服部倫卓のロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪(ブログ版)

私のホームページ「ロシア・ウクライナ・ベラルーシ探訪」(http://www.hattorimichitaka.com)のブログ版です。

20120915cskamini

 先日、モスクワのモーターショー(モスクワ国際自動車サロン)を​取材に行ったのだが……。いきなり本田圭佑に出迎えられるとは思​わなかった。見本市会場の一等地を占めていたのが韓国系の現代自​動車であり、同社はCSKAモスクワのスポンサーを務めているの​で、その中心選手のディスプレーがまず来場者を迎える格好になっ​ていた。サッカー好きの私としては、ロシアプレミアリーグでの広​告主に名乗りを上げる日系ブランドがないのが寂しい。

 それで、これまでCSKAモスクワのメイン・スポンサーは、石油会社のバシネフチが務めてきた(現代自動車は数あるスポンサーの一つという位置付けで、メインではない)。昨日、ロシア・プレミアリーグのクラスノダル対CSKAモスクワ戦をスカパー!で再放送していたので観たところ、CSKAのユニフォームの胸スポンサーが代わっているのに気付いた。いつの間にかバシネフチから航空会社のアエロフロートに代わっている。そこで情報をチェックしてみたら、2012年7月11日付でアエロフロートがバシネフチに取って代わってメイン・スポンサーになったということである。アエロフロートは欧州市場への浸透・拡大をめざし、年間900万ドルのスポンサー料をCSKAに支払うことにしたという。


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20120915chagall

 この間、日本国内の某地方に出かけた時に、そこの市立美術館にシャガールの​作品があるというので、炎天下30分くらい歩いて美術館にたどり​着いたのだけど、残念、他の所に貸し出し中ということで、もぬけ​の殻だった。せっかくなので、その作品のカードを買って帰ってき​た。1945年の「空飛ぶアトラージュ」という作品らしい。

 しかし、うちの複合機のスキャナーの性能、相当良いなあ。色がかなり忠実に再現されていて、シャガールの作品の雰囲気が損なわれていない。iPadのRetina液晶で見ると、特に綺麗。

20120915tretyakov

 ついでに、もう一つシャガール・ネタ。先日のロシア出張の際に、モスクワで夕方ちょ​っと時間ができたので、トレチャコフ・ギャラリーでやっていたシ​ャガール展を見学してきた。初期の芸術家としての形成期に焦点を​当てた展示だった。有名になって以降の大作のようなものはあまり​なかったけれど、ものすごい「品数」だった。これはトレチャコフ​の別館になるのかな? 9月30日までやってるようなので、ご興​味のある方はどうぞ。

 細かいことだけど、この展示会を見学して、シャガールの絵の署名には、ローマ字のものとキリル文字(ロシア文字)のものがあるということを、遅れ馳せながら認識した。


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20120914setsuden

 9月分の電力料金の請求が東京電力から届いた(8月中旬~9月中旬使用分)。自分でも驚くべきことに、使用量が前年同月から半減している。ただし、不可解な点があって、東電の請求書には前年同月比45%減と書いてあるのに対し、私が自分でつけている記録によれば前年同月比58%減のはずである。いかんせん極悪非道の会社のやることなので、邪悪な意図があって減少幅を少なく示しているのかもしれないが、まあよく分からない。いずれにせよ、昨年の同時期に比べれば、ほぼ半減したということは間違いない。もっとも、この間ロシア出張があって、10日間ほど家を留守にしていたという要因があるのだが、いずれにしても大幅な節電を達成しているはずだ。どうだまいったか。


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20120913ipod_touch_new

 出張の疲れが今頃になって出たのか、今朝起きたら(というか辛くてなかなか起きられなかったんだけど)、頭痛がして、ちょっと今日は休みをいただくことにした。昼過ぎまで寝たら、だいぶよくなったけど。

 というわけで、ブログも簡単なものしか書けませんが、アップルが昨日、iPhone5を発表したんですねえ。それと、準スマホ的な機能を持つiPod Touchの新型も。個人的には、確かにiPhone5に興味はあるものの、導入するということはなさそうだ。今年の春に新型のiPadを買ったから、情報端末はiPad、通話はガラケー、音楽プレーヤーはiPod Touchという体制で落ち着いている。この環境があれば、iPhone5に限らず、当面スマホは不要か、と。問題は、音楽ライブラリーが増殖し、そろそろiPod Touchの容量64GBから溢れそうになりつつあること。その意味では、新型iPod Touchの容量増があれば色めき立つところだったが、その点では64GBと32GBのラインナップということで、進歩なし。たぶん、フラッシュメモリではこれが限界なのだろう。新型iPod Touch(画像参照)は、画面拡大など、一層スマホに寄ることに主眼があるようだ。あと色のバリエーションも増えるらしい。私の音楽ライブラリーがさらに拡大したら、160GBを誇るHDDのiPodクラッシックに乗り換えるしかなく、そのくらいのタイミングでガラケーからスマホに移行するというイメージかな。でもそれは1~2年先でいいだろう。


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20120912oilday

 ロシア圏では、様々な業種や職業の日というのがそれぞれ定められている。本ブログでは以前、8月の第1日曜日が「ロシア鉄道の日」であるということを紹介した。

 それで、先日ロシアのペルミ市に滞在していた際に、書店でちょっと面白いものを見かけたので、買ってきた。上の画像はちょっと見にくいかもしれないが、「石油・ガス・燃料産業労働者の日」をお祝いするカードのようなものである。こんな風に、専用のカードまで売られているのだから、なるほどロシア圏では業種・職業別のお祝いの日というのはかなり大事なものなのだなと、認識を新たにさせられた次第。ペルミ地方は石油産業が盛んなので、こうしたカードのニーズがあるのだろう。ちなみに、「石油・ガス・燃料産業労働者の日」は、9月の第1日曜日に定められているそうで、今年は9月2日だった。私がこのカードを買ったのは、3日だったから、1枚売れ残っていたのを見付けたわけである。

 参考までに、ロシア語になるが、ウィキペディアのこちらのページに、ロシア圏の業種・職業別のお祝いの日の一覧が掲載されており、便利である。


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 今日中にまとめなければいけない重要な仕事があるので、ブログは昼休みのつぶやき程度で勘弁してもらおうっと。

 昨日、ブラジルW杯のアジア最終予選で、日本がイラクを破り、予選突破に向けさらに前進した。サッカーライターの宇都宮徹壱さんが、「イラクのチーム状態がもっと良くて、監督がまともな人だったら、日本はやられていたかもしれない」とつぶやいておられたが(表現はうろ覚え)、確かにそう考えたくなるくらい、かなり手こずった印象だった。日本は、スローインから相手の隙を突いて挙げた1得点だけにとどまり、もちろん他にも惜しいチャンスはあったが、逆にやられそうになった場面も何度かあり、どっちに転んでもおかしくない試合だった。

 今回の日本VSイラク戦に関しては、元日本代表監督のジーコ率いる相手との対戦ということで、その観点での注目度が高かった。私個人は、ジーコという人物に特別な思い入れはないし、彼が日本代表を率いていた時も疑問視していた。率直に私見を言わせていただくならば、ザッケローニ現監督の下で力を発揮している現日本代表を見るにつけ、日本代表はトルシエ、ジーコと2代続けて誤った人選をして丸々10年を失ってしまったのではないかと、そんな思いにすら駆られてしまう。そして、「ジーコしかいない」などと称して、根拠薄弱な監督人事にこだわり続け、ドイツW杯での惨敗を招いた川渕氏は、責任を問われるべきだと、今でも思う。「ジーコしかいない」んだったら、永久に監督任せればいいんじゃないの?

 それはさて置き、日本代表の時のジーコ監督と、現イラク監督としてのジーコ氏は、かなり変わっていた。周知のように、ジーコは代表というものについて独自の哲学を持っており、日本代表の時までは、国を代表する優秀な選手さえ集めれば、あとは選手に任せて細かい指示は出さないという姿勢をとっていた。黄金期のブラジルで代表として活躍したがゆえに、セレソンというのは特別なものと考えているらしい。ゆえに、オーソドックスなシステムを採用し、選手の序列を重視するようである。しかし、昨日の試合では、ジーコは選手の大半を入れ替えて日本に挑んできた。あれは何だったんだろうな。日本代表監督として失敗したあと、ジーコはいくつかのクラブで監督を務めたりもしたから、ナショナルチームでも時には策を弄するようになったのかな。

 「つぶやき」の割には長くなり、それにしては内容がないけど、とりあえずこんなところで。


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 こちらのニュースによると、ウクライナは「共通経済空間」の活動にオブザーバーとして加わることを希望している。「共通経済空間」とは、ロシア・ベラルーシ・カザフスタン3国の関税同盟のより踏み込んだ統合の枠組みとして、本年初頭に発足したもの。9月10日に共通経済空間の事務局であるユーラシア経済委員会のV.フリスチェンコ委員長と会談した際に、M.アザロフ・ウクライナ首相がその意向を表明した。

 これによれば、アザロフ首相は、共通経済空間の活動にオブザーバー参加することにより、両者間のセンシティブな通商・経済協力の問題に、より機動的に対応することが可能になるとの認識を示した。フリスチェンコ委員長は、委員会がウクライナの提案を検討すると約束した。また、今回の会談の席で、ユーラシア経済委員会とウクライナ政府間で、通商協力に関するメモランダム、また技術規制分野の協力に関するメモランダムが調印された。


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 全然フォローできていないが、ウクライナで10月28日に最高会議(議会)選挙が実施される。小選挙区225、比例代表制225の並立制で、計450名の議員を選出する。すでに候補者の登録手続きも完了し、選挙戦に突入している。

 で、国民による最新の政党支持率の数字が出ているので、これを簡単に見ておきたい。こちらのニュースによると、8月10~15日にウクライナ全土で2009名を対象に民主イニシアティブ基金とラズムコフ・センターが共同で実施した世論調査の結果、国民の政党支持率は以下のように分かれた。これは、投票する用意があるという回答者の中で、何%が当該党に入れるつもりであるかを示している(合計が100%にならないが原因は不明)。

地域党:28.1%
バチキウシチナ:25.6%
UDAR:11.5%
共産党:8.2%
---
進めウクライナ:4.0%
自由:3.8%
その他の諸政党:1.5%
まだ決めていない:14.4%

 「バチキウシチナ」は収監中のYu.ティモシェンコ前首相派を中心とした野党連合で、与党「地域党」と野党連合「バチキウシチナ」が伯仲する状況となっている。UDARはボクシングの英雄V.クリチコ氏の政党で、「改革を目指すウクライナ民主連合」の略語を「パンチ」を意味する「ウダール」とかけた政党名である。さらに左派の共産党が8.2%と続き、ここまでが5%の足切りラインを越えているので、このままの形勢であれば4政党が比例での議席獲得を果たすことになる。むろん、まだ決めていない投票予定者も14.4%おり、国民的サッカー選手のA.シェフチェンコの参加で注目を集める「進めウクライナ」あたりがこれから支持を積み増すことも考えられる。また、小選挙区は小政党や無所属でも議席獲得が可能なので、より複雑な構図となる。


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 ウラジオストクでAPECサミットがあったので、ロシア極東関連の情報が色々と出ている。なかなかフォローが追い付かないが、少しだけでも見ておきたい。

 こちらのニュースによると、専門家によれば、ロシア極東がロシア全体を上回る成長を遂げていくためには、年間3兆~4兆ルーブル規模の投資が必要とされるとのことである(現在1ルーブル=2.47円)。これは、9月6日ウラジオストクでAPECサミットの一環として開催された討論会において、株式会社「極東・バイカル地域発展基金」のG.アレクセエフ社長が語ったもの。

 アレクセエフ社長は、概要以下のように語った。過去数年、ロシアの東部諸地域の経済に投下されてきた巨額の財政資金は、インフラと生産の急激な発展を促した。このことは、ロシア東部の主要産業に外国およびロシア国内から投資を誘致するうえで、肯定的な影響を発揮し始めている。国は毎年、極東、とりわけ経済の主要部門の発展にかなり本格的な規模の投資を行っている。すべての既存のメカニズムを用い、国家投資1に対し民間の投資を1、理想的には2加えれば、必要な規模の資金が確保されよう。極東がロシア全体を上回る発展を遂げるために必要なその投資額は、年間3兆~4兆ルーブルとされている。これは極東の社会・経済発展戦略を実現するのに必要な額に他ならない。アレクセエフ社長は以上のように述べた。


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20120910kobukuro

 ロシア出張から帰ってきたら、予約してあったコブクロ『ALL SINGLES BEST 2』が郵便受けに届いていた。まあ、それほど熱心なファンというわけではないが、今の日本のアーティストのなかでは比較的好きな部類に入る。以前出た『ALL SINGLES BEST』を買ったので、行きがかり上、2も買ってみた、といったところ。しかし、我ながら、なんで最初の『ALL SINGLES BEST』を買ったんだったかな? よく覚えてない。買った時点では、知ってる曲もなかったはずだったんだけど。そういえば、確か誰かが褒めている文章を読んで、気になって買ったような記憶が、おぼろげによみがえってきた。

 しかし、今回の『ALL SINGLES BEST 2』は、駄目でしょ。この間、2人の体調不良で活動を休止していたということもあり、聞くところによると8枚しかシングルが出てないらしい。それで2枚組のシングル集を出すというのは、無理がある。現に、ボーナストラックと称して、コブクロの曲をオーケストラで演奏したものを収録して、時間を稼いだりしている。明らかに、レコード会社の経営上の都合でムリクリ企画された商品。本人たちも不本意なのでは。収められている曲が悪いという意味ではないが、商品として残念すぎ。


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20120909honey

 ロシア出張(モスクワ~ペルミ~バシコルトスタン)から昨日無事帰国したところ。

 「バシコルトスタン共和国と言えば、何?」 そう訊かれて、「はちみつ」と正解を答えられる貴方は、そうとうアブないロシア・マニアです。そう、バシコルトスタンのはちみつは、ロシア随一の生産量を誇り、知る人ぞ知る名物になっているのである。

 写真は現地で買ってきたはちみつ。まあ、さすがにはちみつそのものはこういう風に良い感じにパッケージされて売られている。しかし、日本だったら、あらゆるものにはちみつを練り込んで、新たな名物や土産物を開発しようとするだろう。はちみつケーキ、はちみつ煎餅、もしかしたらはちみつラーメンなんてものを出す店もあるかもしれない。その点、バシコルトというかロシアは、はちみつそのものだけ止まってしまっており、そこから敷衍しての商品開発努力みたいなものがまだ見られないのが惜しいような気がした。


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 引き続き、ロシアの『コメルサント・ジェーニギ』誌(2012年9月3~9日号、No.35)に掲載されたイノベーション・センター「スコルコヴォ」についての批判的なレポートの抄訳をお届けする。

 Cognitive TechnologiesのO.ウスコヴァも、スコルコヴォは現在その戦略を、イノベーションから不動産開発にシフトしていると指摘する。その路線にも一理あるかもしれないが、問題はそれがイノベーションの美名の下に進められていることだ。

 チェルノフ副理事長は、次のようにイノベーション関連事業の実例を列挙する。すなわち、ルクオイルが研究センターの建設を予定しており、ズベルバンクも開発センターに8億ドルを投資する予定で、BINグループはスコルコヴォに隣接して多機能施設・ホテル・駐車場を建設しようとしており、レノヴァも研究開発センターの建設に着手した、と。確かに、土地の有利な賃貸を受け、税制も優遇され、その他の優遇措置も受ける企業のリストは、まだまだ続く。それにより、プロジェクトはきわめて有利なものとなる。そして、スコルコヴォには、近くに土地を有する有力なご近所さんたちがいる。I.シュヴァロフ第一副首相に始まって、アブソリュート・グループのA.スヴェタコフ、大富豪のS.ケリモフやR.アブラモヴィチらである。アブラモヴィチはすでにゴルフ場の建設を終え、さらに住宅も建設しようとしている。スコルコヴォに近いほど、土地も、上物も、価格が上がる。

 そうしたなか、前出のウスコヴァによれば、イノベーションに関係したものは見事に無視されている。たとえば、ヴェクセリベルグ理事長はヒアリングや会議には一切姿を現さないという。先週、国営のロスネフチェガス社が、ヴェクセリベルグのKESホールディング傘下のエネルギー関連資産を買収する予定という情報が流れたことも、ヴェクセリベルグ退任説を裏付けるものと受け止められた。ヴェクセリベルグには、スコルコヴォの理事長に就任することによって行政資源を獲得し、KESを強化したいという思惑があったが、メドヴェージェフが大統領の座を去り、現在の担当者のV.スルコフもかつての政治力を失って、ヴェクセリベルグにとっては袋小路となっている。スコルコヴォは現在、状況を全面的に正すか、あるいは2014年までにイノベーションとはまったく関係なしに建設工事だけを終えるかの、岐路に立っていると、ウスコヴァは指摘する。もっとも、だからと言ってスコルコヴォがなくなるわけではない。すでに入居している500以上の企業は、G8サミットに向けた広告塔として、そしてメドヴェージェフ時代の記念碑として、そのまま残ることになる。いずれにしても、ウスコヴァによれば、スコルコヴォは数十、数百の新プロジェクトを経済のあらゆる部門で生み出すための環境作りとして考案されたのだが、実際に出来上がったのは灰色の、生気のない「イノベーション省」だった。

 一方、別の専門家は、スコルコヴォは先が長くないと予想する。ある専門家は、以下のように指摘する。「メドヴェージェフが要職にあるうちは、彼はスコルコヴォ潰しに反対し、少なからぬ資金が投入され続けるだろう。ただ、最終的には2つのシナリオしかない。第1に、スコルコヴォを閉鎖はするが、そこそこ良いプロジェクトに資金が拠出されたのだから、資金が浪費されたわけではなかったという立場がとられること。第2に、スコルコヴォを本来のイノベーションという趣旨に戻すというシナリオだが、この第2のシナリオの方がより空想的なものに思える」。


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 ロシアの『コメルサント・ジェーニギ』誌(2012年9月3~9日号、No.35)に、同国のイノベーション・センター「スコルコヴォ」についてのレポートが掲載されている。メドヴェージェフ大統領(当時)の肝煎りで、「ロシア版シリコンバレー」との触れ込みの下、鳴り物入りで創設が始まったスコルコヴォだったが、最近ではイノベーションという当初の目的が置き去りにされ、単なる不動産開発プロジェクトと化していると批判されている。レポートを以下のとおり抄訳しておく。やや長いので、2回に分けてお届けする。

 先週、財務省は、スコルコヴォへの歳出が減額されることはないと表明した。スコルコヴォには2015年までに850億ルーブルを拠出することになっているが、それが満額支出されるということである。かくして財務省は、過去数ヵ月間流れていたスコルコヴォに関する否定的な噂を、打ち消す形となった。周知のように、メドヴェージェフ氏の肝煎りで立ち上げられ、しかしながらプーチンはそれほど熱心でないスコルコヴォについては、何も生み出さないままに死産を迎える運命にあり、スコルコヴォ財団のV.ヴェクセリベルグ理事長は近く退任することになるといった噂がこのところ流れていた。

 しかし、財務省の発表は、かえって悲観的なムードを強める。入居企業、スコルコヴォの提唱者、専門家の大多数は、資金がイノベーション事業ではなく、ただの建設事業に投下されることになると見ている。イノベーション・センターを創設するという構想自体は、崩壊寸前である。民間の投資家が存在しないなかで、現在の国庫補助金分配方式は、しかるべき発展に反した方向性であり、小規模で未熟なロシアのベンチャー投資を圧殺するものでしかない。

 メドヴェージェフは大統領在任中に、2014年のG8サミットがスコルコヴォで開催されると発表した。むろん、彼は善意でそう決めたのだろう。APECの会場に選ばれたウラジオストクのルースキー島のように、スコルコヴォがG8サミット会場になれば、投資が殺到すると考えたのだろう。実際、S.ソビャニン・モスクワ市長は、スコルコヴォに至る道路やインフラへの投資を加速するように指示した。もっとも、それに割り当てられていた予算45億ルーブルは、この夏のクラスノダル地方の水害救済のために付け替えられてしまったが、関係者はこれは技術的問題であり、いずれ資金はかならず出るとしている。

 スコルコヴォ街道には、威容を誇る建築物が姿を現している。しかし、それはプロジェクトの成功を保証するのではなく、むしろ逆であろう。関係者は次のように語る。「サミットまでに建設を終えるという課題が示されてから、明らかに優先事項が変わった。今では、イノベーションの話など出ず、とにかく期間内に建設を終えるという話ばかりだ」。スコルコヴォ財団のA.チェルノフ副理事長によれば、過去2年間、公的資金の60%は建設事業に費やされてきた。だが、完成したのはただ1つの「キューブ」、より正確に言えば7階建ての「ハイパーキューブ・トランスフォーマー」だけである(イラスト参照)。これを完成させるのは確かに難工事だったのだろうが、全支出に占める建設費の比率が今後もサミットまでこれまでと同じままであるとするチェルノフの発言は、信じがたいものである。2014年まで、少なくとも、事務所棟の一群、会議施設、サミット代表団の宿泊施設を建設しなければならないという。さらに、その時点までにすべての主要な交通およびエンジニアリングのインフラを整備する必要がある。

20120908cube

 スコルコヴォの入居企業の間では、2013年にはイノベーション・プロジェクトへの補助金が平均で60%減となるとか、ヴェクセリベルグ理事長がスコルコヴォに嫌気がさしており、後任にはAPEC向け建設の凱旋将軍であるA.アガラロフが任命されるといった、沈鬱な噂が流れている。

 反体制派の論客S.ベルコフスキーは、次のように批判する。「開発プロジェクトとしては、スコルコヴォは完成するだろう。しかし、イノベーション・センターとしては忘れ去られる。脱工業化社会において、すべてのイノベーションの担い手を一ヵ所に集結させるなどという考えは最初からバカげていて、そんなものを有望だと考えるのは我らがロマンチスト、メドヴェージェフくらいだ」。

 ただし、問題の本質は補助金の削減ではない。そもそも、イノベーション・プロジェクトに多額の公的資金を入れることは、想定されていない。スコルコヴォが発足した時点での基本的な考え方は、850億ルーブルを主にインフラ整備(建設だけでなく、国がプロジェクトの選定に直接かかわらなくて済むように専門家のインフラ(?)を構築することも含め)、初期段階にあるプロジェクトへの出資、強力な大学の創設に充てるというものだった。

 このうち、「強力な大学の創設」という構想は、すでに破綻している。本年1月、メドヴェージェフ率いる近代化・技術発展委員会は、各国営企業に対し、イノベーション予算の最大1%を、スコルコヴォ科学・工科大学の寄付基金に納入するよう指示した。現在のところこの指令を実行したのはロシア鉄道だけで、2011年の純利の1.5%に当たる2.8億ルーブルを基金に納入している。それに対し、ガスプロムなどは、メドヴェージェフが大統領の座を離れるのを見計らって、「全ロシア天然ガス研究所」を基盤に、自前のイノベーション・センターを創設することを発表した。

 イノベーション・プロジェクトを外部評価する原則にも変化があった。財団で仕事をしている専門家は、次のように証言する。「クレムリンのプロジェクトにお決まりのパターンだ。承認すべきプロジェクトは、上から降りてくる。しかも、ほとんどの場合、補助金を拠出しても、プロジェクト自体については忘れてしまい、ベンチャー投資の基本原則に反している。初期段階にあるプロジェクトに出資するという原則も破られている。財団では、既存の企業に多額の資金を供与する一方、起業への拠出はごくわずかなものとなっている。世界的には、30万ドル以上の出資は投資と見なされ、出資比率についての交渉が行われるのが通例なのに、スコルコヴォでは、『ほら、500万ドルやる』といった具合だ」。

 この夏までにスコルコヴォでは約550の入居企業が認められた。補助金供与の条件は、同じだけの額を外部借り入れできるというものだが、入居企業の一部はその条件を楽に満たした。たとえば、S.ベロウソフ氏率いる世界的なソフト開発業者Parallelsは2011年5月、財団から1.5億ルーブルの資金を受け、その同額を外部投資家にすら頼ることなく、自己資金から投資した。自動翻訳で知られるABBYYでも同様のケースが知られている。これらは皆、国の支援などなくとも充分にやっていける国際的な企業である。

 しかしロシアのベンチャー投資にとってそれ以上に有害なのは、以下のような事実である。すなわち、結局のところ、補助金の一部は各プロジェクトに、より細分化されて供与された。ベンチャービジネスの関係者は、良いプロジェクトを見付けることなど至難の業なのに、過去2年間は資金を求める者たちがスコルコヴォに殺到したと指摘する。スコルコヴォでは資金の額が大きい上に、出資の受入を要求されることもないからだ。スコルコヴォは、「ロシア・ベンチャー会社」や各種のベンチャー基金に道を開くのではなく、自分たちで良いところを占めてしまった。このような額を無償で提供するのだから、もしもスコルコヴォのマネージャーたちがキックバックをとったとしても、驚くには値しないと、関係者は指摘する。(この段落、全体に翻訳自信なし)

 2010~2011年にはスコルコヴォに100億ルーブルが費やされ、2012年にも220億ルーブルが費やされることになっているのだ。(続く)


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20120908amkar

 今回のロシア出張で、初めてペルミを訪れたので、当地のサッカー・クラブ「アムカル・ペルミ」の本拠地であるズヴェスダ・スタジアムを眺めてきた。私がペルミに滞在した折にはアムカルのホームゲームはなかったので、例によってスタジアムの外観だけ写真に収めて帰ってきた。

 しかし、私はロシア圏の地方都市に出張に行くと、こうしてサッカー・スタジアムの外観だけでも眺めて帰ってくるようにしているので、場末のひなびたスタジアムには免疫が出来ているつもりだけど、今回のズヴェズダ・スタジアムのショボさには思わず笑ってしまった。スタジアム自体は街の中心近くの便利な場所にあるので、昼休みを利用して徒歩で見に行ったのだけれど、団地の中庭のようなところにそのボロ・スタジアムは忽然と姿を現した。私は「アムカル」というクラブ名は世界で最も無粋なサッカーチーム名ではないかと思っているのだが(アンモニアの「アム」、尿素の「カル」の合成語。当地が化学肥料産地であることにちなむ)、スタジアムの佇まいもクラブ名から受けるイメージとたがわぬものだった。

 それにしても、ロシア・プレミアリーグは内部の格差が激しすぎる。上位6チームくらいはUEFAのコンペティションに出場してもそこそこ戦えるだけの財務力・チーム力を有する。しかし、地方都市のその他大勢のクラブとなると、とたんにこの有様である。ジェフ千葉を追われ、海外に活躍の場を求めた巻誠一郎は、このスラム然としたズヴェズダ・スタジアムを目にして、どう思っただろうか。あの暖かなゆりかごのようなフクアリから、この刑務所の運動場のようなスタジアムに突き落とされた男の気持ちたるや。まあ、そこで奮起して這い上がってほしいところだったが、残念ながら巻はロシア・プレミアリーグに9試合出場して1得点も挙げることができなかった。当然、ペルミではもはや巻のことを覚えている向きは稀であろう。まあ、巻はともかく、本田圭佑も日常的にこうした舞台で戦っているわけで、苦労が忍ばれる。

 もう一つ、痛感するのは、サンクトペテルブルグやカザンあたりは別として、ロシアの地方都市では、地元サッカー・クラブへの関心がきわめて低いという点である。今回も、アムカルについて、何人かのペルミの人に話を振ってみたが、皆一様にほとんど興味がなさそうだった。


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 サッカー・ロシア代表の監督に、イタリア人の名将カペッロ氏が就任し、本当であれば本ブログ/HPでそれに関する記事を書きたかったのだが、その余裕がないまま時間だけが過ぎた。そして、本日9月7日、2014ブラジルW杯のヨーロッパ予選がスタートする。ロシアは本日モスクワ時間19:00から、モスクワのロコモティヴ・スタジアム(28,800人収容)で、北アイルランドを迎え撃つ。代表戦なのにルジニキを使わないというのは面白いが、確かに現時点のモスクワで一番良い感じのサッカー専用スタジアムはロコモティヴのそれなので、悪いチョイスではないかもしれない。残念ながら、私は今晩の便で日本に帰国することになっており、今シェレメチェヴォ空港でこのエントリーを書いているわけだが、19:20搭乗ということで、試合を観ることはできない(涙)。残念。

 まあ、カペッロ体制初の公式戦ということで、あまり多くは望めないかもしれないが、現地『ソヴィエツキー・スポルト』紙(2012年9月7日号)によると、ロシアの選手総額が2億390万ユーロ、北アイルランドのそれが2,600万ユーロと10倍近い開きのある相手だけに、できれば快勝して弾みをつけたいところだろう。

 ロシア代表からは、アルシャヴィン、パヴリュチェンコといったベテランが姿を消した。また、ユーロで守護神を務めたマラフェエフも本人の意思で代表引退ということのようである。今回のチームでは、ゼニトのデニソフがキャプテンマークをつける。

 『ソヴィエツキー・スポルト』紙の予想フォーメーションは4-2-3-1で、顔ぶれは以下のとおり。

              ケルジャコフ

  ジャゴエフ       シロコフ      ブィストロフ

      グルシャコフ          デニソフ

コンバロフ  イグナシェヴィチ  V.ベレズツキー  アニュコフ

             アキンフェエフ

 今回召集されたメンバーを見ると、海外組はゼロ、1人(アンジ・マハチカラのGKガブロフ)を除いて全員がモスクワの4クラブおよびゼニト・サンクトペテルブルグから選ばれるという、非常に「首都色」の濃いものとなっている。急増チームで大丈夫かという質問に対し、カペッロ監督は、ゼニトの選手がチームの骨格を成すのでコンビネーションに不安はないと答えている。


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 こちらこちらの記事によると、ロシアの沿海地方知事から地域発展省次官に転身したS.ダリキン氏は、沿ヴォルガ連邦管区を担当することになったとのことだ。次官に就任した際に、極東・シベリアは担当しないという発表が政府報道官からあったが、その発表どおり、本人の出自とは関係のない管区を担当することになった。

 ダリキン次官は、沿ヴォルガ管区の社会・経済発展プログラムの策定に参加することに意欲を示しているという。また、沿ヴォルガ管区の大統領代表部が置かれているニジニノヴゴロド市に、地域発展省の管区支局が設けられ、ダリキン次官の管轄下に置かれるということである。

 ダリキンの担当以上に本質的な問題として、これらの記事の中で伝えられている重要な情報は、地域発展省の管区支局に関する規程を登記する作業が現在司法省で進められているという点である。この文書が承認され次第、管区ごとの省の支局の組織形成と人事が進められるという。ダリキンの例に見るように、地域発展省の各次官が特定の連邦管区を管轄し、また各管区で形成される省の支局を指揮するという体制になるようである。しかし、言うまでもなく、大統領のラインの連邦管区全権代表・代表部の制度があり、地域発展省の新体制がそれと重複・競合する恐れがある。極東の場合には、さらに極東発展省があるわけだから、事態はさらに複雑だ。個人的に、このあたりの情勢についてのウォッチを継続していきたいと思う。


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 ロシアには稀な、山の風景。バシコルト共和国内を車で移動中に撮​影。写真、一応補正はしたけど、見づらくてすいません。ロシアは​大平原の国なので(ヨーロッパ部に関して言えば)、山の景色は相​当レアである。さすがバシコルトスタン、伊達にウラル山脈沿いに​位置していない。左手に見える急峻な山は、色や形からしてボタ山​かとも思ったが、運転手いわく、天然の山とのことだった。

 ロシアの現在の連邦管区制度では、バシコルトスタン共和国やペル​ミ地方は沿ヴォルガ管区に位置付けられているが、やはりこれは不​自然。地理的に言っても、本人たちのアイデンティティからしても​、やはりウラル管区に編入されるべきだろう。現に時間帯は他のウ​ラル諸地域と同じスヴェルドロフスク時間になっているわけだし。今回の現地調査で、改めてそう感じた。


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 ロシアのバシコルトスタンでの現地調査が終了した。本日7日の東京便で帰国予定。バシコルトスタンについてはまたそのうちまとめの文章でも書きたいが、とりあえずちょっとだけ触れておく。

 ウファ市内で現地調査の仕事が一段落し、夕方街を散策していたところ、教育大学の前で、何やらバシキー​ル人の民族的なパフォーマンスのようなことをやっていた。監​督のような人が時折ストップをかけて指導をしたりしていたので、​たぶん何かのイベントのリハーサルみたいなものだと思う。当地は人々​の顔立ちが多様で、完全にアジアという人もいれば、どう見てもロ​シア人という人もいるけれど、それに関係なく仲良くバシキール舞踊​に興じる様子が、微笑ましかった。

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 さて、一昨年タタルスタンのカザンに出向いた際は、民族料理店が普通にあったので、今回のバシ​コルトスタンのウファでもそういうレストランがあるだろうと期待​していたのだけれど、そういうものは街中にほとんど見当たらない​。ウファ市内での調査日のお昼時に、せっかくウファまで来てマクドナルドは嫌だなあと思ってしばら​く辺りをさまよったところ、良い感じの店を発見。ファーストフー​ドとレストランの中間くらいの「ビストロ」と称する業態で、ショ​ーケースの中にある食べ物を選んでレジで支払いをすると、番号を​渡され、自分の好きな席に着けば番号を見てウェートレスが食べ物​を運んできてくれるという方式。なかなか便利。肝心の食べ物も、なかなか良かった。必ずしもバシキール料理店と​いう感じでもないのだけれど、地元庶民の店なので、一応それっぽ​い食べ物もある。せっかくイスラム圏に来たので、羊をチーズで覆​って焼いたようなメインと、ごはん、「チェチェヴィーチヌィー」​というチョルバのようなポタージュスープ、「アンカラ・サラダ」​を頼んで、319ルーブル、800円弱だった。味も量も大満足。要するにトルコ風の食べ物が多いということかな。結局、2日半バシコルトスタンに滞在して、現地ならではの食体験はこのビストロだけだったけど、これがあっただけでもよかった。

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 最新の『コメルサント・ヴラースチ』誌(2012年9月3日号、No.35)が、時節柄、ウラジオストクAPEC、ロシアとアジア・太平洋諸国の関係に関する特集号となっている。この号を眺めていて、個人的に特に重要だと思ったのが、以下の点である。すなわち、APECの首脳に対し、ビジネスの立場から提言を行う枠組みとして、「APECビジネス諮問委員会(ABAC)」というものが存在する(ちなみに、日本では経団連がその事務局を務めているようで、こちらがそのウェブサイトとなっている。)当然のことながら、本年はABACもロシアが議長国であり、ロシアのZ.マゴメドフ氏(「スマ」グループ会長)が議長を務め、APECサミットに向け実業界の意見を集約してきた。その結果、ABACとしては以下のような4つの柱の提言を首脳たちに示すことになったという。

 第1に、ヨーロッパ←→アジア間の貨物輸送に、シベリア鉄道をより一層活用する。現状ではヨーロッパ←→アジア貨物の1%がシベリア鉄道経由にすぎず、北極航路に至ってはまったく活用されていない。

 第2に、食糧需要の増大するアジア・太平洋地域の食糧安全保障を確保するため、ロシアが穀物供給国の役割を果たす。そのために、ロシア極東に穀物積出・保管施設を建設する(実際にスマ・グループが計画中)。

 第3に、ロシアにおけるエコタウンの建設と、それに向けた技術導入。

 第4に、APECの枠内で技術移転に関する契約条件を共通化するルール作りを進める。貿易におけるインコタームズのようなものを目指す。

 と、以上のようなことであるらしい。APEC全体というよりは、ロシアの利益に(さらに言えばスマ・グループの利益に)主眼があるような気がしないでもないが。

 あと、『コメルサント・ヴラースチ』誌の当該号では、シベリア・極東の資源開発およびインフラ整備状況を示したこちらの地図などが便利で良いかもしれない。


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 こちらのニュースによると、ロシアはモルドバからの分離独立を唱える「沿ドニエストル共和国」に年内にも総領事館を開設する意向である。8月30日、ロシアのF.ムハメトシン駐モルドバ大使が、沿ドニエストル共和国のN.シタンスキ外相にその旨を表明した。現在のところ、沿ドニエストルの首都チラスポリには、ロシア市民にサービスを提供する駐モルドバ大使館の出張所だけが設けられている。沿ドニエストル側は長らくロシアの総領事館開設を求めてきたが、そのことが独立承認への第一歩となることを恐れたモルドバ当局が反対し、実現してこなかった。


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 以前の記事で報告したとおり、ユーロ2012の敗退の責任をとる形で、ロシア・サッカー協会のS.フルセンコ会長が6月に辞任した。その後任を決める投票が9月3日に行われ、オリンピック委員会のN.トルスティフ専務理事が新会長に選出された。本件に関する9月4日付『コメルサント』紙の報道振りを、以下のとおり抄訳しておく。

 ロシア・サッカー協会の会長選挙は、トルスティフ氏の勝利に終わった。これは、ロシア・サッカーにおける新たな変革の開始を意味するかもしれない。というのも、トルスティフ氏は、過去数年間進められてきた改革の反対者だったからだ。従来の改革を推し進めてきた主要クラブのオーナーたちは、今回の会長選でトルスティフのライバルであるS.プリャトキン(ロシア・プレミアリーグ会長)を推していた。

 トルスティフは1990年代からロシア・サッカー界の顔役だったわけで、昨日の選挙で勝ったことにより、その最高指導部に復帰したことになる。トルスティフは当時、ディナモ・モスクワの幹部を務めるかたわら、「プロ・サッカー・リーグ」の会長を務めていた。「プロ・サッカー・リーグ」はかつてすべてのカテゴリーのプロ・リーグを束ねていたわけだが、ロシア・プレミアリーグの登場に伴い下部の2つのカテゴリーを合同し、2010年にS.フルセンコ・サッカー協会会長の圧力もあって解散となった経緯がある。

 以前にもトルスティフは協会会長の座を目指したことがある。1998年にも会長選に出馬したのだが、わずか8票しか獲得できず、四半世紀も会長の座にあったV.コロスキー氏に完敗したのだった。その7年後に、クレムリンも介入することで、ようやくコロスキーは会長の座を明け渡した。

 昨日の選挙は出来レース的な見方をされ、トルスティフの当選が確実視されていた。すでに夏の時点でV.ムトコ・スポーツ相がトルスティフを支持し、それは政権側の総意であると思われたからだ。しかし、選挙の会場であるホテル「ルネサンス・モナルフ」に集まった参加者は真剣そのもので、ガチの選挙の様相を呈した。もっとも、7人の候補者のうちV.トゥマノフは、「最初からトルスティフが勝つに決まっている」と称して、会場に現れなかったが。それでも、プリャトキン候補を推していたCSKAモスクワのYe.ギネル社長などは、議事進行につき、まず49名の新会員を協会に受け入れる決定を下してから、その後に会長選挙を行うべきだと主張して、N.シモニャン会長代行に大変な剣幕で詰め寄っていたという。

 投票前の演説でそれぞれの候補は熱弁を奮った。しかし、当然のことながら、参加者の注目は、トルスティフとプリャトキンという2人の主要候補に集中した。両者とも、地域協会の代表者へのアピールを強く打ち出し、地域の状況に配慮する姿勢を示した。それも当然であり、地域協会は75%もの票を持っているのである。ただ、トルスティフの方は、「サッカーは国家的なスポーツ種目である」と述べ、権力の支援なくしてその発展はありえないとの考えを示した。一方、プリャトキンの側は、選出されるのは個人ではなくチームであると述べ、自らがプレミアリーグの主要クラブの豊富な人脈をバックにしていることをほのめかした。彼はこれまでもプレミアリーグのビッグクラブの利益を代表してきたのである。

 第1回投票の結果、トルスティフが139票、プリャトキンが118票を集め、残りの泡沫候補たちは合計で17票だった。第2回投票までの間の時間にはめまぐるしい動きがあり、泡沫候補がトルスティフまたはプリャトキン支持を訴えて出馬を取り下げる動きなどがあった。プリャトキンは、投票が行われるホテルの2階と、ビッグクラブの代表者たちが詰めている1階の間を行ったり来たりしていた。一方、トルスティフは、実は第2回投票で139票を維持すれば勝てたのだが、陣営では「寝返り」が出ることを危惧していた。

 結局、第2回投票で、トルスティフが148票を、プリャトキンが124票を得票し、前者が勝利したわけである。実際のところは、プリャトキンの得票は立派なものだった。プリャトキン陣営は70の地域協会のうち32を抱き込むことに成功したとされる。しかも、会長選挙後に選出された新会員49名は、ほぼ全員がプロ・チームの代表者であり、したがってプリャトキン派に近いと考えられる。ロコモティヴ・モスクワのO.スモロツカヤ社長はすでに、既存の会長選挙方式は、地域協会が75%という過大な票を有しており、これをクラブの票を増やす方向で改変すべきだと唱えている。

 かくしてトルスティフ新会長は、ロシアのサッカーを発展させ、S.フルセンコ前会長が残した8億ルーブルに上る債務を返済するための資金集めを迫られるだけでなく、どうやら同じくらい切実な問題にも直面しそうである。つまり、協会内に、自らと考えを異にする大グループを抱え、彼らとの妥協を探らざるをえないわけである。トルスティフはこれまで、プレミアリーグがゴリ押しする形で導入された秋春制への移行や外国人枠の緩和には、反対してきた。会長選出後、トルスティフは、物議を醸す提案は慎重に検討する必要がある、何がロシアのサッカーのためになるのか、ならないのかについて、お互いを説得するよう努めなければならないと述べた。トルスティフは平和的な議論に期待していると述べたが、どうやら対決は避けられそうもない。


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 先日の記事で、ロシアの地場乗用車メーカー「AvtoVAZ」が、電気自動車の生産を計画しており、モスクワ国際自動車サロン(MMAS)にも出展する予定だということを書いた。今般、私がMMASを見学したところ、確かにその電気自動車「El Lada」が展示されていた(写真)。

 そして、こちらのニュースによると、AvtoVAZの大株主であるロシア・テクノロジーズ社のチェメゾフ社長が、125万ルーブルで同車を買い、購入者の第1号になったということである。


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 引き続き、ロシア出張中だけど、どうもホテルの部屋が暗くて、パソコン仕事をする気にならんなあ。なので、無駄話。

 今回、ロシアに来て感じたのは、キティちゃんのブームが相当来て​いるのではないかということ。ちっちゃな女の子が、リュックなど​、キティちゃんグッズを身に着けていることが多い。ロシアは今、​ちょうど新入学シーズンであり、日本でランドセルを買ってもらう​ように、キティちゃんリュックを買ってもらっているのかもしれな​い。本日も、ペルミのショッピングセンターに立ち寄ったら、専門​ショップがあった(写真)。ロシアでは、従来、こういう女の子にターゲッ​トを絞ったかわいいキャラクターはなかったはずで(よく知らんが​)、これはすごいニッチを掘り当てたと言えるかもしれない。


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 引き続き、8月29日付の『コメルサント』紙に掲載されたロシア極東・ハバロフスク地方の新旧知事の対立に関するレポートの抄訳をお届けする。今回で完結である。

 ハバロフスク地方では、2013年6月に知事の任期が切れ、同年9月には8年振りの知事選挙が実施される。イシャーエフは、シポルトとの協力関係を築くか、新たな候補を探すか、決断を迫られている。体制側から出馬する可能性があると考えられているのは、シポルト現知事と、地方議会議長にして「統一ロシア」地方政治評議会書記のS.ホフロフである。選挙まで1年という現時点で、両者のチャンスは五分五分とされている。

 前出のコヴァリチュークは次のように述べる。「イシャーエフはすでにホフロフに乗ると決めたようだ。ホフロフは、熱血漢で、コントロールが効かない面はあるが、「統一ロシア」の中でも、地方政界の中でも、影響力を有している。ホフロフは、シポルトにとって手強いライバルだろう。ホフロフを排除しようとすれば、議会を敵に回してしまうので、シポルトとしてはあからさまにホフロフと対決するわけにはいかない。現時点ではホフロフの勝機の方がやや大きい。というのも、今日のロシアではより強力な知事が要請されているからである」。

 ブリャヘルも、次のように指摘する。「モスクワは一頃、国中で、地域の重鎮を、自発性のない新知事たちですげ替えてしまい、その結果各地域の実績が低下して、野党や批判票の拡大を招いてしまった。今日では、知事の生き残りの方法は、2つしかない。弱い知事としてモスクワ向けの指標だけ達成し、モスクワからのテコ入れに依存するか、あるいは強力なリーダーとして地域の発展に尽くすのかの、どちらかだ」。

 前出のヤルリンは、「シポルトにとって現在必要なのは、チーム内の粛清を行うこと。その上で、自らの誤りをはっきりと認めて、まずはイシャーエフとの話し合いに乗り出すことである」と指摘。再びコヴァリチュークは、「イシャーエフは、持ち上げられると喜ぶタイプである。シポルトはイシャーエフに対し、継続性を示し、我々は貴方の功績を認めているという態度を示すべきだ。そうすれば、代表部の支援を得られ、シポルトは立派な後継者だというイメージを作れるかもしれない」と述べる。

 一方、ヤルリンは、「イシャーエフ自身、口頭レベルでは、冗談交じりに、ハバロフスク地方知事に復帰するかもしれないと述べている。これはもしかしたら、自分は地方内の状況に不満である、自分は情勢を注視しているというメッセージを打ち出そうとしているのかもしれない」と指摘する。


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 すでにお伝えしたモスクワ国際自動車サロン(MMAS2012)についての追加情報。こちらの記事によると、同モーターショーでは34モデルのコンセプトカーが展示されている。コンセプトカーを出展しているのは、BMW、オペル、キャデラック、インフィニティなどである。

 MMAS2012では、14のワールドプレミア、20のヨーロッパプレミア、85のロシアプレミアが行われる。ワールドプレミアの数は、過去最高である。全部で約170モデルが展示される。


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 こちらの記事が、2010年にロシア・サマラ州のトリヤッチに創設された工業生産特区の現況について伝えている。

 これによれば、トリヤッチ特区に入居した一連の企業は、2015年までには本格的な生産を開始し、州の経済に多大な影響をもたらすようになる。州行政府が、このほどそのような見通しを発表した。州行政府のA.コベンコ経済・投資・商業省が述べたところによると、初期に入居した企業は工場建設地の準備作業に着手している。第1号の入居企業は2013年にも建設を開始するはずである。しかし、更地の状態で、入居企業とやり取りすることはきわめて困難である。第1号の入居企業が急ピッチで建設に取り組んでいるのを見れば、ほかの企業もにわかに活発になるだろうと、大臣は述べた。現在のところ、特区の入居契約を結んだのは5社で、年末までには7~10社にまで増える見通しだ。その10社は2015年までに本格的な活動を開始し、そうなれば州経済に多大な効果が見込める。コベンコ大臣は、インフラの整備状況は中程度であり、その整備は入居企業自身の建設作業とタイミングを合わせる形で進めていく、敷地外部のインフラの敷設は2013年中にも終えたいと語った。大臣によれば、トリヤッチ特区に入居を希望する企業は「かなり多く」、数十社と活発に交渉を行っているという。

 以上が記事のあらましである。要するに、作業は大幅に遅れており、そのせいもあって入居企業は一向に伸びていないと理解しておけばいいだろう。


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 引き続き、ロシア出張中。本日(2日、日曜日)、モスクワから、ウラル地方のペルミ市に移動した。

 それにしても個人的に迂闊だったのは、モスクワとペルミの間に時​差があるということ。しかも2時間! あんまりよく認識していな​かったけど、今のロシアにはモスクワ時間+1という地域がなくて​、いきなり+2になるわけか。多くの地域がモスクワ時間に合わせ​ているけれど、このあたりから限界になって、いきなり+2になる​わけか。なるほど。

 びっくりしたといえば、こちらの寒さにもびっくり。数日前までい​た東京が真夏で、モスクワが秋で、ペルミが冬という感じ。本日の​日中の気温は6度くらいで、雨も降っていたし。思わず衣料品店に​駆け込んでセーターを買った。

 本日は日曜日でわりと自由な時間があったので、とりあえず市内を散策。完​全な工業都市と思い込んでいたペルミが、意外に立派な文化都市な​のに驚いた。博物館も美術館もすごく立派で、特に当地で17~1​8世紀に栄えたペルミ木像彫刻のコレクションは見応えがあった(​写真)。


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 引き続き、8月29日付の『コメルサント』紙に掲載されたロシア極東・ハバロフスク地方の新旧知事の対立に関するレポートの抄訳をお届けする。

 関係者によると、シポルトとイシャーエフの対立という話は、最初は噂から始まった。シポルトの側近は対立ということを否定している。しかし、ハバロフスク地方において、2011年12月の下院選で与党「統一ロシア」が38.1%、2012年3月の大統領選でプーチンが56.2%しかとれなかったことを受け、イシャーエフは地方行政府を明確に批判した。イシャーエフは、「2008年大統領選では、体制側の候補が当地で64%得票している。厳しい結論を下さざるをえない。我々は選挙戦を分析した。多くの地域では、知事や市長が自らの功績ばかりPRし、連邦政府や首相の役割には言及すらしないことすらあった」と指摘した。

 一部の専門家は、地方と代表部の対立ということには根拠がなく、両者が良好な関係を築ける可能性はあると考えている。前出のブリャヘルは、イシャーエフとシポルトの対立という話は神話にすぎず、シポルトの側近たちにとっては本物の政治的事件が存在しない中でバーチャルなものであっても対立が必要なので、火のないところに煙を立てているのだと指摘する。実際、何か失敗したときに、イシャーエフあたりのせいにできるのは、好都合である。

 イシャーエフの側はこのゲームからは距離を置き、政策的な観点から知事を失政することを続けている。しかし、イシャーエフが批判しているのは単に嫉妬にすぎないと周囲がシポルトに吹き込んでいるので、シポルトは失政を改善しようともしないというのが、ブリャヘルの解説。コヴァリチュークも、シポルトの側近たちは彼に、貴方は偉大であり、我々は素晴らしいチームだということを吹き込んでおり、代表部はそれを問題視していると指摘する。(続く)


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 8月31日から9月9日までモスクワで開催されるモーターショーに関し、8月31日付の『ヴェードモスチ』紙が紹介記事を載せているので、それを抄訳しておく。

 8月31日から9月9日まで、クロックス・エクスポ見本市会場において、モスクワ国際自動車サロン(MMAS)が開催される。MMASは比較的歴史の新しいモーターショーで、2年に1度開かれているが(クロックスで開かれるようになったのは2006年から)、すでにパリ、ジュネーブ、デトロイト、フランクフルトといった歴史のあるモーターショーと同等のAカテゴリーを付与されている。これまで、夏の終わりというモスクワの開催時期は、不利と思われていた。というのも、多くのメーカーは8月のパリのモーターショーで目玉となる新モデルを発表するからである。しかし、ロシア市場は年々重要性を増し、それは大衆車だけでなくプレミアムクラスについても同様である。それゆえに、今回10以上のモデルのワールドプレミアがパリではなくここモスクワで行われるのも、驚くには値しない。ロシアの専門誌『ザ・ルリョーム』のA.チュイキン編集長は、「MMASはパリとますますしのぎを削るようになっている。というのも、ヨーロッパではドイツを除いて販売が振るわないのに対し、ロシアでは危機があろうと国民が自動車に投資しようとすることを、メーカー側が良く分かっているからだ」と指摘する。

 実際、今年のMMASには世界およびロシアの主要ブランド・メーカーがこぞって出展している。そのなかでモスクワでワールドプレミアを行うのは、アウディー、ベントレー、BMW、シトロエン、ジャガー、ランドローバー、マツダ、メルセデスベンツなどである。見本市の訪問者は、サンタフェ(ヒュンダイ)、ジューク(日産)、ソレント(起亜)、グランド・ヴィターラ(スズキ)といった大衆的なクロスオーバーSUVの新型車を体験できる。むろん、中価格帯のシトロエンC5、日産アルメーラ、オペル・アストラ・セダン、マツダ7などの新モデルに触れることもできる。

 専門家のP.メニシフ氏によれば、アルメーラはロシアできわめて人気の高いモデルだが、今回発表される新アルメーラに至ってはロシアの道路および気候条件を考慮してロシア向けに特別に開発されたモデルであり、今回のMMASの目玉になるという。同モデルはトリヤッチで生産され、ロシアの国民車の座をうかがう車であるという意味でも、興味を引きそうだ。本年末までに、我々はAvtoVAZ・ルノー・日産という強力な連合の成果を目撃することになり、そのことはロシアの自動車産業が代用的なものから完全なものへ、世界レベルへ移行する重要な一歩となるはずだと、メニシフは指摘する。

 クロックス・エクスポでは、シボレー、ヒュンダイ、起亜、レクサス、リファン、日産、ロールスロイス、双竜、スズキ、フォルクスワーゲンなどの新型車のヨーロッパ・プレミアも行われ、約20のモデルに上る。さらに、ロシア・プレミアは80以上に上り、MMAS2012の規模の大きさがうかがえる。展示面積は10万平米を超え、出展者は100社以上を数える。来場者は100万人を上回る見通しである。

 MMAS2012の唯一の難点は入場料が高いことで、最初の3日間は800ルーブル、9月3~9日は600ルーブルとなっている。また、会場には駐車スペースはかなりあるものの、道路が渋滞するので、主催者は地下鉄での来場を勧めている。


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 8月31日付の『ヴェードモスチ』紙によると、ロシアの大手インターネット企業グループ「Mail.ru Group」はこのほど、ウクライナの同名のドメイン「Mail.ua」およびそれが展開するサービスを買収したことを発表した。ウクライナ側の元々の所有者はInternet Invest Groupだった。Mail.uaはウクライナの30万人の顧客に対しeメール・サービスを提供していたが、それをすべてMail.ruが引き継ぐ。同社はすでにキエフに事務所を開設するなどウクライナ進出を進めてきており、今回の買収はその延長上にある。Mail.ruではメール・サービスのウクライナ語のインターフェースも2012年3月にすでに立ち上げていた。今回の買収の金額は50万ドル程度と推定される。Mail.ruのサイトはウクライナでも人気があり、1,457万人と推定されるウクライナのインターネット・ユーザーの56%に当たる800万人がそれを利用していると見られる。これはウクライナ市場で4位の順位となる。Mail.ru Groupのすべてのサービスを合計すると、ユーザーは930万人にまで拡大し、ネット・ユーザーの65%をカバーしていることになる。これを上回るのはGoogleの7,150万人だけである(注:ウクライナの人口数を超えてしまっており、71.5%の誤りではないかと思われる)。Yandex.uaは49.8%で5位にすぎない。


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