ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪 服部倫卓ブログ

ロシア・ウクライナ・ベラルーシを中心とした旧ソ連諸国の経済・政治情報をお届け

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 編集作業が終わったばかりの『ロシアNIS調査月報』2015年4月号の中身を、例によって編集長特権でどこよりも早くご紹介。4月号では、「工業団地・経済特区・テクノパーク」と題し、投資・経済活動を行うための「場」に着目した特集をお届け。私自身は、特集の枠内では「ロシアの工業団地と経済特区の概観」、「EU向け輸出加工基地めざすザカルパッチャ州」を執筆。また「『ケネディ』を失ったロシア ―さようなら、ボリス・ネムツォフ」という小文と、池内恵著『イスラーム国の衝撃』の書評を書いています。共同通信の小熊宏尚さんによる新連載「記者の『取写選択』」もスタート。3月20日発行予定。


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 『調査月報』の編集作業が完了し、ちょっとボーっとしているところである。今日の昼は、勤務先のある茅場町の隣町に当たる八丁堀まで歩き、「八丁堀食堂」というところで初めて昼ごはんを食べた。安くて美味いということで、最近話題になっているところである。私はコスパの良い店に「バリュー」という称号を認定しているのだが(もちろん自分の気持ちの中だけの話だが)、この八丁堀食堂はもう100点のバリューだった。昼のみの営業で、定食は一律800円なのだけど、中でも鶏の唐揚げがとりわけ評判が高いので、本日はそれをチョイス。期待にたがわぬ味とボリュームだ。唐揚げそのものに味が付いている上に、タルタルソースや甘辛ソースの追加もでき、それらの組み合わせも可。大振りの唐揚げが6個も出てくるので、味の変化を付けられるのは嬉しい。ピークを避けて13時過ぎに行ったのだが、それでもまだ行列が出来ていたのも納得。次回は、これも相当美味そうだった、デミかつ定食を攻めてみたい。


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 ロシアのノーヴォスチ通信のこちらのサイトに、ウクライナのガスパイプライン網をかなり詳細に記した便利な地図が出ていたので、備忘録のためにメモっておく。2月にドネツィク、ルハンシクの自称人民共和国へのガス供給が問題になった際に、出た記事である。

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Jasina_gerb

 ウクライナ・ザカルパッチャ州ヤシニャ町(Ясіня)。ロシア語では綴りがЯсиняになる。何、この紋章? 3 Dみたいになってる。


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 まったくのバカ話で恐縮である。昨日は編集を担当している『ロシアNIS調査月報』の締切日だったのだが、久し振りに深夜残業、タクシー帰りとなった。まあ、作業が深夜に及ぶこと自体は珍しくないのだが(早朝に及ぶこともあるし)、最近は自宅での作業環境をほぼ職場と同等レベルまで整えたので、終電前に帰って、続きは家でやるようにしているのだ。だが、昨日に限っては、ちょっとした思惑があった。先日、あるところで講演をしたら、「お車代です」ということで、タクシーチケットをもらった。で、てっきり現金でも入っているのかと思い、後日その封筒を開けてチケットであることに気付いたので、適当な折りにこのチケットを使っちゃおうと思って、昨日の深夜残業、チケットいつ使うの、今でしょうということになったわけである。ところが、午前1時半頃、帰宅しようとして、改めてチケットを見ると、あらかじめ日付が記入してあり、講演当日しか使えないやつでした(泣笑)。結局、自腹でタクシーに乗ることに。写真に見るように、「2016年7月末まで有効」「3万円までご利用いただけます」なんて書いてあるから、そちらに目を奪われ、手書きのご利用日は目に入らなかった。う~ん、なまじ変なものをもらったので、4000円近く、かえって損したぞ。

 そんなわけで、本日は深夜作業明けなので、有給をとり、自宅でゆっくりさせてもらっている。4年前の2011年3月11日、あの日も『調査月報』の作業を終えたところだった。あの時は入稿ではなく、校正作業が終わって校了したタイミングだったけど、ふうやれやれと思って会社の席に座ったところで、不気味な揺れが始まったのだった。だから、今でも月報の編集作業を終えると、特に3月の作業の時には、あの時のことを思い出す。あの日の衝撃で、自分自身の価値観も、ライフスタイルも変わったほどだったけど、4年が経って、さすがに自分の中でも遠景化しているような感じを受ける。まあ、こんな日くらいは、改めて心に刻もうと思う。


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Bilky_CoA

 ウクライナ・ザカルパッチャ州ビルキ村(Білки)。ロシア語ではベルキ(Белки)。ザカルパッチャ州の紋章にしばしば登場する葡萄のデザイン。


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 本日は編集を担当している『調査月報』の恐怖の締切日につき、ブログを更新している余裕がない。そこで、最近存在を知った、ウクライナ映画についてのご紹介。ウクライナ人監督がつくった「ザ・トライブ」という映画があり、4月に日本でも公開されるそうだ。何でも、すべてが手話で進行する物語ということであり、ロシアの手話(というかウクライナのそれ? 両者は違うのか?)について事情を知らないかという問い合わせを関係者から受けて、その存在を知った次第だ。公式HPから、下記のとおり、そのあらましをコピーさせていただく。私自身、観たわけではないので、推薦するともしないともまだ言えないが、よかったらチェックしてみてください。

世界中の映画祭が熱狂!
全篇手話のみで描かれる前代未聞の衝撃作

2014年カンヌ国際映画祭で批評家達を震撼させ、批評家週間グランプリ含む3賞受賞の他、各国の映画祭で30以上の賞を受賞、「サイト&サウンド」誌のベストテンにも選ばれた驚異の問題作が登場する。

ウクライナの新鋭監督ミロスラヴ・スラボシュピツキーの長篇デビュー作である本作は、台詞や音楽は一切なく、字幕も吹き替えすらも存在しない。登場人物すべてがろうあ者であり、全篇が手話のみによって構成されている。

登場人物の背景や心理的な説明を全て排し、純粋な身振り、表情、眼差しによる表現方法に、観客は想像力をフル回転させてスクリーンと向き合う、という初めての映画体験に身を委ねることになる。そしていつしか彼らの会話を理解している事に気付く。


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Vyshkovo_gerb

 ウクライナ・ザカルパッチャ州ヴィシコヴェ町(Вишковe)。ロシア語ではヴィシコヴォ(Вышково)。やはり、「高い」という意味の地名だろうか。山のてっぺんを、鹿が歩いている。


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20150302nemtsov

 こちらのサイトで、ロシアのS.サモイロヴァという有識者が、先日暗殺されたB.ネムツォフ氏が暴露しようとしていたロシア軍のウクライナ・ドンバス紛争への介入を裏付ける資料などにつき論じているので、以下のとおり抄訳しておく。

 3月4日にB.ネムツォフの仲間であるI.ヤシンは、ネムツォフ暗殺にもかかわらず、すでに準備されていたウクライナ問題に関する報告書を公表すると表明した。3月5日、ロイターは、ネムツォフの秘書であるO.ショリナによる情報として、報告書による暴露の一部を報じた。ロシア軍が東ウクライナでの紛争に参加していることを裏付ける文書は、ネムツォフが殺害された原因の一つではないかと取り沙汰されているものだ。

 ショリナはロイターの記者に報告書の詳細を明らかにしており、ロイターでは同文書を「印象的」としている。暗殺の1日前、ショリナは共和党パルナスの事務所でネムツォフとともに報告書の内容を検討していた。ネムツォフは、盗聴を避けるために、ドンバス紛争に関して掴んだ事実を、A4の紙に書き上げていった。ネムツォフは、「イヴァノヴォ出身の何人かの兵士とコンタクトができた。17人の空挺部隊員が戦死したが、金も受け取っていない。彼らは話すことを恐れている」などと書き込み、ショリナに見せた。ネムツォフは、ドンバスで従軍した何人かの兵士の家族と連絡を取り合っており、彼らの息子たちがたどった運命を公表するように説得したという。しかし、ネムツォフはそれらの家族をショリナに紹介しようとはしなかった。ネムツォフは近々イヴァノヴォに出向いて家族たちと直接対面し、東ウクライナにロシア軍はいないというプーチンの嘘を暴く決定的な証拠を集めようとしていたという。

 ロシア兵が関与しているという証拠自体が、クレムリンを大いに動揺させたとは、考えにくい。その問題は『スロン』や『ノーヴァヤ・ガゼータ』といったロシアの一部のマスコミで盛んに論じられている。また、ネムツォフが集めた情報は、彼の仲間たちによって共有されるだろう。さらに、現在報告書が明るみに出て、この程度の反響なのだから、クレムリンが報告書を恐れてこれほど大胆不敵な挙に出たということは、ありそうもない。

 しかし、ここには一つの但し書きがつく。ネムツォフは単に情報を収集していただけでなく、兵士の母親や兵士自身たちと直接連帯しようと試みており、これによって問題が社会化するという現実的な脅威があった。つまり、ロシア軍が東ウクライナに介入しているという指摘自体はありふれたものだが、そこに兵士の母親という主役が加わることで、社会に大きな同情を引き起こし、「不正義がまかり通っている」という認識を流布させる可能性がある。なぜなら、戦死した兵士とその家族は、何の名誉も、物質的補償も受けていないからである。

 このことが、暗殺を犯す充分な根拠になるだろうか? それを企てた者の側に立ったとしても、この問いに答えることは、実質不可能である。なぜなら、Ye.シュリマンが『ヴェードモスチ』で指摘していたように、政治暗殺の首謀者の行動に合理性を見出そうとしても、無意味だからである。彼らはまったく異なる情報空間に生きている。その代わり、現時点で明らかなのは、今回の暗殺事件をきっかけに、野党はネムツォフ(プーチン体制の最も明確な敵対者)の事業をより強力に継続していくであろうということである。


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Герб_Королево

 ウクライナ・ザカルパッチャ州コロレヴォ町(Королево)。ロシア語ではコロリョヴォ(Королёво)。ほとんどコメントしない、手抜きシリーズのつもりだったんだけど、この紋章はツッコまずにはいられないぞ。魚が空飛ぶって、スピッツの聴きすぎか、はたまた大滝詠一かという(あれはクジラか)。ウクライナの女流政治家でN.コロレウシカさん(Наталія Королевська)てのがいるけど、あの人のルーツを辿っていくとこの街に辿りつくのかな。


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20150308adidas

 こちらのニュースによると、スポーツ用品の国際的大手のアディダスは、2015年にロシアで既存店舗を200店閉鎖する予定である。ただし、約100店の新規出店も予定通り実施するとしていて、利益にもとづいて販売店を選別する通常のプロセスであると説明している。現状ではアディダスはロシアに約800店舗を有している。同社によれば、アディダスは依然としてロシアにおいて最大規模のスポーツ用品・ウェアの小売業者であり、実に60%の市場シェアを誇っている。


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 最近、個人的に考えていることがある。これだけこじれた、欧米とロシアの関係。両者の関係が修復に向かうとしたら、「共通の敵」が現れた時ではないか。そして、今日の世界政治を見渡して、その共通の敵になりうるのは、いわゆる「イスラーム国(ISIS)」しかないのではないか。

 もちろん、米オバマ政権が現在のところプーチン・ロシアをISISと同列視していることや、ロシアが「有志連合」による空爆に反対していることも、知っているつもりである。しかし、ISISの問題は、いわゆる「文明の衝突」ではあるまい。「文明と非文明の衝突」である。そのような構図の中で、よもやロシアが非文明の側に属すなどということは、あろうはずがない。ISISが支配を目指すと称している仮想版図には、ロシアの北カフカス地域なども含まれているのである。ISISを封じ込めるという根本的なところでは、欧米とロシアの利益は一致するはずであり、今後両者が否応なしに協調を迫られるシナリオもありうるのではないか。

 こうした関心から、最新刊『イスラーム国の衝撃』を紐解き、ISIS問題の背景と本質を学ぶとともに、今後の展望へのヒントを探ろうと試みた次第だ。まあ、紐解いたと言っても、実際にはKindle版の電子書籍で読んだので、ダウンロードしてタップしたと言った方が正確だが。

 実際に読んでみたところ、大変優れた入門書だと感じた。正直言えば、私はISIS/ISILが何の略語かも知らないほど、まったく予備知識がなかったので、読むことすべてが新しく、とても勉強になった。

 たとえば、先日ISISがアッシリア帝国時代の文化遺産を破壊する模様の映像が世界に衝撃を与えたが、本書『イスラーム国の衝撃』を読み終えた今となっては、私の受け止め方は以前とは違っている。「なるほど、ISISはこういう理屈と狙いで、こうした行為に出ているのだな」ということが、よく理解できるようになった。もちろん、容認するという意味ではないが。

 著者によれば、ISISの伸張には、大きく見て2つの異なる要因が作用している。1つは思想的要因であり、もう一つは政治的要因である。思想的要因とは、ジハード主義の思想と運動の拡大・発展の結果、世界規模のグローバル・ジハードの運動が成立したことである。グローバル化や情報通信革命に適合した組織論の展開の結果として、近年にグローバル・ジハードは変貌を遂げていた。ISISも、それを背景に生まれてきた。一方、政治的要因とは、「アラブの春」という未曾有の地域的な政治変動を背景に、各国で中央政府が揺らぎ、地方統治の弛緩が進んだことである。とくにイラクやシリアで、それは著しい。グローバル・ジハードの進化と拡大が、中東とアラブ世界のリージョナルな社会・政治的動揺と結びつき、イラクとシリアの辺境地域というローカルな場に収斂したことによって、ISISの伸張は現実のものとなったというのが、著者の提示している基本構図である。

 さて、上記した「ISIS問題が欧米とロシアの関係修復の媒介となりうるか?」という関心に立ち返るならば、本書を読了し、「そう単純に事は運ばないだろうな」という認識に傾いた。ISISがこのまま支配領域をさらに拡大していくとは考えにくいと本書では指摘されており、その意味で脅威は限定的だからである。しかし、仮にISISが消滅したとしても、「ISIS的なもの」が形を変えて、今後長らく国際社会の攪乱要因に留まることは間違いなさそうだ。



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Bushtyno_s

 ウクライナ・ザカルパッチャ州ブシティノ町(Буштино)。ロシア語では綴りがБуштыноになる。ウクライナ語のиは硬音なんだよね、だからチモシェンコって読んじゃダメなんだよ。ブシティノの紋章、農村アイテムをちりばめたデザイン。


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 静岡にプチ帰省中。子供の頃に通っていた教会です。だいぶ様子が変わったけど。知られざるクリスチャンの過去(笑)。


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20120306krym

 クリミア半島に所在するサッカークラブは、先にロシアの国内リーグ戦への参戦をUEFAから禁止されていたが、こちらのニュースによると、妥協策としてクリミア半島独自のリーグ戦を創設する方向でUEFAの理解が大筋で得られたということである。このほどUEFAの代表団がクリミアを訪問して調査を行い、その結果を踏まえてUEFAのF.ラヴリネツ執行委員が3月5日に記者団に明らかにした。一般的なリーグと、19歳までのユースのリーグの2つを創設するという方向である。一般リーグでは8つのプロチームが参戦する予定。クリミア・サッカー協会とセヴァストポリ・サッカー協会が合併して新たなクリミア・サッカー協会が発足し、同協会がリーグ戦の運営に当たる。リーグ戦の開催時期、財政面などは現在のところ未定。クリミアの側から要請の出ていた、クリミアのクラブがUEFAのカップ戦に参戦する問題については、追って協議する。


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ilnitsa

 ウクライナ・ザカルパッチャ州イリニツャ村(Ільниця)。ロシア語ではイリニツァ(Ильница)。しかし、ザカルパッチャ州って、大都市はないのに、中小規模の集落の数は結構多いね。本日紹介するイリニツャ村は、村なのに9,000人も人口がいるぞ。で、現在個人的に多忙であり、かなり無名の集落が続くので、今日からしばらく、コメントらしいコメントは無しで、単に紋章のデザインだけ紹介するような感じになると思う。まあ、元々その程度のユルい企画だからね。しばらく手抜きでご容赦ください。


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 こちらのニュースで、ウクライナの外貨準備の動向が伝えられていた。これによると、2月の1ヵ月間で外貨準備は12.4%減少し、2月末時点の残高は約56億ドルになったということである。そこで久し振りに、ウクライナ中銀発表の統計にもとづき、2年あまりの外貨準備残高の推移を、上に見るような図にまとめてみた。改めて、減少の一途を辿っているものである。2月には、5.4億ドルの債務償還および国家保証の支払、5.6億ドルに上る為替介入などが減少の原因となったということである。


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 こちらのページに、ロシアの政策金利(緑色)と為替レート(オレンジ色)の長期的推移を示した図が出ていた。こういうのも、いずれ何かの用事で使うかもしれないので、一応キープしておくことにする。


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20150306abkhazia

 ロシアは昨年、グルジアからの分離・独立を掲げている(ただし大方の国際的な承認は得られていない)アブハジア共和国と、同盟・戦略パートナーシップ条約を結んだ。こちらのニュースによると、3月5日に同条約が発効したということである。経緯を整理すると、2014年11月24日に両国大統領が条約に調印(写真はその時の模様)。12月22日にアブハジア議会が批准法を採択し、26日にR.ハジンバ大統領が同法に署名して、アブハジア側の批准が完了した。ロシア側は、2015年1月23日に下院、2月4日に上院が批准法を可決し、同日にV.プーチン大統領も同法に署名して手続きが完了した。そして、3月5日にロシア外務省で批准書の交換式が行われ、これにより条約が発効したということである。

 記事によれば、条約は共通の防衛・安全保障空間を形成し、その一環として両国合同の部隊の創出をうたっている。グルジア・アブハジア国境、アブハジア領海での共同行動を見込んでいる。また、アブハジアが国際的な承認を得られるようロシアが支援すること、アブハジアの各種国際機関への加盟をサポートすることも盛り込まれている。さらに、アブハジア国民がロシア国籍を取得する手続きを一層簡素化する。

 以上が記事のあらましだが、普通であれば経済に重点を置くのが定石だと思うが、まず安全保障・政治ありきというのが特徴的だ。ロシアからすれば、アブハジアをユーラシア経済連合に加盟させるというのも一案だろうが、ユーラシアのパートナーであるベラルーシもカザフスタンもアブハジアを国家承認しておらず、両国としては統合をきな臭い方向に持っていかれたくはないので、仮にロシアがアブハジアのユーラシア入りを働きかけたとしても両国の同意は得られないだろう。


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solomon

 ウクライナ・ザカルパッチャ州ソロモノヴォ村(Соломоново)。ロシア語でも綴り・読みともに同じ。昨日、チョプのことを書いて、その際に、「この街がウクライナの最西端なのだろうな」と思ったのだが、実は違っていた。厳密に言えば、チョプの近郊にある人口1,300人あまりのソロモノヴォ村というところが、ウクライナ最西端の集落なのだそうだ。そこで、ついでのこのソロモノヴォ村の紋章も取り上げることにする。ご覧のように、魚を描いたデザインである。これを見て直感的に、「鮭=サーモンからソロモノヴォという地名が付いたのかな?」と思った。しかし、ウィキペディアを見る限り、かつてソロモンという統治者がいたから、このような名が付いたのだとか。ただし、地名からの駄洒落で、紋章をサーモンにしたという可能性は、あるような気がする(鮭っぽくはないかな、この魚?)。


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 2月20日にムーディーズがロシアのソブリン格付けを引き下げたことに関しては本ブログでも既報のとおりだが、こちらのサイトにそれをめぐる記事が出ている。上に見るように、ムーディーズによる格付けの長期的推移のグラフが掲載されている(1996年10月から直近まで)。以前、こういうグラフを自分で作ったことがあったが、えらく大変だったので、こういう出来合いのものがあるのは有難く、勝手ながら転載させていただく。

 ロシアの政策エリートは、今回のムーディーズによる格下げに不快感を示し、「政治的動機にもとづくもの」といった批判が出たり、S.ストルチャク財務次官などは格付け機関との契約を打ち切る可能性に言及したりした。しかし、この記事では、現実にロシアには政治リスクがあることを認め、より謙虚に受け止めるべきであると論じられている。初めてムーディーズがロシアを投資適格以上に引き上げた2003年と、最新の2014年のファンダメンタルズを比べると、下表のようになる。確かに、ロシアは規模の面では成長を遂げたが、財政赤字や経常黒字の対GDP比は悪化しており、さらに重大なことには経済成長力が低下しているので、格付け機関による格下げにも理があると、この記事では論じられている。

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Chop_s

 ウクライナ・ザカルパッチャ州チョプ市(Чоп)。ロシア語でも綴り・読みともに同じ。

 先日、ザカルパッチャ州フスト市の紋章を取り上げた際に、同州はスロバキア、ハンガリー、ルーマニアというEUの3ヵ国と国境を接していると書いてしまった。今頃になって気が付いたが、実は同州はポーランドとも国境を接しており、つごうEU4ヵ国と接しているというのが正解である。ポーランドとの国境線は短いので、つい見落としてしまった。お詫びして訂正します。

 さて、本日取り上げるチョプ市も、やはり国境の街。国境を挟んで、スロバキアおよびハンガリーと向かい合っている。上記のポーランドの件を間違えたお詫びも兼ねて、下図のようなザカルパッチャ州と周辺国の地図を作ってみた。チョプは赤い点のところであり、ウクライナのどん詰まりと言おうか、あと一歩でEUと言おうか、そんな場所にあることがお分かりいただけるだろう。紋章はなかなか重みのある意味合いが込められていて、銀色の車輪と翼は鉄道の象徴であり、当地が交通の結節点であることを表す。また、金の鍵は、この地こそウクライナへの入り口であることを意味しているという。

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 こちらのニュースによると、3月3日にモスクワでV.プーチン・ロシア大統領とA.ルカシェンコ・ベラルーシ大統領の首脳会談が開催された。両国は名目的には「連合国家」という統合形態をとっており、公式的に言えば連合国家の最高国家評議会の会合が開催された、ということになる。会談の結果、2015年の連合国家予算の採択をはじめとする11の決定が下された。2015年の予算は50億ルーブルで、そのうちの85%が36の共同プロジェクトの実施に充てられる。共同プロジェクトで重要なのは、ハイテク部門の協力、国境地域協力などであるという。会談では、文化・社会分野の4本の二国間協定が結ばれた。


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 こちらのニュースなどによると、ロシア極東サハリン州のA.ホロシャヴィン知事が逮捕されたということである。日ロ経済関係が全般的に停滞する中にあっても、サハリン州との間ではいくつかのプロジェクトの前進が見られていただけに、今後が気がかりである。

 記事によれば、知事の顧問で、サッカークラブ「サハリン」の社長を務めるA.イクラモフという人物がおり、同氏が刑事告発された。本件に関連して、3月3日にホロシャヴィン知事も逮捕されたということである。現在のところ、判明しているのはその程度で、まだ詳しい背景などは分からない。

 サッカークラブなんてワードが出てくると、個人的にドキっとするのだが、FCサハリンは「全国リーグ」という上から2番目のカテゴリーに属す田舎チームであり、このクラブ自体が本業で大きな利益を生み出しているとは考えがたい。ただ、FCサハリンのゼネラルスポンサーはガスプロムが務めている由であり(下の写真参照)、水面下でマネーがうごめいている様子をなんとなく想像してしまう。

20150304sakhalin

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National_Bank_of_Ukraine

 ウクライナの政策金利が大幅に引き上げられ、本日3月4日からは30%という異次元の高金利になっているようである。ウクライナ中銀のHPにもとづき、2014年以降の金利引き上げの経緯を以下のとおりまとめておく。

2014年1月1日:6.5%
2014年4月15日:9.5%
2014年7月17日:12.5%
2014年11月13日:14.0%
2015年2月6日:19.5%
2015年3月4日:30.0%


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20150304mechel

 今般のルーブル下落は、ロシアの鉄鋼業界などにとっては意外と有利に働くのではないかという論調があったが、それを裏付ける経営者の発言を見付けた。こちらの記事で、メチェルのO.コルジョフ社長が、ルーブル安は債務負担に苦しむ同社にとっては朗報である旨語っている。以下、コルジョフ社長の発言要点をまとめておく。なお、メチェルの場合、純粋な鉄鋼メーカーというよりも、石炭事業の割合がかなり大きい。

 ルーブルの急落は、我が社にとって功罪両面あるが、現在のところプラスの方が上回っている。

 第1に、輸出収入をルーブル換算した場合の金額が実質2倍となり、国内作業コストのドル換算価格が半分になった。現在、ヤクートウーゴリ、エリガ、南クズバスといった炭鉱の石炭採掘コストは、世界最低レベルである。むろん、インフレによるコスト増もあるが、現在のところルーブル安の方が速く進んでいる。第2に、冶金部門の国際競争力も、一変した。ただし、マイナスもある。輸入設備・部材の価格が高騰している。もっとも、我が社の大規模な投資プロジェクトがすでに完了しているというのは喜ばしい点だ。世界的には、ドル・ユーロ・豪ドルの高騰で2015年の石炭価格の回復は見込めないが、我々の利益率は向上している。そして最後に重要なことは、ルーブル安によって、我が社の債務のドル換算の額が低下していることである。2014年6月の86億ドルから、現在は64億ドルになっている。これによって財務がずいぶん楽になった。

 我々が政府の支援を求めたいのは、我々がすでに採択した決定、銀行団によっても支持されている効率改善の現実的なプログラムを、政府に検討してほしいということである。債権銀行団との交渉に関して言えば、すでに述べたように、2014年下半期にルーブル安で我が社の財務はずいぶん楽になったので、債務返済の可能性が格段に改善された。我が社の提案は、利払いを満額行うので、元本の返済を1年から1年半ほど延期してほしい、というものだ。多くの銀行とは合意できたが、まだVTB、ズベルバンクと妥結していない。

 17の西側銀行からなるシンジケートとの交渉は建設的に進んでおり、彼らは10億ドルの融資のリスケに前向きである。ただし、支払スケジュールは、我が社とVTB、ガスプロムとのリスケに左右されるので、最終合意はまだである。

 インタビューはまだ続くが、とりあえずこのあたりで。


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Velyki_Luchky_CoA

 ウクライナ・ザカルパッチャ州ヴェリキルチキ村(Великі Лучки)。ロシア語ではヴェリキエルチキ(Великие Лучки)。村ながら、人口は9,000人くらいいて、結構歴史のある集落らしい。川の湾曲を意味するlukaから付いた地名だと思われるが、紋章のデザインはそれとは関係ない。紋章に描かれているのは、3本のトウモロコシの木ということだ。実は、紋章にトウモロコシが描かれたのは、世界でここが初だったということである。まあ、紋章はヨーロッパのものであり、トウモロコシは新大陸起源だから、紋章に登場するのは遅い時代だったんだろうね。上の紋章では、これがトウモロコシの木だというのは分かりにくいけれど、下に見る村の旗だとそれがはっきり分かる。

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 こちらのサイトに、2015年のロシアの乗用車販売台数予測に関する記事が出ている。2015年以降の予測をまとめた図が掲載されていて、便利なので、図だけ転載させていただく(クリックすると拡大)。黄色の2014年までが販売実績、2015年以降が予測。薄い青が「基礎シナリオ」、濃い青が「楽観シナリオ」。単位は100万台。ピークだった2012年の乗用車販売台数を回復するのには、5~6年を要するという見通しとなっている。まあ、あくまでも一つの予測だが。

 なお、後日調べたら、原出所はこちらでした。


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 ロシアが経済危機に陥って、日本の自動車メーカーの中で、影響を受けそうなのはどこか? そんな質問を受けたので、ちょっと簡単にデータをまとめてみることにした。上の表は、まず日系自動車メーカーの2014年の全世界における乗用車(商用車も含む)の生産台数を、こちらにもとづいてまとめた。さらに、欧州ビジネス協会の発表値をもとに、各メーカーのロシア市場での2014年販売台数を記した(プレミアムブランドも含む)。そして、各メーカーが全世界で生産しているもののうち、台数ベースでどのくらいの割合をロシアで販売しているかを「ロシア依存度」としてまとめたものになる。きわめて単純な作業だが、個人的にこういう作業はこれまでしたことがなかった。ロシアには軽自動車の市場が存在しないので、ダイハツやススギのロシア依存度は必然的に低くなる。


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 こちらのサイトに、ロシアの輸入代替政策、モスクワ市による工業団地創設の構想に絡めて、ロシアにおける自動車コンポーネント生産につき論じた記事が出ているので、要点を整理しておく。

 モスクワ市では、複数の自動車コンポーネント生産専門の工業団地を整備し、ロシアの輸入代替に貢献するつもりである。モスクワ市のO.ボチャロフ科学・産業政策局長がこのほど表明した。2月の初めにS.ソビャニン・モスクワ市長が述べたところによると、今後3年間で1,700億ルーブルを投じてビジネスを支援する意向であり、その柱の一つがモスクワにおいて自動車コンポーネントの生産を促進することである。すでに旧モスクヴィチ工場の敷地150haにおいて自動車コンポーネントに特化した工業団地が準備されつつあり、ルノー向けのコンポーネント生産を手掛けるAAT社、コンポジット・ナノテクセンターに入居が呼びかけられている。

 自動車コンポーネント生産はロシアにとって喫緊の課題。ロシアの乗用車販売市場は世界有数の規模で、年間230万~250万台の新車が販売されている。うち、ロシア国内で生産されたものが、2014年には190万台で、生産能力は300万台におよぶ。ロシア生産車の3分の2強が、外国ブランド車の組立だが、その現調率は45%という低いものに留まっている。ロシア国産ブランドのAvtoVAZでさえ、コンポーネントの24%を輸入に頼っており、特に新モデルでその傾向が高い。専門家によれば、自動車コンポーネントの輸入は年間1,000億ドル規模に上っている。輸入に依存する部分が小さくないので、ルーブル下落でロシア国内の自動車生産が危機に陥り、いくつかの工場は操業停止を余儀なくされている。

 下図に見るとおり、世界の主要な自動車コンポーネント・メーカー(タイヤも含む)は、ロシアの大手石油会社であるガスプロムネフチに匹敵する売り上げを挙げている。現在のところ、ロシアのコンポーネント・メーカーはここには登場しない。

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