など、ロシア国内にアセットを持ちドル建ての輸出収益を得ている企業にとって、強いルーブルは不利である。ルーブルが5%強くなれば、冶金産業のEBITDAは平均でやはり5%ほと低下する。ただ、エヴラズでは8%、ルサールでは9%低下する。その原因は、業界平均のEBITDA利益率が34%であるのに対し、エヴラズでは20%、ルサールでは23%に留まること、またルーブル建ての費用の比率が70%と高いことである。逆に、5%ルーブル高になっても、ポリュスではEBITDAが2%ポイント減に、ノリリスクでは3%ポイント現に留まり、それはEBITDA利益率が50~60%と高いからである。他の条件が同じなら、利益率が低いほど、ルーブル高の打撃が大きいということになる。


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 私が尊敬する経済学者の野口悠紀雄先生は、「経済学者が本物であるかどうかを見分けるのは簡単だ。為替レートの予想をするのがニセモノ、しないのがホンモノだ」といったことをおっしゃっている。先生によれば、たとえば現在1ドル=110円だとすると、そこには我々の知りうるすべてのイベントがすでに織り込まれている。逆に、為替に織り込まれていないような未来の不確定な出来事を正しく予見するのは、不可能である。素人が、「アメリカでは利上げが続くだろうから、当面ドル高だな」などと考えてドル投資をするようなことは、やめた方がいいということになる。1ドル=110円は、すでにその利上げ観測込みの為替になっているのだから。

 というわけで、為替の予測には本質的に意味がないということを前提とした上で(笑)、参考までにこちらの記事によれば、ロシアのM.オレシキン経済発展相がルーブル・レートの見通しについて述べたということである。大臣いわく、経済制裁が維持される見通しで、石油価格の軟化が予想されるにもかかわらず、為替は2018~2020年に安定するだろう。我々は経済予測の保守的シナリオにおいて、石油価格が45ドル以下に低下し、世界経済が減速し、グローバル・マーケットがリスクオフになることを想定している。基礎シナリオにおいては、対ロシア制裁が維持され、ロシアとOPECの減産合意が2018年3月まで維持されることを想定している。実質為替レートはしばらく増価したあと、4月に下落したが、今後は大きな変動はないだろう。大臣は以上のように述べた。


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 ウクライナで毎年開催されている「ヤルタ欧州ストラテジー(YES)」という国際フォーラムがあり、3年前のクリミア併合以降はヤルタでは開催できなくなってしまったが、キエフに場所を変えてイベント自体は継続しており、本年も9月14~16日に開かれたということである。こちらのサイトによると、本年のYESに向け欧州7カ国でウクライナのEU加盟とNATO加盟に関し世論調査が行われ、その結果概要がYESの場で発表されたということである。しかし、上掲のようなふざけた動画を制作しているヒマがあったら、結果の一覧表でも淡々と示してくれた方がよほど役に立つと思うのだが、今回のリリースでは世論調査結果のほんのさわりしか発表されていない(後日発表するというようなことが書かれている)。ともあれ、リリースによれば、7ヵ国合計で、ウクライナのEU加盟賛成という意見が48%、NATO加盟賛成という意見が58%だったということである。うち、EU加盟に関して言えば、リトアニアでは68%、ポーランドでは67%が賛成、フランス、ドイツ、英国では半々、最も厳しいオランダでは賛成は27%に留まったということである。もう1ヵ国イタリアがあるのだが、それに関する言及はない。まあ要するに、欧州側のムードとして、ウクライナにはトルコ・シナリオ(NATOには入れるがEUには入れない)を歩んでもらいたいということだろうか。


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 サッカーのウクライナ・プレミアリーグの概況を眺めると、改めて悲惨な現状が浮き彫りとなる。同リーグは、前身の「トップ・リーグ」の時代の最盛期には、18チームから成っていた。しかし、ウクライナ危機以降、クリミアのクラブの喪失、一連のクラブの経営破綻などが続き、参加クラブが減少、2016/17シーズンからは12チームでの開催を余儀なくされている。

 それで、上図が、最新の2017/18シーズンの参加クラブマップなのだが、地理的に随分と偏っている。南東部の企業城下町的なクラブが多く、それにはドンバス占領地の3チームも含まれている。一方、ハルキウにはメタリストという強豪が存在したのだが、同クラブは経営破綻と分裂に見舞われ、現時点ではウクライナ第2の都市であるハルキウにプレミア所属クラブが存在しない状況となっている。また、普通、キエフほどの首都の大都市であれば、プレミア所属のクラブが3つくらいはあっても不思議でないが、現実にはディナモ1チームしかない。さらに言えば、ウクライナという国全体のバランスとしては、地域的には西部、産業的には農業や食品産業の重要性が高まっているが、サッカーの勢力図はそれとはかなり異なっている。

 下図は、ウクライナ・プレミアリーグの1試合当たり平均観客動員数の推移である。つい数年前までは1万人を超えていたが、ウクライナ危機以降は、日本のJ2平均(だいたい7,000人くらい)をも下回っている。

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 当ブログでは以前、「日めくり紋章」という連載企画を手掛けていたのだが、博士論文と出版企画に集中するため、2016年8月末に中断した経緯がある。それら2つのタスクは一応乗り切ったので、1年振りに紋章の連載を再開することにしたい。しかし、「日めくり」では少々しんどいので、今後は余裕をもたせて、「週替わり」とさせていただく。毎週月曜日に更新することを原則としたい。

 それで、今までは、「サハリン州シリーズ」とか、特定の地域にフォーカスするパターンが多かった。今後しばらくは、アイテムのくくりでシリーズを組んでみようかと思う。特に、動物シリーズが多くなるかな。まずは、ロシア圏の森では一般的な動物であるヘラジカで行ってみたい。

 最初は、ロシアの沿ヴォルガ地域にある少数民族共和国、マリ・エル共和国の首都、ヨシカルオラ市の紋章である。ヘラジカは日本にはいない動物であり、どんな動物なのかご存じない方も多いと思うので、それをわりと写実的に描いている代表的なヨシカルオラの紋章を取り上げた次第。もちろん、実際のヘラジカの色が白いわけじゃないけど。

 なお、紋章においてヘラジカは一般的に、力、決意、勇気、特有の自然などを象徴する。ロシア圏以外では、紋章のデザインに用いられるケースはあまり多くないようだ。


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 日本のような、物価がデフレ基調で貼りついているのを無理矢理2%に引き上げようとしている国とは逆に、ロシアは高目で推移していたインフレ率を年率4%まで引き下げることを目標としてきており、それを達成するために高金利政策をとってきた。しかし、今年に入ってからインフレ目標が達成されつつあり、それを受け中銀も金融緩和に転じている。

 こちらの記事によると、ロシア中銀は9月15日、利下げを決定した。政策金利を、9.0%から8.5%に切り下げたものであり、9月18日から実施する。中銀の利下げは、今年に入ってから4度目である。利下げは政策決定会合で全会一致で決まったものの、E.ナビウリナ総裁は、市場にあらぬ影響を与えないように、各委員の見解は発表しないとしている。直近のインフレ率は年率換算で3.2%という水準まで低下しており、中銀では年末時点のインフレ率が3.5~3.8%程度になると予測している。


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 こちらの記事によると、国際的な格付け機関のS&Pはロシアのソブリン債の格付けをBB+で据え置くことに決定した。アウトルックはポジティブ。S&Pでは、もしもロシアの経済回復が持続すれば格上げも可能であると説明している。S&Pでは2017年のロシアの実質経済成長率が1.8%、2017~2020年平均では1.7%と予測している。為替については、2017年末が1ドル=61ルーブル、2018年(平均? 年末?)が62ルーブルと予測している。

 一方、こちらの記事によると、ロシアのA.シルアノフ蔵相は、格付け機関はロシア経済の評価に非常に保守的な態度を採っている、しかしロシア債が「ジャンク債」扱いされており地政学的対立もあるにもかかわらず投資家たちはそれを旺盛に購入している、それは彼らがロシア経済の適応力、賢明なマクロ政策、バランスのとれた財政政策を評価しているからだ、などとコメントした。


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 世界で最も完成度の高い地域経済統合はEUだと思うけれど、そのEUにしても、税制は加盟国ごとにばらつきがある。たとえば、付加価値税の税率なども国によって異なる。

 ロシアを中心としたユーラシア経済連合でも、税制の統一化までは至っていない。ベラルーシのYe.キレエヴァという学者が書いた論文の中に(こちらからダウンロード可能)、それをまとめた表が出ていたので、転載させていただく。国は左からベラルーシ、カザフスタン、ロシア。税金は上から付加価値税、企業利潤税、個人所得税、社会税、資産税と並んでいる。カッコの中に示されているのは特例税率だろう。こうやって見ると、カザフスタンの税負担が全般に軽いようであり、おそらく石油関連の収入で財政を賄う度合いが強いので、一般の税率は軽くて大丈夫なのだろう。


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 こちらの記事によると、このほどIMFのデビッド・リプトン筆頭副専務理事がウクライナのV.フロイスマン首相と会談し、その席でウクライナ経済につき次のようにコメントしたということである。いわく、ウクライナの経済改革の進捗は奇跡的で、経済の安定化はタイムリーであり、それは時期的に世界経済の成長と重なっている。これはウクライナにとって、安定化から、高度成長へと転じる可能性である。過去におけるIMFの支援が有益だったことを願っており、われわれはいかにして今後の改革を前進させるかを議論している。ウクライナは、もしも一層の改革を実施し、経済の安定化を達成すれば、その後には薔薇色の未来が期待できる。リプトン氏は以上のように述べた。

 なお、IMFの拡大信用供与の第3回目のレビューが行われ、IMF側はウクライナに、民営化、農地市場の発展、汚職撲滅、年金改革などの改革の加速を求めている。


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 ロシアのD.メドヴェージェフ首相は「ITボーイ」として有名なので、IT企業、デジタルデバイス・メーカーの幹部がメドヴェージェフに会う時には、新製品をプレゼントするのが恒例のようになっている。これもそうしたニュースの一つだが、こちらの記事によれば、このほど輸入代替をテーマとした国際展示会に出席したメドヴェージェフ首相は、ロシア国産スマホ「Inoi R7」をプレゼントされたということである。

 このスマホは、フィンランドのSailfish MobileというOSを搭載しており、したがってアップルやアンドロイドのアプリはインストールできない。価格は11,990ルーブルというから、2万円強くらいか。


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 最近のウクライナの数少ない明るい話題として、EUとの間でビザなし協定が成立し、6月11日からウクライナ国民がEUにビザなしで短期滞在できることになった、というものがあった。しかし、こちらの記事こちらのサイトによると、2017年上半期にはウクライナ国民がむしろロシアに渡航する回数が増え、上表に見るとおり、ロシア行きは前年同期比56.1%も増えたということである。EU諸国への渡航には目立った増加はない。まあ、ビザなしが発効したのが6月に入ってからだったので、EUへの渡航増はむしろ下半期の統計に反映されるということなのかもしれない。

 PS:なお、上表で、ポーランドが前年同期比45.4%減となっているのは、原典の誤りであり、正しくは15.4%減である。数字を修正した上で画像化したつもりだったのだが、なぜか反映されておらず、そのままになってしまっていて、悪しからず。


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 古い情報の後追いになってしまったが、ロシアの通商・産業政策で見落としていた重要な動きがあったようなので、遅ればせながら取り上げることにする。

 こちらのサイトに見るように、ロシアでは2016年11月30日に大統領付属戦略発展・優先プロジェクト評議会の理事会が開催され、それを受け、同日付の政府指令により、「鉱工業における国際協業と輸出」と題する優先パイロットプロジェクトが策定されたということである。そして、その優先パイロットプロジェクトを紐解くと、非資源商品の輸出を拡大するため、4つの機械産業分野をパイロット分野に指定し、「ロシア輸出センター」が中心となって、様々な公的輸出促進策を講じていくことを盛り込んでいる。具体的には、自動車、農業機械、鉄道機器、航空機の4分野が対象になっている。そして、そうした輸出促進策の結果として、4分野の輸出が上図のように拡大していくという図式を描いている。注目されるのは、当該4分野では、ロシアを中核とした経済連合であるユーラシア経済連合への輸出割合が高いことであり、2016年の見通しでも64.2%に上り、2025年にはそれがさらに高まって85.7%に高まると想定されている。

 ただ、今回のパイロットプロジェクトに見る輸出額のデータは、私が把握しているものと異なり、どういう範囲を示しているのが、分かりづらい。たとえば、ロシアの通関統計によれば、2016年にロシアは乗用車だけで11億ドル近く輸出したことになっているが、上図では自動車産業全体で10億ドル程度にすぎず、釈然としない。


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 こちらのサイトに、2016年のウクライナの青果物の生産高というグラフが出ており、何かに使えるかもしれないので、メモしておく。まあ、要するに、ネタに困ったのである。単位は1,000t。上図の果物は、リンゴ、スイカ、ブドウ、スモモ、サクランボ、ナシ、メロンと並んでいる。下図の野菜は、ジャガイモ、トマト、キャベツ、タマネギ、キュウリ、ニンジン、ビートと並んでいる。

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 以前から、モスクワから鉄道でロシア南部のロストフに行こうとすると、ウクライナ領をかすめる形となり、そこで越境手続きをしなければならないから、不便だということが言われていた。そして、3年前の政変でロシアとウクライナが決定的に対立したことにより、上図に見るとおり、従来ウクライナ領を微妙にかすめていたジュラフカ~ミレロヴォ間の区画の迂回ルートの建設が、2014年から進められていた。そして、こちらの記事によると、近日中にその工事が終わり、10月には貨物列車の運行が始まるということである。ロシア鉄道のO.ベロジョーロフ社長が明らかにした。旅客列車は、ダイヤを編成する必要があるので、追って決定するということである。迂回区間は全長137kmで、その中には150mのものも含め5つの橋が設けられている。


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