服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

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 こちらのサイトこちらのニュースなどに見るように、ロシアで6月4日、「米国およびその他の諸外国の非友好的行為に対する対応(対抗)措置について」と題する連邦法が成立した。5月22日下院採択、5月30日上院承認、そして6月4日大統領署名・公布により発行したものである。

 ただし、この法律自体は、どういった対抗措置を講じる可能性があるか、その手順はどうなるかということを明記したものにすぎず、この法律ができたからといって、直ちに何らかの措置が米国等に対して発動されるというわけではない。


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opros

 ワールドカップ(W杯)開幕が近付いてきたということで、同大会に関するロシア国民の意識を調べた最新の世論調査のようなものがないかと探したところ、とりあえず「メディア・スコープ」という会社が実施したこちらの調査結果が目に留まった。ただ、「オンライン調査」とされている割には、12歳から64歳までの人口10万人以上の都市住民1,002人を対象に調査が行われたとされており、対面調査でなくオンラインだったら別に都市住民に限らなくてもいいのにと、不思議な気がする。ネット住民が自分から投票するネット投票的なものではなく、調査会社側が都市住民の中から無作為に対象者を選んでメールで質問するような形なのだろうか?

 ともあれ、今回の調査結果によれば、回答者の54%がW杯の試合を観ると答えている。観るつもりの回答者のうち、テレビで観る80%、PCで観る63%、スマホで観る43%、スタジアムで観戦21%となっている(複数回答可なのだろう)。観るつもりの回答者の31%が賭け(くじ)をする予定である。

 W杯に関心がある(上記の54%という意味か?)回答者のうち、関心の対象はやはりロシア代表の87%であり、以下、ブラジル40%、ドイツ37%、イングランド21%、スペイン20%、アルゼンチン16%と続く。優勝予想は、ブラジル23%、ドイツ21%など。

 ロシア代表がグループステージを突破できると考えているのは、回答者全体の47%である。今回の代表で活躍しそうな選手は、F.スモロフ12%、A.ジュバ9%、A.ザゴエフ5%などとなっている。

 回答者の59%は、2018年W杯は開催都市およびロシア全体にとって肯定的な影響をもたらすと考えている。具体的に好影響が及ぶのは、インフラ発展61%、観光客増60%、サービス向上40%、ロシアの世界的な地位向上39%、ロシアのサッカーの発展28%、国民意識の強化24%など。

 なお、前回2014年ブラジル大会で、ロシア代表の試合を1試合でも観たという回答者は、4歳以上の国民の32%にすぎなかった。


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Sovetsky

 ビーバーの紋章シリーズ。チュメニ州ハンティ・マンシ自治管区のソヴィエツキー市の市章が、上掲のようなものになる。一見すると、黒いリスかな?と思ってしまうが、ビーバーが正解。ハンティ・マンシと言えば石油産地であり、上の方に見える黒いしずくは多分石油を表しているのではないかと思うのだが、このソヴィエツキー自体では石油は採れず、むしろ木材産業が主産業となっているようで、それゆえの針葉樹のシルエットなのだろう。


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gov

 ロシアでは、プーチン時代になり、地域の知事が大統領によって任命されていた時期があり、今は任命制ではなくなり住民の選挙で選ばれるものの、クレムリンが指名するという意味合いは依然として強い。その結果、連邦と地域の人材が、相互往来する度合いが強まり、クレムリンがある地域に意中の知事を送り込む、逆に成功した地域の知事を中央政界に呼び戻す、といったパターンが生じている。

 それで、5月に成立したメドヴェージェフ新装内閣で、注目を浴びたのも、知事の閣僚起用だった。具体的には、V.ヤクーシェフ前チュメニ州知事が建設・住宅公営事業相に、D.コブィルキン前ヤマロ・ネネツ自治管区知事が天然資源・環境相に、A.コズロフ前アムール州知事が極東発展相に起用された。

 これら知事上がりの3人の新大臣の手腕だが、ヤクーシェフとコブィルキンは各種の知事番付で上位の常連であり、重鎮知事が満を持して中央政界に凱旋するというニュアンスが強い。それに対し、コズロフはアムール州での仕事振りがあまり芳しくなかったが、Yu.トルトネフ副首相の強い推薦で極東発展相に抜擢されたという情報がもっぱらである。

 一番端的なのは、こちらに見る2018年1~2月現在の知事番付であろう。これによれば、まさにヤクーシェフが1位、コブィルキンが2位であったのに対し(上図参照)、コズロフは下から数えた方が早い73位だった。知事番付には他にも、こちらこちらに見るものなど、いくつか種類があるが、傾向はだいたい同じである。


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 こちらのツイッターで、ベラルーシに関する興味深いネタが回ってきた。ベラルーシの様々な地域別のパターン図をまとめたものである。大元が良く分からないのだが、こちらのサイトということになるのだろうか。ネタというか自虐的なものも含まれているが、一番最後の地図なんかは、非常に貴重な資料と言えそうである。これは、ベラルーシ人の姓がどのような語尾で終わるかを地域別に示したものであり、私自身もだいたいこういうイメージを描いていたが、資料として明示したものは初めて見た。ポーランドに近い北西部は-skiが多く、ロシアに近い東部は-ovが多く、ウクライナに隣接した西ポレシエ地方は-ukが、東ポレシエ地方は-enkoが多いとされている。

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plus

 以前から朝日新聞の別冊で「GLOBE」というものが毎月第一日曜日に発行されていましたが、6月1日付でそのウェブ版がウェブメディア「朝日新聞GLOBE+」として新装オープンしました。今後は、紙版の「GLOBE」の記事に加え、朝日新聞海外特派員のコラムや、各界専門家による深読み解説記事など、読者にとって世界が身近になるような情報発信を目指すということです。

 実は、私・服部もこの新装「GLOBE+」でロシア事情につき連載をお引き受けすることになりました。「迷宮ロシアをさまよう」と題して、基本的に毎週火曜日に記事を配信する予定です。「GLOBE+」は、私の連載も含め、基本的に無料で読めますし、スマホ表示にも最適化されています。皆様、是非とも拡散、シェア、フォロー、ブックマーク、ご批評など賜れれば幸甚です。私の連載も、ページビュー数が伸びないと、「打ち切り」などという悲しい結末を迎えてしまうことも、ないとも言えませんので (^_^;) 、どうぞよろしくお願いします。

 今後、私の記事が配信されたら、その都度このブログでもご案内します。初回は6月5日の予定です。


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 今回のロシア極東出張で、初めてアムール州を訪問し、同州では意外に鉄鉱石の採掘も行われているらしいということを知った。正直、アムール州に鉄鉱石資源にあるという認識は、今までなかった。

 そこで、ロシアの地域別の鉄鉱石産出量のデータがどこかに出ていないかと探してみたのだが、一まとまりに分かりやすく整理された情報源はちょっと見当たらなかった(こちらに、あるにはあるが、1990年代のだいぶ古い数字である)。その代わり、こちらの資料の中に、上掲のような図が見付かったので、これをご紹介する次第である。この資料自体は有料のものだが、ネットに出ているデモバージョンでも図は見ることができる。鉄鉱石の主要産出地域の埋蔵量が出ている。数字は、おそらく鉄鉱石の量ではなく、鉄含有量だと思う。これによれば、鉄資源埋蔵量のランキングは、以下のようになっている。今回関心を持ったアムール州は同率14位くらいということになるのか。

  1. ベルゴロド州:514億t
  2. クルスク州:133億t
  3. スヴェルドロフスク州:132億t
  4. サハ共和国:58億t
  5. クラスノヤルスク地方:26億t
  6. ザバイカル地方:26億t
  7. イルクーツク州:21億t
  8. ムルマンスク州:17億t
  9. ケメロヴォ州:14億t
  10. チェチェン共和国:13億t
  11. カレリア共和国:11億t
  12. ハカス共和国:10億t
  13. ユダヤ自治州:8億t
  14. アムール州:7億t
  15. アルタイ共和国:7億t

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 本日はロシア出張から日本に帰国する日であり、バタバタしているので、簡単な記事だけでご勘弁いただく。

 何度か取り上げているが、「ウクライナ分析センター」というシンクタンクがあり、フェイスブックページでウクライナ経済についての図解資料を発信している。このほど上掲のような図が目に留まった(ついでにFBページを下に埋め込んでおく)。2017年のウクライナの農産物・食品輸出額の内訳を示したものであり、具体的には、ひまわり油:24.0%、とうもろこし:16.7%、小麦:15.4%、大豆:5.9%、アブラナ:4.9%、油の搾りかす:4.5%、大麦:4.0%、砂糖:1.6%、タバコ:1.6%となっている。

 ウクライナはひまわり油の輸出では世界一の超大国で、穀物も有名だけど、意外と大豆も世界で上位の輸出国なんだよね。


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 アムール州ブラゴヴェシチェンスクの後は、サハリン州のユジノサハリンスクに移動し、本日で調査の日程が終了。明日、日本に帰国する。

 内陸のブラゴヴェシチェンスクは30度超えの猛暑が続いたが、ここサハリンは10度台の気温であり、本日の午前中などは荒れ模様だった。また、中国黒竜江省の真上にあるアムール州が日本時間と同じなのに対し(対岸の中国より1時間早い)、ここサハリンは日本列島の延長上にあるにもかかわらず、日本時間よりも2時間も早い時間を採用している。日本では、まだ午後4時頃だと思うが、こちらはもう6時なので、もう本日の仕事終了である。夕方になって、だいぶ天気も回復したので、ホテルから見える景色をパチリ。では明日帰ります。


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 CIS空港協会という旧ソ連の国際的な業界団体があり、同協会が毎年、最優秀空港賞という表彰を行っている。評価基準は、路線の充実、運航の安全、インフラの発展、顧客サービスなど。なお、年間利用者が100万人以上、50万~100万人、10万~50万人、10万人以下と規模別に分かれて最優秀賞が決められている。そして、こちらの記事によれば、2017年度の利用者100万人以上の空港部門で、ミンスク国際空港がこのほど最優秀賞に選ばれたということである。


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 今回、ブラゴヴェシチェンスクに来て、同市と対岸の中国・黒河を結ぶ道路橋の建設プロジェクトについて情報を収集したので、簡単に整理しておく。

 これまでは、両市の間は、川が凍っていない時期には船で、凍っている時期にはその上を自動車でという形で行き来していた。以前から、アムール川に橋を渡すという構想はあり、近年ではロープウェーで両岸を結ぶといった案もあったようだ。それが一気に動き出したのが2015年9月であり、プーチン大統領の訪中時に橋の建設に関する政府間協定が結ばれた。2016年末から建設作業が本格化した。橋の設計はギプロストロイモスト研究所が担当した。建設総額は161億ルーブルほど。橋は全長1,081m。2019年2月にロシア建設部分と中国建設部分が繋がり、最終的には同年12月の完成が予定されている。なお、建設地は、ブラゴヴェシチェンスクの中心地からはやや離れており、上掲略図に見るように、アムール川を下りゼーヤ川と合流した向こうの側の地点になる。この橋は、ロシアと中国を結ぶ初の道路橋となる。

 ただし、ロシアと中国を結ぶ初の鉄道橋が、別途建設されている。それはユダヤ自治州のニジネレニンスコエに建設されており、そちらも2019年の完成予定となっている。しかし、2017年12月以降、ロシア側で賃金未払いが発生し、その関係で工事が一時中断している。


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 すでに申し上げたように、現在私は、ロシア極東アムール州の州都ブラゴヴェシチェンスクに来ている。それで、アムール州と言えば、最近、同州のアレクサンドル・コズロフ知事が、連邦政府の極東発展相に抜擢されたということが話題になっている。ホテルのロビーに置いてあった『アムールスカヤ・プラウダ』紙の5月24日号に関連記事が出ていて、せっかくなのでそれを要約してみることにする。

 アムール州というのはかなり頻繁に知事が代わるところで、ソ連解体直後のA.クリフチェンコ知事を振り出しに、コズロフ知事は10人目の知事だった。前任のコジェミャコ知事がサハリン州知事に転身したことを受け、2015年3月にコズロフが知事代行に任命され数ヵ月後に実施された選挙で50.6%を得票し正式に知事に就任した。就任当時34歳で、ロシアで最も若い知事となった。知事の座に就いたコズロフはいくつかの新機軸を打ち出し、役人たちがインスタグラム経由で州民の苦情を受け付けそれに対処することを命じたり、自らが他の行政府幹部とともにバスに乗って各都市や地区を訪問する「オープンガバメント」と称する試みを打ち出したりした。コズロフ知事の時代に、新たな宇宙基地からの打ち上げが始まり、アムール川を越えて中ロを結ぶ橋の建設が始まった。ホッケー好きの知事のお陰で、新しいスケート場(複数)ができ、アムール川を挟んだ中ロの交流戦が始まった。なお、新しい知事を選出する選挙は、9月9日の統一地方選挙に合わせて行われる予定。

 A.アノヒン(誰?)は、次のように指摘する。コズロフは、完全にノンポリの人間だ。各党の代表と対立することもあるが、超越的な立場のプラグマティストである。1990年代のアムール州は問題山積で、モスクワに資金を乞うことしかできなかった。状況が変わったのが2008年にコジェミャコ知事が登場したあたりで、特定のプロジェクトに対して資金を要求するようになった。まさにコジェミャコ知事の時代に農業機械が更新されるようになり、幼稚園や学校の問題が解決された。コズロフは前任者のやり方をさらに進め、彼のモスクワとの交渉は、「我々はこれをやる。それを貴方たちの資金で」というものだった。その結果、老朽化した住宅からの移住、スヴォボドヌィ市の近代化、最新のスポーツ施設などが実現した。コズロフは歴代の知事の中で初めて、極東およびアムール州をロシア全体の一部と捉えた人物だった。彼は連邦省庁に出向き、「我々の問題は、貴方たちの問題でもあるのだ」と説いて回るようなタイプだった。その意味で、極東発展大臣になっても、やることは変わらず、変わることと言えば権力中枢に近くなることだけだ。

 


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 こういうことを指摘するのは野暮なのかもしれないが、現在当方ロシア極東に滞在中であり、テレビを眺めていて、5月24~26日に開催されたサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムについての報道量は多かったものの、日本について詳しく取り上げられるような場面はあまりなかった印象だ。本年はロシアにおける日本年で、安倍首相も直々にフォーラムに駆け付け、私の所属団体の職員たちも日ロ二国間セッションの開催に奔走したにもかかわらず、ロシアでしかるべき注目を集めていないように思われ、残念な気がする。

 それに関連して、上掲のような図が目に留まってしまったので、触れないわけには行かないだろう。こちらのニュースサイトに出ていた図であり、フォーラムの期間中、SNSで取り上げられたことが確認された政治家および企業の登場回数をカウントしたものである。プーチン大統領がトップであることは当然として、マクロン仏大統領、ジャッギー・ヴァースデーブ(インドの神秘主義者)、IMFのラガルド専務理事、中国の王岐山副主席と続き、安倍首相の名前が全然出てこないところが辛い。


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 こちらの記事が、今般のペテルブルグ国際経済フォーラムにおいて、予期せぬ形で、新政権の当面の活動方針の体系が明らかになったということを伝えている。詳しい記事だが、冒頭の要点部分だけまとめておくと、その眼目は、インフラ投資基金を創設すること(その規模は2024年までの総額でGDPの3%、言い換えれば1年当たりではGDPの0.5%)、国家債務を緩やかに拡大すること、副首相(複数)が12のナショナルプロジェクトを担当する体制、今後6年間は税制を基本的に変更しないこと、年金改革を早期に完了すること、不良債権問題の解決を急ぐこと、対外経済銀行の改組、ロシア直接投資基金のパートナーとなっている外国のソブリンフォンドによる対ロシア投資を拡大すること、国内投資家向けを含め新たな特別投資契約を始動させること、などだという。

 畜生、忙しくなってきやがったな。


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 ビーバーの紋章シリーズ。まったく無名だが、東シベリアのクラスノヤルスク地方に、ラズルヌィ村というところがあるそうで、そこの紋章が上掲のようにビーバーを中心としたデザインになっている。ビーバーの保護区が当地にあるようだ。紋章で鍵は、だいたいその土地の豊かさへの扉を開いてくれる、といった意味合いがある。


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 ロシア極東で現地調査中であり、ウラジオストクの後はアムール州の州都ブラゴヴェシチェンスクに来ている。本日は日曜日で時間に余裕があったので、アムール川沿いを散策してみた。ご存知の方も多いと思うが、ブラゴヴェシチェンスクは対中国境の街であり、アムール川の向こうはもう中国の黒河という街である。ていうか、あまりに近いので、単に1つの街が川によって南北に分けられているだけのような印象を受ける。それで、本日川沿いを歩いていると、妙に賑やかであり、ただ単に日曜日だから人々が繰り出しているようには思えない。どうもこの日は、ブラゴヴェシチェンスク誕生の162回目の記念日だったようだ。後から調べたところ、こちらに見るように、5月27日から6月2日までお祝いが続くそうで、中でも本日5月27日がメインの祝賀行事が行われる日だったらしい。ちなみに、ブラゴヴェシチェンスク誕生からは162年だが、アムール州創設からは160周年とされており、本年1年をかけて記念イベントが続くようである。さらに、後でこちらのページで確認したところ、ロシアでは5月28日が国境警備兵の日とされており(ロシアでは様々な職業の記念日が公式的に決まっている)、本日のお祭りには、国境警備兵の日を1日早く祝うということも含まれていたようだ。しかも、どうもアムール州国境警備隊発足から100年という節目だったらしく、とにかく色んなものが重なって盛大にお祝いしていた。

 ステージではロシア民謡風の歌や踊りが披露されていたが、よく聞くと「アムールの地を開拓した我ら正教徒ロシア人」といったご当地愛国ソング的なものだった。ちなみに、パフォーマンスする演者たちの後ろに見えているのは、対岸の中国のビル群である。


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 ベラルーシの首都ミンスクの郊外に、中国企業専用の工業団地が創設されつつある。こちらがHPであり、英語で「Great Stone」というのが工業団地の名称となっている(中国語では「中白工業園区」)。

 それで、こちらの記事の中で、ベラルーシのコビャコフ首相がGreat Stoneの目標について語っている。首相いわく、2021年までには、第1段階の850haを複合的に開発する計画である。それまでには、累計投資額10億ドル、入居企業100社、生産高10億ドル以上、雇用7,000人を達成したい。有利な地理的条件ゆえに、ロジスティクス面などでの優位があり、中国・EU間の輸送をベラルーシ領を経由して行うトランジット貨物輸送を最適化できる。中国とベラルーシの貨物も増える。これらのことは、工業団地に国際的な地位を与えることになり、一帯一路の枠内でGreat Stoneを中心にした中国~欧州間の輸送回廊を構築することになる。もっとも、工業団地の優先項目はあくまでも、ロジスティクス・貿易ではなく、共同でハイテク生産を構築する点にある。首相は以上のように述べた。


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 ロシア『エクスペルト』誌のこちらのページで、石炭貿易を特集しており、いくつか有意義な図が掲載されているので、紹介したい。

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 これは世界の石炭貿易の流れを図示したもの。赤が輸出量、緑が輸入量を示している。ロシアは輸出量ではオーストラリア、インドネシアに次いで世界第3位ということになる。日本はインドに次いで輸入国の世界第2位のようだ。

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 これはロシアの輸出動向。黄色がアジア向け、黒がその他向け、赤い線がアジア向けの比率であり、ロシアは主にアジア向けを拡大することによって年々石炭の輸出を増加させていることが分かる。


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 唐突だが、私は昨日から現地調査でロシア極東出張中であり、現在はウラジオストクに滞在している。テレビのニュースは、まるでハリウッドのアカデミー賞授賞式かと見まがうサンクトペテルブルグ国際経済フォーラムの模様を詳しく伝えており、華やかな表舞台だけ見ていると、まるでロシア経済は欧米の制裁をものともせず順風満帆に突き進んでいるかのような印象を受けてしまう。私はシニカルな性格なので、何やら壮大なフェイクイベントを見せられているような、そんな気分になってくる。

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 なので、当ブログはフォーラムの話題はスルーし、毛色の違う話題。当然のことながら、ロシア経済が現実に直面している問題は枚挙に暇がなく、こちらの記事によれば、ロシアのトラック最大手のKAMAZは、輸出取引に問題を抱えていることを、このほど同社のS.コゴギン社長が明らかにした。KAMAZ自体は欧米の制裁の対象になっていないにもかかわらず、輸出にともなう金融取引に支障が生じている。銀行は、取引に際し膨大な審査を行うようになっており、これにより金融取引が大幅に困難になっている。国際銀行間通信協会(SWIFT)加盟銀行の場合、支払期限が長期化し、前金すら受け取れないことがある。決済の問題は、米国が制裁法を採択した2017年8月から発生するようになった。問題はあらゆる輸出取引に関して発生し、CIS諸国向けの輸出すらも然りである。コゴギン社長は以上のように述べた。なお、KAMAZは生産の10%以上を輸出しており、2018年には6,100台の輸出を見込んでいる。


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 こちらの記事によると、BRICS諸国が設立した新開発銀行が、ロシアのプロジェクトへの融資を検討しており、年末までに承認する可能性があるということである。具体的には、シブール・ザプシブネフチェヒムのトボリスクでの石油化学工場建設と、ガスプロムによるアムールガス処理工場建設が対象。検討されているそれぞれの融資額は3億ドルと、決して大きなものではない。しかし、対ロシア制裁でロシアに対する欧米の金融包囲網が敷かれる中、それに風穴をあけるという意味は大きいのかもしれない。数年前にBRICSの銀行ができると聞いた時には、「何の役に立つのだろうか?」と疑問に感じたが、ここに来て意味が出てきたといったところか。


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 報告が遅れたが、こちらこちらのサイト、こちらの記事などに見るように、ウクライナのポロシェンコ大統領は5月19日、独立国家共同体(CIS)の枠組みで締結された特定の条約のウクライナへの効力を停止することを決めた大統領令に署名した。これにより、CISから脱退するウクライナの国内手続きが完了したというのが、一般的な解釈なのだと思う。

 現に、ポロシェンコ大統領は前掲記事の中で、ルビコンを渡りEUに加入するために本日すべてのことをやった、CISのすべての機構へのウクライナの参加を停止する大統領令に署名した、もうかの地ですることはない、我々はともにヨーロッパに進むのだ、などと発言している。

 ただし、率直に言って、個人的にはよく分からないところがある。そもそも、ウクライナはCIS憲章には調印しておらず、これをもって「CISのオブザーバーにすぎない」との公式的立場をずっと以前からとっていた。最初から、自国にとって意味があると考えられるCIS枠内の一部の条約、機構にのみ参加するというスタンスだったわけである。しかし、今回の大統領令を読む限り、一部の条約のウクライナにとっての効力を停止するということであり、すべてとは言っていない。依然としてウクライナにとって有益だと判断されたら、一部のCISの枠内で結ばれた条約に留まるつもりがあるということなのだろうか。また、それは法的な観点から可能なのだろうか(たとえば、ウクライナがCISから完全脱退しながらCIS自由貿易協定に参加し続けるようなことは可能か?)。むろん、ロシアがどう出るかなど、政治力学はまた別だろうし。


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 こちらの記事によると、ロシア科学アカデミーのA.セルゲエフ総裁は、大規模なガス田が存在すると見られるクリミア沖の大陸棚で、総合的な調査を実施することを提案した。セルゲエフは3日間のクリミア出張に出向き、現地の石油ガス開発会社「チェルノモルネフチェガス」のトップとの会談も予定されている。セルゲエフ総裁は、我々は大陸棚開発のテーマを提起したい、これまで行われ、また現在も続けられている調査からは、クリミア沖大陸棚には充分なガス埋蔵量が存在することが見て取れる、より総合的な調査を行うことを提案したい、今後ボーリングを実施する確度の高い地区を特定したい、などとコメントした。

 まあ、ガス資源はあるのだろうが、問題は誰が開発をするかだろう。クリミア沖のガス開発などに関与したら、欧米の制裁リストに追加されることは必至なので、一般のロシア企業は二の足を踏むのではないか。


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 実は6月の学会でロシアと中国の鉄鋼業を比較するという報告をすることになり、それに向けてこんな図を作ってみた。鉄鋼貿易を分析する際には、商品を半製品、鋼板(フラット製品)、条鋼(棒鋼、線材、形鋼などのロング製品)、鋼管、ステンレス鋼に分類するのが一般的である。図ではその分類に沿って世界の主要国の鉄鋼輸出の内訳を示している。その際に、最も重要なのは、半製品と、それ以外の完成鋼材という区分である。半製品とは、スラブ、ビレット、ブルームなどの鋼片のことであり、それ自体が最終的な商品なのではなく、それをさらに圧延して最終商品を仕上げるための中間段階の素材にすぎない。中国とロシアを比較すると、ロシアの鉄鋼輸出に占める半製品の比率が、一貫してきわめて高いことが顕著である。ロシアの鉄鋼メーカーは欧米に下工程の圧延子会社を有しているところもあり、そうした自社工場向けを含め、大量に半製品を輸出している。ロシアは世界最大の鉄鋼半製品輸出国となっており、現状では世界の半製品輸出の3割ほどはロシアによるものである。世界の主要国の中で、こうした半製品中心の特異な輸出構造を有するのは、ロシアのほかにはウクライナ、ブラジルくらいである。それに対し、中国も2008年頃までは半製品を盛んに輸出していたものの、その後は完成鋼材にシフトし、現状では半製品輸出はほぼ皆無となっている。


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 個人的に、ロシア人が作りがちな、妙にインタラクティブなウェブサイトにイラっとすることが多く、「こんな凝った演出しなくていいから、普通にPDFに箇条書きでもしてくれよ」と思うことがしばしばある。

 その点、リアノーヴォスチのこちらのサイトなどは、まあまあ有意義なのではないか。5月18日に成立したメドヴェージェフ新内閣の概要を示したものであり、カーソルを当てると大臣のデータがポップアップ表示されたり、年齢層、出身地、専門など、各属性ごとに色分け表示できたりして、それなりに面白く閲覧した。上に示したのは、新人閣僚を緑色で表示したものである(当ブログでカーソルを当ててもポップアップ表示はされないので、悪しからず)。


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 ビーバーのシリーズをお届けしている。今週は、モロにビーバーがフィーチャーされた、ノヴォシビルスク州イスキチム市の市章。何でも、この街は建材、セメント産業の集積地らしく、ビーバーは建材産業を象徴しているということである。そう言えば、何やら前足でスコップのようなものをもっており、そのスコップで材料の鉱物を採掘しているという見立てなのだろうか。


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2.1

 前出のロシア冶金工業戦略の中で、もう一つ次のようなくだりが興味深かったので、メモしておく。こういう実態は周知のとおりだが、具体的な数字を挙げているのは貴重だと思うので。

 外国の競争相手と異なり、ロシア冶金産業は、原料および完成品を、国内でより長い距離輸送しなければならないというハンデを抱えている。平均輸送距離は、鉄スクラップで847km、石炭で1,320km、輸出向けの鉄鋼完成鋼材で1,641km、ボーキサイトで3,284km、アルミニウムで4,577kmである。


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nfm

 時々申し上げていることだが、ロシアというのも不思議な国であり、統計局が非鉄金属の生産データを国家機密扱いし公表していない割には、報道等でそれらの数字が普通に出てきたりする。今般は、「ロシアの2030年までの冶金産業発展戦略(2016年草案)」という文書を読んでいたら、上に見るような便利な表が出ていたので、ご紹介する次第である。2015年の主要な非鉄金属の生産・消費・輸出・輸入量を一覧にした表である。資源大国のロシアだけに、大部分の非鉄金属は国内生産で需要を賄った上で輸出も行っているが、亜鉛、すず、マグネシウム、モリブデンなどは大なり小なり輸入に依存しているようだ。それにしてもルサール問題はどうなることやら。


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beche

 こちらの記事によると、ロシアのノヴァテックがカムチャッカ半島で建設しようとしているLNG積み替えターミナルの具体的な建設地を、このほど同社が確定したということである。それはカムチャッカ半島東岸のベチェヴィンスカヤ湾というところであり、州都ペトロパヴロフスクカムチャツキーとの位置関係を地図に示すと、上図のようになる。同社では、今後4年間でこの仕事を行う(建設を完了するという意味?)としている。計画されているターミナルの処理能力は年間2,000万tだが、その後4,000万tに拡張することも視野に入っている。


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a-potential

 別件で画像検索していたら、上掲のような図が目に留まり、目を奪われた。個人的に、ロシアとウクライナが一時期、サッカーの統一リーグを検討していることは承知していたが、こちらの記事によれば、「2007年から2011年の間にロシアとウクライナのビッグクラブたちは統合を真剣に検討していた」と書かれている。むろん、現在は両国の対立関係でまったく現実味が薄れてしまったが、それは別として、ヨーロッパでは様々な枠組みで国境をまたいだ地域リーグを創設する構想がアクチュアルなテーマになっているということである。


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